奥田英朗のレビュー一覧

  • リバー 上

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    刈谷、平塚、池田の重要参考人への疑い、捜査の同時進行がたまらなくおもしろい。だれが犯人でもおかしくない展開がさらにおもしろさを加速させる。

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    2025年11月08日
  • リバー 上

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    奥田英朗『リバー 上』集英社文庫。

    北関東連続幼女誘拐殺人事件をモデルにしたような陰惨な事件に翻弄される人びとを描いた犯罪小説である。もっとも本作では被害者は若い成人女性になっているようだ。

    冒頭からストーリーに飲み込まれていく。そんな面白さの犯罪小説である。昭和38年に起きた『吉展ちゃん誘拐事件』をモデルにした犯罪小説の『罪の轍』に匹敵するか、それを凌駕する面白さである。

    前半から描かれる10年ぶりに群馬の工場で期間工として働く刈谷文彦という32歳の男は如何にも怪しいのだが、これは読者のミスリードを誘う仕掛けだろうか。それとも……


    群馬県桐生市と栃木県足利市を流れる渡良瀬川の河川敷

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    2025年10月23日
  • 罪の轍(新潮文庫)

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    ネタバレ

    20251015

    初の奥田英朗さん、そして分厚さに圧倒されましたが読み始めたらあっという間でした。ミステリーとらいうよりヒューマンドラマな感じしますね。

    昭和38年ということで自分の父が生まれた時代が舞台で、今とのギャップを感じられるのがおもしろかったです。まずお金の価値が違うし、携帯はおろか一家に一台電話のある時代じゃない。戦争から復興し、欧米の仲間入りをしようとがむしゃらだった日本、みたいなものを感じて、これが今に続いてるのかーと思ったりしました。
    衝撃だったのは、身代金引渡しの時間変更を一斉に知らせられないということ。え、携帯あるじゃん?と思いましたが…ないんですよね。

    昭和の警察

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    2025年10月16日
  • 向田理髪店

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    北海道の過疎の町で理髪店を営む向田康彦が主人公。今はもう高齢者ばかりの町に、札幌で働く息子が「会社を辞めて店を継ぐ」と帰ってくる。

    いくつかの章では狭い社会の中で数多くの難題が降りかかる。若者らと親世代での開発への意見相違、町に中国人の花嫁が嫁いでくる話。美人の若い女がスナックを開き、男たちが通い出す話。映画のロケが町で行われることになり、町民がエキストラで何人も出演することになる話。
    最後の話は町出身の若者が東京で事件を起こし逃げ帰ってくる話。

    実はこの小説は2022年に映画化され、主人公の向田康彦役は高橋克実が演じている。配信で観てびっくりしたのが、映画の舞台は北海道ではなく福岡県であ

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    2025年10月08日
  • 最悪

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    めちゃくちゃ面白かった。タイトルは「最悪」だけど、最高の犯罪小説。オッサンの川谷、銀行員のみどり、チンピラの和也。この3人は小さな不幸から始まりどんどん最悪な状況に追い込まれていくのだが、この3人が集まってからが加速度ハンパなくページを溶けさせる。時間も忘れた。

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    2025年10月07日
  • 罪の轍(新潮文庫)

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    ミステリーにも警察小説にも見えるけど、ジャンルを越えた「奥田英朗さんの小説」としか言いようがない唯一無二の味わいがあります。話の中身は辛いけど「人の清き心」に触れて生きることが少し楽になる、そんな小説だと思いました。

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    2025年10月02日
  • 空中ブランコ

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    全5編の短編集。
     今回も、幼児のような無邪気さ?全開の精神科医伊良部一郎のキャラが立ちまくってて痛快だった!
     表題作の跳べなくなった空中ブランコ乗りの話も良かったけど、『女流作家』が一番感動した、いいものを作れば売れる…訳では無いクリエイターの世界。
     渾身の傑作ができたても売れなければ、何の評価もされず消えて行く。人気や広告など作品の質とは別のものが売り上げに左右される理不尽。
     女流作家は、嘔吐症を発症して伊良部の診察を受ける。
     そして、なんたかだて、それでも自分の作品に感動してくれる読者がいることに思いが至り…再起する、
     いつもの痛快さと元気が出る話です。

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    2025年09月24日
  • 空中ブランコ

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    今作も良かった。これ、多分どれから読んでも入り込める短編シリーズだね。自分が見えていない患者たちに、精神年齢は5歳の伊良部が常識にとらわれない治療を施していく。実際にサーカスに出ちゃったり、ヤクザをちっとも恐れない。何も考えないからこその強さなのか??最後の女流作家では作者の言いたいことがほんのり書かれてたと思う。伊良部のおかげで、明日も頑張れそうな気がする。

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    2025年09月19日
  • ナオミとカナコ

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    これは面白い。
    しっかりと練られた殺人のはずが、少しづつほころびが出て徐々に追い詰められていく。。。ノンストップサスペンス。
    ドラマも見てみたい。
    ちょこちょこ出てくる中国人女社長のキャラが良い◎

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    2025年09月12日
  • 空中ブランコ

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    伊良部先生も看護師のまゆみさんも変わっているけどすごく好き。
    自分の悩みを笑い飛ばしてくれるような事に救われる事ってあったりする。
    最終的にみんな前を向いていてどの話も素敵だった。

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    2025年09月03日
  • 空中ブランコ

    ネタバレ 購入済み

    今回も

    伊良部医師の破茶滅茶劇が爽快
    お約束の注射の描写もあり

    に、しても最後の女流小説家は
    本作に似合わない

    反則、ほろっとして
    ポロっとなります

    #笑える

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    2025年08月28日
  • 無理(下)

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    真冬のどんよりした地方都市で、生き生きとうごめいている人たち(僕にはこう見えました)が、交錯してこんがらがっていく様子をフランスのアクション映画風味でドドっと読ませる上下巻。「いいじゃんそれで」と明るい気分にさせてくれる読後感でした。

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    2025年08月25日
  • 空中ブランコ

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    5つの短編から構成される一冊となっておりますが、ゆる~く読めるお話で、本当にしょうもなさすぎて心が軽くなります。
    登場人物の疾患症状もそれぞれユーモアに溢れていて、当事者は切実なんですが、診療する側はあっけらかんとしています。迷医と思いきや、もしかして名医?というギリギリ感がたまりません。
    本著はシリーズ2作目ですが、時間を置いてから3作目も読んでみたいです。

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    2025年08月25日
  • ナオミとカナコ

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    カナコのD Vをナオミが知った辺りから、文章のテンポが早くなったような、スピード感に引き込まれた。
    こちらもドキドキするというか。一つ一つ追い込まれるごとに一緒に動揺するというか。
    陽子がこわい。
    お兄ちゃんを狂信的に探す一方で、お兄ちゃんのDVも知っていたってそこに、人間性が現れている。
    また、中国人女性の書き方も上手い、嫌な感じ。図々しさがありながら、頼れる魅力があるというような。
    DVを受けながら、逃れば良いのに逃げられない感じがリアルにわかった。
    私が一番心に残ったのが。ナオミが時計を取り戻しに行く時をきっかけに、仕事が面白くなるところ。
    転機の一つはあのタイミング。日々タイミングはあ

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    2025年08月25日
  • マドンナ

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    『ガール』と地続きみたいな短編集。こちらは都会に生きる男性サラリーマンが主人公。これで直木賞もらっても良かったと思うくらい、汗ばんだ肌をそっとなでるそよ風みたいな、日向も日影も合わせた大人の物語の詰め合わせ。

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    2025年08月17日
  • 最悪

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    主な登場人物は三人だが、メインは町工場のオヤジさん。
    このオヤジさんを最悪の展開に引きずり込むのは、あとの二人ではなく得意先や銀行やご近所さんの身勝手なのだが、二人もそれぞれ不幸な状況にはまり込んでいて、ひょんな繋がりから怒涛の展開へ。

    銀行強盗騒ぎの後、なぜか一緒に逃亡してからのそれぞれの振る舞いも興味深く、そこからの展開は最悪のものでもなく、読後感は悪くない。
    ただ、そこに至るまでの、三人を追い込んでいく醜悪な周囲の連中の振る舞いは本当に胸糞悪く、この手の話が好きな自分にはたまらないw

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    2025年08月17日
  • 我が家の問題

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    読後感がいい。作者は書けるのに書いていない部分がすごく読後感をよくしている。
    好みはもちろん分かれるけど、自分にはドンピシャだった。

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    2025年08月14日
  • ララピポ

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    社会の凸凹に凸凹されながら生きる人たちを、旨味もエグみもまるごとすくい取る連作短編集。男の生理的な視点や下世話さは好みが分かれるけど、その向こうにあるじんわりとした温かさはやっぱり奥田英朗さん。

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    2025年08月11日
  • 我が家のヒミツ

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    ネタバレ

    「手紙に乗せて」母が亡くなった。父のことが気になり一緒に住むことに、三人の傷が癒えるのはずっと先、時間以外に処方箋はなさそうだ。上司である石田部長が父の事を気にかけて優しい対応。分厚い手紙に涙する。人情について改めて考えさせられました。
    「妊婦と隣人」(笑)本当に隣人はヤバイ人達だったのねー。
    「妻と選挙」我が家の問題のラストに登場したファミリー再登場!今回は里美さんが選挙に立候補!結果を知った時涙がジンワリ(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)勿論嬉しい涙。

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    2025年07月24日
  • 最悪

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    1999年初版。650ページの長編。面白かったです。主人公は3人です。鉄工所の社長・大手銀行のOL・パチンコとカツアゲで生計を立てる青年。3人の全く別の人生を送る人間が最悪の経験をします。そして3人が不思議に繋がっていく。本当に最悪なんですよ。読んでいて、なんでそうなるのかなあと思わせます。最初に事件が起こり、それがどのように解決されていくのではなく、何も関係のない人間が絡まって事件になる展開が斬新だなあと思いました。

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    2025年07月22日