奥田英朗のレビュー一覧

  • 向田理髪店

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    北海道の過疎の町で理髪店を営む向田康彦が主人公。今はもう高齢者ばかりの町に、札幌で働く息子が「会社を辞めて店を継ぐ」と帰ってくる。

    いくつかの章では狭い社会の中で数多くの難題が降りかかる。若者らと親世代での開発への意見相違、町に中国人の花嫁が嫁いでくる話。美人の若い女がスナックを開き、男たちが通い出す話。映画のロケが町で行われることになり、町民がエキストラで何人も出演することになる話。
    最後の話は町出身の若者が東京で事件を起こし逃げ帰ってくる話。

    実はこの小説は2022年に映画化され、主人公の向田康彦役は高橋克実が演じている。配信で観てびっくりしたのが、映画の舞台は北海道ではなく福岡県であ

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    2025年10月08日
  • 最悪

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    めちゃくちゃ面白かった。タイトルは「最悪」だけど、最高の犯罪小説。オッサンの川谷、銀行員のみどり、チンピラの和也。この3人は小さな不幸から始まりどんどん最悪な状況に追い込まれていくのだが、この3人が集まってからが加速度ハンパなくページを溶けさせる。時間も忘れた。

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    2025年10月07日
  • 罪の轍(新潮文庫)

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    ミステリーにも警察小説にも見えるけど、ジャンルを越えた「奥田英朗さんの小説」としか言いようがない唯一無二の味わいがあります。話の中身は辛いけど「人の清き心」に触れて生きることが少し楽になる、そんな小説だと思いました。

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    2025年10月02日
  • イン・ザ・プール

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    精神科医伊良部一郎シリーズ
     主人公のキャラが立ってる。
     色っぽい看護師のマユミさんもいい^⁠_⁠^;⁠)
     短編集で、どれも心の病に悩む患者との掛け合いを面白おかしく描いているが、各話にちゃんとテーマ性をちゃんと感じさせる。
     特に『フレンズ』は、携帯依存症の高校生のお話で、ほとんどの人に刺さるのではないかと感じた。

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    2025年09月29日
  • 普天を我が手に 第一部

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    本の厚さに怯みながらも、作家を信じて読み始める。
    戦前の日本と満州、様々な環境に置かれた人々の群像劇、登場人物それぞれが全く異なる環境であるのに、やがて人生が交錯し始める。
    第二部が早く読みたい。

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    2025年09月28日
  • 空中ブランコ

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    全5編の短編集。
     今回も、幼児のような無邪気さ?全開の精神科医伊良部一郎のキャラが立ちまくってて痛快だった!
     表題作の跳べなくなった空中ブランコ乗りの話も良かったけど、『女流作家』が一番感動した、いいものを作れば売れる…訳では無いクリエイターの世界。
     渾身の傑作ができたても売れなければ、何の評価もされず消えて行く。人気や広告など作品の質とは別のものが売り上げに左右される理不尽。
     女流作家は、嘔吐症を発症して伊良部の診察を受ける。
     そして、なんたかだて、それでも自分の作品に感動してくれる読者がいることに思いが至り…再起する、
     いつもの痛快さと元気が出る話です。

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    2025年09月24日
  • 普天を我が手に 第一部

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    現代でも労働組合の集会に右翼の街宣車が来るのはそういうことだったのか。本作を読んで理解した。

    史実を交えつつ時が流れ、それぞれの人物が少しずつ接点を持っていく。こういう展開が大好物。
    第二部を読むのが楽しみだ。

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    2025年09月24日
  • 空中ブランコ

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    今作も良かった。これ、多分どれから読んでも入り込める短編シリーズだね。自分が見えていない患者たちに、精神年齢は5歳の伊良部が常識にとらわれない治療を施していく。実際にサーカスに出ちゃったり、ヤクザをちっとも恐れない。何も考えないからこその強さなのか??最後の女流作家では作者の言いたいことがほんのり書かれてたと思う。伊良部のおかげで、明日も頑張れそうな気がする。

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    2025年09月19日
  • イン・ザ・プール

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    伊良部医師は面白いキャラだ。この本は読む人に薬を処方してくれるかのような印象を受けた。人によってはただのヤブに映るだろうし、あるいは名医にだって見えるだろう。似たような病気にかかったことのある人ならきっと伊良部医師は心を軽くしてくれる。

    表題作のイン・ザ・プールといてもたってもが自分にはドンピシャだった。

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    2025年09月18日
  • ナオミとカナコ

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    これは面白い。
    しっかりと練られた殺人のはずが、少しづつほころびが出て徐々に追い詰められていく。。。ノンストップサスペンス。
    ドラマも見てみたい。
    ちょこちょこ出てくる中国人女社長のキャラが良い◎

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    2025年09月12日
  • 空中ブランコ

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    伊良部先生も看護師のまゆみさんも変わっているけどすごく好き。
    自分の悩みを笑い飛ばしてくれるような事に救われる事ってあったりする。
    最終的にみんな前を向いていてどの話も素敵だった。

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    2025年09月03日
  • 空中ブランコ

    ネタバレ 購入済み

    今回も

    伊良部医師の破茶滅茶劇が爽快
    お約束の注射の描写もあり

    に、しても最後の女流小説家は
    本作に似合わない

    反則、ほろっとして
    ポロっとなります

    #笑える

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    2025年08月28日
  • 無理(下)

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    真冬のどんよりした地方都市で、生き生きとうごめいている人たち(僕にはこう見えました)が、交錯してこんがらがっていく様子をフランスのアクション映画風味でドドっと読ませる上下巻。「いいじゃんそれで」と明るい気分にさせてくれる読後感でした。

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    2025年08月25日
  • 空中ブランコ

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    5つの短編から構成される一冊となっておりますが、ゆる~く読めるお話で、本当にしょうもなさすぎて心が軽くなります。
    登場人物の疾患症状もそれぞれユーモアに溢れていて、当事者は切実なんですが、診療する側はあっけらかんとしています。迷医と思いきや、もしかして名医?というギリギリ感がたまりません。
    本著はシリーズ2作目ですが、時間を置いてから3作目も読んでみたいです。

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    2025年08月25日
  • ナオミとカナコ

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    カナコのD Vをナオミが知った辺りから、文章のテンポが早くなったような、スピード感に引き込まれた。
    こちらもドキドキするというか。一つ一つ追い込まれるごとに一緒に動揺するというか。
    陽子がこわい。
    お兄ちゃんを狂信的に探す一方で、お兄ちゃんのDVも知っていたってそこに、人間性が現れている。
    また、中国人女性の書き方も上手い、嫌な感じ。図々しさがありながら、頼れる魅力があるというような。
    DVを受けながら、逃れば良いのに逃げられない感じがリアルにわかった。
    私が一番心に残ったのが。ナオミが時計を取り戻しに行く時をきっかけに、仕事が面白くなるところ。
    転機の一つはあのタイミング。日々タイミングはあ

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    2025年08月25日
  • マドンナ

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    『ガール』と地続きみたいな短編集。こちらは都会に生きる男性サラリーマンが主人公。これで直木賞もらっても良かったと思うくらい、汗ばんだ肌をそっとなでるそよ風みたいな、日向も日影も合わせた大人の物語の詰め合わせ。

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    2025年08月17日
  • 最悪

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    主な登場人物は三人だが、メインは町工場のオヤジさん。
    このオヤジさんを最悪の展開に引きずり込むのは、あとの二人ではなく得意先や銀行やご近所さんの身勝手なのだが、二人もそれぞれ不幸な状況にはまり込んでいて、ひょんな繋がりから怒涛の展開へ。

    銀行強盗騒ぎの後、なぜか一緒に逃亡してからのそれぞれの振る舞いも興味深く、そこからの展開は最悪のものでもなく、読後感は悪くない。
    ただ、そこに至るまでの、三人を追い込んでいく醜悪な周囲の連中の振る舞いは本当に胸糞悪く、この手の話が好きな自分にはたまらないw

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    2025年08月17日
  • 我が家の問題

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    読後感がいい。作者は書けるのに書いていない部分がすごく読後感をよくしている。
    好みはもちろん分かれるけど、自分にはドンピシャだった。

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    2025年08月14日
  • ララピポ

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    社会の凸凹に凸凹されながら生きる人たちを、旨味もエグみもまるごとすくい取る連作短編集。男の生理的な視点や下世話さは好みが分かれるけど、その向こうにあるじんわりとした温かさはやっぱり奥田英朗さん。

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    2025年08月11日
  • 空中ブランコ

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     伊良部シリーズ第2弾。直木賞受賞作品。
     今回も伊良部医師のハチャメチャな治療法が炸裂。
     ただ、たまに的を得た言葉を口にするのが印象的で、伊良部の本質は実は堅実なのではと感じる部分もあった。

     サーカスの空中ブランコが飛べなくなってしまった団員、投球ができなくなってしまった野球選手、作品が書けなくなってしまった小説家。
     今まで普通にできていた事ができなくなってしまった人たちの苦悩が伊良部の荒療治ともいえる治療で和らいでいく姿が良かった。
     「義父のヅラ」は楽し過ぎて爆笑でした。

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    2025年08月11日