奥田英朗のレビュー一覧

  • 家日和

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    「ここが青山」は特に良かったあ!
    人間到る処青山有り、なんだってさあ!
    東京で働き続けるのか、九州に帰るのか、帰るならいつ帰るのか、なんてこの問題について深く考えすぎなくてもいいかって開き直りの精神を与えてくれる内容でしたね。描かれている家庭も温かい。

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    2024年05月06日
  • 我が家の問題

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    家庭内の問題を描いた短編小説です。『家日和』以上に好きな作品です。
    特に一つ目の「甘い生活?」は印象的でした。
    「独身病」という言葉を初めて聞いたところ、今の自分の延長線上にあるような病状だなあと、とても他人事とは思えないほど主人公の心情描写と妻とのやり取りが具体的に想像されました。
    まあ、まだ結婚もしていなければ、家庭も持っていないんですけどね。
    いざその時が来た際に備えて、夫・妻・子どもの視点で描かれた本書における家庭のトラブルや当事者の心境を思い出せるように引出しとしてストックしておくといつかきっと役に立つんじゃないか(より良い家庭を築くための考え方が育まれるのではないか)なんて独身なが

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    2024年04月29日
  • 向田理髪店

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    映画を先に見ちゃったせいか、ついつい高橋克実の顔が浮かんでしまう。。。まずは原作を読むべきと思いました。
    人間味あふれる、なんか景色が想像できる、とてもいいお話でした。

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    2024年04月27日
  • ナオミとカナコ

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    この話知ってる…と思ったら昔ドラマで観てたー。でも結末を憶えてなかったからハラハラしながら一気読み。女性2人が主人公だとやっぱり感情移入がすごくて、どっちかといえば私はナオミタイプかも…と思ってからは、ナオミの言動に自分を重ねてドキドキしっぱなしだったし、カナコが時々見せる大胆さには痺れた!結末を忘れた頃また読みたい。あと朱美さんみたいな上司欲しい。

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    2024年03月23日
  • 家日和

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    家族小説が好きだ。

    奥田英朗さんの
    ユーモアのセンスが好きだ。

    柴田錬三郎賞受賞の短編集。

    中でも「家においでよ」が一番好み。
    妻が出て行った家。
    オーディオに凝り、自分の趣味のインテリアにする。
    同僚が集まり、夜な夜な学生時代に戻ったように自由に過ごす。その結末は?

    どの短編も、身近でくすりと笑える。
    益田ミリさんの鑑賞という、マンガが最後に。これが、また、良いっ!
    私と同じ感覚で奥田英朗さんファン!
    奥田さんがファンレターの返事をくれたという、心温まる話。

    今回は
    お風呂タイムの読書本に選んで正解だった!リラックスして読むのがオススメ。

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    2024年03月16日
  • 向田理髪店

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    北海道のとある町、苫沢町。かつては炭鉱で栄えていたが、廃れていき、
    今では、財政破綻をしてしまっている。そんな過疎地で暮らす人々を
    描いた物語。
    芦沢町で理髪店を営む、2代目の向田康彦を中心に、
    息子や親友に過疎地ならではの子供の時からの友人・知人たちとの
    交流が描かれていた感動作。

    札幌で会社勤めをしていた息子が、理髪店を継ぐと言い出す話。
    40代になり結婚できなかった男が中国人の嫁を貰う話。
    友人の息子が事件を起こし逃亡している話。
    など、計6作品。

    過疎地ならではの問題があって、そんな中でも、
    人のつながりが深くハートフルな関係とともに、
    財政破綻した過疎地ならではの問題を、
    助け合

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    2024年02月29日
  • 家日和

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    伊良部シリーズ以外は初めて。
    とても読みやすく、あっという間に読み終えてしまった。どこにでもありそうな日常で、結婚して家庭のある方は特に共感できると思いました。

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    2024年02月18日
  • 罪の轍(新潮文庫)

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    ネタバレ

    800ページを超える大作。
    犯人の自供を今か今かとページを捲る度に焦らされた。
    東京オリンピック前の浮き足立つ昭和38年に起きた
    最悪で悲惨な誘拐事件。刑事たちの犯人逮捕への執念に感嘆した。終盤、逃走した犯人を捕まえる描写は手に汗握るほどスリリングだった。
    どんなに不幸な生い立ちや環境で育ったとしても、人を殺める正当な理由には決してならない。
    結末はとてもやるせない。

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    2024年02月11日
  • 向田理髪店

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    苫沢町のあたたかい日常が目に浮かぶようで、サクサク読みました。家族も近所もみんなあたたかくて、なぜか懐かしい気持ちが湧いてきます。昔ながらの風習も、新しい風も、良いところを折衷しあって日本全体があたたかい国になると嬉しいなあとしみじみしました。私達世代、いまがんばりどころですね。

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    2024年02月03日
  • オリンピックの身代金(下)

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    下巻も期待以上の手に汗握る怒涛の展開。熱すぎる刑事魂とどこまでも冷静な国男の対比がラストまで印象的だった。それにしても村田さんのキャラ立ちが際立った。国の威信をかけたオリンピック。そこにかける人たちの思いが様々にぶつかり合っていた。時系列を前後しながら落合さんの目線だったり、国男の目線だったり、魅力的な登場人物と布石を織り混ぜながら最後まで目が離せない最高の物語だった。ラストはやはりそうだよねーという感じかな。

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    2024年01月31日
  • オリンピックの身代金(上)

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    プロレタリアートに敢えて飛び込んでいく青年の心理や時代背景がとても丁寧に描かれている。オリンピック景気に沸く人もいれば過酷な労働環境に身をおいている人、都市部と田舎の経済格差等々様々な視点から物語が進行していく。身代金を要求するに至るまで何があったのか、深くえぐっていくさまが刑事の目線だったり、伏線回収の匠さでどんどん引き込まれてあっという間に上巻読み終えてしまった。伊良部先生と同じ物語を書く人とはとても思えない(笑)

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    2024年01月29日
  • 我が家の問題

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    どこの家庭でもありそうな些細なことから、大きなことまでを取り上げた短編中。まるでホームドラマを見てきるように情景を思い浮かべながら、あっという間に読み終えた。
    時にはシリアスに、時には面白おかしく、正面からちゃんと障害と向き合っている姿が描かれていて、兄弟っていいな、夫婦っていいな、家族っていいなと温かい気持ちに包まれた。

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    2024年01月24日
  • オリンピックの身代金(下)

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    島崎国男は秋田の貧農の村、政治から捨てられたような地域の出。国男にはスリの相棒、村田がいる。読んでいて村田の言動が愛嬌があって微笑む。いつのまにか国男を応援していた。堪能しました。

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    2024年01月22日
  • 沈黙の町で

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    奥田英朗さんはやはり面白い。
    本作は奥田さんのシビアバージョンで、かなり重いストーリーなのだが、小気味良い奥田節によりどんどん読み進められる。
    奥田英朗さん作品は、オチだとかつじつまだとかは関係なく、とにかく作風が好きだ。

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    2024年01月16日
  • ヴァラエティ

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    ドライブインサマーで放り投げようかと思ったが山田太一との対談はとても良くて、最後の夏のアルバムはグッときたのでオッケー

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    2024年01月03日
  • ナオミとカナコ

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    DV夫の殺人を計画するナオミとカナコの物語。臨場感がすごくて一気に読んじゃいました。2人とも強いオンナで、応援する気持ちが止まらなかったです。敵対する人物たちとの攻防戦が始まってからはもうずっとハラハラドキドキでした。

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    2023年12月22日
  • オリンピックの身代金(下)

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    1964年のオリンピックは聖火リレーの見物客として、父の肩車で眺めている写真の記憶
    開会式や競技の鮮やかな光景が本当に見たのか、記憶が上塗りされたのかもはっきりしない

    その鮮やかさや晴れがましさの裏にさまざまな人間の事情、思惑、犠牲があったんだろうと思わせる作品だった。

    その時代、時代の自分の立ち位置からしか、思いを馳せることができないけど、本当は人間の数だけ、嬉しいこと、楽しいこと、辛いこと、悲しいことがあると改めて思った。つい忘れて瑣末な身辺に囚われる自分が情けない。

    以下は後日の追加です。

    先日、クイズ番組の中で昔の「お宝映像」なるものがあった。 東京タワー建設時の鳶の人たちがま

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    2023年11月19日
  • ナオミとカナコ

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    おもしろかったです。
    読んでいる途中で稚拙な犯行だなと思って読んでいたけど、やっぱり稚拙でしたね。
    それがずっとドキドキ、ハラハラさせてくれました。序盤と終盤と違ったドキドキ感がありました。犯行自体はちょっと軽いタッチで描かれています。中国人社会のこととか著者らしい描写だなと思いました。

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    2023年10月30日
  • ララピポ

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    2005年初版。読んでいて、なんだか如何わしい新聞の連載小説のような印象を受けました。やたらと性的な描写が多い、登場人物の大半がロクデナシ。物語の構成は、エピソードの主役がリレーのバトンを渡すように続いて行く形。面白い。最後まで読んでみると登場人物たちのダメさ加減は、言うまでもないのですが、それぞれが懸命に生きている姿が可愛くなります。面白かったです。

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    2023年09月30日
  • 我が家の問題

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    色々な立場から、家族の問題がリアルに描かれていて、とても胸に沁みる短編集。結果はどうであれ、主人公たちが前を向いている姿に励まされるのがまた良い! これからの新婚生活を大切にする上でも大事だと思うことがたくさん散りばめられていました。

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    2023年09月28日