奥田英朗のレビュー一覧
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ネタバレ 購入済み
圧巻の後半
高校の頃大好きだった奥田さんの本を久しぶりに読んだ
相変わらず、登場人物が感じるストレスの描き方が本当に上手…
後半が特に圧巻で、読む手が止まらなかった
じわじわと追い詰められつつも、
夫から解放されて逞しくなっていくカナコを心のどこかで応援してしまう
最後はわりとあっさり終わってしまったけど、
この2人ならどんな困難も乗り越えていけるのだろうと感じられ、
少ししんみりした -
Posted by ブクログ
いま奥田中毒で奥田さんのしか読めなくなった。他の作家さん読んでも面白くなくて…
純平は前に読んでたけどすっかり忘れてた。
でもやっぱりこのスピード感、うまいよなぁ。
ヤクザものも上手だしなぁ。
薬物もよく出てくるけど。よく取材してるんだなぁ。
結局ラストはこうなるのか!でも…!
とハラハラ。
面白かった。
やっぱりあの元教授がいいよね。
「若者が死を恐れないのは、人生を知らないからである。知らないのは、ないのと同じだから、惜しいとも思わない。我が子を抱いた感動も、大業を成しえたよろこびも、肉親を看取った悲しみも、旧友と語り明かした温かみも、ろくな経験がないから、今燃え尽きてもいいなどと平 -
Posted by ブクログ
面白かった!今頃読んで言うのもナンですが…。
とにかく登場人物のキャラがいい。主役三人組、最初の「なんだコイツは」という印象がだんだん変わっていって、気がつくとすっかり応援する気にさせられるところなんか、実にうまい。脇役も、ヤクザのフルテツやクロチェの弟タケシをはじめ、みんないい味わいだ。人気投票をしたらおそらくトップだろうとおもうのが、ミタゾウ。キリバスで元気にやっていってほしいなあ。
調べてみたら、きっとそうだろうと思ったとおり、とうに映画化されていた(評判はイマイチのようだけど)。こういうクライムノベルは、多少強引でもジェットコースター的展開に楽しく乗っかって読めるのが一番だと思う。 -
購入済み
犯人側の視点でハラハラ
犯人側の視点で書かれている作品です。
犯人に共感してしまい追い詰められるたびにハラハラさせられました。
殺人は非現実的なもので普通の精神状態ではなくなったときに起こしてしまうものというイメージがありましたが、この作品では終始殺人に対して淡々としていて、日常の選択の1つのような気にさせられました。
最初は弱々しかった女性が次第に逞しく図太くなっていくのも爽快で、読後感も良かったです。 -
Posted by ブクログ
面白かった!
本屋大賞受賞作品で映画化もされている作品
最初はトラブルを起こす困った父や学校のこと。いじわるな上級生が出てきてどうなることかと気を揉みながら読んでました。
一転、移住後の離島暮らしは、無職でいつもダラダラしていた父が別人のよう!
譲りうけた発電機と井戸水を利用し、もらった野菜や料理で生活。みんなで助け合うのが当たり前の社会。
そんな中でも騒動を引き起こしてしまう父。
でも何だかここでは無茶振りも頼もしく格好良く見えてしまうから不思議。
相変わらず無茶苦茶なんだけどヒーローのように思えて、いつの間にか応援していました!
元気をもらえて、読後の爽快感が良い。
人と人との温かさも -
Posted by ブクログ
ネタバレ面白くないことはなかったんだけど、完全犯罪というにはあまりに穴だらけだし、3人のキャラクターの行動についても予想の範囲内で、読後の感情がフラットでした。
こういうのは振り切れてるくらいが面白いんだよね。
クロチェはもっと悪女に徹して、ヨコケンは小悪党なりの眼の付け所や危険に対する嗅覚の鋭さがあっていいと思うし、ミタゾウはもっと突拍子もないことを計画してもいいと思う。
特にミタゾウは、会社の人たちに一泡吹かせるシーンが欲しかったよね。
あと、父親にも何か思い知らせてやる部分があってもいい。
本当のミタゾウを認めてくれなかった人たちへの、痛烈なしっぺ返しでもあれば、もう少し溜飲が下がったと思う