奥田英朗のレビュー一覧

  • オリンピックの身代金(下)

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    高度経済成長期には、華やかな表舞台で豊かになっていく人たちの裏には、人柱のようになった人たちが大勢居たのだ、という事実を改めて考えさせられました。
    SNSが発達した現代、東京2020で甘い汁を吸う輩が大勢居たという事実は、全国民周知のことだと思うが、この時代にもそのような事は当然あったはず。何も知らずに純粋に盛り上がれたことを思うと、知らないという幸せもあるんだろうなぁ。

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    2024年08月03日
  • 罪の轍(新潮文庫)

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    ネタバレ

    奥田さんの小説が好きです。伊良部さんではあんなに笑わせてくれるのに、これはただただ重い…でも気になってやめられない。実話をもとにしてるという感想があって、それにも驚きました。本当にあったと思うとさらにただただ辛い。
    この犯人には犯人であってほしくなかったし、どこかで幸せになってほしいとも思ってたけど、ただの自分勝手だなと思った。警察には色んな人がいるけど、犯人逮捕のための執念はすごい。

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    2024年07月28日
  • コロナと潜水服

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    奥田英朗の短編はバランスが良くて読みやすい。今回はちょっと不思議なんだけど身近で、くすっと笑えるところもあって、最後はほっこりするようなお話ばかり。読後感がよくて、軽やかな気持ちになれる。
    表題作の「コロナと潜水服」は、本当にどこかにこんな親子がいたかもしれないと思わせる絶妙なリアルさ。でもありえないだろう、やっぱり…なんて日常と非日常の狭間を上手に狙ってきている。
    こんなことが実際あったら面白いだろうな、これくらいなら経験してみてもいいかなと思える物語たちだった。

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    2024年07月26日
  • 最悪

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    人が悪い方向へ流れていく時の心理状況を丁寧に表現していて、面白かったです。過多なストレスがかかると冷静な判断ができないようになる人々がどんどん悪い方向へ行き、自分にとって都合の良いことを考えたり、主張したり(明らかにそうはならんだろと思うようなことでも)、正常でない時の人間行動が表されてると思いました。
    その行動がまた小さな積み重ねで、だんだん大きな悪い方向に流れていくことが非常にリアリティがありました。

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    2024年07月22日
  • 沈黙の町で

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    いじめという重いテーマ。
    こういう小説は特定の人物の目線で書かれるためその人物に肩入れしがちだか、これは加害者、被害者などのそれぞれの立場で心理描写のため、何が正義か分からなくなってくる。

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    2024年07月17日
  • 罪の轍(新潮文庫)

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    ネタバレ

    1つの大きな事件が、どうやって起きてどう解決されていくのか、ヒリヒリとリアルな描写は、ずっと手に汗握る。

    ページ数は多いが、全く飽きることなく、常に展開があって、事件が転がり続ける。

    高度経済成長期の日本の温度感や、警察の古い体質がとてもリアルに伝わってくる。

    最後に大きな展開は無いが、どうすれば時間は防げたのか、考えてしまう。

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    2024年07月16日
  • オリンピックの身代金(下)

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    令和6年1月1日能登半島で大地震が発生  令和6年7月東京都知事選挙 能登は半年経っても瓦礫の山 ニュースでは能登の惨状よりも都知事選でのくだらないポスターの話題  天気予報でも被災地の気温の話は一切触れず  やっぱりこの国は東京だけが日本なのだろうか? 物語の最後 若い二人の会話に東京の”おごり”が詰まって聞こえた

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    2024年07月06日
  • コロナと潜水服

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    ・短編集。
    ・パンダに乗っては最後切ないけど、持ち主さんの元で長生きして欲しいな。
    ・コロナと潜水服は私が好きな奥田さんの話!笑える~。
    ・他の話もオチが素晴らしい。奥田英朗さんの本は読みやすくてそれでいてひねりがあって読み出したら止まらない。

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    2024年06月30日
  • ガール

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    人(本作は全て女性目線)の感情はもう少し多面的で曖昧なんじゃないかとも思わせられたりもしたけど、人付き合いの上では、案外単純明快な接し方の方が良いのかもしれないとの気付きを与えてくれました!
    「そうなの?」
    「そうよ。きっとみんな焦ってるし、人生の半分はブルーだよ。既婚でも、独身でも、子供がいてもいなくても」

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    2024年06月23日
  • ガール

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    今の時代もうこんな人いないでしょ!!って思うようなところはあったけど、時代は変わってもガールの本質は変わってない感じ。結婚してる人独身の人、子供がいる人いない人、離婚してる人、仕事で昇進する人、仕事をしていない人、仕事をしてても辞めるつもりでいる人、同じ女でもそれぞれの悩みがあって、でもその悩みは女だからこそのものが多い。なんだか女ってだけで劣ってるみたいな気持ちになってきて、それでもやっぱりガールっていいよなあって。私も一生ガールでいる

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    2024年06月18日
  • 向田理髪店

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    舞台は北海道の過疎地。
    自分の両親は北海道の田舎なので、田舎の人間模様ってこうだよねって懐かしさ半分、この狭い人間関係はもう嫌だなーというのが半分。ただ、都会にはない人情味溢れるドラマはいいね。映画化されてると知り、機会があれば観てみたい。

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    2024年06月16日
  • 罪の轍(新潮文庫)

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    素晴らしい作品でした。実話ベースですが、ミステリー作品としてのエンタメ要素もしっかりとあり、とても楽しめました。とにかく、現代から見れば、その当時の時代ならではの障害、障壁が如何に犯罪捜査を困難なものとしていたかがわかります。電話ひとつとってしてもそう、北海道と東京の行き来とってしてもそう。そんな中、奮闘する刑事達の感情やら組織論やらが非常にわかりやすく描かれています。また、舞台となる礼文、南千住山谷や上野、浅草等の、如何にもといった街々の状況や特性も情景伝わりやすく描かれており惹き込まれます。そして、宇野寛治の人生。ここまでの事件となってしまわないよう、どこかで防ぐポイントは無かっただろうか

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    2024年06月14日
  • 最悪

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    読んでいて、胃が痛くなりそうなくらい登場人物が最悪な状況に追い込まれていく…
    展開が早くて続きが気になるので、かなりの長編ながら一気読みした。
    みんな崖っぷちだけど、川谷さんが1番気の毒というか切なかった。

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    2024年06月11日
  • 新装版 ウランバーナの森

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    童話っぽいキャッチーな便秘の話。ガラガラポン的なものはないけど、着実に進んでいく話。みんな一つや二つ、謝りたいことってあるよね。

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    2024年06月09日
  • 沈黙の町で

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    気持ちの揺れる中学生の気持ちをうまく表現していると思う。忘れかけてる自身の危なっかしい中学時代を思い出す。

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    2024年06月08日
  • 向田理髪店

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    「中国からの花嫁」は好きな作品でした!
    短編それぞれがちょっと温かさを狙いすぎてるのかなあなんて印象はありましたが!
    てか映画化されてるのね!!

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    2024年06月08日
  • 罪の轍(新潮文庫)

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    轍って、雪の多いところの出身でないと何ぞや?って思うよね。
    私はどっぷり北海道育ちだが。
    この小説のタイトルは素晴らしい!
    深いです!

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    2024年06月08日
  • オリンピックの身代金(上)

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    伏線を張ってる序盤は眠くなることが多かったが
    回収し始めるとどんどん面白さが増していった
    田舎生まれの東大生が後戻りできずテロリストへと変貌していくなんとなく可哀想な内容
    時系列が前後するのが面白い
    あたかも作者自身が体験してたんじゃないかと思うくらい細かな情景が描かれていて凄い特に飯場のところ
    最後国男と村田はどうなったのか気になる

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    2024年06月03日
  • 邪魔(下) 新装版

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    奥田英朗『邪魔 下』。

    夫・茂則への疑惑が高まる恭子。パート先の待遇改善の団体交渉にのめり込んでいく…

    放火の容疑者を追う九野。確信しているものの、逮捕にまでは至らない…

    一方で、花村の逆恨みから、窮地に陥る九野。

    恭子がそこまで…
    そこまでしなくても…
    幸せな普通の家族が、夫のちょっとした出来心から、地獄に…
    子供たちが不憫でならない。
    夫に自首させるべきだったのでは。
    恭子の豹変、そしてまだ行方知れずとは。

    九野にとってはこれでよかったのか。
    九野は妻と義母の事故死以来、精神的に不安定だったんだな。途中から義母⁇だったが…

    結局、邪魔なやつを排除するって、ことだったのか、自分が

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    2024年05月26日
  • 邪魔(上) 新装版

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    奥田英朗『邪魔 上』。
    ひさしぶりの奥田英朗。新装版で山積みされており、『奥田英朗、初期の傑作!!』に惹かれて、購入。

    おやじ狩りでこづかい稼ぎをする高校生・祐輔。
    事故で妻を亡くした刑事・九野。
    スーパーでレジ打ちのパートをする平凡な主婦・恭子。

    なんの関係もなさそうな3人。

    九野が上司の命令で、同僚・花村を張り込んでいたところに祐輔たちがおやじ狩りに。当然ながら、返り討ちに合い…

    恭子の夫・及川茂則の会社・ハイテックスで放火事件が発生。茂則は第一発見者として、火傷を負い、入院することに…

    3人が繋がり始める…

    ハイテックス内部での不祥事が見え隠れする。
    不安に苛まれる恭子。

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    2024年05月26日