奥田英朗のレビュー一覧
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こらはもう近代史、現代史も含む壮大な歴史群像劇だね。
この3巻からなるので最終章で終わりを迎えたわけだけど、
竹田志郎、矢野四郎、森村ノラ、五十嵐満それぞれの生き方で己を貫き、志郎は検察官から国会議員へ、
四郎も事業家から大物政治家から可愛がられ、頼られやがて議員に。
ノラもアメリカへの留学を果たし(人種差別も当然経験し)
通信社の特派員からテレビ局の記者へ。
五十嵐満もプロレス興行やビートルズ(小説ではビートボーイズ)公演を成功させるエンターテイメント界隈では欠かせない大物プロデューサーに。
それぞれの道を歩みつつ4人がそれぞれに交差する瞬間がいい。
そしてそれぞれ伴侶を得て子どもも産まれ、 -
Posted by ブクログ
2県をまたいで発生した渡良瀬川の連続殺人事件。下巻は3人の容疑者のうちの本命1名の別件逮捕から始まる。状況証拠は揃っている。でも確実な物的証拠がない。容疑者は黙秘を続けたまま勾留期限が迫ってくる。焦る警察官たち。ほうぼうでの地道な捜査が描かれる。
なるほど、下巻はその展開か。逮捕されてからがまだ紆余曲折あるのね。小説のなかの人たちと同様に、読者もジリジリとさせられる。そしてとうとう容疑者は釈放されてしまい、職場に戻る。悔しすぎる警察。そうこうしているうちに第3の殺人が…
犯人は違う人物なのか?それとも警察の読み通りなのか?最後まで容疑者側の内面は描かれないので、どんな心理なのかはわからない -
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刑事もの。ポップなタイトルと表紙の題字とは裏腹に、上下2巻に渡りじっくり描かれる硬派な捜査活動。特定の主人公がいるわけではない。たくさんの警察官、警察官OB、事件記者、被害者遺族などの複数の視点で事件発生からの捜査展開を綴る、読み応えのある本書。
事件は県境の渡良瀬川近辺で発生した連続殺人事件。10年前の未解決連続殺人事件と犯行手口が似ている。今回こそ解決へ、と、栃木県警と群馬県警が共同で捜査本部を立ち上げる。そこに10年前の元警察官OBや、当時の被害者遺族、当時疑われていたが証拠不十分で逮捕に至らなかった容疑者などが絡んでいき、少しずつ真相に近づいていく。
上巻は、真犯人と思われる人物が -
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ネタバレ今回は甘口というか、温かい話が多かった気がする。
面白かったのは『義父のヅラ』
私自身、小学生の頃にイタズラしたことが大事になっちゃったり、中学の頃に学級委員や生徒会なんかやっちゃったから、「真面目ないい子」でいなきゃいけなくて、だから不良が羨ましかったし、今回伊良部達がやったイタズラは本当に痛快で、爽快で羨ましかった。
伊良部の姿を見ていると本当に肩の力が抜けてこのくらい自由になれたらと思うし、こんな人が身近にいてくれたらと思う笑
最後の『女流作家』は泣いてしまった。看護師マユミのぶっきらぼうだけど、正直な感想が何よりも嬉しいはずで、報われて良かったねって思った。
相変わらず人懐こく -
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さすが、奥田英朗先生。
読ませます。
571ページとかなり厚みのある作品なのですが、ページ数を感じさせない読みやすさで、一気に読み切ってしまいました。
物語の始まりは、中学生の転落死。
彼の死は事故だったのか、それともいじめを苦にした自殺だったのか。
さらに、中学生2名が逮捕、2名が補導されるという、心穏やかではいられない状況が立ちはだかります。
冒頭から、心がざわつく展開です。
転落死した名倉は、本当に四人の少年たちにいじめられていたのか。
彼らと名倉の関係が、少しずつ明らかになっていきます。
最初は私も、四人の少年たちに対して、
「弱い者いじめなんて、けしからん!!」
と怒りの矛先を向 -
Posted by ブクログ
昭和元年、4人の赤ん坊が生まれるところから物語は始まる。
第一部は、大正天皇の崩御から太平洋戦争開戦まで。
軍人、ヤクザ、女性活動家、満州の実業家。
誰か1人が主役ではなく、全員が主人公。
著者の思想を押し付けずにすべてがフラットに提示されるので、奥田さんの作品はいつも安心して読める。
教科書ではたった一行の出来事だけど、そこに生きた人々の目線を通すと、自分のことのように迫ってくる。劇的に煽るのではなく、淡々と描かれていてる。
戦争の始まりを知らせるラジオが流れていても、街ではいつもと変わらない日常が続いていたりもする。その空気感が妙にリアルで不気味に感じた。
誰もが戦争を望んでいたわけ