奥田英朗のレビュー一覧
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昭和の始まりと共に生まれ生き抜いた4人の男女の”昭和“の物語。
昭和に起きた出来事と絡ませるように、4人の主人公たちがそれぞれに逞しく活躍していく。
物語は昭和恐慌や太平洋戦争など、昭和の事件簿を仮名の当事者たちを登場させ4人と共に読者に追体験させていく。
特に昭和後半の物語には自分もその世界に身を置いていたので、次々と当時の思い出と重ね合わせて読む面白さがあった。
ただ4人がそれぞれ国会議員になるとは、まさに4人が普天を手に入れたという事か…。
質だけでなく量をもっても実に充実した、大河昭和小説!普天を我が手に3部作だった。
面白かった。 -
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市井の人々から見た昭和史を追いかる大河小説。
4人の主人公たちの視点から政治、文化、思想、都市などの昭和史をみせていく。大きな仕掛けがあるわけではなく、丁寧に簡潔に物語は進んでいくが、最後にここに辿り着くのかーという気持ちにさせられ、そして当然昭和の終わりと共に小説が終わる。
私は昭和の生まれだが青春時代は平成だったので昭和はあくまでも歴史の一部という感じだが本当にこんな時代があったのかと歴史のダイナミックな動きにあっとうされ、その中を生き抜いてきた人たちの力強さに敬服する。
昭和がよかったとは思えない。タフな時代なんだなと思う。生臭い時代でもあったように感じる。ただそこには生々しい人間たちが -
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主人公の大手デパートに勤務する直美(ナオミ)は、希望する部署とは異なる外商部に配属され、富裕層の客と日々接してしている。
もう一人の主人公の加奈子(カナコ)は、エリート銀行員の達郎と結婚して専業主婦になった。
30歳ちょっと前の直美と加奈子は大学時代からの親友で、今でも何事も許し合える仲だ。
ある日、直美が加奈子宅を訪れると、出てきた加奈子の顔は青い痣を浮かべて腫れ上がり、理由を聞いても自ら転んでしまったと言い訳をする。
直美は納得できず、達郎から酷いDVを受けているのではと強く問いただすと、加奈子は渋々と認めた。
その後も加奈子と逢う度に、只事ではないほどの暴力を振るわれていると思われる傷 -
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奥田英朗さんの昭和史サーガ三部作の最終作。
昭和元年に生まれた同い年の四人。
竹田志郎は東大(帝大)を出て司法研修所に入り検事となります。
矢野四郎は金沢の今は亡きヤノタツという任侠者の息子です。日大を出て矢野興行を興します。
森村ノラは左翼の活動家の母を持ち津田塾を出てアメリカに留学しGHQ民放局に入ります。
五十嵐満は満州に育ちますが父親と同じように芸能プロダクション五十嵐エンタープライズを興します。
四人は小学校の頃竹田志郎と矢野四郎が取っ組み合いのけんかをしたころからすれ違いながら生きてきましたが、この最終巻ではそれぞれの人生が日本の政界を中心に仕事を通して交差します。 -
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ネタバレ打ち切り寸前のワイドショー番組制作チームは、
状況を打破すべくコメンテーター探しに奔走中。
昔気質な上司の方針で「美人女医」を連れて来るつもりが、手違いで色白で太った精神科医・伊良部一郎が出演する羽目に。
彼の自由すぎる発言が、令和の悩める人々を笑撃&震撼させる。
大人気の連作短編集シリーズ、待望の第4弾。
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悩みがうっかり軽くなる。
トンデモ精神科医・伊良部シリーズ
第1弾:イン・ザ・プール
第2弾:空中ブランコ
第3弾:町長選挙
に続く第4弾の5つの短編集
1:コメンテ -
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太平洋戦争が始まった。
竹田志郎は帰国の途についたが、憲兵の意地悪によって家族で一人だけアメリカに取り残され、日本人捕虜収容所に収監される。
矢野四郎は父が亡くなり、家を追い出された。高校ではちょっとした諍いがもとで少年院に入れられ、脱走騒ぎに巻き込まれる。
森村ノラは母が刑務所に入り、父は通訳として駆り出されてしまい、1人きり。喫茶店の経営を任されたので、闇コーヒー豆を扱って本物のコーヒーを提供して儲けている。一方製粉工場でも働いている。
五十嵐満は父と母は戦争末期にお金をスイスの銀行に預けて、香港へ脱出。満は新しい国を作るために満州に残るが、ロシアに捕まってシベリアに抑留されそうに