奥田英朗のレビュー一覧

  • 噂の女

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    読んで、だから何?って感じではあるけど、読みやすくて面白い。
    後妻業みたいな。
    そして白夜行みたいに、「噂の女」自身の目線にはならないが、いろんな人物から語らせて、「噂の女」が見えて来る。
    そして完結している短編ながら、時間は経過していき、次の話の時には妊娠していたり出産していたり、すでに新しい男がいたりというのが面白い。

    最後、どうなるのかは分からないが、結末としても痛快!

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    2021年07月01日
  • サウスバウンド

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    ネタバレ

    反政府主義の過激な思想を持つ父親に振り回される主人公二郎(小6男子)の話。

    前半は中野で暮らす二郎が、ヤンキーに絡まれたり父親が教師に迷惑かけてたり、父親の居候のアキラおじさんに面倒なこと頼まれたりするので、ひたすら二郎が気の毒。

    一郎(父)が聞くと激怒しそうだけど、こんなお父さんの元に生まれたのが心底可哀想。

    一郎は作家?らしいけど、どう見ても稼ぎが悪そうだし、思想が傾きすぎてて普通の家庭訪問すらままならない(教師にめんどくさい議論を持ちかける)。
    自分だったら本当に嫌だ…

    なんやかんやあって一家は西表島まで跳ぶことになる。これがサウスバウンドかと、なるほどねーってなるのが前半。

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    2021年06月20日
  • 無理(下)

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    ゆっくりと下落していく人生。速度が緩やかなので墜ちていっていることにも本人たちは多分気づいてなくて、最後にはいつのまにかカタストロフが訪れると言う(いつもの)パターン。巻き込まれてるのね。
    あとこの作品の主役は、舞台ともなっている、日本のどこにでもある陰惨な地方都市。都市と打とうとして地方土地とタイプミスしちゃったけど、案外この造語の方がしっくりくる。そんな田舎都市。

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    2021年06月19日
  • マドンナ

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    社会人経験もそれなりになってきたので、おじさんたちの苦悩に共感できる…
    ダンスとパティオが好き。
    奥田英朗は老若男女全ての心情を上手に描けてて、ほんとによく人間観察出来てるなぁと感心。

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    2021年05月28日
  • イン・ザ・プール

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    内容を諺に凝縮するならば、「人の振り見て我が振り直せ」。

    患者は、伊良部一郎という自由人に接することで、自ら大きな気づきを得る。

    読者も笑いながら呆れながら、気づきを得ることだろう、何かしら大事なことについて。

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    2021年05月25日
  • マドンナ

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    40代男性管理職の悲喜こもごもが軽快に描かれ、とてもおもしろかった。
    夫婦喧嘩のような会話がテンポが良く、どちらもそうだな。と思えた。各物語のラストも良かった。
    「マドンナ」はわかるなあ。

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    2021年05月04日
  • オリンピックの身代金(下)

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    展開が早く、どんどんスピードを上げていく感じでした。
    結局島崎はどうなったのか?
    真っ直ぐで純粋な青年であった島崎は何かに、憑かれたように前進していった。
    切ない気持ちが残りました。

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    2021年05月04日
  • オリンピックの身代金(上)

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    前から読みたいと思っていた一冊。
    いつもの奥田英朗さんとは別人のような内容です。
    時系列はバラバラですが、読み始めると違和感なく内容が頭に入ってきました。
    東大院生の島崎国男。
    同級でテレビ局に就職した須賀忠。
    警視庁の落合昌夫。
    3人の視点から語られます。
    何も怖い描写があるわけでもないのに怖いような気持ちになりながら読み進めました。朗らかさが返って怖い。そして今のこの時代にも当てはまることが多すぎて尚更怖い気持ちです。
    この後どうなっていくのか下巻が気になります。

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    2021年05月02日
  • イン・ザ・プール

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    読みやすく面白い

    ドクター伊良部シリーズ第1巻です。
    精神科の医師伊良部が、様々な症状の患者さんと関わっていくお話ですが…
    精神科ときくと、深刻な思いは無しに思われがちですが、内容はめちゃくちゃ明るい愉快な話です。
    名医?迷医?であり、めちゃくちゃ変人でどこか愛嬌のある伊良部が、様々な方法で患者さんを癒していく短編集です。
    考えてした治療なのか、結果的によかったのか、謎な部分もありますが…読後感は爽やかでスッキリします。
    私にとって初奥田英朗さんでしたが、とても好きな作家さんになりました。
    おすすめします!

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    2021年04月09日
  • サウスバウンド

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    奥田英朗さん伊良部先生シリーズ以来。予想以上に面白かったなー!小学生上原二郎くんの成長譚のような、父親一郎の武勇譚のような、強い絆を描いた家族譚のような、すごいてんこ盛りの二部構成。二郎の父親は伝説の元過激派。官公に怯まず論破する姿が型破りで強烈。国に所属しない自由は新鮮で笑っちゃった。そういえばうちの亡き父も若い頃学生運動に参加したって言ってたなぁ。こんな究極のアナーキストじゃなくて良かったよ。楽しそうだけど自給自足の生活はさすがに嫌だ(笑)。久しぶりにドーパミン分泌しまくりの一冊でした!

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    2021年03月19日
  • 沈黙の町で

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    読み応えありの一冊です。

    イジメがテーマなだけに読んでいる間中、不快な気分になりますが内容はノンフィクションかと思えるくらいリアリティに溢れています。

    とにかく登場人物の描写が丁寧で素晴らしいです。
    グループ内の子供達はもちろん、それを囲む親達、先生、検事、弁護士 それぞれの顔が浮かんで来るくらいの人物描写でした。

    イジメの被害者、加害者とは簡単に言えないくらいの背景で色々な事を考えさせられます。

    読後感は決して良くはないけれど一気に読めた作品でした。

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    2021年01月27日
  • 沈黙の町で

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    いじめを受けていた中学生が転落死という、センシティブなテーマを学校、親、同級生など関係する様々な人の気持ちから描いた。いじめられる子にはそうなる理由もあると思ったりもした。身近にはこのような状況にはないが、色々と考えさせるストーリー展開だったのは作者の素晴らしい構成力によるものだろう。

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    2021年01月24日
  • イン・ザ・プール

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    イラベ? イラブ? どっちだろう??
    続編もあるんだね。絶対笑えるに決まってる。読みたい!
    奥田英朗さん、面白い人なんだろうな~。

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    2020年12月19日
  • 沈黙の町で

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    とある中学校で生徒が転落し死亡した。事故なのか事件なのか、子供達を聴取していく中でいじめがあった事がわかる。友達を庇ったり、友達を裏切ったり、経験が浅いことからくる浅はかな考え。中学生とは一番不安定な時期なんだということが描かれている。名倉君のひとりごとは何だったのか、最後にもやもやした気持ちが残った。

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    2020年11月30日
  • オリンピックの身代金(上)

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    続きが本当に気になって面白かった
    時系列がバラバラになりすぎておらず混乱しないですむちょうどいい塩梅だったので読んでいて楽しい

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    2020年10月31日
  • 真夜中のマーチ

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    めちゃめちゃ面白い犯罪作品 - 奥田英朗「真夜中のマーチ」 ★★★★★

    クソおもしろい!人生で一番面白い犯罪小説だわ。
    詐欺師、ヤーさん、中国マフィア、ミタゾウ達の思惑が混ざりあって疾走感抜群の犯罪劇が展開されます。興奮が止まりません。まるでオセロゲームのように逆転に次ぐ逆転がおきます。ヤーさんのボスの悲劇が悲劇過ぎてついニヤニヤしちゃいました。
    主役の3人だけでなく脇役たちもキャラがはっきりしていて生き生きしています。
    夜ふかし必至の勢いで読んでください。

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    2023年10月27日
  • オリンピックの身代金(上)

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    ネタバレ

    『オリンピックの身代金』上・下巻


    先日読んだ『罪の轍』にも登場していた
    警視庁捜査一課5係の面々

    数年前に読んだ
    『オリンピックの身代金』にも登場してたということなんだけど
    もの凄く面白かったという以外
    殆ど記憶に無かったので、意を決して再読


    本書も、文庫で上下巻
    新刊に至っては、2段組みの分厚いハードカバーだったなぁーと


    長い道のりに、少し腰が引けたけど…
    結果、再読して正解!


    えぇー!こんな結末だったっけー⁈

    私の記憶とは、こんなモンです…笑



    昭和39年10月10日に
    アジア初のオリンピック開催を控えた日本

    敗戦から約20年が経ち
    先進国の仲間入りが果たせると

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    2020年08月19日
  • ララピポ

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    大好き。
    特に玉木小百合さんが好き。

    『a lot of people』
    人がたくさん。
    いろんな人の気持ちを知ることができる小説。

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    2020年08月01日
  • 沈黙の町で

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    登場人物、各々の視点から事故?(と私は思ったのだけど)が浮き彫りにされて、その都度都度でいろんな想いになった。…それでもこの街で生きていかなければならないのかぁ。やっぱり奥田英朗さんはいいなぁ〜

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    2020年07月16日
  • 沈黙の町で

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    中学2年生は、精神的にも肉体的にも見た目にも大人として扱われることはないが、中学生活には慣れ、親に反抗したり、根拠のない自信を持ったりと、本人はすでに大人気分を持つことがある。受験勉強を意識するのも時期尚早なので、緊張感も責任感も薄い。そんな気分のまま大人になった人のことを「中二病」と呼ぶ。

    と、そんな言葉を思い出した。今では死語だろうけど。

    地方都市の小さな町の学校内で中学2年生の死体が発見される。自殺か、事故か、他殺か。被害者の体にはイジメを受けていた跡が残っていた。そして、被害者の同級生たちに容疑がかけられる。

    教師や親、刑事、新聞記者、検察官、弁護士など周囲の大人たちは意見を言い

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    2020年07月14日