奥田英朗のレビュー一覧
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ネタバレこんな作品がこの世にあるのか、と思うほどのめりこんでしまった。中学生の心理について実際の世界を見て書いたのではないかと思うほどにリアルに書かれている。自分の中学生生活を振り返ってもこの本の中の光景は至る所にあり、様々な背景の人間が入り混じる公立中学そのままを感じた。
この小説は中学生という一つの社会の中の力学があり、その中で生じた事故(確定しないが)が、大きな衝撃をもって大人の社会を巻き込み、違う力学を持った社会同士が重なることで困惑・謎を生じている。子供が謎を抱えて亡くなるという状況で、人々はまず沈黙する。その理由は、子供社会での力学、自分への罰の意識、殺人や自殺という可能性があること、そ -
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登場人物それぞれの「最悪」は
冒頭では「小最悪」から始まる。
それは天気や友人の裏切りや居住環境から。
まともに生活していても、
一生懸命生きようとしていても、
真面目に仕事をしていても、
徐々に取り返しのつかない「大最悪」になっていく。
車に乗り込んだシーンで、
主要人物たちが揃う瞬間には笑ってしまった。
飄々と生きるインテリ系の人物たちが
とても憎く感じてしまうストーリー展開だった。
個人的に、
やはり川谷が1番不幸だなと感じたが
よく考えたら、
いままで1番幸せだったのも彼なのでは。
自由には責任が伴うことを年齢からも学ばされた。
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Posted by ブクログ
「昭和百年」とも言われていた2025年の夏過ぎ、書店で平積みにされている派手めな表紙の本を見かけた。
なかなかのぶ厚さだ。著者名を見ると奥田英朗。
『イン・ザ・プール』を始めとする伊良部シリーズ、ディープな犯罪小説『最悪』、長編家族物語?『サウスバウンド』など大好物作家の一人だ
お!こんな長編出したのか…。
昭和元年生まれの4人が主人公らしい。「『昭和百年』に読むにはふさわしそうだ」と、脳内にメモした。
が、そのまま年を越えてしまった。
「昭和101年」の4月、オーディブル化されていることを知る。ボリュームを考慮するとオーディブルで聴くのはいい選択だと考え、聴き始めた。
大正が幕を引く。 -
Posted by ブクログ
中学生って難しい!
中学生の「団結」や「自覚のない残虐性」を認識し、危うさと怖さを感じさせられた。家族から徐々に離れ始める中学生は、社会との接点を増やし始めている。その際、良き友人に出会えば良く育ち、悪い大人や先輩に出会えば悪に染まることもできる。良し悪しや基準が分からないからこそ、何色にでもなれてしまう。人生の転換点にいるのかもしれない。
600ページ弱の長編で、登場する中学生と、その親、学校の先生、中学生と向き合う警察や検察のそれぞれの人物が解像度高く描かれていた。それぞれに悩みや譲れぬものがあり、自分の立場が一番大切という人間らしさが溢れる登場人物たちで感情移入できた。
ある人物に共感 -
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さすがの奥田英朗だから読みにくいってことはないのだけれど、中盤以降急に名倉が生きていた頃に戻ったり死後だったりの時系列がわかりにくかった。
最後はちょっとほっぽり出された感じがあった。書きたかったのは、中学生の証言の難しさなのだろうか。
中学2年の名倉が学校の敷地内で亡くなっていた。頭が割れて、つねられた痕が多数ある。同じグループの14歳になった坂井と藤田が傷害の疑いで逮捕。13歳の市川と金子は児童相談所送致つまり補導ということになる。警察は4人が銀杏の木に飛び移るよう強要したのではないかと思っているが、4人の子供たちはあまり喋らず、裏が取れない。
3日ほどで彼らは保釈されて元の生活に戻っ