奥田英朗のレビュー一覧

  • マドンナ

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    五編からなる短編集。どのストーリーも40代の男性課長が主人公。今となっては過去の遺物かもな主人公たちですが、改めて読んでみると、拒絶反応を示す方もいらっしゃるかもですが、愛らしさすら感じられ、なんだかホンワカしました。

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    2022年08月08日
  • ララピポ

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    どうしようもない男の性が溢れてて、官能的じゃない官能小説みたいな下ネタ話の数々。
    まさに下流文学の白眉と言える内容でした。
    読む人を選ぶが、個人的には嫌いではない作品。
    ララピポの意味も分かったし、満足。

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    2022年07月29日
  • サウスバウンド

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    小学生が主人公で、「奥田英朗にはこういう作品もあるんだ」と思った。この作品に限らないけれど、小説に出てくる小学校高学年というのは、考えているし、よく察するし、とても大人っぽい。自分の小学生の頃ってもっと子供っぽくて、何にも分からなくて、何にも考えてなかったなと思う。自分の発達が遅かったのか、記憶が捏造されているのか、大人向けの小説だから大人っぽく書かざるを得ないのか、作者も匙加減が分からなくなっているのか、よく分からない。

    西表島はそんなにのどかなところなのかなぁと疑問。自分の地元は田舎だけど、たぶん中野とそう変わらなかった思う。

    家族って良いねと思った。

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    2022年07月09日
  • サウスバウンド

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    元過激派で無政府主義者の父を持つ主人公の二郎。その二郎の視線から父が巻き起こすさまざまな騒動が描かれる。父は社会からのはみ出しものだが、主人公は社会に順応しており、常識的な目線で読者を導いている。

    主人公の父親の行動は、社会不適応で、時には滑稽でありもするが、一方で社会で普通に生きる人間でも感じる矛盾等を炙り出す。
    作中では、国家であったり、法、経済、のあるべき姿と脆さが普段とは違う視点から問題提起される。また、原始社会ではそれらが必要なく、その姿に近い理想郷として沖縄の果ての島が舞台として選ばれている。
    主人公の父の姿は、作中の台詞にもある通り極端ではあるが、全く荒唐無稽ではなく、一面では

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    2022年06月15日
  • 邪魔(下) 新装版

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    ネタバレ

    及川恭子の市民運動に傾倒していく姿や、ラストに向かって狂っていく様が興味深い。平穏な日常から堕ちていく話なのにもかかわらず、上巻序盤から一定のリズムを保ちながら中弛みすることなく、逆に変な心地よさで最後まで一気に読ませるのは流石。終わり方は少し呆気ない感じはするが、それでもとても面白い作品だった。

    もしも人生が続けられるのであれば、しあわせに背を向けるのはやめようと思った。
    しあわせを怖がるのはよそうと思った。
    人はしあわせになりたくて生きている。そんな当たり前のことに、九野はやっと気づいた。

    どうゆうわけか、この1小節にグッと惹かれた。

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    2022年06月02日
  • 沈黙の町で

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    中学生のいじめを扱った作品。
    ただ、誰の目線というのでもなく、それぞれの視線で書かれている。
    同級生の名倉が学校の木から落ちて亡くなっているのが見つかった。
    自殺か事件か…当日、一緒にいた同級生4人が名倉をいじめていたという理由で逮捕・補導される。
    2人は13歳で補導、2人は14歳で逮捕という大きな壁がここで示される。
    いじめた側の親は本人たちを信じる一方で自分勝手な考えを展開させていく。
    誰もが自分のことにしか頭が回らない。
    人が亡くなっているという意識が誰からも感じられない危うさ。
    真実を語らない4人と同級生も、何かを履き違えている。
    真実を隠すのは幼さなのか?
    言い様のない不快感が終始ま

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    2022年05月08日
  • オリンピックの身代金(下)

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    当時はまだ生まれていなかったけれど、戦後急成長した日本でのオリンピックがどのような意味をもっていたのか。どれだけ期待されていたのか。そしてその陰で多くのプロレタリアートたちが命を削りながら働いていたこと。すごくリアルに想像できた。
    題材もかなり面白かったし、時代背景の描写も素晴らしかった!

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    2022年04月20日
  • 田舎でロックンロール

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    自分に正直。奥田さん。昔のどこにでもいる田舎の少年が、ロックにのめり込む越し方が生き生き書かれていて楽しい。青春って背伸びして甘酸っぱい。

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    2022年04月13日
  • 噂の女

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    岐阜弁、いいなぁ。文字で読むと、ほとんど名古屋弁みたい。
    東野圭吾さんの白夜行の女主人公と手を組んだら、どんな事になるんだろう? 男なんて全く歯が立たない、最強コンビとなるに違いない!

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    2022年03月30日
  • 新装版 ウランバーナの森

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    某アーティストの史実と作者の実体験をフィクションとして完成したストーリー。
    細かい、リアル、想像かき立てる、面白おかしい描写。ファンタジー要素もあり、最後は、まるで包み込まれるような小さな幸せを感じさせてくれました。

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    2022年03月17日
  • 新装版 ウランバーナの森

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    本書は奥田英朗のデビュー作。
    奥田氏が好きなジョンレノンが日本で隠遁生活をしていた4年間を実名は無しで面白くて哀愁があり、さらに勇気を貰えた傑作だ。

    久々の奥田作を読んだが、その作家を知りたければ、
    デビュー作とエッセイを読むようにしている。
    今回はその作戦が当たった。

    奥田作品の魅力は直木賞の『空中ブランコ』とか
    『オリンピックの身代金』で感じていたが、
    本作は上手さもさることながら、
    ジョンに対しての愛情が感じられた。

    便秘の症状をここまで書ける作家は初めてだが、
    20年後のあとがきで奥田氏が書いている。
    便秘は自分のコピーライター時代の経験からだ。
    なるほど納得。
    その便秘になった

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    2022年03月13日
  • マドンナ

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    奥田英朗さんの、飄々としてでも人に対してあったかい、それがあらわれた小説でした。

    滑稽で馬鹿馬鹿しいけど愛おしい、男性たち。

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    2022年02月28日
  • マドンナ

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    奥田英朗の「ガール」と対をなす会社員シリーズの男版。会社と家庭の板挟みの悩める中間管理職の心情を痛快に描いている。一気に読んだ。

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    2022年02月18日
  • 無理(下)

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    ネタバレ

    合併によって生まれた地方都市「ゆめの市」で繰り広げられる5人の男女の人間模様。
    どこにでもありそうな地方の問題を浮き彫りにし、そこで生活する人々をリアルに描いた作品です。

    生活保護の不正受給や詐欺まがいの仕事、政治家の癒着や若者の引きこもりやなど、現代が抱える問題を取り上げながら、5人の男女のそれぞれの目線で物語が進んでいきます。

    毎日普通に生活しているようでも、いつの間にか巻き込まれている負のスパイラル。
    そして一旦坂道を転がり始めた人生に歯止めをかける術もなく破滅の道へ進んでいく人たち。

    現代の日本の縮図ともいえる「ゆめの市」で起こる出来事は、この先の日本の暗い未来の象徴なのかもしれ

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    2022年02月17日
  • 無理(下)

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    最後もうちょっとそれぞれの行く末をはっきりさせて欲しかったな、、
    まぁでもあぁいう曖昧な終わり方の方が読者側が色々解釈出来ていいんかな。
    自分的には不完全燃焼、、

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    2022年02月02日
  • ララピポ

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    下流文学をうたってますが、登場人物どれもドイヒー。個人的には好みですが、恥ずかしくて他のヒトにはお勧めできません。

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    2022年01月29日
  • ララピポ

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    これほど酷い小説は初かもしれない。
    登場人物が全てしょーもないんだけど、度合いは違えどあり得るなと。
    十人十色の人生!

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    2022年01月12日
  • ガール(1)

    無料版購入済み

    漫画版もあるのですね!

    小説で読んでみたいリストに入っていましたが、今回漫画もあることを知ってお試し版をよんでみました。途中までしか読めていないので続きが気になります。新しい考え、古い考えいろいろあって当然なのだけど、30代って現実問題として一番悩みやすい時かもしれませんね。

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    2022年01月11日
  • ヴァラエティ

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    これはこれは、特異なものを、手にしてしまいました。
    いや、おもしろかったです。
    「あとがき、というより、言い訳です。」
    とありましたが、よせあつめ短編集だったのねぇ。
    こんな形式のは初めてみた。

    奥田さんの人柄がよく出ていた作品で、
    とてもよかった。
    「あとがき」と、対談。
    イッセー尾形さんも山田太一さんもよく知らないので、よく分からないことも多く、読み飛ばしちゃったところもあるけど、奥田さんて、こういう人なんだぁ、こういう考えでこういう書き方をしてたんだぁ、と親近感が湧いて。
    ファンとして感想ハガキとか送ってみようかなぁなんて思ったり。

    作品としては、
    「おれは社長だ!」「毎度おおきに」

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    2021年12月29日
  • ヴァラエティ

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    やっぱり面白い
    おれは社長だ!
    毎度おおきに
    の二つはほんとにシリーズ化してほしい
    セブンティーンも夏のアルバムも好きだな

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    2021年12月18日