梨のレビュー一覧
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ネタバレ元々梨さんの禍話リライトはnoteで知っていて、「この人の書く物は怖くて面白い」という認識があった。ただ、『かわいそ笑』だったり直近の『ここにひとつの〜』だったりが、小難しかったり前衛的過ぎたりで個人的に微妙…となることが多かった。
しかし今回のこの作品は、私が惹かれた梨さんの文章だった。不気味で、理解不能なところもあり、物語全体が読んでいて不安な気持ちになってゾワゾワしてくる、梨さんの作品だった。
ところで、「禍話って本当にある配信なのか」と思って検索したら実在するものだったので、YouTubeでアップロードされていたものを見てみた。私はどちらかと言うと、生身の人間が語る怪談に怖さを覚えることはほとんどないのだが(稲川淳二の話、怖いと思ったことないというのが原因としてデカいかも…)、禍話は聞いていて「怖!」となれた。かぁなっきさんの語り口って軽妙なのに怖く感じたので、話自体が相当怖くて薄気味悪いんだと思う。
『禍話n』を通して、元の配信「禍話」というデカい金脈を引き当てられたので、そういう意味でもこの本に出会えて良かったと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ青臭くて必死な、戦いの記録。
理生が悠真の自殺を怪談に仕立て上げようとしたのは、きっと怪異だけじゃなくて他の色々なものへの抵抗だったのだと思う。
怪異以外の現実的な問題を苦に死んだことにはしたくないとか、よくある事件のひとつとして忘れ去られるのが嫌だとか。
すごく子供じみてるし正しくない行いだとも思うけど、足掻き続ける姿は応援したくなってしまう。
若い子がこの本の影響で自殺を美化してしまうのではないかって危惧がちょいちょい聞かれるけど、それはないと私は思う。
理生の狂った理論を真に受けたらどうなるかって想像すると、たぶん「今すぐ自殺してもいい」というより「もっと精一杯戦え」ってメッセージに受け取れそうな気がするんですよね(それはそれで危うくはあるけど)
8章。
これは怪異からの勝利宣言なのか、その後も抗い続けた理生への鎮魂なのか。
前者ならぞっとするし後者なら救いだし、解釈が分かれるところ。 -
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6つのお話からできているので、寝る前に1話ずつ読み進めてました。
面白い。怖いというよりも。先が気になって仕方なくて、毎回「寝る前に読むもんじゃないよね、もう1話読んじゃおうかな…」ってなってたから、やっぱり面白いが合ってるかも。
1話めのROOFyは掴みどころがなかったから、これはちょっと読み進めるの大変かもって思いましたが、2話めからは読みやすかったです。3話めあたりから、もしかしてお話同士繋がりあるのかも…と思い出してからは、前に戻ったり元のお話に帰ったりと。
どのお話にも共通して、行方不明になったライターさんが絡んでるようだけど、彼はどのタイミングでエレベーターが駄目になったんだろ? 地獄に落ちるのが怖い…ナニを見たんだろ??
そこが気になってます。どこかのお話に出てきたの見落としてるのかな…
個人的には、幽霊として新しく死に直す、ずっとそのまま固定され進みも戻りもしない状態の方が嫌だな。。
あと、育苗ガイドラインの最後のページ、ドキッとした… あの回にはライターさんの影が見当たらなかったから、あれはライターさんが書き込んだのかな…
時間あけて、もっかい楽しみたいです。 -
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ネタバレ久々に本を買って読もうと思ったので、感想も書こうかと。
私が楽しめたのは前提なんだけど、1番読むと楽しめる層に訴求するのが難しそうな話だなぁと思う。ホラーとしてはそんなに怖くはない。モキュメンタリー感もあんまりない。ジャンルとしては青春小説だと思う。人によってはラブストーリーとも読めるかも。私は彼らのことを戦友だなぁと思ったけれど。
ただでさえ家庭環境が終わってる子供たちが、学校で怪異(現象というかなんというか)に巻き取られ、散々怖い思いをして最終的に命を落とす。
死にたいと思ってリストカットしたのに痛くて薄皮一枚しか切れない。常に漠然と死にたいのに怪異に殺されるのは怖い。どうしようもなく追い詰められて、このまま生きていてもずっと怖いだけだと思い知って、絶望が死の恐怖を上回った時にとうとう死ぬ。
そんな救いのない話なんだけれど、とっくに詰んでてどうしようもない状況の中で主人公はとても歪な形の「救い」を見出そうする。
作中にある「死ねてよかったね」という言葉が印象的。不謹慎なワードだと思うけれど、「最後に選んだ選択肢まで間違いだったと断罪されたれたくない」というのにはなんだかとても納得した。
確かに、間違ってたとか言われても困るよなぁと。もう死んでるのに。今更言われたって生き返れるわけでもないのに。
「死にたくなるくらい怖くてつらい中で必死に生きて、それでもどうしても死んでしまった。それはもう仕方ないことだ。ここまでよく頑張った。お疲れ様。」唯一無二の戦友だった男の子に対しての、主人公からの激励というか、弔辞?なのかな? それを広めるための物語のように思えました。 -
Posted by ブクログ
あ〜すごい。救いがない。
ラストになって、今までの章であった話の解説?といいますか、なんといいますか、「これはこういうものでした」とサラサラと触れられていくのですが、これが大層気持ち悪い。
うわ、うわうわうわ…うわ〜…って感じでした。ほんとに。
幽霊とか、呪いとか、そういうものよりも高次元な、世界のシステムという恐怖。
あと、これはこの作品だけの話ではないんですが、著者の梨さんの書く話し手や人物って全員静かな感情しか持ってないんですよね。
やけに落ち着いているというか、怒りとかそういうアクティブな感情があんまりない。だから尚更、諦念のこもった、救いはない、という形式との相性が良かったんだと思います。
私も釈迦のようにバグ技使うしかないんでしょうか。
やだな〜!!!!
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Posted by ブクログ
ネタバレ天道・人間道・修羅道・畜生道・餓鬼道・地獄道
それぞれに世界に必ず苦しみが待っており永遠に繰り返す救いのないお話。
色々な考察が出来そうで個人的には好きな作品です。
6章の5階(人間道)に住んでいる主人公が落ちた後、どこかの階(六道の6種の世界)の住人になると言っていたので永遠にぐるぐるとそれぞれの世界の苦しみを味わい続けるのかな?
本当に救いがなさすぎる…
だから5章の幽霊は苦しみから逃れるために輪廻から外れた?
目次の意味
1章→ ROOFy(屋根付き)天道?
2章→ FIVE by five(はっきりと聞こえる、順調な)人間道?
3章→FOURierists(フーリエ主義?)修羅道?
4章→ Three times three(三度三度)畜生道?
5章→TWOnk(愚かで思慮のない人)餓鬼道?
6章→ONE(1つ)地獄道?
六道
天道:享楽のうちに生涯を過ごすが死を迎えるときは5つの変化と苦しみが襲い体が腐っていく。
人間道: 人間が住む世界。四苦八苦に悩まされる。
修羅道:阿修羅が住み、終始戦い争うために苦しみと怒りが絶えない世界。
畜生道:鳥・獣・虫など畜生の世界。種類は約34億種で、苦しみを受けて死ぬ。
餓鬼道:餓鬼の世界。腹が膨れた姿の鬼になる。
地獄道:罪を償わせるための世界。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ短い自由律短歌の連続なのに、毎回きちんと怖い。
面白かった。
セーラー服の少女が屋上から地面を見下ろしている様子が脳裏をチラつく。
最初は詩集かと思っていたのに、通して読めば関係性が薄らと見える。
以下、特に好きだったもの
朝焼けに黒い液体をまきちらして、夜を散骨するように
いっぱい名前を呼んでくれた、死体になってはじめて
夢に出てきた故人にふれると、ブラウン管に
指でふれるときと全く同じ、やわらかな拒絶の触感がする
空が肌色のときだけ現れる鉄塔
一匙のくすりの粉をわけあった日が
プラセボになれますように
静物画みたいな葬儀だった
名札の安全ピンが初めての自傷だった少女が
頭の中で空に泳がせていた魚
カショオする専用の
うどんの茹で方があるように、
幽霊になる専用の
死に方があるんだと思う