奥田英朗のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
家庭内の問題を描いた短編小説です。『家日和』以上に好きな作品です。
特に一つ目の「甘い生活?」は印象的でした。
「独身病」という言葉を初めて聞いたところ、今の自分の延長線上にあるような病状だなあと、とても他人事とは思えないほど主人公の心情描写と妻とのやり取りが具体的に想像されました。
まあ、まだ結婚もしていなければ、家庭も持っていないんですけどね。
いざその時が来た際に備えて、夫・妻・子どもの視点で描かれた本書における家庭のトラブルや当事者の心境を思い出せるように引出しとしてストックしておくといつかきっと役に立つんじゃないか(より良い家庭を築くための考え方が育まれるのではないか)なんて独身なが -
Posted by ブクログ
家族小説が好きだ。
奥田英朗さんの
ユーモアのセンスが好きだ。
柴田錬三郎賞受賞の短編集。
中でも「家においでよ」が一番好み。
妻が出て行った家。
オーディオに凝り、自分の趣味のインテリアにする。
同僚が集まり、夜な夜な学生時代に戻ったように自由に過ごす。その結末は?
どの短編も、身近でくすりと笑える。
益田ミリさんの鑑賞という、マンガが最後に。これが、また、良いっ!
私と同じ感覚で奥田英朗さんファン!
奥田さんがファンレターの返事をくれたという、心温まる話。
今回は
お風呂タイムの読書本に選んで正解だった!リラックスして読むのがオススメ。 -
Posted by ブクログ
北海道のとある町、苫沢町。かつては炭鉱で栄えていたが、廃れていき、
今では、財政破綻をしてしまっている。そんな過疎地で暮らす人々を
描いた物語。
芦沢町で理髪店を営む、2代目の向田康彦を中心に、
息子や親友に過疎地ならではの子供の時からの友人・知人たちとの
交流が描かれていた感動作。
札幌で会社勤めをしていた息子が、理髪店を継ぐと言い出す話。
40代になり結婚できなかった男が中国人の嫁を貰う話。
友人の息子が事件を起こし逃亡している話。
など、計6作品。
過疎地ならではの問題があって、そんな中でも、
人のつながりが深くハートフルな関係とともに、
財政破綻した過疎地ならではの問題を、
助け合 -
Posted by ブクログ
1964年のオリンピックは聖火リレーの見物客として、父の肩車で眺めている写真の記憶
開会式や競技の鮮やかな光景が本当に見たのか、記憶が上塗りされたのかもはっきりしない
その鮮やかさや晴れがましさの裏にさまざまな人間の事情、思惑、犠牲があったんだろうと思わせる作品だった。
その時代、時代の自分の立ち位置からしか、思いを馳せることができないけど、本当は人間の数だけ、嬉しいこと、楽しいこと、辛いこと、悲しいことがあると改めて思った。つい忘れて瑣末な身辺に囚われる自分が情けない。
以下は後日の追加です。
先日、クイズ番組の中で昔の「お宝映像」なるものがあった。 東京タワー建設時の鳶の人たちがま