角田光代のレビュー一覧
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角田光代さんの本を読むのは、本作が初めて。(「八日目の蝉」は映画で観たけれど。)
女性同士の友達関係・人間関係が主題だけど、男性でも共感出来る部分が多いのではないだろうか。既に忘れつつあったような、もやもやした感情を丁寧に言語化してあり、すごい作品だと思う。
奇数章は内向的な35歳主婦田村小夜子が主人公で、偶数章は小夜子の大学の同級生(だけど学生時代に面識は無い)でかつ雇用主である楢橋葵が高校生の時のお話。これが交互に終盤まで続き、ラスト前の14章の最後で初めて二人の話がシンクロする。
現在の小夜子と葵の関係は、高校生の時の葵と魚子(ナナコ)の関係に似ていて、葵の性格・スタイルが、いつ今 -
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「なんであたしたちはなにも選ぶことができないんだろう。何かを選んだつもりになっても、ただ空をつかんでいるだけ――」
高校生の葵のこの言葉に、胸を抉られるような感覚を覚えた。
若さゆえの未熟さではなく、もっと根源的な不安。
「大人になれば自由になれるのか」という問いは、年齢を重ねた今でも、どこか自分に突き刺さる。
社会の中で生活し、自分で決めている“つもり”の日々。
けれど本当に、自分の思う方向へ、まっすぐ足を踏み出せているのだろうか。
守るものが増えるほど、失いたくないものが増えるほど、選択は慎重になり、いつのまにか「無難」を選んでいる気もする。
この物語は、女性同士の関係や孤独を描きな -
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いろんな人の食卓のお話。
コロナ禍終わり頃に書店で手にとって本棚登録だけして、やっと文庫になって読んだ。
この文庫本、珍しくスピンがついていてちょっと嬉しい。
料理作りたくなるし、もちろん食べたいが先に(笑)
最近、日曜日に、作り置きをするのが億劫になってきた私。飽き性だなあと、思っていたけど、この物語の中の一つに無理はしないでよいって書いてあったからちょっと安心したり(笑)
「食べたい料理は腹を満たす、作りたい料理は心を満たす」う〜んこの言葉お気に入り。
楽しく食べて、楽しく作ればいいやんって。
この本もスピンはワンパンレシピのページに挟み、キッチンの横にたてておく。
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会いに行こう、と決意した。
ささやかで重大な一瞬を照らす六つの短編。
二十代では大恋愛、
三十代では家庭を持って、
四十代では立派に母をやってると思ってた。
人生の分岐に震える夜に光を与える六つの短編。
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表紙が二重カバーになっていて、
いつも行く書店の新刊・特集コーナーに陳列されてました。
昔勤めてた会社の社長が、
「ハレの日は一年に何日あるか、
結婚式、入学式など一年でほんの数日。
それ以外はケの日、日常です。
一年の大半は日常です。
我々 -
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★★★★ 何度も読みたい
銀行の契約社員だった40代の女が、大学生と不倫し、顧客の資金を横領する話。また、彼女に関わった人の、事件発覚後の感情や生活も、オムニバス形式で語られる。
仕事上の自分が本当の自分なのか自信がなくなる、自分を見下すことでプライドを保つ夫に自尊心を削られる、誰かに選んでもらえて嬉しい、彼の周囲の若い女に勝てるのか自信がなくなる。主人公のした横領は、確かに大それたことだが、その原因一つ一つは共感できるもので、だからこそ生々しく、読み進める手が止まらなかった。
なぜこんなにのめりこんだのだろう。それはきっと、この作品が、主人公が、ずっと『自分』を探しているからだ。自分の一 -
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近日発売される角田光代の新刊に触発されて、直木賞受賞作でもあるこの有名な作品『対岸の彼女』を読むことにした。長らく本棚に眠っていだのだが、持っていることも忘れてしまいつい2冊目を買ってしまった。それはいいとして、やはり素晴らしい作品でした。
人間関係が不得意で、子育てしながら社会復帰をしようとする小夜子と、豪快で気さくな性格の女社長、葵の物語。話は小夜子の現在と、葵の高校時代を描いた過去を交差させながら進んでいく。
この本が出されてから22年経っているが、内容が全く色褪せないし、世の中ほとんど変わってない。
まさに世代なので時代背景的にもわからないことがが何ひとつなくて没入しやすく、その内 -
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やっと8巻あるうちの半分!!
光君も40歳になりました。そろそろ落ち着け。
みんなそうだと思うけど灰ぶっかけたのナイス!
5巻はどんな話なのかたのしみですー!
以下メモとネタバレ
【胡蝶】
・光君、やっぱり玉鬘のこと好きになる
・玉鬘は拒絶!そりゃそう!!
・玉鬘の美しさを聞きつけてみんな求婚
・紫の上は光君が玉鬘にそういう感情持ってるのにもちろん気づいている
光君それは流石にキモすぎる!落ち着いてきたのかな〜って思ってたのに全然そんなことなかった!玉鬘の拒絶はナイス!
【蛍】
・光君の弟が玉鬘にアタック
・光君マジで悪趣味ってかめんどくせーなこいつ
・頭中将、行方不明の娘(玉鬘 -
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ネタバレ本の概要にあるような「立場の違う女同士、なぜ分かり合えなくなるんだろう…友情と亀裂を描いた物語」という印象は受けなかった。
たしかに小夜子と葵は持っているものと持っていないものは異なり、対岸に位置する女性であると思う。しかし描かれていたのは「“女”であるから」という性別による分断というより、人が人と関わること(学生時代の時から、年を重ねても変わることのない疎ましい人間関係)について辟易し、悩む様子が描かれていたように思えた。
小夜子と葵は一旦距離を置いて遠回りしながらも、最後は人との出会いを前向きに捉え、再び二人で前進しようとしていた。その姿はあの懐かしい高校時代の再来のようで、清々しさと美し -
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友人に勧められて手にした本書。
一億円を横領する女性の物語なのだが、とにかく怖かった。
怖くて怖くて両手で顔を覆うけど、指の隙間から覗き見るというような感覚で、怖いところはガンガン飛ばし読みしてしまった…
そして、ものすごい余韻。
角田光代さんはほんとにすごいなぁ。
ホラーでもないのになぜ、そんなに怖いのか。
それはやっぱり、自分も梨花のようになってしまうのではないかと思わせるような心理描写なのだと思う。
横領するなんてただのバカな人と思う。
一方で、仕事に対する不確かな自信や夫婦の会話の噛み合わなさ、学生時代に慈善活動をしたことなどの歪んだ自己満足感、自由なお金を得た時の解放感…すべてが自 -
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朝井リョウ氏がイン・ザ・メガチャーチ関連の記事で共鳴を感じインプットにもなった?と言う作品。
古い時代の話から始まるので、あまり今の自分の感覚とは違う世界と思っていたが、気がつくと現代になり実は自分と同世代でもあるあたりに驚く。
育った土地や環境が違っても、同じ時代背景には同じような感覚があるというか共感が湧くというか。
また、不易なことも見えてくる。合わせて葛藤も。いつでも孤独は苦しいし、何かを求めるし、それでいいのかと内側から外側から確認していく。そして何に踏み込んで生きるのか。踏み込みすぎたり、それ以前に己を確認出来ていなかったり、踏み込み方が分からない場合に人はこうなるな、とを事例を -
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この本を読んで、個人的にはスッキリはしなかったものの、あらゆる思いが溢れてきた。
かつて小学生時代毎日のように遊び、他の子と遊べないように自分を独占しようとして私の親に怒られていた子、中学時代他の子と仲良くしている様子に嫉妬してもっと仲良くしたいと泣いたあの子、今どちらの子ともほとんど関わりはない。ぽっかり空いた穴が輝きとなるどころか、穴が空いた記憶すらなくなってしまっている。あの日のあの頃のあの気持ちってなんだったのだろう、今では思い出せない感情の一つになってしまっていることに気づく。思春期の頃もそうだが、今の社会も何も変わっておらず、人と違うところを見つけては笑ったりして、そういうのってど -
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2人の男女のそれぞれ約50年間の人生を追ったストーリー。
「信じることとは何か」を問いかけられる作品。朝井リョウのインザメガチャーチを彷彿とさせる題材。
ノストラダムスの大予言、地下鉄サリン事件、東日本大震災、コロナ禍など、実際に起きた出来事が背景として描かれながら、この2人がどのように生きてきたのかが語られる。そのため、当時の自分は何を感じていたかを思い出しながら読むことができる。
ノアの方舟の物語は、ノアが神のお告げを信じて舟に乗ったから助かった=信じる者は救われる、という話だと思う。
しかしこの本は、タイトルが示すとおり「方舟を燃やす」。
信じること=救われること、ではないということに