奥田英朗のレビュー一覧
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面白かったです。表題作のインザプール、声出して笑いました。わたしはミステリーとホラー以外ほとんど読みませんが、こんな面白いなら他も読みたいと思い、インザプールを読み終わってすぐ二作目の空中ブランコを買いに走りました。こんな医者おるわけないやん、と、でも絶対おってほしい、の反対の感情がごちゃ混ぜになって終盤は何か胸が苦しかったです。
人生ってこういうことだよねと思いました。解決はないんですよね。誤魔化しながら付き合っていくしかないわけで、病気も人間も。それを改めて思い知ることができました。まったく、緩やかな絶望ですよね、人生は。その中のいっときでもこうして笑わせてくれる先生に、心より感謝いたしま -
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毒を持って毒を制す、という感じだろうか。
奇妙な悩みを抱えて来院する患者たちは、ヘンテコな精神科医・伊良部一郎に振り回されるうち、いつの間にか問題が軽くなっていく。
患者たちもどこか横柄で偏屈なのだが、目の前にいる伊良部はそれ以上にわがままで自己中心的。「こいつ本当に医者か?」と思わせるような言動ばかりだ。
もしかすると伊良部は、わざと非常識に振る舞うことで患者自身の滑稽さを映し出しているのでは…とも思ったが、たぶん本人は何も考えていないんだろうな。
深刻に思い悩んでいることも、「そんなに大した問題じゃないかも」と思えた瞬間、人は少し楽になれる。
伊良部は欲望の赴くままに行動しているだ -
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こらはもう近代史、現代史も含む壮大な歴史群像劇だね。
この3巻からなるので最終章で終わりを迎えたわけだけど、
竹田志郎、矢野四郎、森村ノラ、五十嵐満それぞれの生き方で己を貫き、志郎は検察官から国会議員へ、
四郎も事業家から大物政治家から可愛がられ、頼られやがて議員に。
ノラもアメリカへの留学を果たし(人種差別も当然経験し)
通信社の特派員からテレビ局の記者へ。
五十嵐満もプロレス興行やビートルズ(小説ではビートボーイズ)公演を成功させるエンターテイメント界隈では欠かせない大物プロデューサーに。
それぞれの道を歩みつつ4人がそれぞれに交差する瞬間がいい。
そしてそれぞれ伴侶を得て子どもも産まれ、 -
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2県をまたいで発生した渡良瀬川の連続殺人事件。下巻は3人の容疑者のうちの本命1名の別件逮捕から始まる。状況証拠は揃っている。でも確実な物的証拠がない。容疑者は黙秘を続けたまま勾留期限が迫ってくる。焦る警察官たち。ほうぼうでの地道な捜査が描かれる。
なるほど、下巻はその展開か。逮捕されてからがまだ紆余曲折あるのね。小説のなかの人たちと同様に、読者もジリジリとさせられる。そしてとうとう容疑者は釈放されてしまい、職場に戻る。悔しすぎる警察。そうこうしているうちに第3の殺人が…
犯人は違う人物なのか?それとも警察の読み通りなのか?最後まで容疑者側の内面は描かれないので、どんな心理なのかはわからない -
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刑事もの。ポップなタイトルと表紙の題字とは裏腹に、上下2巻に渡りじっくり描かれる硬派な捜査活動。特定の主人公がいるわけではない。たくさんの警察官、警察官OB、事件記者、被害者遺族などの複数の視点で事件発生からの捜査展開を綴る、読み応えのある本書。
事件は県境の渡良瀬川近辺で発生した連続殺人事件。10年前の未解決連続殺人事件と犯行手口が似ている。今回こそ解決へ、と、栃木県警と群馬県警が共同で捜査本部を立ち上げる。そこに10年前の元警察官OBや、当時の被害者遺族、当時疑われていたが証拠不十分で逮捕に至らなかった容疑者などが絡んでいき、少しずつ真相に近づいていく。
上巻は、真犯人と思われる人物が -
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ネタバレ今回は甘口というか、温かい話が多かった気がする。
面白かったのは『義父のヅラ』
私自身、小学生の頃にイタズラしたことが大事になっちゃったり、中学の頃に学級委員や生徒会なんかやっちゃったから、「真面目ないい子」でいなきゃいけなくて、だから不良が羨ましかったし、今回伊良部達がやったイタズラは本当に痛快で、爽快で羨ましかった。
伊良部の姿を見ていると本当に肩の力が抜けてこのくらい自由になれたらと思うし、こんな人が身近にいてくれたらと思う笑
最後の『女流作家』は泣いてしまった。看護師マユミのぶっきらぼうだけど、正直な感想が何よりも嬉しいはずで、報われて良かったねって思った。
相変わらず人懐こく