奥田英朗のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
奥田英朗さんの昭和史サーガ三部作の最終作。
昭和元年に生まれた同い年の四人。
竹田志郎は東大(帝大)を出て司法研修所に入り検事となります。
矢野四郎は金沢の今は亡きヤノタツという任侠者の息子です。日大を出て矢野興行を興します。
森村ノラは左翼の活動家の母を持ち津田塾を出てアメリカに留学しGHQ民放局に入ります。
五十嵐満は満州に育ちますが父親と同じように芸能プロダクション五十嵐エンタープライズを興します。
四人は小学校の頃竹田志郎と矢野四郎が取っ組み合いのけんかをしたころからすれ違いながら生きてきましたが、この最終巻ではそれぞれの人生が日本の政界を中心に仕事を通して交差します。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ打ち切り寸前のワイドショー番組制作チームは、
状況を打破すべくコメンテーター探しに奔走中。
昔気質な上司の方針で「美人女医」を連れて来るつもりが、手違いで色白で太った精神科医・伊良部一郎が出演する羽目に。
彼の自由すぎる発言が、令和の悩める人々を笑撃&震撼させる。
大人気の連作短編集シリーズ、待望の第4弾。
********************************************************
悩みがうっかり軽くなる。
トンデモ精神科医・伊良部シリーズ
第1弾:イン・ザ・プール
第2弾:空中ブランコ
第3弾:町長選挙
に続く第4弾の5つの短編集
1:コメンテ -
Posted by ブクログ
たった7日しかなかった昭和元年に産まれた4人のギフテッドの物語。分厚い3巻目にしてとうとう完結。4人の戦場が最後ひとところに集まり、驚きの展開だったけど感動しました。最後は昭和天皇の葬儀で幕引きです。
竹田志郎は財閥の血筋と育ちの良さ、反骨精神、家庭教師や海外生活で得た英語力を父母から引継ぎ、検事としてアメリカにも留学して、暴力団の撲滅や公害や汚職事件に立ち向かう。暴力団の取締りの時に刺される。
矢野四郎は侠客の漢気と、地盤と、右翼を親からもらい、事業を拡大してやがて衆議院議員となる。朝鮮帰還事業の時に、韓国団体の人に刺される。
森村ノラは男女同権の思想と権力に負けない反骨精神を親から引 -
Posted by ブクログ
太平洋戦争が始まった。
竹田志郎は帰国の途についたが、憲兵の意地悪によって家族で一人だけアメリカに取り残され、日本人捕虜収容所に収監される。
矢野四郎は父が亡くなり、家を追い出された。高校ではちょっとした諍いがもとで少年院に入れられ、脱走騒ぎに巻き込まれる。
森村ノラは母が刑務所に入り、父は通訳として駆り出されてしまい、1人きり。喫茶店の経営を任されたので、闇コーヒー豆を扱って本物のコーヒーを提供して儲けている。一方製粉工場でも働いている。
五十嵐満は父と母は戦争末期にお金をスイスの銀行に預けて、香港へ脱出。満は新しい国を作るために満州に残るが、ロシアに捕まってシベリアに抑留されそうに -
Posted by ブクログ
怒涛の展開と結末へのラストスパート。
じりじりと被疑者を追い詰めていく刑事たちの執念、真実を伝えることに賭ける記者たちの信念、みなまでは言いませんがサイドストーリーに漂う緊迫感。
どの物語をとっても読者を引き込む魅力が備わっている、奥田英朗のいく刑事たちの執念、真実を報道するという記者たちの信念、みなまでは言いませんがサイドストーリーの緊迫感。どの物語をとっても読者を引き込む魅力が備わっている、奥田英朗作品のリーダビリティに脱帽。
読みごたえの肝は、事件の顛末を事細かに描写しているところだと思う。事件関係者同士の心が通う瞬間、一つ一つ物的証拠を積み上げていくことの高揚感、反対に停滞している -
Posted by ブクログ
ミステリーを主に手掛けてきた奥田英朗が昭和100年の今年、一大大河小説を執筆。第一部は昭和の幕開けから太平洋戦争開戦まで。4人の人物を中心に、昭和前期の様々な生き様を描写。リベラル派の陸軍将校竹田耕三、金沢の任侠親分の矢野辰二、婦人解放雑誌の執筆・編集者である森村タキ、満州で一旗あげようと渡満するジャズマン五十嵐譲二。それぞれの立場から庶民の昭和史が展開される。4人には昭和元年(たった1週間の)生まれの子どもがおり、第二部は彼ら彼女らが主役となりそう。虚実入り混じった内容だが、奥田英朗が描いた彼なりの解釈を含む昭和史。大変面白い。登場人物は実名の者と仮名ではあるが実在を想定できる者とに書き分け
-
Posted by ブクログ
昭和元年生まれの4人が戦中、敗戦後の時代をそれぞれの立場で生きる。特に矢野四郎は予科練の特攻回天乗組員の生き残り。除隊後は日大生となりながら、新宿で矢野組一家を構え、五十嵐満は満州でソ連に抑留されかけたり、馬賊に殺されそうになったり、悲惨な経験をした後、渡日、持ち前のエンタテイナーとしての才能を発揮してGHQの興行に食い込み、竹田四郎は東京帝大学生となりG2の職員としても活動し、森村ノラは津田塾の学生となり、GHP民生局の職員としても働く。そして、第二部は、代々木ワシントンハウスで開催されたGHQのクリスマスパーティで4人が初めて揃って顔を合わせた所で終了。