奥田英朗のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
かなり厚い本ですが、一気に読めてしまいます。
大方の推理小説では、冷静で計算高い人物が完全犯罪を目指し、それに相対する側も…、という流れなのでしょうが、本作はちょっと毛色が違っています。いわゆる普通の二十代の女性が殺人を犯すのですが、その計画も行動も穴だらけ。足がつくようなミスをちょいちょいやられるので、読んでいるこっち側がヒヤヒヤさせられます。そして、「なんとか逃げ切れー」とついつい応援してしまうというという作り。
また、直美のキャラクターが面白く、学生時代のエピソードとしても語られていますが、正しさを武器に相手に突っ込んでいく性格が随所に現れていて、読んでいてニヤニヤしてしまいます。
ドラ -
Posted by ブクログ
初めて読む作家さん、苦手なアウトローもの
普段なら手に取らない本だけど、表紙とタイトルになんとなく惹かれて読んでみた
序盤は裏の世界感が強いというか、ヨコケンに共感出来なさすぎて読み進めるのが少ししんどかった
でもミタゾウの目線、クロチェの目線と移っていき、10億円強奪が実際に始まってからは展開が速くて速くて、状況がポンポン変わっていくのが良かった
アウトローだから重苦しい場面もあるのかと覚悟していたが全然そんなことなく、クスッと笑える場面もあったし何よりハッピーエンドなのが気に入った!
3人の実はいいやつな部分とか、ちょっとずつ仲良くなってる雰囲気が感じられる部分とか良かった。
これ -
Posted by ブクログ
ネタバレ面白かった!2009年発行で少し古いけど今読んでも違和感ない。アラサーの働く女性の悩みはそんなに変わらない。高収入業界に勤務する人ばかりなのでリッチな話題も多くマンション購入、ブランド服に合コンと読んで楽しめる。
「ヒロくん」の女性管理職武田聖子は年上の部下今井とうまくいかない。
「マンション」大手保険会社の広報課勤務の三十四歳、石原ゆかりは親友のめぐみのマンション購入に驚く。
「ガール」広告代理店勤務の由紀子と先輩のお光の派手な洋服も楽しめる。
「ワーキングマザー」車メーカー勤務の孝子がアメリカ現地採用の同期に対して育児という錦の御旗を振ってしまい自己嫌悪する。
「ひと回り」和田慎太郎のOJ -
Posted by ブクログ
■サマリー
・人が堕ちていく、見事にどん底に。
・彼、彼女たちは最後どうなるのかは
読者の想像におまかせ。
・上下巻で800ページ弱あるものの、
テンポよく読み進められる。
■所感
放火の容疑が掛かった夫を持つ主婦の及川恭子。
過去に妻子を亡くし不眠症を患う刑事の九野薫。
不良高校生で刑事とヤクザに追われる渡辺裕輔。
最初は全く関係性がなかった三人が、及川恭子の夫が起こした放火事件を契機に複雑に絡み合い物語を進めていくところがとても面白い。
現実世界でこんなに人は不幸になるものかなと疑いたくなるものの、テンポよく物語は進んでいくため、疑念がどんどん薄れていく。
読後は気持ちは晴れないが、