奥田英朗のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
さすが、奥田英朗先生。
読ませます。
571ページとかなり厚みのある作品なのですが、ページ数を感じさせない読みやすさで、一気に読み切ってしまいました。
物語の始まりは、中学生の転落死。
彼の死は事故だったのか、それともいじめを苦にした自殺だったのか。
さらに、中学生2名が逮捕、2名が補導されるという、心穏やかではいられない状況が立ちはだかります。
冒頭から、心がざわつく展開です。
転落死した名倉は、本当に四人の少年たちにいじめられていたのか。
彼らと名倉の関係が、少しずつ明らかになっていきます。
最初は私も、四人の少年たちに対して、
「弱い者いじめなんて、けしからん!!」
と怒りの矛先を向 -
Posted by ブクログ
昭和元年、4人の赤ん坊が生まれるところから物語は始まる。
第一部は、大正天皇の崩御から太平洋戦争開戦まで。
軍人、ヤクザ、女性活動家、満州の実業家。
誰か1人が主役ではなく、全員が主人公。
著者の思想を押し付けずにすべてがフラットに提示されるので、奥田さんの作品はいつも安心して読める。
教科書ではたった一行の出来事だけど、そこに生きた人々の目線を通すと、自分のことのように迫ってくる。劇的に煽るのではなく、淡々と描かれていてる。
戦争の始まりを知らせるラジオが流れていても、街ではいつもと変わらない日常が続いていたりもする。その空気感が妙にリアルで不気味に感じた。
誰もが戦争を望んでいたわけ -
Posted by ブクログ
二部まで読んだ後にずいぶん寄り道しちゃったけど。いや、これは面白かった。
もはや戦後ではないとかいうセリフも糞食らえ。高度成長期のモーレツで激烈な時代にこれでもかというパワー、熱、ほとばしるエネルギーよ。マグマのように熱く生きぬいた昭和の寵児たち。とにかくとんでもない時代だったよ昭和って。
やってることがハチャメチャなのよ、とにかくみんな全然今いる所にじっとしてない。本土決戦を経験してる奴らはハンパない。戦争、敗戦、飢え、占領下等々今じゃ考えられないような事ばかり起きた時代からの復興なのに今の世よりずっと開放感があるのはどういうことなの。勝てる気がしない。最後みんな集まっちゃってほんと面白 -
Posted by ブクログ
大戦中から終戦後昭和23年まで。
第2世代の竹田志郎、矢野四郎、森村ノラ、五十嵐満が主人公。
志郎は日系人強制収容所での過酷な経験を経て帰国した後連合国捕虜の通訳を務め、四郎は不良の顔役となった後予科練に志願し人間魚雷回天の特攻隊員となり、ノラは工場で勤労奉仕する傍ら始めた喫茶店でヤミで仕入れた本物のコーヒーを出すなどたくましく生きていたが東京大空襲に遭い辛くも生き延び、満は満州の無国籍な若者集団リバティに加わり上流階級の生活を堪能するなどしたところで迎えた終戦。
志郎は東大法学部を経て検事となり、四郎は父親ゆずりに裏社会で台頭し、ノラは津田塾に通いながらGHQで働き、満は命からがら満州か -
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昭和年間(元年〜64年)に亘る大河小説。
全3巻1700ページ超の大作。
大正15年の年の瀬に大正天皇が崩御し1週間しかなかった昭和元年に、財閥・華族を背景に持つ陸軍少佐竹田耕三、金沢の侠客矢野辰一、文芸誌編集者森村タキ、大連の興行師五十嵐譲二らそれぞれに志郎、四郎、ノラ、満が誕生するところから第1巻は始まり、真珠湾攻撃で終わる。
張作霖爆殺事件、満洲国設立、2.26事件、支那事変と軍国主義が国内で台頭していく中、良識派として対米開戦回避に動く耕三、有力代議士野口徳三郎の後押しを得て右翼の大立者となっていく辰一、コミンテルンとも関係しながら女性解放運動を進めるタキ、満鉄の謀略と絡みながら満