奥田英朗のレビュー一覧

  • オリンピックの身代金(上)

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    前回の東京オリンピック開催前を描いていて、オリンピック主催に沸く当時の日本の国民全体での高揚感が読んでいて興味深かった。

    本作は犯人が最初から分かっているので、何故犯人が犯行に及んだかの経緯を追う形だが、その心理が丁寧に描かれており、当時の日本の貧富の格差を読むにつれ犯人の動機には納得してしまう。ただ薬物に手を出す辺りからあまり共感出来なくなった。

    後半がどのような展開になるのか楽しみだ。

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    2019年09月03日
  • 無理(下)

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    ネタバレ

    評価は4.

    内容(BOOKデーターベース)
    真面目に働くことの馬鹿馬鹿しさを知り、自分の地位が脅かされることにおののき、信じていたものには裏切られ…。5人の男女が心の軋みに耐え切れなくなった時、それぞれの人生は猛スピードで崩壊してゆく。矛盾だらけのこの国を象徴するかのような地方都市・ゆめのを舞台に、どん詰まり社会の現実を見事に描き切った群像劇。

    最後偶然が重なって1つになる・・・ごちゃごちゃで助かるべき人が残ったのか?意味がわかなくなった。う~んモヤモヤ

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    2019年05月31日
  • 純平、考え直せ

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    ネタバレ

    気のいいチンピラ、純平21歳がある日親分の指示で敵対組織の幹部を弾く鉄砲玉に。決行当日まで残りの数日を過ごす中での純平の心の揺れ具合が素朴で心を打つ良作。最後の2日間過ごす人間が、つい最近知り合いになったばかりというところも、歌舞伎町という歓楽街の中で純平の人間関係の少なさが如実になっているようでなんとなく寂しい。あわせて本書の中では明示されていないものの、純平が敬愛する兄貴分、北川の本音がすごく気になる。

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    2019年05月22日
  • オリンピックの身代金(上)

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    犯人、刑事など、複数の登場人物の視点で描かれています。「あの時は、そうだったのか。」と読むにつれて、引き込まれました。
    書かれている時間が、前後するので、途中、何度も前のページに戻って日付を確認してしまいました。オリンピックの光と影。社会の光と影。この犯人、嫌いになれません。

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    2019年05月06日
  • オリンピックの身代金(上)

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    犯罪者の方に肩入れしてしまうのは、「レディジョーカー」に似ている。でもあちらの読後があっぱれ、清々しいのに対し、こちらは胸が締め付けられるように切ない。

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    2019年04月27日
  • サウスバウンド

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    家族の絆と少年が大人の男に成長していく話。
    奥田作品で久しぶりの長編を読んだが、ほぼ一気に読めた。
    ハラハラする場面、大丈夫なの?と思える場面も多いが、イチルーの馬鹿正直な生き様には惚れ惚れする事がほとんどだった。

    自身のハナシ
    昨年末、その1年前に他界した母を追って父が他界した。
    残った我々息子三兄弟がこれまで以上に集まる機会が増え、家族の絆を再確認した事も、この作品を読み進む上での共感に繋がったのではないかと感じている。

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    2019年03月22日
  • 新装版 ウランバーナの森

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    奥田英朗デビュー作を今更読んだ。他の作品と比べると、早く続きを読みたいという気持ちにあまりならなかった気がする。中盤までが割と退屈な感じ。テーマは、運命を許せ、寛容であれということかなと感じた。これには非常に共感。それから、あとがきが良かった。

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    2018年12月20日
  • 東京物語

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    1985年私は生まれました、これはその頃のお話。

    夢を諦めて、
    夢とは違う仕事に就いて、
    大学に進んだ友人と比べてモヤモヤして。

    社会に慣れてきた頃、遊びが楽しくなって、
    周りが身を固めた頃に人生を振り返る。

    特別で身近なストーリー。

    共感したり、懐かしくなるそんなお話☺︎

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    2018年10月20日
  • ララピポ

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    上がり目のない底辺6人の群像劇、奥田英朗らしい人間の汚さと切なさがリアルに書かれている、文句のいいようもない、もう人がダメになっていく描写の惹きつけられっぷりが半端じゃない、とにかく切ない、うまい、おもしろい

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    2018年10月08日
  • ララピポ

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    割とエロな内容が多くて、「あれ?」って思ったんですけど、接点のある人同士の短編みたいになっていて、両方の立場での事情や感情の違いなどがよくわかる仕組みになっていて読みやすく、ついつい全部読んでしまいました。
    さすがですね!
    描き方がとてもうまいなぁと感心しました。
    物語については多少ナンセンスだったり飛躍的な部分も感じますが、エンタテイメントだと思うとそれも楽しんで読めました。

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    2018年09月24日
  • 純平、考え直せ

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    面白く最後まで一気に読めた。歌舞伎町の風俗が絡んで 実行までの時間をスリリングに楽しめた 最後もあれでいい終わりなのかも。

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    2018年09月23日
  • どちらとも言えません

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    作家奥田英朗氏による、スポーツ評。
    雑誌「Number」に掲載されたものをまとめたもの。
    著者独特の視点で、面白可笑しく読んだ。
    非常に辛辣な部分もあるが、それがまた可笑しい。
    「スポーツの楽しみは、語る楽しみ」とあるが、本当にそのことを体現している内容である。
    娯楽としてお勧めの一冊。

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    2018年09月16日
  • オリンピックの身代金(上)

    購入済み

    近代史を違った視点から見る小説

    私自身は中学1年生として経験した先の東京オリンピック、周りの大人たちを含めてほとんどの国民は無邪気に団結し、これで一流国の仲間入りをしたと言い合っていたように思います。海外から多くのお客さんが来るのだから恥ずかしいところは見せられない、ということで近代的インフラの東京一極集中についても多くの人は疑問を持っていませんでした。東京オリンピック支援のための寄付金付き記念切手を九州の小学校の教室で児童たちに売っていました。今となってみれば戦争中の「進め一億火の玉だ」とあまり変わらなかったのではないでしょうか。そんなことに気づかされた好著でした。

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    2018年08月16日
  • 無理(下)

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    際立った特徴もない地方都市ゆめのに暮らす男女5人。
    市役所職員、女子高校生、暴走族あがりのサラリーマン、信仰宗教にハマる万引きGメン、そして市議会議員。
    それぞれが、それぞれに絡み合いながら、ドンドン堕ちていく…。その様子は、まるでドキュメンタリーを見ているかの如く現実的で、さすが奥田英朗!面白い!
    誰もが地方都市に責任転嫁するが、全員が自分のことしか考えていない。

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    2018年04月09日
  • 無理(上)

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    ネタバレ

    評価は4.

    内容(BOOKデーターベース)
    合併で生まれた地方都市・ゆめので、鬱屈を抱えながら暮らす5人の男女―人間不信の地方公務員、東京にあこがれる女子高生、暴走族あがりのセールスマン、新興宗教にすがる中年女性、もっと大きな仕事がしたい市議会議員―。縁もゆかりもなかった5人の人生が、ひょんなことから交錯し、思いもよらない事態を引き起こす。

    5人の出来事が平行して進んでいく・・・どうなる?下巻に続く

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    2019年05月31日
  • オリンピックの身代金(上)

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    東京オリンピック目前、過去に確かにあった街や人の空気を味わえる気持ち良さがある。
    なぜか一気に読めず推進力は弱かったが読書中の気持ちの昂りはかなりあった。

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    2017年11月26日
  • サウスバウンド

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    少年の成長していく様を描いた奥田ワールド全開のパワフル小説
    お金って、世間って、一体なんだ?って考えさせられた。これからの人生を生きるヒントになった。

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    2017年09月26日
  • 用もないのに

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    野球にもロックにも興味がないので、人名、グループ名は斜め読み。北京五輪紀行は中国の旅事情が分かって面白い。愛知万博の混雑と参加国の力の入れなさは「何だったんですかね?」という印象。私も著者と同じで行列は見下し、混雑は馬鹿にするクチだ。残り2編のジェットコースターと四国遍路は宮田珠己作品と比較しながら読むのも楽しい。

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    2017年08月27日
  • 新装版 ウランバーナの森

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    どちらかといえばお笑い系というよりはまじめ系寄りの作品でした。タオさんとの絡みは良かったけど、本文よりも二十年後のあとがきの方が面白かった。ドクターが伊良部先生だったら良かったのに。

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    2017年08月20日
  • 恋愛仮免中

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    アンソロジー5作。
    いくつになっても大人でもぶきっちょなんだよ。
    クスってなったりハッとしたり。なんだかあったかい気持ち。

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    2017年08月04日