奥田英朗のレビュー一覧

  • コメンテーター

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    久々の伊良部シリーズ
    精神科医の伊良部先生と看護師のマユミちゃんのコンビは相変わらずで、あぁそうそうこんなんだったなぁと思い出す。
    調べてみると前作の町長選挙から15年近く経っての続編だったようで、もうそんなに経つのかと思う。

    1作中の伊良部とマユミちゃんは変わらず魅力的で、この15年で自分自身に色々あって不安障害に近い状態にもなったりして、そんな作中の患者さんに共感を覚え、伊良部先生のデタラメな様で核心をついている「死にはしないんだから」とか「恥をかいてみれば良いんだよ、周りは明日には忘れてるよ」とかそんな言葉が心に刺さる。

    内容自体は気軽に楽しく読める短編が5本あり、どれも面白く伊良部

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    2025年11月03日
  • 普天を我が手に 第二部

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    『小説現代』2023.7(一冊の雑誌に全編が掲載されたってこと? こんな鈍器本なのに?)

    昭和元年生まれの4人がいよいよ絡みあう。

    第一部よりも私には面白く読めたが、4人の中でも好きな人物と苦手な人物が出てくる。4人のパートが交互に出てくるのだが、苦手なパートが回ってくるとがっかりする。私の場合、ヤクザの子どもである四郎がいつも道を踏み外すと、あーあまたかと思ってしまう。頭もいいし、普通に生きればいいのにと。そうなったら物語にはならないけど。

    それにしても、戦中戦後のなんと混乱していたことか。

    この4人がどういう道を進むのかすぐにでも読みたいのだが、第三部は12月17日発売とか。

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    2025年11月03日
  • コメンテーター

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    久々に読んだとんでも精神科医伊良部のお話。毎回突拍子もない治療法で患者が徐々に回復するのを読んでいると自分の心も軽くなる気がして大好きなシリーズ。

    今作はこれまで全然喋らなかったマユミさんも前のめりで発言していて新鮮だった。

    人間関係に疲れてる方、短編でさらりと読めて癒されるのでおすすめです。

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    2025年10月24日
  • 普天を我が手に 第一部

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    戦前から始まる物語。めちゃくちゃ面白かったです!
    4人の主人公がいて、住む場所や職業や性別からその時代背景を描く。
    勉強にもなるし読んでいてとても楽しかった。
    私が特に応援していたのは森村タキさんという女性の主人公。女性は参政権もなく弱い立場であるところからもがいて頑張って未来へ繋げていく姿勢がカッコイイ。

    そして第二部はその子どもたちへ。
    まるでドラゴンボールだ…次回作が楽しみでしかない!

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    2025年10月23日
  • 普天を我が手に 第二部

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    つ、ついに4人の主人公が躍動し始める…!
    一部では遂に第二次世界大戦が始まったかというところから、二部は戦時中が描かれています。
    敗戦国である日本の物語なのにここまで面白く出来るのは本当に天才なんだなと。
    (”戦争”という一番大きなテーマが負けシナリオなのに面白いってなかなかないですよね。)

    あと一部に続いて単行本の装丁が好きです。三部早く出てくれ〜!何色だ!?笑

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    2025年10月23日
  • リバー 上

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    奥田英朗『リバー 上』集英社文庫。

    北関東連続幼女誘拐殺人事件をモデルにしたような陰惨な事件に翻弄される人びとを描いた犯罪小説である。もっとも本作では被害者は若い成人女性になっているようだ。

    冒頭からストーリーに飲み込まれていく。そんな面白さの犯罪小説である。昭和38年に起きた『吉展ちゃん誘拐事件』をモデルにした犯罪小説の『罪の轍』に匹敵するか、それを凌駕する面白さである。

    前半から描かれる10年ぶりに群馬の工場で期間工として働く刈谷文彦という32歳の男は如何にも怪しいのだが、これは読者のミスリードを誘う仕掛けだろうか。それとも……


    群馬県桐生市と栃木県足利市を流れる渡良瀬川の河川敷

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    2025年10月23日
  • 普天を我が手に 第二部

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    学生の時、私は日本史が得意でした。特に幕末は大得意でした。でも、幕末については、ほぼ教科書を読んだことはなかったのです。
    どこから知識を得たのかと言うと、司馬遼太郎先生の「竜馬がいく」でした。ま、史実通りかというと、たぶんそうでは無いのでしょう。竜馬の実像はいろいろ言われてますしね。
    しかし、小説自体は時代考証、事件も時系列を追っているので、読んでいるだけで歴史書を1冊読んでいるのと同じです。事実、司馬遼太郎先生は幕末の歴史書をトラック1台分取り寄せて、幕末については勉強して、「竜馬がいく」を書きあげたらしいですから。

    ともあれ、「普天を我が手に」の話。
    今年は、昭和100年だそうです。

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    2025年10月22日
  • コメンテーター

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    ハードカバーで、一回読んだかな?記憶が定かではない。ま、どっちにしろ、伊良部者は面白い。
    なんとなく、理にかなっているような、いないような対応が良いですね。

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    2025年10月19日
  • コメンテーター

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    伊良部シリーズは本当どれも読みやすくて面白い。

    精神的な不安定性(病とはあえて書かない)を抱える患者の根本原因とその治療を、コミカルに、かつ真理をついて描写できるのは本当にすごい。

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    2025年10月19日
  • イン・ザ・プール

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    めっちゃ面白い。伊良部の正直すぎるやばさがくせになり引き込まれる。患者の人間模様も興味深い。もっと読みたくなる。

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    2025年10月18日
  • 普天を我が手に 第二部

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    1945年日本の敗戦。その中で新しい道を模索する四人の若者たち。昭和元年生まれの主人公たちは敗戦の年にちょうど二十歳を迎えていたわけなので、当たり前と言えば当たり前だが、戦後はまさに彼らのエネルギーによって引っ張られていく。

    海軍リベラル派の中将を父にもち法律を勉強し検察官を目指す者、金沢の侠客を父にもち東京でもその世界で名を知られるようになる者、女性雑誌編集者で社会活動家を母に持つ女性、そして満洲の興業王を父にもち、敗戦後、ソ連、中国の収容所を経てようやく日本に帰還した者。それぞれの人生が交わる中で、いよいよ第三部に突入していく。

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    2025年10月17日
  • 普天を我が手に 第一部

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    昭和元年に生まれた四人の人生を並行的に描きながら、昭和という時代を浮かび上がらせようという大河小説の第一部。第一部ではまだこの四人がどのように交わっていくのかその予兆を感じさせるに過ぎないが、第二部では激動の戦時下、それぞれの人生が交錯していくことになる。

    主要参考文献にその昔編集作業に協力した講談社の『昭和二万日の全記録』がしっかり挙げられているのを見て、感無量(笑)。また四人のうちの一人は金沢出身で金沢が舞台のひとつに上がっているのも嬉しい。

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    2025年10月17日
  • 罪の轍(新潮文庫)

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    ネタバレ

    20251015

    初の奥田英朗さん、そして分厚さに圧倒されましたが読み始めたらあっという間でした。ミステリーとらいうよりヒューマンドラマな感じしますね。

    昭和38年ということで自分の父が生まれた時代が舞台で、今とのギャップを感じられるのがおもしろかったです。まずお金の価値が違うし、携帯はおろか一家に一台電話のある時代じゃない。戦争から復興し、欧米の仲間入りをしようとがむしゃらだった日本、みたいなものを感じて、これが今に続いてるのかーと思ったりしました。
    衝撃だったのは、身代金引渡しの時間変更を一斉に知らせられないということ。え、携帯あるじゃん?と思いましたが…ないんですよね。

    昭和の警察

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    2025年10月16日
  • コメンテーター

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    久しぶりの伊良部シリーズに元気をもらった。伊良部先生は一見狂った医者だが、精神科医としてはこういった人物が適材なのではと思わされてしまうのが不思議だ。特に「ラジオ体操第2」が好きで、人に対して怒れなかった福本さんが殻を破ってラジオ体操を歌い出した場面では思わず笑ってしまった。

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    2025年10月13日
  • コメンテーター

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    久しぶりの伊良部先生!面白かった。短編集でそれぞれの患者が伊良部先生に翻弄させられながらも、治療されていく様子は微笑ましく、また勇気が湧いてくる。肩に力が入りすぎな人は是非読んでほしい。これまでのシリーズもう一回読み返そうかな。

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    2025年10月12日
  • 普天を我が手に 第二部

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    昭和元年に生まれた4人の戦中の過酷な状況と、戦後の混乱期それぞれに如何にして生き延び、前を向いて何者かに成ろうとする姿は、バイタリティ溢れる青春小説として大変面白く読んだ。
    戦後復興の波に乗り始めるような場面で終わる第二部だが、なんと25年12月17日に第三部が発売されるとあり、この大河小説の行末に期待が盛り上がってしまう。

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    2025年10月10日
  • 普天を我が手に 第二部

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    ネタバレ

    凄い作品です。
    第1部の登場人物たちも魅力的でしたが、
    第2部はその子どもたちの話になり、
    親たちの存在感はすっかり薄いものに。
    一気に話が進んで急激に面白くなりました。

    第2部は太平洋戦争の頃の話が主軸ですが、
    戦場や空襲を受けた東京などの描写がとんでもなくリアルで生々しいです。
    戦時、戦後の日本人の生活のリアルがそこにあります。
    戦争のを学ぶ歴史的資料としても価値のある作品と思います。
    今まで、太平洋戦争については教科書や映画、小説で目にしてきましたが、当時のあらゆる立場から見る状況が本当にリアルです。
    巻末の参考資料の多さを見ても、
    本当に起こった事なのだとわかります。

    今回の第2章

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    2025年10月10日
  • 普天を我が手に 第二部

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    第二部もページ数があったにもかかわらず、最速で読めました。

    なんたって面白すぎる〜

    4人の主人公が、際立っている。
    あ〜 早く第三部が読みたい!!!

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    2025年10月09日
  • 普天を我が手に 第一部

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    すごいドラマが展開します。同じ時代に生きた人々ですが、階層が違うと世界観も価値観も別物になるのですね。そして、読み手の予想としては、子供の世代のどこかで、その人々が遭遇するのでは?さあ、第2部はどうなることやら!楽しみで楽しみで早速、予約したのは言うまでもありません!

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    2025年10月09日
  • 向田理髪店

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    北海道の過疎の町で理髪店を営む向田康彦が主人公。今はもう高齢者ばかりの町に、札幌で働く息子が「会社を辞めて店を継ぐ」と帰ってくる。

    いくつかの章では狭い社会の中で数多くの難題が降りかかる。若者らと親世代での開発への意見相違、町に中国人の花嫁が嫁いでくる話。美人の若い女がスナックを開き、男たちが通い出す話。映画のロケが町で行われることになり、町民がエキストラで何人も出演することになる話。
    最後の話は町出身の若者が東京で事件を起こし逃げ帰ってくる話。

    実はこの小説は2022年に映画化され、主人公の向田康彦役は高橋克実が演じている。配信で観てびっくりしたのが、映画の舞台は北海道ではなく福岡県であ

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    2025年10月08日