奥田英朗のレビュー一覧

  • 普天を我が手に 第一部

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    歴史の面白さ。こんな風に様々な立場の人の生活、視点、感情が知れてとにかく面白い。右派左派、世界での日本の立ち位置、登場人物が少しずつ繋がって行くのもまさに大好物。やっぱりワクワクさせてくれる奥田英朗さん。オーディブルでとびとびで聴いたけど、紙でどっぷり集中してまた読みたい!そして続きを読みたい!

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    2026年06月18日
  • 普天を我が手に 第一部

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    本当に読んでよかった!…ただ日本近代史の知識がないと、なかなか大変。スマホで調べたり、詳しい人に聞いて学びながら読み進めた。

    向学心のない学生時代だったせいもあるだろうけれど、近代史って習うのが学年末近くだからなんだか適当に教科書を読んで終わりって感じだった記憶。
    詳しく説明されるのは原爆と東京大空襲くらい。
    これってどうなんだろう。
    そんな授業だったから【日本=被害者】っていうイメージでいた。
    だけど読んでみたら、客観視できていない外交と、うまく言えないけれど他国に対してあまりに偉そうな態度で、引き返すチャンスなんてこんなにたくさんあったのかと驚きしかない。

    登場人物はみんな一般庶民からかけ離れている人だから感情移入はしにくいけれど、時代の流れの真ん中にいる人たちだから世の中が進んでいく怖さを感じられた。

    自分がこの時代に生きていたらどうしたかなーと考えて見たけれど、“群青”をコソコソ読みつつも、モンペ履いて防空訓練に真面目に出ていそうだなと思った。
    反戦の気持ちがあっても、私にはタキの勇ましさは信じられない。

    第二部に向けてまたエネルギーをためておこう!

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    2026年06月18日
  • 普天を我が手に 第三部

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    第一部から続いた物語が完結。
    昭和元年生まれの竹田志郎、矢野四郎、森村ノラ、五十嵐満の4名それぞれが生きた昭和。
    戦争体験を胸に自分たちの力で新たな国をどうやって作るのか、奔走していく姿に熱くなる。
    現代が当たり前に平和で飢えのない時代に感じるが、そんなことはない。それを目指して二度と戦争しなくて済む、そして豊かにしようと生きた人たちの命のもとに自分たちが生きられることを再認識した。
    2人のシロウの演説には本当に感動した。

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    2026年06月15日
  • 普天を我が手に 第三部

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    第1部から第3部まで、1500ページを超える長編を読み終えた。
    登場人物を美化しすぎ、盛りすぎ、様々な事件を無理矢理に物語にしている点など、ちょっとやりすぎではないかと思うところも多々あった。
    しかし、全体を通して、昭和の歴史を振り返ってみるには、大変興味深いところもたくさんあり、エンターテイメント小説としては大変よくできていると感心した。

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    2026年06月15日
  • 罪の轍(新潮文庫)

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    ネタバレ

    東京オリンピックを目前に控えた昭和を舞台にした長編ミステリー。

    電話も移動手段も今ほど発達しておらず、警察は自らの足で真実を追う。その地道な捜査描写が強く印象に残った。

    物語の中心にいる寛治は、決して単純な悪人ではない。貧困や家庭環境、過去の出来事など様々な背景を抱えている。

    しかし、それらを知った上でも、ヨシオちゃんや里子を死なせた事実は消えない。

    読んでいて感じたのは、人は残酷な事件に理由を求めるということだった。理由があれば理解できる気になる。しかし本作は、その理由だけでは割り切れない人間の複雑さを描いている。

    特に寛治は「莫迦ではない」。だからこそ厄介で、だからこそ忘れ難い人物だった。

    終盤、手錠を外して逃走してからは息つく暇もなく、読後には強い疲労感が残った。それだけ長い時間、この事件と登場人物たちに付き合わされたということなのだと思う。

    800ページを超える長編ながら非常に読みやすく、昭和という時代の空気も含めて楽しめた一冊。

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    2026年06月12日
  • オリンピックの身代金(下)

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    1964年10月10日東京オリンピック開会式、これより体育の日として祝日となる。

    全ての日本人が誇らしく語るオリンピック開催に、ひとり立ち向かう島崎の様子はまるで風車に挑むドン・キホーテのよう。

    現代世界で起こっている“テロ”と違って、島崎の起こした「テロリズム」は大きな時代のうねりに逆らう覚悟を持ったささやかな抵抗。

    「人の上に立つということは、一等謙虚であらねばならないのだが、今の浮かれた日本でそれを自覚する者はいない。資本主義を盲信し、陽炎のような足場のない繁栄に、集団で酔っている」……60年たった今も変わらない。

    ともかく、東京オリンピック開会式は無事に終わる。だから、ミステリーではない。
    1964年当時の空気を見事に描き、さまざまな立場の者たちの群像劇が、澄み渡った青空の下で、華やかなオリンピックの舞台の陰で、繰り広げられる。

    読み終わったあとも少し名残惜しいほど、感慨深い物語だった。

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    2026年06月07日
  • 普天を我が手に 第一部

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    返却日が3日もオーバー、急いで読めなくもないが、それじゃあ筋を追うだけになってしまう。仕方なく332Pまで読んだ時点で一旦返却することにした。後にまだ2部と3部が待っているのだから・・・

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    2026年06月05日
  • イン・ザ・プール

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    伊良部さんが自由すぎて、もう少し自由にやりたいことをして生きても良いのかなと思いました。
    面白かったです。

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    2026年05月30日
  • コロナと潜水服

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    久々に読む奥田英朗。ほんのりファンタジー仕立てな作品なんだけど、すごくいい。短編5作品あるんだけど、全部良かった。情景が浮かぶんだよね。

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    2026年05月25日
  • 普天を我が手に 第三部

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    圧倒的読後感。
    自分も昭和生まれだが、物語の出来事の大半は物心つく前の話なので、ほぼ歴史を学び直したかのような感覚である。史実に基づいたフィクションというスタンスだが、価値観の異なる4人が主人公なため、カオス極まる昭和を描いているにも関わらず、偏った構成にはなっていないのも素晴らしい。

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    2026年05月25日
  • 沈黙の町で

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    ネタバレ

    こんな作品がこの世にあるのか、と思うほどのめりこんでしまった。中学生の心理について実際の世界を見て書いたのではないかと思うほどにリアルに書かれている。自分の中学生生活を振り返ってもこの本の中の光景は至る所にあり、様々な背景の人間が入り混じる公立中学そのままを感じた。

    この小説は中学生という一つの社会の中の力学があり、その中で生じた事故(確定しないが)が、大きな衝撃をもって大人の社会を巻き込み、違う力学を持った社会同士が重なることで困惑・謎を生じている。子供が謎を抱えて亡くなるという状況で、人々はまず沈黙する。その理由は、子供社会での力学、自分への罰の意識、殺人や自殺という可能性があること、そして沈黙自体から生じるさらなる疑念・不安があるのだろう。

    彼らや子供たちが最初に黙っていたことは、大人の社会に混乱を生じたが、逆にそれだけの時間が必要だったのだろう。

    子供社会においては白黒はっきりさせずに置いておくということができないため、それぞれが持っているそれぞれの社会・家庭から受け取った大きなルールを抱えて、それを守ろうとしている。長身のテニス部は終始精神的な強さを感じさせるが、家庭での教えが彼をそうさせていると感じさせる描写はみられた。身体的に強いことも無関係ではないだろう。
    子供たちはそのルールを素直に守ろうとする一方、ノリとしか言いようのない子供社会での行動原理も持っている。そこにうまく乗れない人は一定数いて、不和を生じることで回りをいら立たせてしまう。判断ができないのではなく、そのようなルールを抱えて、それをうまく現実社会の問題に当てはめられないのだと思う。

    興味深いのは、作中で検事や一部の警察以外の大人は子供が子供社会のルールで動いていることを理解しておらず、未熟だからという点で片付けようとしている。しかしながら、この物語を読んでいるとむしろ大人や彼らの接する狭い社会でのルールや正しさを守ろうとすることが彼らを謎な行動に向かわせているように思えるのだ。

    印象に残っているシーンはいくつもあるが、
    亡くなった子供の親と、加害者とされた子供の親がスーパーで鉢合わせる。どうしようもなく規模感が街なのだ。これは鳥肌が立った。
    亡くなった子供の親が、加害者とされた子供たちを家に呼んだとき、つい優しい言葉をかけてしまうシーンも素晴らしいシーンだった。

    子供はそれぞれの思いはあれど、最終的にを亡くなった子供の背中をつねってしまう。そこは最終到達点として意識されているように思われた。ここにおいては、拒絶のあかしなのではないだろうか。
    これまで同情心やかばう心を持っていた人が、逆に加害に傾いてしまう。この背景には、かばってやったのにという気持ちと、つねる理由があるという子供社会での正しさ、その子供を侮る気持などがまじりあって生じたものだと考える。
    一方、自己だったという前提に立った時、なぜ亡くなった子供は飛んだのだろうか。孤立していく中で彼は不良だったり、一年生だったり、テニス部の同級生四人だったり、クラスだったり、テニス部自体だったり、所属できる場所に彼なりの思考方法で離れないようにしている。また、祖母にもらったラケットであることも大きかったのだろう。期待をかけてくれる、優しい祖母をがっかりさせてしまうかもしれないのだ。
    これは母親のセリフにもあったが、彼は一人っ子だったのだ。その家庭なりの愛情を一身に受けていたし、家庭の中で子供同士の社会を築く機会はなかったのだろう。
    (親戚のこどもという表現はなかったものと記憶している)
    彼はいじめられていた。いじめが彼の周りにある社会的コミュニケーションであり、彼は普通のコミュニケーションを学ぶ機会からやや外れていた。彼自身の特性もあったのだろうが、ここがとてもリアルだと思ったところだが、彼は響かない人間だと思われていた。
    この響かない人間、違う言い方をすれば他人が期待したような反応を返せない人間は、とても周りをイラつかせる。響かないから周りからの働きかけはエスカレートしていく。これは重要な点だと考えるのだが、コミュニケーションが苦手な人は、適切なリアクションを返すことも当然にして苦手なのだ(適切な反応を返せる人はそもそもその土俵に立たない)。で、響いていないように見えて実際には結構響いていたりする。

    気になった点は極めて少ないのだが、一つ上げるとすれば最後まで何かを隠している子供についてだ。
    中心人物の二人は最初から黙り通せる強さがあり、それは子供社会のルール(告げ口しないなど)や他人を守るための行動で、その行動が正しいかはさておき、自分のためだけに黙り通せるものではないと感じた。
    なので、最終的に最後まで何かを隠していた子供が、それが、たとえ本当に事故だったとしてもより踏み込んだ過失があったとしても、最後まで黙りとおせるものかと感じてしまった。
    小説の本当に最後、あの状況で死んでしまったのだと断定して助けを呼ぶ発想が出ないのは、未必の殺意なのか、そもそも助けるという発想が未熟さゆえに出なかったのか。
    最後に、罪と罰について考えてみたとき、最終的に何かを隠している子供以外の三人、他の背中をつねった人たちは漠然と、罰の意識を感じている人はいたが、明確に罪の意識を感じている人はいなかったように感じた。しかし、何かを隠している子供は、明確に罪の意識を感じている。
    罪の意識を感じるだけの、事故以上の何かが、空白の時間に彼と亡くなった子供の間にあったのではないかと空想した。

    筆者は最大限の想像を生む空白の数分間を残してくれたのだ。沈黙から抜けていく町で、最後まで残った沈黙。

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    2026年05月24日
  • 普天を我が手に 第二部

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    昭和サーガ第2巻。分厚いのに2日で一気読み。
    前巻は親世代の話で、今回は昭和元年生まれの昭和の申し子たちが第二次世界大戦を乗り越えて、自分の人生の指針を見つけるまでのストーリー。個々にニアミスして来た4人が一堂に会するシーンは心震える。
    この先は近代から現代に繋がることになると思うけど、個人的にはあまり興味ない時代。さて、どうなる!?

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    2026年05月20日
  • 普天を我が手に 第一部

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    昭和元年に生まれた全く立場の違う子供たち4人。昭和100年を描く三部作の壮大な物語の第一巻は、彼らの親世代の話。
    そのテーマと本の分厚さから手に取るのを躊躇していたが、読み始めたら止まらない。奥田英朗ならではの軽妙なテンポが、次々と視点の変わるメリハリの良さも相まって、文章なのにスピード感が凄い。
    次巻からいよいよ子供世代の話になると思うが、数奇な運命が絡み合う伏線は既に張られているので、否が応でも期待が高まる!!

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    2026年05月18日
  • 最悪

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    ネタバレ

    最初は全く関わりの見えない3人の話がコロコロ入れ替わりながら進んでいき、
    不幸や不快なこと少し自業自得なことが重なり合っていくストーリーは面白かった。
    様々な人の視点から見たスレ違いやいつ交わるのか展開を想像しながら読み進めた。
    個人的には銀行の理不尽さが1番不快でいやな内容だったことと、真面目に1番正常に働いていた人がおかしくなっていく様が暗かった。

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    2026年05月18日
  • コメンテーター

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    久しぶりの伊良部医師はやっぱり面白かった!
    あまりの変人ぶりに、驚きつつも和んでしまう不思議。
    たまにプッとふきだすほどの面白さ。

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    2026年05月17日
  • 東京物語

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    垢抜けない青年が上京して大人になっていくまでが、まるで自分の過去を振り返るように感じられてとても面白かった。これぞ20代の青春なんだなと、高校の青春とは違う種類のものを感じた。

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    2026年05月14日
  • 普天を我が手に 第三部

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    2026.5 第3部は読みやすく、面白く、引っ掛かるところもなく、読んでいてワクワクしながらあっと言う間に読み終わってしまいました。
    ラストはこういう形にして小説を終えるとは、さすが奥田さんです。

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    2026年05月12日
  • ナオミとカナコ

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    結末が気になって、最後の方、一気に読み切ってしまうほど。面白かったです。
    主人公二人はもちろんのこと、周りの中国の方達がとても魅力的に描かれていると思いました。

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    2026年05月11日
  • オリンピックの身代金(下)

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    下巻は一気読みの面白さだった。時間と視点が入れ替わる仕掛けもいい。いろんな立場の登場人物から当時の世相もイメージできる。クライマックスの臨場感もいいが、最後に国男の視点も欲しかった。余韻と想像力を掻き立てられた。

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    2026年05月10日
  • 最悪

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    まぁ面白かった。続きが気になって隙間時間を使って読んだ。
    早く3人が繋がって何かしてくれー!と思ってたが、合流が思ったより遅い。

    読みながら、自分にも何気ない些細なこと、自分からみてどっちでもいいと思っていることの選択によって、他人に大きな影響のあることがあるかもしれない、後々後悔することがあったかもしれないとか、いろいろ考えていた。その逆もあったのだろうなとか。

    結末は、まぁ、良かったのではないか。

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    2026年05月08日