奥田英朗のレビュー一覧

  • 普天を我が手に 第一部

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    昭和元年からの三部作、第一巻。この長き小説は四人の男女とその子供を軸に書かれている。第二巻は、9月とのことだが、早く続きをよみたい。

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    2025年08月27日
  • 無理(下)

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    真冬のどんよりした地方都市で、生き生きとうごめいている人たち(僕にはこう見えました)が、交錯してこんがらがっていく様子をフランスのアクション映画風味でドドっと読ませる上下巻。「いいじゃんそれで」と明るい気分にさせてくれる読後感でした。

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    2025年08月25日
  • 空中ブランコ

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    5つの短編から構成される一冊となっておりますが、ゆる~く読めるお話で、本当にしょうもなさすぎて心が軽くなります。
    登場人物の疾患症状もそれぞれユーモアに溢れていて、当事者は切実なんですが、診療する側はあっけらかんとしています。迷医と思いきや、もしかして名医?というギリギリ感がたまりません。
    本著はシリーズ2作目ですが、時間を置いてから3作目も読んでみたいです。

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    2025年08月25日
  • ナオミとカナコ

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    カナコのD Vをナオミが知った辺りから、文章のテンポが早くなったような、スピード感に引き込まれた。
    こちらもドキドキするというか。一つ一つ追い込まれるごとに一緒に動揺するというか。
    陽子がこわい。
    お兄ちゃんを狂信的に探す一方で、お兄ちゃんのDVも知っていたってそこに、人間性が現れている。
    また、中国人女性の書き方も上手い、嫌な感じ。図々しさがありながら、頼れる魅力があるというような。
    DVを受けながら、逃れば良いのに逃げられない感じがリアルにわかった。
    私が一番心に残ったのが。ナオミが時計を取り戻しに行く時をきっかけに、仕事が面白くなるところ。
    転機の一つはあのタイミング。日々タイミングはあ

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    2025年08月25日
  • 普天を我が手に 第一部

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    戦後80年。
    その節目にこの本が出てよかった。
    奥田英朗さんらしく、ぐいぐい読ませるテンポのよさ。それぞれの人物にそれぞれの葛藤があり、悲しみがあり、笑いがあり。
    第二部ではきっと子供たちに話しが移っていくのだろう。今から楽しみです。

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    2025年08月22日
  • 普天を我が手に 第一部

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    昭和100年、戦後80年の今だからこそ読むべき一冊。最近読んだ本の中では一番面白い。本作を読んで、戦争直前の日本の臨場感を生々しく味わえた。4つの全く異なる家族の生き方を交互に描く構成も素晴らしい。

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    2025年08月22日
  • イン・ザ・プール

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    精神科医版の世にも奇妙な物語。

    自分にも十分起こり得る可能性がある作品ばかり。
    物語展開と患者が底無し沼にハマっていく描写がリアル過ぎて、胸がゾワゾワして、変な汗をかいてしまった。

    人生は振り返ることも大切なのかも知れない。

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    2025年08月21日
  • マドンナ

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    『ガール』と地続きみたいな短編集。こちらは都会に生きる男性サラリーマンが主人公。これで直木賞もらっても良かったと思うくらい、汗ばんだ肌をそっとなでるそよ風みたいな、日向も日影も合わせた大人の物語の詰め合わせ。

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    2025年08月17日
  • 最悪

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    主な登場人物は三人だが、メインは町工場のオヤジさん。
    このオヤジさんを最悪の展開に引きずり込むのは、あとの二人ではなく得意先や銀行やご近所さんの身勝手なのだが、二人もそれぞれ不幸な状況にはまり込んでいて、ひょんな繋がりから怒涛の展開へ。

    銀行強盗騒ぎの後、なぜか一緒に逃亡してからのそれぞれの振る舞いも興味深く、そこからの展開は最悪のものでもなく、読後感は悪くない。
    ただ、そこに至るまでの、三人を追い込んでいく醜悪な周囲の連中の振る舞いは本当に胸糞悪く、この手の話が好きな自分にはたまらないw

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    2025年08月17日
  • 普天を我が手に 第一部

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    とても面白い本。時間を見つけては読んだ。戦争に突き進んで行く日本。アメリカとの戦争を回避しようと必死に働いていた人たちがいたことに心動かされた。戦争がそんなに昔のことではないことに改めて気づき驚いてしまう。今の平和な暮らしがあること先人に感謝しなければ。

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    2025年08月15日
  • 普天を我が手に 第一部

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    奥田英朗さんの得意な群像劇
    昭和を舞台に4家族にフォーカスを当てながら、
    歴史に翻弄されながらも逞しく生きて行くストーリーが面白く一気読みでした。早く続きが読みたいです。

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    2025年08月15日
  • 我が家の問題

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    読後感がいい。作者は書けるのに書いていない部分がすごく読後感をよくしている。
    好みはもちろん分かれるけど、自分にはドンピシャだった。

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    2025年08月14日
  • 普天を我が手に 第一部

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    昭和100年、戦後80年の節目の年に壮大な日本現代史。しかも連載始めたのは10年前。構想段階まで含めると…溜め息出る。600ページの厚さに慄くも一気読み。まだ二部、三部と続く…。いろんな立場の登場人物に4人の子どもたち。どう影響し合い、人生歩んでいくのか、早く続き読みたい。ヤクザがいい人だったり、軍の中にも優れた見識の持ち主いたり、反戦運動に取り組む男がクズだったり。それぞれの使命感に突き動かされ、自分こそ正義と信じて、いとも簡単にひとを殺す。戦争は、個人の思いをなぎ倒し全員が同じ方向に向かわせる。米の民主主義の危うさも指摘。今の世界情勢。似てないか…。

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    2025年08月12日
  • ララピポ

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    社会の凸凹に凸凹されながら生きる人たちを、旨味もエグみもまるごとすくい取る連作短編集。男の生理的な視点や下世話さは好みが分かれるけど、その向こうにあるじんわりとした温かさはやっぱり奥田英朗さん。

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    2025年08月11日
  • 空中ブランコ

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     伊良部シリーズ第2弾。直木賞受賞作品。
     今回も伊良部医師のハチャメチャな治療法が炸裂。
     ただ、たまに的を得た言葉を口にするのが印象的で、伊良部の本質は実は堅実なのではと感じる部分もあった。

     サーカスの空中ブランコが飛べなくなってしまった団員、投球ができなくなってしまった野球選手、作品が書けなくなってしまった小説家。
     今まで普通にできていた事ができなくなってしまった人たちの苦悩が伊良部の荒療治ともいえる治療で和らいでいく姿が良かった。
     「義父のヅラ」は楽し過ぎて爆笑でした。

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    2025年08月11日
  • イン・ザ・プール

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     とにかく面白過ぎて一気読み。

     奇天烈な神経科医師の伊良部の元に、様々な症状を抱えた人たちが5章にわたり診療に訪れる。
     ホントに医者か?と思うような独特な治療法だが、
     「ストレスなんてのは、人生についてまわるものであって、元来あるものをなくそうなんてのはむだな努力なの」
     「心配は人にさせるの」
     こういう考え方は無責任なようにもみえるが、上手に生きていく上で肩の荷が軽くなる言葉だと感じた。

     表題作の「イン・ザ・プール」のラストがほんわかしていて良かった。
     「フレンズ」での携帯依存症は、今のスマホ依存に当てはまるのでは・・・。

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    2025年08月04日
  • 普天を我が手に 第一部

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    金沢の任侠とリベラルな軍人と女性運動会と大連のミュージシャンの四人が基軸になって繰り広げられる群像劇。
    大正15年12月25日から物語が始まり、それぞれほぼ同時期に子供も生まれ、昭和16年12月8日の開戦までが描かれている。戦争へと止めようもなく雪崩れ込んでいく様子が、なぜか既視感を覚えるように、どきどきしながら引き込まれていく。
    そう、このままいけば数年後の日本かもしれないといった怖さがオーバーラップされるのだ。600ページもあったが、まだまだものたらなく、続刊の9月が待ちきれない。

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    2025年07月31日
  • 普天を我が手に 第一部

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    昭和史を三部に分けての第一部。
    とても読み応えがあった!
    昭和元年に生まれた4人の子供達の親世代の話。
    太平洋戦争開戦までを、政治家から、エンタメ業界こら、女性から、任侠世界から、其々がどう捉えたかが描かれている。
    どんどん戦争に巻き込まれていく様子に手に汗握る。唸る様な思いだった。
    第二部、第三部が楽しみ。

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    2025年07月29日
  • 普天を我が手に 第一部

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    それぞれバックグラウンドが全く異なる4人と、数日しかなかった昭和元年に生まれた彼らの子どもの人生のアドベンチャー、それを激動の歴史が背景にあることもあって面白い。

    昭和を振り返る事ができる現代だからこそ書ける内容かな、というような(まあ当たり前といえば当たり前だが)、おしなべてみんな先見の明あって、それだけが少し違和感があったが、でもよく調べて書かれているなと。

    4人と4人を取り巻く人々が生き生きと描かれていて、彼らの子どもたちも魅力を感じる。第一部は親世代がメインだが、少しずつ子どもたちの運命の糸が絡み合い始めており、第二部以降も今から楽しみ。

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    2025年07月26日
  • 我が家のヒミツ

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    ネタバレ

    「手紙に乗せて」母が亡くなった。父のことが気になり一緒に住むことに、三人の傷が癒えるのはずっと先、時間以外に処方箋はなさそうだ。上司である石田部長が父の事を気にかけて優しい対応。分厚い手紙に涙する。人情について改めて考えさせられました。
    「妊婦と隣人」(笑)本当に隣人はヤバイ人達だったのねー。
    「妻と選挙」我が家の問題のラストに登場したファミリー再登場!今回は里美さんが選挙に立候補!結果を知った時涙がジンワリ(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)勿論嬉しい涙。

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    2025年07月24日