奥田英朗のレビュー一覧

  • 向田理髪店

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    田舎の空気感がありありと伝わるストーリーで、途中からどんどん面白くなった。同時に、苦しさもあったけど、それは物語のうまさだなと思う。
    最後の逃亡者の結末は、心温まる終わり方。失敗をしてもやり直せる社会をって言われるけど、簡単じゃない。でも、それを何となく軽々と乗り越える若い世代の人たちは、きっとやっぱり小さい挫折や失敗をして田舎に帰ってきて、だからこそ清々しいのかもと思った。

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    2025年08月24日
  • 真夜中のマーチ

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    2025.08.23
    奥田英朗の作品はもっと映像化されるとよいのにと思うこと多い。この作品もテレビドラマ向けの楽しさあると思うのですがね。
    と、思ってたら映像化されてた。やはりね。

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    2025年08月23日
  • 沈黙の町で

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    中学2年生という本当に不安定で脆くて危うい時に大きな事件が起こるとこんなことになってしまうんだというのが恐ろしかった。
    中学生の善悪の基準は集団の中でどう見られるかということで、大人のそれとは違う。
    でもいくら思春期で大人には素直さを見せないのだとしても、大人たちはいじめていることもいじめられていることも本当に全く気づいてなかったのかと思ってしまう。どこかで止めるタイミングはあったのではないかな…。せめてそういう遊びがあると知っていたなら、屋根には登れないようにはしていてほしかった。
    リアルで本当に面白かった。

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    2025年08月20日
  • 向田理髪店

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    さすが奥田英朗!
    どの話も上手。
    ストーリーもキャラもよくあるパターンだが、読みやすく少し捻ってある。
    ここらが売れる作家の力だろう。

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    2025年08月19日
  • イン・ザ・プール

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    精神科に通う精神異常者とそれを診る医者の話。
    中でも「フレンズ」がおもしろかった。
    現代の風刺。SNS依存。
    誰かと常にメール、繋がっていないと不安、誘われたら嫌われたくないと思ってすべて受け入れる。予定に空きがあったり、自分が流行を全部知っていないと嫌な気持ちに。
    でも実は、返信が来なくてあせっていても相手は案外あっけらかんとしている。
    現代の若者にも通じるのではないか。

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    2025年08月17日
  • イン・ザ・プール

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    ネタバレ

    イン・ザ・プール
    ストレス発散にプールで泳ぎ始めたら、それが依存症になってしまう。でも伊良部(精神科の先生)も同じようにはまり、長時間泳ぎたいと夜の市民プールに忍び込もうとして失敗して、目が覚める。伊良部は注射フェチでマザコン

    勃ちっ放し
    怒りを爆発させたら治った。でも警察沙汰になった。
    こいつらは解放されている。理性から。世間の常識からも。ずっと自由に生きている。人間という動物らしく。恐らく自分は、同じ立場におかれたとしても、このように感情をあらわにすることはないだろう。怒る能力がないのだ。だから性器が代わりに怒っている。感情を爆発させている。自分の病気はやはり修羅場から逃げてしまったせい

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    2025年08月06日
  • コロナと潜水服

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    笑えて少し泣けて。どの話も、ちょっと不思議なことが起きるのだがそれが全然無理がなくて。さすがベテラン!と拍手を送りたくなる。海の家のタケシくん、ファイトクラブの名前も名乗らなかった森村コーチの話が好き。

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    2025年08月04日
  • イン・ザ・プール

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    ネタバレ


    3話目が一番好き、面白かった
    私も伊良部総合病院行ってみたい

    つまりストレスなんてのは、
    人生についてまわるものであって
    元来あるものをなくそうなんてのは無駄な努力なの
    それより別のとこに目を向けた方がいいわけ
    ⤴️ჱ̒՞ ̳ᴗ ̫ ᴗ ̳՞꒱

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    2025年08月01日
  • 最悪

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    切羽詰まった主人公達が悪い方へ悪い方へと追い詰められ、まさに最悪。特に和也、なんでそんなにアホなのよ、ケーキが切れない系か?信次郎さん、選択全部ミスってる。最悪すぎてページを捲る手が止まらず一気に読みました。あー最悪だった!(褒めてます)

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    2025年07月29日
  • イン・ザ・プール

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    楽観的な伊良部に最初は腹が立つけど、
    その楽観さに救われる。

    ケータイ依存症の少年の話はぜひ現代の子にも読んでほしいと思う。誰かと繋がっていないと不安になる、早く返信をしなければいじめられる、流行に乗り遅れたら馬鹿にされる…と恐怖を抱いている子に。
    ありのままの自分を大切にしてくれる友達と友達でいた方がいいよ、と教えてくれる。

    私も友達は片手で数えるくらいしかいない。
    昔は悩んだけど、今はそれで良いと思う。
    生きていくのすごく楽です。

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    2025年07月29日
  • 我が家のヒミツ

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    家庭内のちょっとしたイベントを描いた短編集。奥田さんの短編は初めて。家シリーズというのは知らなかった。
    とにかく心地よい終わり方をする小説ばかりで、疲れているときにも気持ちよく読める。ほかの短編も読んでみたくなるな

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    2025年07月13日
  • 我が家の問題

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    ネタバレ

    6つの短編集。同じような、家族をテーマにした他の短編集『家日和』『我が家のヒミツ』は既に読んでいるけど、これは家族の問題、というか、家族の危機が描かれていたため、他の2作品と少しだけ味が違った気がした。


    『甘い生活?』

    新婚だけど出来すぎる妻のせいで家に帰りづらくなっている夫の話。

    長い独身生活、そんなに世話を焼かれたくないっていうのは我が家に少し似てる気がした。気楽にかかわれそうで私はこっちのが好き。


    『ハズバンド』

    妊娠中の専業主婦の妻は、夫が実は会社のお荷物であることを知る。仕事が出来ない夫のために、せめて「美味しいお弁当」を毎日作って応援する。

    健気に支える妻、尊かった

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    2025年06月29日
  • 家日和

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    “読むなら長編を”の人である。
    あまり短編集を読んでこなかった。
    たまたまお勧め本に入っていたので、、、

    六つの作品からなる。
    出だしは まあまあかな。私的には。
    次とその次「ここが青山」と「家においでよ」が絶妙に良かった!会社が突然倒産し、いきなり主夫になってしまったサラリーマンの話。それこそ突然に妻が家を出てしまい 戸惑いながらも 自分好みの暮らしを謳歌する夫の話。
    最後が「妻と玄米御飯」。この著者の家族かなと一瞬思わせる家族の話などなど。

    どれも大変なんだけど 悲壮感がない。
    ほっこりさせられる。
    読後感が いい。


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    2025年06月27日
  • オリンピックの身代金(上)

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    東京オリンピックの開催に沸く昭和が活き活きと描かれている.と共に,都会と田舎の拡がっていく格差が生々しく描かれている.労働者と経営者,下請けと親請け,一般市民と官僚,様々な軋轢の中でタイトルの「オリンピックの身代金」に至った背景が紡がれていく.下巻でどのように伏線を回収していくのか楽しみだ.

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    2025年06月19日
  • 罪の轍(新潮文庫)

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    1963年に発生した”吉展ちゃん誘拐殺人事件”を題材にしたミステリー。北海道出身で知的障害がある宇野寛治は稚内や礼文島で数々の問題を起こし、逃げる様に上京。花の都・大東京での生活にも慣れてきたところ、時計商宅で殺人事件が発生。容疑者として寛治が浮上するのだが、神出鬼没の寛治は一向に尻尾を出さない。同じ時期、豆腐屋鈴木商店の吉夫ちゃんの誘拐事件が発生。。。時計商殺人事件と吉夫ちゃん夕刊事件の関連性は!?800頁を超えますが、ガッと読めちゃうので寝不足にご注意ください♪

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    2025年06月14日
  • ナオミとカナコ

    匿名

    購入済み

    スリル満点でした。カナコが義理の妹に追い詰められてく感じがドキドキハラハラでした。
    カナコとナオミは強い女性でした。特にナオミは追い詰められるほどどんどん強くなって。なのでもっと違ったやり方で旦那と闘えたのでは?と、思ってしまいました。この先の2人も気になります。

    #ドキドキハラハラ

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    2025年06月13日
  • 罪の轍(新潮文庫)

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    奥田英朗は何が書きたかったんだろうかと、読みながらずっと考えていた。読み終わって昭和を書きたかったのかなと思った。

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    2025年06月13日
  • 家日和

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    グレープフルーツだけ微妙なところだ

    ほかの話は全部、読み心地も読後感もよくて好き
    サニーデイは気持ちがよくわかる

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    2025年06月12日
  • ナオミとカナコ

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    かなり厚い本ですが、一気に読めてしまいます。
    大方の推理小説では、冷静で計算高い人物が完全犯罪を目指し、それに相対する側も…、という流れなのでしょうが、本作はちょっと毛色が違っています。いわゆる普通の二十代の女性が殺人を犯すのですが、その計画も行動も穴だらけ。足がつくようなミスをちょいちょいやられるので、読んでいるこっち側がヒヤヒヤさせられます。そして、「なんとか逃げ切れー」とついつい応援してしまうというという作り。
    また、直美のキャラクターが面白く、学生時代のエピソードとしても語られていますが、正しさを武器に相手に突っ込んでいく性格が随所に現れていて、読んでいてニヤニヤしてしまいます。
    ドラ

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    2025年06月12日
  • 邪魔(下) 新装版

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    登場人物みんなどこかおかしい…!?
    子どもを思うあまりの恭子の暴走も、現実を受け入れられない九野も、坂道を転がるような祐輔も、共感はできないけど怒涛の展開で思わず一気読みしてしまいました
    子どもたちが1番気の毒だけど、決して悲観的な終わり方ではなく、読者が未来を想像できるだけの余韻があるのが良かった

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    2025年06月04日