奥田英朗のレビュー一覧

  • 東京物語

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    初めて読んだ作家だが、こんなに読みやすいとは思わなかった。それからおしっこに行きたいとか、腹が減ってるのにご飯を食べる時間がない感じとか、こちらの感覚を呼び覚ますものがある。多少自伝的要素が入っているように(解説の豊崎由美氏の受け売りだが)「誤読」できるような作品で、特におしっこを我慢するような発想は出てこないと思うのだが、それがやれちゃうのがやっぱりプロということなんだろう。

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    2017年08月04日
  • どちらとも言えません

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    ネタバレ

    【文章】
     読み易い
    【気付き】
     ★★★・・
    【ハマり】
     ★★★★・
    【共感度】
     ★★★★・

    ユーモアを交えた皮肉的な言い回しが、面白かったです。

    欧州では、サッカーは労働階級のスポーツとして位置づけられていて、扱いもそれなりというのは、初めて知った。

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    2017年07月17日
  • 恋愛仮免中

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    「あなたが大好き」奥田英朗 ★★★★
    「銀紙色のアンタレス」窪美澄 ★★★★
    「アポロ11号はまだ飛んでいるか」荻原浩 ★★★★
    「ドライビング・ミス・アンジー」原田マハ ★★★★
    「シャンプー」中江有里 ★★★★

    それぞれの作家さん「らしい」味のある短編集だなぁ~と思う。
    窪美澄さんのだけ既読で、ちょっと残念ーw

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    2017年07月13日
  • 恋愛仮免中

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    ネタバレ

    個人的によかったのは、冒頭の『あなたが大好き』。

    わたしも、3年くらい付き合ってる彼がいて、いろいろと、状況が似ていて、物語に入り込めた。

    新しく出会った人とデートを重ねながら、どうなるのかとどきどきして読んだけど、結局、今まで付き合ってた彼と結婚することになることになる。

    わたしの人生は、どうしましょうかね。

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    2017年07月11日
  • 恋愛仮免中

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    恋愛小説アンソロジー、だけど「恋愛!」って感じはどうだろう……家族小説とか青春小説ぽい作風の短編が多いかな。「ドライビング・ミス・アンジー」原田マハさんの小説初めて読んだけどこれ好きかも。そのうちほかの本も読んでみようかな。

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    2017年06月25日
  • 恋愛仮免中

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    ネタバレ

    アンソロジーって得意じゃないのだけど、結構よかった。奥田英朗が好きで読んだけど、やっぱり一番良かった。ほろりとさせられる。原田マハが描く女性はキラキラしてるなあ。

    恋愛仮免中って、そしたら私は仮免も取れてないかも笑。

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    2017年06月16日
  • どちらとも言えません

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    ネタバレ

    新大阪へと向かう新幹線の中であっという間に読んでしまいました。
    この人のスポーツを見る視点というか独特の見方が面白いです。
    私もちょっと共感できる部分が多かったりして。
    特に野球選手の名前の考察なんかは面白かったです。
    中田翔って確かにちょっと見た目とのギャップも凄いし
    勝男のほうが似合ってますね。

    単行本自体2011年頃に出たもので南アフリカのW杯の話なんかは
    懐かしく読めると思います。
    スポーツの話って昔の話でも古臭くなくっていいですね。
    最後にスポーツの楽しみは語る楽しみにあるっていうのも納得です。
    昔になればなるほど記憶も曖昧になって好き勝手語る事も出来るというもので
    そういうのも含

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    2017年03月09日
  • オリンピックの身代金(上)

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    物語の中には想像も出来ない日本、そして東京が登場する。
    「昭和」という時代は、まさに激動という表現が似合う時代だったのかもしれない。
    他国に負けまいと必死に背伸びし、勝ち目のない戦いを挑んで敗れ、それでも焼け野原の中から復興を果たした日本という国。
    その過渡期において、国民にとって大きな自信となったものがオリンピックだった・・・と物語を通して伝わってくる。
    昭和39年、東京オリンピック開催直前。
    爆破事件が起き、秘密裏に必死で警察は捜査を続ける。
    しかし、容疑者は特定出来たものの、何度も後一歩のところで逃げられてしまう。
    東大大学院に在籍する島崎は、亡くなった兄の代わりにオリンピック会場の工事

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    2017年03月01日
  • 純平、考え直せ

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    奥田英朗の本だから、きっと最後はナオミとカナコみたいに翻意して、明るく逃走!みたいな結末を予想しながら読んだけど、そんなことなかったなぁ。言語化できないけど、奥田英朗の書く人間関係はすごく作り物じみていて、新しいテンプレートのようで、ものすごく温かいという不思議な感じがする。ポップな任侠モノはやっぱりそれだけで魅力的だなー。

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    2017年01月09日
  • 沈黙の町で

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    奥田作品は、読ませる、引き込ませる、けど最近の作品はなぜか唐突で終わってしまうものがありますが、これも!

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    2017年01月04日
  • 用もないのに

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    いや~、面白かった。
    以前読んだ小説が好みだったのと、鳥獣戯画風のイラストに引かれて手に取ったのだが、自虐と風刺の入り具合も程良く、私の口には非常に合ったのでした。

    筆者が野球オタクだったことは全く存じ上げず…
    大きく『野球篇』と『遠足篇』に分けられているこのエッセイ、野球に全く興味のない人には向かないかもしれない。
    私も最近のプロ野球は全然分からないのであるが、昔、野球漫画にハマっていたことがあるので、ルールは分かる。

    遠足篇の愛知万博レポートが一番面白かった。
    だいぶ昔の記事も入っているが、とくに、2008年の北京五輪のレポートの中に「フロッピー」「ブラウン管」という単語を見て、愕然と

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    2016年12月23日
  • 無理(下)

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    現実にあった事件を全部ぶっこんだような小説。そして、この小説が書かれた時より、確実に悪くなってきているような気がする。

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    2016年12月21日
  • 無理(下)

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    救いがない物語。日本の地方都市のことを考えさせられるよね。でも実際地元で優秀だった子は都会に出て一流企業で働いていて、そうでない子は地元でそれほど給料も良くなさそうなところで働いている。救いないけど現実と近い話なんじゃないかなと思いました。

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    2016年12月19日
  • 無理(下)

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    ネタバレ

    さびれた地方都市の冬。寒く、暗い、陰鬱とした雰囲気を出すのに効果的に雪が使われている。
    まさか、その雪が原因でラストの集合につながるとは!

    私は雪国暮らし経験者ですが…。
    冬は確かに寒くて暗くて不便だけど、何気ない場所の雪景色の美しさもありますよ。

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    2016年11月08日
  • 無理(上)

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    「最悪」に似た奥田英朗お得意の、
    複数の人物がだんだんトラブルに巻き込まれていく展開。
    引き込まれます。

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    2016年10月08日
  • 田舎でロックンロール

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    読んで良かった。奥田少年は、いや奥田さんは今でもザ・バンド、ライ・クーダーは分からんと書いている。僕もさっぱり分からない。ライ・クーダーなんて貰ったチケットで1978年の虎ノ門・久保講堂での初来日コンサート行ったけど、わかなくて帰りたかったけど、アンコール何度も何度も出てきて帰るに帰れなかった。

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    2016年08月02日
  • 純平、考え直せ

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    鉄砲玉に指名された舎弟の純平が、新宿歌舞伎町で様々な人々と接し関わりいろいろな思いをめぐらせる話。奥田英朗の描く文章は楽しくも心を動かされるリズムがある。リアリティがあるのか何なのかわからないが、一緒に駆け回りはらはらし思い悩んでしまう。

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    2016年07月29日
  • オリンピックの身代金(上)

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    時系列がバラバラなので最初は一瞬戸惑うけれど、慣れてくるにつれ、ひとつの事象を複数の視点から描いているのがとても効果的。
    1964年の東京オリンピックを前に、草加次郎を名乗る爆弾魔がオリンピックを狙うというお話なのだけれど、そのバックグラウンドにある地方出身の人夫、格差、東京一極集中の経済などがきめ細かく描かれている。たった50年ほど前のことなのに、こんなにも日本は今と違っていたのかと、驚いてしまう。

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    2016年07月19日
  • サウスバウンド

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    分厚い本。
    前編の第一部は、主人公の二郎が通う東京の小学校が舞台。
    小学生なりに同級生や上級生との関わり合い、そして元過激派の常識はずれで問題を起こす父への反感など、子供と言えども一人の人として悩み戦い成長していきます。
    後編の第2部は、東京では住みづらくなった二郎家族が西表島に引越しし、物語の背景が島民たちの温かさを含みガラリと変わります。
    東京での生活とは打って変わり活き活きと生活する父、そしてまたしても権力と戦う父と母の姿を目の当たりにし、二郎は成長していきます。

    国家権力がだ嫌いな父のキャラが面白い。
    他と関わるたびにムチャクチャで問題を起こすけれど、言っていることは的を得ているとこ

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    2016年05月25日
  • 東京物語

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    80年代に産まれた私が今、現在の時点で読んでも面白かった。80年代って色々あったんだな、って振り返りもできたし。

    もちろんスマホもTwitter、FacebookなどのSNS、インターネットも何も出てこない。でも古臭く感じずに読めたのは、昔も今も共通している事があるから。

    主人公は名古屋から東京に予備校生として上京してくるのだがその時のワクワク、フワフワと少しの不安と寂しさー。私も地方から大学でこちらに出てきたので、すごく共感できた。

    他にも学生時代の恋愛の甘酸っぱくってドキドキした事、働きに出てからの大変さや取引先にイラついたり(無茶振りとか本当、イライラする 笑)仕事に慣れた時につい

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    2016年02月10日