奥田英朗のレビュー一覧
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昭和元年に生まれた4人の子どもたちと、その親たちの生き様を、太平洋戦争開戦までの約15年間にわたって描いた物語。
奥田英朗さんらしい読みやすい文章のおかげで、膨大な情報も自然と頭に入ってきた。
博徒の矢野辰一、陸軍中佐の竹田耕三、婦人運動家で雑誌『群青』の編集者・森村タキ、大連で米国ジャズのダンスホールを営む五十嵐譲二。まったく異なる世界に生きる4人の視点から昭和初期の日本が描かれる構成がとても面白い。
特に印象に残ったのは、女性の社会的地位や婦人運動が丁寧に描かれていたこと。女性の基本的権利を訴えるだけでもソ連共産主義者や非国民と見なされた時代の中で、堂々と信念を貫くタキと、母の生き方 -
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ネタバレ精神科医、伊良部一郎シリーズ、第3弾。今回は実在しそうな有名人の患者が多く出てきた。今までは一般人の精神病を治していたが、今回はブラックジョーク的な側面もあって面白かった。そして最後の「町長選挙」は、このシリーズの中で、最も面白かった。離島に派遣されたイラだったが、そこで行われる町長選挙は島民を二分する熾烈な争いが繰り広げられていた。
この選挙戦の様子が面白おかしく、またその中でもいつも通りな伊良部のキャラクターがより引き立って、どういう結果に落ち着くのかワクワクしながら読むことができた。
シリーズの第4弾はかなり最近刊行されていたが、どのようになっているのか早くも読みたくなってきた。
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伊良部先生シリーズの新刊が出ていることに、旅先でふと立ち寄った本屋さんの平積みで気付き、即購入して読み切りました!
空中ブランコで、初めて小説を読みながら声を出して笑った当時のことを思い出しつつ、今回も楽しく読める内容だと感じました。
コロナ禍真っ只中、今の世の中からほんの少し前の、
本当に居るんだろうなと思わされるような登場人物達のお話で、場面のイメージを持ちやすいです。
最初はいつものような伊良部ドクターの荒療治に振り回されつつも、次第に主人公達が自ら気付きを得たり、受け入れながら困難を乗り越えていく様子に、笑えつつも心があったまる感覚がありました。 -
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本当に読んでよかった!…ただ日本近代史の知識がないと、なかなか大変。スマホで調べたり、詳しい人に聞いて学びながら読み進めた。
向学心のない学生時代だったせいもあるだろうけれど、近代史って習うのが学年末近くだからなんだか適当に教科書を読んで終わりって感じだった記憶。
詳しく説明されるのは原爆と東京大空襲くらい。
これってどうなんだろう。
そんな授業だったから【日本=被害者】っていうイメージでいた。
だけど読んでみたら、客観視できていない外交と、うまく言えないけれど他国に対してあまりに偉そうな態度で、引き返すチャンスなんてこんなにたくさんあったのかと驚きしかない。
登場人物はみんな一般庶民から -
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ネタバレ東京オリンピックを目前に控えた昭和を舞台にした長編ミステリー。
電話も移動手段も今ほど発達しておらず、警察は自らの足で真実を追う。その地道な捜査描写が強く印象に残った。
物語の中心にいる寛治は、決して単純な悪人ではない。貧困や家庭環境、過去の出来事など様々な背景を抱えている。
しかし、それらを知った上でも、ヨシオちゃんや里子を死なせた事実は消えない。
読んでいて感じたのは、人は残酷な事件に理由を求めるということだった。理由があれば理解できる気になる。しかし本作は、その理由だけでは割り切れない人間の複雑さを描いている。
特に寛治は「莫迦ではない」。だからこそ厄介で、だからこそ忘れ難い人 -
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1964年10月10日東京オリンピック開会式、これより体育の日として祝日となる。
全ての日本人が誇らしく語るオリンピック開催に、ひとり立ち向かう島崎の様子はまるで風車に挑むドン・キホーテのよう。
現代世界で起こっている“テロ”と違って、島崎の起こした「テロリズム」は大きな時代のうねりに逆らう覚悟を持ったささやかな抵抗。
「人の上に立つということは、一等謙虚であらねばならないのだが、今の浮かれた日本でそれを自覚する者はいない。資本主義を盲信し、陽炎のような足場のない繁栄に、集団で酔っている」……60年たった今も変わらない。
ともかく、東京オリンピック開会式は無事に終わる。だから、ミステリ -
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悩みがバカらしくなる、最高に笑えるお薬
ずっと気になっていたこの本、読んでみたら期待以上に面白かったです!
精神科の先生と患者の距離感がとにかく近くて、実際の病院とはまるで別世界なのが新鮮でした。特に、「ストレスが溜まるとずっと勃ちっぱなしで、発散されるとようやく萎える」という男性の話には笑いが止まりませんでした。極端すぎて逆にスッキリしますね。
物語を読み進めるうちに、今の自分の悩みも「そんなに思い詰めなくていいや」と肩の力が抜けました。登場するナースのお姉さんの見た目やキャラクターも気になりますし、何より読んでいてプールに行きたくなりました。
深刻になりがちな心の問題を、ここまでユ