奥田英朗のレビュー一覧
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ネタバレ1巻で描かれた親世代に続き、その子どもたち4人が主人公。戦中から戦後にかけてのさまざまな暮らしが描かれる。
ヤノタツの養子である矢野四郎は父と同じくどうしても力に訴えてしまうが、商才にたけ、世渡り上手だ。仲間から慕われ矢野組も立ち上げてしまう。あと少し終戦が遅かったら人間魚雷回天で死んでいたところだったが、生き残った。子供の頃から面倒を見てくれた木下が頼むので、大学へ行くが、裏稼業も次第にエスカレートしていく。
竹田志郎は陸軍少将の息子で正義感が強く、日本人収容所に入れられながらも、無事帰国できた。英語ができるため東大生の頃にGHQで通訳として働き始める。
満洲生まれの五十嵐満は父と同じくエン -
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ドライブのお供にオーディブルで小説を探していた。
狙っていたのは奥田英朗の『普天を我が手に』。しかし、オーディブル化はまだだった。とりあえず予約を済ませた。そして、たまたま目に止まったのが『コメンテーター』。あれ?精神科医・伊良部シリーズ? 4作目があったのか。3作までは読んでいたぞ、あれは平成の頃だったか…。と、すっかりご無沙汰していた伊良部先生に対面することになった。
相変わらずハチャメチャ…のように見えて、最短かつ効果的な治療。読んでいるコチラの気持ちまで治療してくれる。
最近、ささくれ気味の気持ちが癒された、いや治療された。ありがとう伊良部先生。 -
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「貴方は典型的な適応障害ですね」
「貴方は哲学的な思考を持っていて素晴らしいです」
上は、心療内科で私が適応障害と診断された時の担当医師の言葉。
下は、行政が行ってる就労支援センターの職員に言われた言葉。
病名が分かったからと言って、
私の心が何か変わったと言えば、なにも変わらず。
普段から変わらない持論を「哲学」と一言で片付けられたことは、正直言って癪に触った。
心の病というものは難しい。
表面的に自分が感じている感情とは裏腹に、知らない間に心が傷ついていることが良くある。
なぜだが涙が出てしまったり。
出勤時間が迫ってくると脈がドクドクと早くなったり、明日も仕事に行かないといけ -
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お久しぶりの奥田英朗さん
5篇の短編集
最近読んだ奥田作品は
ハチャメチャなとんでも精神科医伊良部先生の新作と、『リバー』の重厚な社会派な作品
さてさて、これは…とハチャメチャな方を想像して
若干ニヤつきながら読んでみたら…
ものすごく良い意味で!
大きく裏切られた!!
表題作の コロナと潜水服
前半は、伊良部先生シリーズっぽい? と
ニヤニヤしながら読んでいたけれど
後半は、なんて素敵な奇跡で ほっこり
他、4篇は、
今まで読んだ奥田作品になかった感じで
とても素敵な物語だった。
何度もトリハダたつし、涙あふれるし。
特に『パンダに乗って』が良かった
最後、カーラジオから流れる -
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失敗作のない奥田英朗の、現時点での最高傑作と断定して差し支えないのではないか、と思わせられる本だ。
昭和という時代を、昭和元年生まれの4人の主人公の群像で描き切る。
4人が4人とも個性と情熱にあふれ、理智も併せ持ち、何より私よりも公の方が大きい生き方を貫く。作者の言葉で言えば「国士」なのだ。
レイモン・アロンが石原慎太郎に語ったと言われる「今の若者は気の毒だ。青春を青春にする3つのものが欠けている。戦争と貧困と命を懸けられる思想と」という言葉を思い出した。
4人の主人公には、揃って「命懸け」の原体験があり、それゆえに大切なもののためには身体を張ることにためらいがない。この実に魅力的な人物たちを -
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ネタバレ注!
結末に触れています。
まだ読んでいない方は、以下は絶対読まない方がいいと思います。
下巻も淡々最後まで淡々で、お話としてはやっぱり面白くなかったかな?(^^ゞ
面白くなかったにも関わらず、★を5にした(上巻は★3つ)のは、最後の大捕物の中にさらっと著者による粋な計らい(救いと言った方がいいかな?)があったから。
警察署全体から邪険に扱われ、家族かも疎まれ、さらには失明するかもしれないと怯える芳邦だけど、ずっと娘を信じていたその思いが正しかったことが、よりによって札付きの犯罪者である池田の口からさらっと出てきた時は、思わず「わっ! すげっ!」と口から出てしまった(^^)/