奥田英朗のレビュー一覧
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奥田英朗『リバー 下』集英社文庫。
下巻に突入。
北関東連続幼女誘拐殺人事件をモデルにしたような陰惨な事件に翻弄される人びとを描いた犯罪小説である。もっとも本作では被害者は若い成人女性になっているようだ。
北関東連続幼女誘拐殺人事件を扱った作品には、清水潔のノンフィクション『殺人犯はそこにいる 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件』 、柚月裕子『慈雨』などがあるが、この下巻を読み終えた限りでは、そこまでのレベルではなかった。
3人の容疑者がそれぞれ十分に怪しいのだが、そんなことがあるのかと思うような欲張り過ぎた真相が良くなかった。そして、歯切れの悪い結末も良くなかった。これでは10年前 -
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痛快!親友・カナコを夫のDVから救い出すために二人で殺害(クリアランス)、完璧と思った作戦がほころびていく過程で、カナコはどんどん強くなっていきナオミも今まで守ってきた自分の生活を捨ててもいいと思うように。
カナコを殴る夫の達郎はもちろんクソだが、達郎の妹・陽子は更にクソ。カナコへのDVに気づいていながら何もせず、挙句「暴力をふるったかもしれないけど、殺すことはないでしょ!」と。
ナオミが勤めるデパートの外商展示会で出会った李朱美は、最初は高級腕時計を盗んでおきながらしらばっくれる、なんちゅうヤツだと思ったけれど、ナオミが開き直って交渉しだしてからは味方になってくれる。
登場人物がイキイキして -
Posted by ブクログ
昭和元年に生まれた4人の人間を描く3部作の第1部。
親は軍人、婦人運動家、ヤクザの親分、満州の興行師だが、それぞれの立場から戦争に傾いてゆく日本の状況を俯瞰している。その下で4人の子はたくましく育ってゆく。
そして、昭和16年12月、ついに太平洋戦争が始まってしまうところで終わり。
わかっちゃいるけど、時代を遡って開戦を阻止出来たらなぁなんて思いながら読んでしまう。
ノンフィクションの中に描くフィクションだが、その時代背景や各国の文化、そして人間をしっかり描くことで、大作の土台が出来上がった。
第二部も分厚い鈍器本みたいなので、心して読みたい。 -
Posted by ブクログ
『小説現代』2015.5〜2017.7
たった一週間しかなかった昭和元年生まれの四人をめぐる三部作の第一部。
第一部はその親の世代中心の話。
リベラルな陸軍の軍人、金沢のヤクザ、左翼の婦人運動家、満州のミュージシャンの四家族の動向が交互に語られる。まだ、四家族の交流はないが、ところどころで、すでに、この四家族が少しだけ知らず知らずのうちにかかわっていたりする。
まるで教科書で習ったような事柄が次々に起こり、歴史の勉強にもなった。
ただ、ヤクザの親分の金沢弁、すごく違和感がある。方言の事典でも見て適当に置き換えているのでは?(毎回、同じような感想を書き込んでいるな、私。小説と割り切ってス