奥田英朗のレビュー一覧
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痛快!親友・カナコを夫のDVから救い出すために二人で殺害(クリアランス)、完璧と思った作戦がほころびていく過程で、カナコはどんどん強くなっていきナオミも今まで守ってきた自分の生活を捨ててもいいと思うように。
カナコを殴る夫の達郎はもちろんクソだが、達郎の妹・陽子は更にクソ。カナコへのDVに気づいていながら何もせず、挙句「暴力をふるったかもしれないけど、殺すことはないでしょ!」と。
ナオミが勤めるデパートの外商展示会で出会った李朱美は、最初は高級腕時計を盗んでおきながらしらばっくれる、なんちゅうヤツだと思ったけれど、ナオミが開き直って交渉しだしてからは味方になってくれる。
登場人物がイキイキして -
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奥田英朗、精神科医・伊良部一郎シリーズ第4弾『コメンテーター』。
伊良部総合病院神経科・医学博士・伊良部一郎のもとにテレビディレクターから、ワイドショーのコメンテーターの紹介依頼が舞い込む。
『美人女医』の紹介を頼むつもりが、伊良部が出演することに。
伊良部と看護師・マユミの出演で、視聴率は上昇…
伊良部の自由気ままな言動は、世間からは賛否両論…
そんな伊良部のもとに、さまざまな悩みを持つ患者が。
テレビプロデューサー、オフィス機器メーカーの営業マン、デイトレーダー、ピアニスト、大学生…
ひさしぶりの伊良部シリーズ。
やっぱり笑える。
伊良部はなんだかんだといいながら、名医なのかもと思っ -
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久しぶりの伊良部シリーズ!!!
いつぶりに読んだだろうか!!!
あーそうだった、この人注射大好きなんだった。
表題作とラジオ体操の話がめっちゃ好きだった。先生とマユミちゃんは絶対メディアに出しちゃダメ(笑)
パワハラ上等のプロデューサーがたじたじになったのもいいオチだった。
ラジオ体操の話はそうきたか、って爆笑しちゃった。そりゃ相手もビビるわww
ほかに作品もおもしろかった。億万長者の話は元同期がとってもいい人。こういう人を大切にしなさいよと思うけどもう手遅れなんだよねー。
おもしろかったなーほんと。
絶対かかわりたくはないけど、知り合いの知り合いくらいの距離感でずっと話を聞いてたい男だ。 -
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昭和元年に生まれた4人の人間を描く3部作の第1部。
親は軍人、婦人運動家、ヤクザの親分、満州の興行師だが、それぞれの立場から戦争に傾いてゆく日本の状況を俯瞰している。その下で4人の子はたくましく育ってゆく。
そして、昭和16年12月、ついに太平洋戦争が始まってしまうところで終わり。
わかっちゃいるけど、時代を遡って開戦を阻止出来たらなぁなんて思いながら読んでしまう。
ノンフィクションの中に描くフィクションだが、その時代背景や各国の文化、そして人間をしっかり描くことで、大作の土台が出来上がった。
第二部も分厚い鈍器本みたいなので、心して読みたい。 -
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『小説現代』2015.5〜2017.7
たった一週間しかなかった昭和元年生まれの四人をめぐる三部作の第一部。
第一部はその親の世代中心の話。
リベラルな陸軍の軍人、金沢のヤクザ、左翼の婦人運動家、満州のミュージシャンの四家族の動向が交互に語られる。まだ、四家族の交流はないが、ところどころで、すでに、この四家族が少しだけ知らず知らずのうちにかかわっていたりする。
まるで教科書で習ったような事柄が次々に起こり、歴史の勉強にもなった。
ただ、ヤクザの親分の金沢弁、すごく違和感がある。方言の事典でも見て適当に置き換えているのでは?(毎回、同じような感想を書き込んでいるな、私。小説と割り切ってス