奥田英朗のレビュー一覧

  • ガール

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    短編集。それぞれ立場の異なる妙齢の女性たちが、働きながら悩み、奮闘し、しかしそれぞれがこうだと思った方向へ前向きに前進していく。男性が主役だとこうはいくまい。30代の女性というのは、こんなにも生き方の選択を余儀なくされる。筆者が男性であることに注目。

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    2026年03月26日
  • 無理(上)

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    都会に住み、年をとってくると田舎暮らしにあこがれるところがあるが、この本に描かれる地方都市の現実はかなり正しいようにも思う。世の中簡単ではないなと感じた。

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    2015年03月07日
  • 田舎でロックンロール

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    岐阜県各務原市という田舎町(作者曰く)で1970年代洋楽小僧が誕生したいきさつを、時代への哀惜の念を込めて描く
    好き者にはたまらないだろう、と思われる一冊

    鑑賞力の素地がないと退屈な大人になってしまう。鑑賞こそ趣味の王道という作者の意図が十分に伝わってくる
    読後、LPレコードを処分したことを激しく後悔。早まったかぁ。チキショーッ!

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    2015年01月31日
  • 純平、考え直せ

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    新宿歌舞伎町の早田組に属する21歳のチンピラ坂本純平。女に甘くて男前、気がいいので街の人気者である彼が、敵対する組幹部を殺る鉄砲玉の命を受けて決行するまでの三日間を、コミカルに時にビターに描いた異色の青春小説。
    孤独感を癒す為に入った極道の世界なのに、鉄砲玉になると決まってから、何故か様々な人びとと出会って得る人と人の繋がり。ラストシーンははっきりと描かれていないが、確実なのは純平は孤独ではないということだ。

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    2015年01月04日
  • 田舎でロックンロール

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    1972年~1977年までの、奥田氏中1から高校3年までの洋楽ロック青春記。
    同じようなものにイラストレーター牧野良幸氏の「僕の音盤青春記1971-1976」がある。牧野氏は愛知県岡崎市。奥田氏は岐阜県各務原市。牧野氏のも中学から高校にかけてのもので、70年代に、田舎で、中高時代に洋楽に目覚めのめり込んでゆく、という図が描かれている。同じ時期、同じような田舎で、ラジオから、何か今まで聴いてきた日本の音楽とは違う、聴いたことの無い、ワクワクする音とで出会う、このワクワク感、初めて経験する、というこれが青春だろう。

    奥田氏は、中一になり小遣いでラジオを買う。最初は南沙織や天地真理などの歌謡曲、そしてフォークに移り、AMラジオにリクエスト葉書を出す。半年もすると外国のポップスに心をとらえ始める。「木枯らしの少女」「愛するハーモニー」「気になる女の子」・・ これら外国の音楽に惹かれた理由を「なぜかしらん、自分でもよくわからん。西洋に対するあこがれがあったのか。」「外国のポップスを聴くと、日本の音楽はどれもみすぼらしく感じ、もう歌謡曲にもフォークにも戻れなくなった」とある。英語に関しては「ボイス、楽器として聴いている」と。ここがまったく同じだ。

    日本語の歌が好きな人にはよく、意味もわからないのに、といわれるが洋楽に夢中になるタイプは、英語、歌詞の部分は楽器として聴いているのである。ここのところが、邦楽派か洋楽派かへの分かれ目ではないか。

    奥田氏がロック好きなのは小説のはしばしからこぼれていたが、この本でそれが明かされる。当時外タレ(古語ですか)は東京にしかこないものと思っていたが、名古屋にはけっこう行ってたんですね。氏は高校時代にクイーンとかサンタナを名古屋で観ている。

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    2014年12月24日
  • 無理(上)

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    合併で生まれた地方都市・ゆめので、鬱屈を抱えながら暮らす5人の男女ーー人間不信の地方公務員、東京に憧れる女子高生、暴走族あがりのセールスマン、新興宗教にすがる中年女性、もっと大きな仕事がしたい市議会議員ーー。縁もゆかりもなかった5人の人生が、ひょんなことから交錯し、思いもよらない事態を引き起こす。

    久しぶりに奥田英朗さんの作品。
    らしいな、というのが1番の感想。全部を描写せずに、何かが足りない。何かを描いてないから、その先を想像して、どんどんとページをめくる。帯に一気読み必死!との文字が躍っていたが、まさにそんな感じだった。
    下巻も楽しみだ。

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    2014年12月15日
  • 田舎でロックンロール

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    奥田さんのロックンロールにかけた中学・高校時代のエッセイ。
    同郷同世代の私には頗るよく分かる時代背景。
    そうそうそうだった!の共感の連続。
    ただオクダ少年ほどロックに興味はなくちょっと残念。
    奥田さんのロック心酔度は半端なく、今でもあの時代のロックを熱く語れるのだろう。

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    2014年12月11日
  • 田舎でロックンロール

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    自我が確立されゆく思春期にロックにハマり、
    親や教師の干渉から逃れロックにのめり込んで行く、
    片田舎に住む奥田少年の、輝かしい青春時代が描かれている。
    わかる、わかるなぁ。みんな経験するよね。
    この時期特有の、過剰な自意識が作り出すこっぱずかしさや、
    こまっしゃくれた感じを思い出し、身悶えするほど懐かしいのである。
    (音楽に限らず)あの頃心を揺さぶられたものが、
    今の自分の根っこを作っているような気がする。
    他の作品を読み、作者に対し、ひょうひょうと生きる自由人というイメージを持っていたが、
    当らずとも遠からずかな?
    そのアイデンティティーの根っこは、こんなふうに形成されたんだなぁ。

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    2014年11月24日
  • 無理(上)

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    ネタバレ

    ゆめの市が舞台。ゆめの市の社会福祉事務所に勤める相原友則は生活保護を担当している。生活保護対象者を観察する途中でパチンコ屋の駐車場で不倫する男女を見つけ、興奮する。次第に自分もハマっていく。
    佐藤綾香(23)は子ども2人の母親で生活保護を月23万円受給している。その元夫、加藤裕也は向田電気保安センターで詐欺まがいの漏電遮断機を高額で老人宅などに売りつけている。
    山本順一(45)はゆめの市の市会議員で父親の地盤を受け継いでおり、県議を目指している。土建業を営み、産廃処分場建設にも絡んでいる。これに反対する市民活動をしているのが、坂上郁子。
    高校2年生の久保史恵は予備校に通い東京の大学への進学を目指す。予備校には山本の息子、春樹も通っているが、ある夜予備校帰りにネットオタク?に拉致され、監禁されてしまう。
    堀部妙子は私服保安員をしており、宗教団体の沙修会に入信しているが、対立する万心教とトラブルを起こし、保安員をクビになってしまう。
    すべての登場人物の身辺が怪しくなってくる。下巻ではおそらくこれら登場人物がつながってくるのだろう。

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    2014年11月09日
  • 野球の国

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    タイトルが「野球の国」とはいえど、メインがキャンプ地、地方球場にしていただけであり、そのほか旅先での映画批評や食べ歩きなど、野球の日程以外特に計画も持たず行き当たりばったりの紀行エッセイ。多少選手名が入っているのが気になるだけで、野球を知らなくても読める一冊。相も変わらぬ歯に衣着せぬ物言いに加え、自分の小説についての自虐的な批評が笑える。一人旅に行きたくなる。ただ、文章にヤル気がないので読む人によっては不快に感じるんだろうなー。

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    2014年10月28日
  • 純平、考え直せ

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    鉄砲玉として突っ込むまでの濃い3日間の話。昔ながらの義理人情的な話とネットの書き込みという今風の話を織り交ぜており、面白おかしく読めた。

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    2014年09月03日
  • 東京物語

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    1980年代の東京を舞台とした1960年生まれの主人公による青春グラフィティ。当時はやっていた音楽を効果的に取り入れている。映画を見たような気分になる。ランチタイム毎の良い息抜きになった。

    【同僚Kさんから借りた】

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    2014年07月25日
  • どちらとも言えません

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    2014年ワールドカップ。そんなにサッカーに興味がない私には、メディアのこれでもかっていうぐらいの過熱報道にもううんざりな毎日です。
    我が国日本は、予選リーグで惨敗。敗因は色々あるだろうが、答えは4年ほど前に奥田さんのエッセイに書かれていました。
    「日本人サッカー不向き」論や「オランダと日本のサッカーとベースボール」論など、見事な先見の明に驚きます。

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    2014年07月12日
  • どちらとも言えません

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    昔、父親が野球観戦しながらあーだこーだ言ってた頃を思い出す1冊。奥田英朗の歯に衣着せぬ言い回しが「延長戦に~」同様切れ味抜群な、野球中心のエッセイ。まあ、名前や読書の話は偏見でしかないような気がするが・・・。「結果待ち競技と観る者のジレンマ」の、転んだのに、3位までの選手だったらカメラの前で待たなければならないシステムに納得いかないのは共感。長嶋茂雄の「野良犬」を「ノヨシケン」といったことや、原辰徳が「THE」を「テヘ」と読んだ都市伝説で、公共の場で吹き出しそうになった。

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    2014年05月31日
  • 用もないのに

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    さっきまでしょうもないグチ言ってたと思ったら、いきなりハッとするような事を書く

    この人のエッセイは好き

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    2014年05月27日
  • どちらとも言えません

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    ネタバレ

    スポーツ(主に野球)に関するエッセイ。ははは、面白い。かわいい人ですね、奥田さんって。スポーツの知識もすごい。野球だけでなくサッカーもスキーも。こんなに面白い人なので、「伊良部シリーズ」は納得いくけど、ほんとに「オリンピックの身代金」とか本格ミステリー書いた人なのかなあと疑っちゃいますね。多才な人なんだなー。

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    2014年05月16日
  • どちらとも言えません

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    奥田センセのエッセイは、相変わらず面白い。

    しかしながら、今回の本はなんだかけっこうマジメな感じでありました。

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    2014年04月28日
  • 純平、考え直せ

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    老人が言った「覚悟」という言葉が響いた。
    人と会うこと、誰でもいいわけではないけど、大切なことだと思った。だれかとつながっていたいという気持ちより、意識が広がるなあと思う。

    憎めないキャラ、信じるもの、頭を使うこと、覚悟。
    一気読み。

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    2014年04月23日
  • どちらとも言えません

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    雑誌「ナンバー」に連載されたスポーツエッセイ集。ちょっと前のエピソードなので、「あんなこともあったっけ」と当時を思い出しながら楽しく読んだ。

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    2014年04月20日
  • どちらとも言えません

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    『最悪』『邪魔』から入って伊良部シリーズに出会ったあたしの最初は「えっ?」しかるのちに「にやり」だったのだけど、『真夜中のマーチ』や『ガール』『家日和』『延長戦に入りました』『ララピポ』(これちなみにいまだにあまり消化しきれてません)『ウランバーナの森』などなどみてくると、もう驚かなくなってきている。ご本人いわく、出会い頭の偶然で賞をとらせていただいたそうだが、どうして本当にこういう人を器用というのだろうなあ。

    仕事をしていておもうのは、古今東西、なんらかの法則ってきっとあるんだろうな、ということ。おじさんは宇宙とスポーツが好き、てのは、おばさんが可愛いものと占いが好きってのとおんなじ、ゴールデンルールだ。
    もちろん嫌い、という人もいる。でも、どんどん突き詰めて行けば行くほど、公約数的な数字に納得せざるをえなくなる。地域を広げればそれだけ、母集団を多国籍にしたらそれだけ、見事に数量に圧倒される。

    というわけで奥田英朗。スポーツを捕まえ料理するのは、好きなら誰でもしたいだろう。でも、誰もが食べるけど美味しいものをコンスタントに作れるわけではないように、奥田英朗シェフの腕の達者さが、決してあたりまえでないことはもう、自明の理。
    同じような字数にどうして収まるの、どうして毎度、こんなに面白いことが書けちゃうの?

    すこし意地悪だけどつつましく、せこくはないけどいじましくもある。リズムにしたら、たん、たかたん。気張らずきどらず、スポーツわからん誰でも楽しめるそんな、ズボラ読書への、いざない。

    【気に入った箇所の引用】
    プロ野球は会社組織にそっくりだ。上司と部下(監督と選手)、初々しい新入社員(ルーキー)、外様(トレード)の悲哀。全てサラリーマンの日々と一致するようフォーマットが完成しているのである。用語も然り、登板・降板、リリーフ、組織に派閥、良くも悪くも村社会にジャストフィットなのである。

    紅白歌合戦と日本レコード大賞と茶の間の巨人軍は、おとうさんたちが捨てられない昭和の大きな荷物である。それは覇権と中央集権の象徴でもある。かつての栄光を忘れられなくて、あの手この手で盛り上げようとするが、それは延命措置に過ぎず、根本的な治療法はもうない。無理なんですね。だって寿命がきたんだから。

    スポーツが文科省主導の学校教育として育った日本と違い、ヨーロッパではコミュニティのクラブとして発展したため、育った社会的階層が違えば嗜む遊戯も違う。アッパーなもはラグビー、クリケット、ゴルフにテニス。ロウワーなものはサッカー。ベッカムの英語を最初に聞いたときその訛りに驚いたが、全身の刺青といいあの女房といい、彼は典型的なワーキングクラス・ヒーローなのである。

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    2014年04月15日