奥田英朗のレビュー一覧
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ほんと面白いなあ( ´ ▽ ` )ノ。
どん詰まりの地方都市に生きる極限状態な男女5人の狂騒曲( ´ ▽ ` )ノ。
いかにもありそう、というより、むしろルポルタージュなんじゃないか?と疑いたくなるくらいリアルな設定とストーリー( ´ ▽ ` )ノ。
どいつもこいつも最低だけど、各々の行状に納得のいくエクスキュースがちゃんとあるところが、ある意味こわい( ´ ▽ ` )ノ。誰でも彼らのようになりうるんだよね( ´ ▽ ` )ノ。
ゲームオタクの台詞がちょっと安っぽい気はするけど、まあいいや( ´ ▽ ` )ノ。
底辺どもがどこまで堕ちていくか、下巻が楽しみ( ´ ▽ ` )ノ。
2015/07/22 -
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奥田英朗さんの話はとにかく勢いがあって長編なのにあっという間に読み終えてしまう。
破天荒でワケがわからない国家権力が大嫌いな反社会主義?の父親に振り回される家族(妻であるさくらは正確には違うんだけども)の話なんだけどとにかくこの父親がすごい。
わけがわからなすぎて、それなのに途中からものすごくかっこよく見えてきちゃうんだからすごい。
これは違うと思ったら戦え。負けてもいいから戦え。人と違っていてもいい。孤独を恐れるな。理解者は必ずいる。
違うと思っても色んなことを考えて我慢するのが当たり前、争うのが大変だから我慢しよう、そういうのも大事だとは思うけど
譲れない何かのために怒って戦える、そういう大人って最高にかっこいい。 -
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久しぶりの奥田エッセイ。期待通りに、いやそれ以上に面白かったー。好きだなあ。
著者がロックおじさんであることは知っていたが、その始まりとなる中学から高校までのゴールデンエイジのことが語られている。同い年である私には、ああそれよくわかる!というエピソード満載。①田舎育ちの②50代で③多少なりとも「洋楽」に興味のあった人は、心から楽しんで読めるはず。ディープパープルやツェッペリンに魂を奪われた人なら、悶絶ものでは? これに当てはまらなくても、一風変わった青春記として十分読む値打ちがある一冊だと思う。
レコードを買おうにもお金はなく、町にレコード店と呼べるほどのものもなく、そもそも家にステレオもない。そんな中学生がロックに目覚め、ラジオにかじりついて好きな曲を何とか聴こうとする。念願のステレオを買ってもらったときの天にも昇る心地、高校生になり初めて行ったライブのめくるめく興奮、やっとの思いで買ったレコードがスカだった時の激しい落胆。いやいやまったく、ロックに限らず、昭和の(田舎の)子供は好きなものが容易には手に入らなかったものよ。情報もすごく限られてた。オクダ少年の喜怒哀楽はまことにうなずける。
私自身はロックにさほど興味がなくて、「洋楽」との出会いはカーペンターズやミッシェル・ポルナレフ、その後ビートルズ、流行ったのはそれなりに聴いたけど「ホテル・カリフォルニア」止まりであった。奥田氏の当時から今に至るロックへの「愛」と傾倒ぶりに感嘆しつつ、そういうマニアになる人とならない人との違いを指摘した次のくだりに、かなり納得した。
「わたしの印象では、洋楽ファンの枝分かれは、このインプロビゼイションに反応できるかどうかだったような気がする。延々と続くギターソロやドラムソロを退屈に感じる少年少女も当然いるわけで、そういう子たちは演奏よりも曲が好きだったのだと思う」
マニアではない身にとっては、当然ほとんど知らないミュージシャンの名が次々登場することになるが、絶賛したりクサしたりするその評がとても面白いのだ。知らないのにねえ。各章の終わりについているレコード評も、字が小さいのにみっちり楽しんだ。やっぱり愛があるからかなあ。難解とされるライ・クーダーについて「世の中にはこういう高等遊民がいないとそれは味気ないもので」と述べているところなんか妙に心に残った。
奥田英朗といえば、偏屈で鳴らしているわけで、ここでもそれは遺憾なく発揮されている。
プロフェッショナルな熟練の技を尊敬するゆえ、パンクも社会派も大嫌い。アイドルにも同じ理由で無関心。
「学芸会レベルの歌と踊りに夢中になる心理がまるで理解できない。あんなものがクール・ジャパンとは国辱もの」「日本人は永遠にコドモですな。ははは」
音楽性と商業的成功との兼ね合いについて書かれたところも面白い。
「さり気なく問題発言をするが、売れるというのは馬鹿まで相手にするということである。スタジアムでライヴをやるようなミュージシャンは、それを引き受ける図太さ(あるいは強烈な自己顕示欲)がなくてはならない」「(売れるというのは)聴き手のリテラシーを不要にするということなんですね」
これって音楽に限らないわけで、奥田さん自身、作家としての自分のポジションについて、ロックシーンにおけるスティーリー・ダン(えーっと、よく知らないですが)が憧れだと書いている。
「一年に一作ぐらいのペースで本を出し、それなりに売れて、評価もされ、長く愛してくれるファンがいて、裏切らない。ああ、そんな作家でいられたら--。わたしはずいぶん虫のいいこと書いてるなあ。ははは」 まったくだ。ははは。
それにしても、こういうものを書いて、同世代にしか通じない懐かし話にならないのはさすがである。その上で、同い年としてはやっぱり、つまらん小ネタに喜んじゃうのである。わたしも放課後の教室でコックリさんをしてキャーキャー言ってた中学生だったし、石橋正次の「夜明けの停車場」を今でも歌えるよ、奥田さん! -
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本作は、奥田英朗さんによる洋楽エッセイ集である。田舎の中学生・オクダ少年が、少ないお小遣いと環境にめげず、いかにロックに夢中になったか?
オクダ少年と同様に、洋楽に夢中になった少年時代を送った読者には、気持ちがよくわかるし、懐かしさが込み上げるだろう。僕が最初に友人からテープにダビングしてもらったアルバムは、マドンナの「Like a Virgin」だったと記憶している。それから一気に洋楽にのめり込み、毎週の全米チャートのチェックを欠かさなくなった。
各編のタイトルは有名アルバムから取られているが、その1作を掘り下げるのではなく、オクダ少年が情報収集に苦労したり、名演に狂喜乱舞したりする様子が雑多に描かれている。うん、そうだよなあ。中学のとき、洋楽好きの友人はクラスに2、3人だった。FMのエアチェックも試みたけれど、あいにく我が家は電波の入りが悪く…。
僕は単なるミーハーだったが、オクダ少年は筋金入りのマニアックだった。チャートを追うなど早々に放棄している。一方で、新しい音にも貪欲に飛びつき、興味が次々と移る。飽きっぽいとは敢えて言うまい。若者ならではの吸収力と柔軟さのなせる業。
本作は1977年で終わっているが、奥田さんは1978年以降は商業主義だと斬り捨てている。僕が最も洋楽に夢中になっていたのは’80年代だが、’90年代に入るとチャートのチェックはやめてしまった。僕の興味は、どんどん過去に向かうことになる。結局誰でも、10代の頃に聞いていた音楽に、いつまでも思い入れがあるものだ。
近年、ビートルズを筆頭に、洋楽の名作のデジタルリマスター化が相次いでいる。かつての洋楽少年がターゲットなのは明白だ。データだけが売買される現在、洋楽はもはや憧れの対象ではなくなった。ジャケットも含めて作品だなんて、古い考えなのだろう。
最後に収録された短編は、オクダ少年の青春そのもの。若者にとって音楽が必要なくなったかといえばそんなことはない。彼らは彼らの好きな現代の音楽を、校内放送に乗せたいに違いない。我々中高年は思い出に浸って生きる。それでいい。 -
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アテネオリンピックの全日本野球チームの戦いっぷりを書いたエッセイ「泳いで帰れ」を読んだのが、北京五輪のとき。そして、ロンドン五輪の今年、北京五輪の際の全日本野球チームの試合ならびにその他の試合の観戦記「再び、泳いで帰れ」を読んだことになります。野球、今回はもうない種目ですね。
野球の観戦記(ほかに、アメリカでの野球観戦記もあり)は、なかなか辛辣でもあり(特に五輪の野球観戦は)、心温まる文章もあり、野球の国で野球を観るとこんなに楽しいものなのか、とうらやましくもありました。
それよりもっと楽しかったのが「フジロックフェス」への参戦記。これは、もう「参戦」でしょう。これだけ厳しい天候で、朝から晩まで(夜中まで)ロックしまくるというのは。
その他、「大人の遠足」と称して出かけられたという、四国お遍路の旅は、讃岐うどんを食べに行きたくなりますし、富士急ハイランドのジェットコースター「ええじゃないか」体験記は、あふれんばかりの臨場感で、絶対に行くものか、乗るものかと思った次第。
今回も、通勤電車で読みましたが、笑いが抑えられないので(どうしても、口元がにやける)、ふと視線を感じると、前に座っている人に、じっと見られたりしていたことが数回ございました。 -
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「切符を買い求め、特急「いしづち10号」に乗車。高松まで二時間半の旅だ」
『野球の国』(奥田英朗著 光文社文庫)
キャンプ、ファームの試合を訪ねて地方球場へ旅をするエッセイ。
今回、やって来たのは松山「坊ちゃんスタジアム」での
中日ドラゴンズ対ヤクルトスワローズの公式戦の観戦。
初めての四国の旅に
大好きな野球観戦付き(そのエッセイを書くのが仕事)だから
出発前から心も弾む。
出発は四月十九日 金曜日。
あれ?日記帳になっているものの年が書いていない。
だから何年にこのエッセイが書かれたか分からない。
読み進めているうちにそのヒントになる文章があった。
「今中慎二は昨年、三十歳の若さで引退していた。」
野球をちっとも観ない私は、これを読んでも分からないが
奥田英朗氏は大の中日ファンらしい。
ドラゴンズファンにとっては簡単な問題のようだ。
ところで冒頭、電車に揺られて高松へ立ち寄った旅の目的は?
もちろん「さぬきうどん」。(笑)
「高松です。おなかがすいてます。これはもう讃岐うどんしかないのです。」
丸亀町商店街を歩いていて、
ガイドブックに出ていた有名店を探し当てたが、その時
銀行の制服を着た若い女性が、すぐ近くのうどん屋へ入ったので
付いて行った。
観光客相手の店より、地元の人が行く店の方が美味しいに決まっている。
でもそれは
「早合点だった。銀行員の娘さんは集金に来たのだった。」
このエッセイでは、お店の名前は出てこない。
でもガイドブックを頼りに、そこに出ているお店なのだ。 -
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シドニーオリンピックのことは、村上春樹さんの「シドニー!」で後から追体験。
今回は、北京オリンピックの最中にアテネオリンピックの追体験をこの作品でしてみました。
柔道の試合の臨場感だとか、バスケットボールの試合の迫力だとか、涙が出てきてしまいましたよ。本当に。
いや、ホントの話。
野球観戦の話を読むにつけ、私は、奥田氏に同感だなぁと思いながら読んでいたのですが、アテネのあのときの雰囲気って、新聞の論調とおんなじだったのでしょうか?ま、いずれにせよ、「ふがいないぞプロ野球」という気持ちは変わりません。
今回の北京オリンピックだってそうだった。まあ、試合を最初から最後まで食い入るように見ていたわけではなかったので、応援してもいないのに、そんなこと言うなって言われそうですが。とにかく、普段厳しい環境(経済的にね)で練習し、プレーしている女子チームの方が、サッカーも野球もやっている姿そのものがきらきらして見えたのは、私だけではありますまい。
私だけかな。まあ、いいや。
で、今回の北京オリンピック。
どなたか作家さんがやっぱりこういう本を書くために、会期中ずっと観戦していたのなら、4年後のロンドン大会の時にまた読みます。
『泳いで帰れ』・・・いいタイトルだ。
メダルが取れるかどうか、ではなくて、自己のベストが出せるかどうかが問題なのよ。