梨のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
いわゆる理不尽な怪異に襲われて、とはまた違うテイストのお話でした。
ひとりの青年がさいごまで頑張って頑張って生きた証を残す話。
不健全な2人の関係が、青春さの中にどこかエロティックさまで感じさせる本作でした。
何度か読もうとして途中でやめて、を繰り返し、ようやく本腰を入れて読みましたが、序盤を乗り越えるとどんどん面白くなり、答え合わせのある後半はより一層のめり込んでしまいました。
一人称で進みますが、後半はもう読んでいて痛々しくて。 切なくてつらくて、尾を引く余韻の残る終わり方でした。読み終えた後はずっと胸がザワザワしていました。あの男子学生を許せる気がしません。
表紙のデザインが作中で触れられているのがおもしろかったです。あくまでもこれはモキュメンタリーなんですね。 裏表紙のあの文はやっぱりそういうことなんでしょうか。一体誰が彼女を肯定してくれたんだろう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ最近ブームの背筋さん、梨さんの短編集があるということで気になり購入。
どれも読んでいる途中で「なんか言葉に出来ないけど違和感あるな」と思い、読み進めていくと最初はよくわからないなーっていう印象だけど、よくよく考えると不気味な話が多い。
背筋さんは『おしゃれ大好き』というタイトルで題名で気軽に読み始めたらいい意味でタイトルあってないなという印象。
梨さんは感情をテーマにホラーというよりファンタジー要素満載。少し難しかったが、感情の大切さが伝わってきた。
他の著者の方々も初見の方もいたが、それぞれの良さが短編集で味わえて贅沢な気分になった。特に澤村さんの『鶏』はオチが予想つかなかったが、Q氏は一体何者で先祖代々鶏に祟られている人なのか鶏人間みたいな人なのか気になるところだった。
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Posted by ブクログ
ネタバレ小説ではなく、詩集。
クスッと笑えるようなものから、前後の出来事がありありと想像できてしまうぐらいの一文もあって、ドキッとする。
ホラーとギャグは紙一重なところ、それを手紙(自由慄)という形式で見せてくるのは、すごく良い。そういうやり取りなら、少し笑ってしまっても、作品の全体の雰囲気は崩れたりしない。ちゃんと、気持ち悪さと怖さがある。
好きだなと思うのに、多分、万人受けしないので人に勧めるのは難しい作品。
この作家さんの言葉選び、好きなんだよなあ。
年代的には何だか刺さるものが多かったように感じる。ブラウン管の画面を触った時のあの感覚は、今はもう伝わらない人も多いだろうなあ。
今は画面に触ってなんぼですもんね。 -
Posted by ブクログ
ホラーアンソロジー。どれもこれも怖い、としか言いようがありません。
お気に入りははやせやすひろ×クダマツヒロシ「警察が認めた〈最恐心霊物件〉」。実話恐怖ものだからこそのリアルな恐怖感がとんでもないです。ひっそりとしたわけの分からない怖さも、ぐいぐい来るパワフルな怖さも両方ある……! たしかにこれは最恐の物件です。嫌すぎる。
栗原ちひろ「余った家」も怖い……というより、これは一番嫌な物語でした。普通ではないルールに支配された家から逃れようとする主人公。おかしいのは自分の置かれた環境なのか、自分自身なのか。どのように生きるのが幸せなのか、基盤が揺らいでしまう感覚がとても危うくて不安な作品でした。 -
購入済み
ゾワゾワする
SCPに関する漫画を描くことになった、2人組の漫画家の話。SCPについての解説漫画と、体験談風にSCPを描いた漫画の、2部構成になっています。SCPについてはそこまで詳しくないのでフンフンと読むことができました。都市伝説的な内容を集めたもの、という認識なので、それ自体は、決して全てがホラー的な内容ではなさそうなのですが、この巻で描かれるのは、ある程度の怖さを伴う内容と思ってもらっていと思います。
そして、要所要所でゾワっとさせる描写や、意味のわからない部分もいくつかあり、全体的に気も悪い肌感覚がありました。
モキュメンタリーてきな要そもあり、梨氏がせいさくにさんかさていることからも、ありきたりなホラーではおわなそうなふんいきはしてま -
Posted by ブクログ
『学校の怪談じゃ、ものたりない? 君に綴る5つの恐怖』。澤村伊智・内藤了・梨・伴名練・藤ダリオによる豪華書き下ろし短編集。高校生を主人公にした5つの物語は、怪談からデスゲーム、モキュメンタリーまで恐怖のバリエーション豊か。
私は澤村伊智さんを目当てに買ったのだが、期待以上だった。大人ではなく、高校生に向けて書くならこの書き味で読み味になるだろうと思う
ホラーは露悪や冷笑と距離が近いジャンルで、それ自体は悪いことではないのだけど、高校生へ向けるというのなら少し風通しのよさというか爽やかさがほしい。大人にあてて書いたものなら削がれてしまうような要素こそほしい
そういう期待に華麗に応えてくれていて、ただ怖いや恐怖による絶望とかで終わらないホラーを書いていて、本当にこの作家が好きだなと思った -
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なかなか面白かった。目当ての作家はそれぞれ期待通りの仕事をしていた。ホラーごとのジャンルの解説もありがたく、なにが怖いのか?を丁寧に紐解いてくれるのはホラーファンとしてすごくありがたかった。ただ、各短編がテーマに沿っているかどうかと、一作品として見た時に素晴らしいかどうかは別問題だなとも思った。切り口が新鮮で、面白い試みだった。14歳の世渡り術シリーズ、全然知らなかったけど、大人でも十分楽しめそうだから他にも読んでみたいと思った。ヤングアダルト向けということで、ほとんどの作品に学校が出てくるのがよかった。動画投稿やAIなんかの話が出てくるのもとても今っぽい。
以外各話感想(ネタバレあり)
①みてるよ
澤村先生お得意のパターンではあるが、プールや飼育小屋、トイレ、授業中の廊下などディテールが細かく、学校の独特の空気感の再現が丁寧でリアリティがあった。女の霊じゃなくてもこわいもんだな。意地悪なパワハラ先生も追い払ってくれるならアリかな。
②終わった町
芦花公園の「おしまい」節には中毒性がある。毎回クセつよ霊能者を出すのだけたまに控えて頂きたいが、セリフの唐突さ、文字面の不気味さ、気持ち悪さがほどよく、どうやってお話を書いているんだろうな…こういう台詞がぽんぽん出てくるのかなといつも思う。だめったらだめだしおるったらおるし、終わりったら終わりなんでぇ。強。
③さよならブンブン
平山夢明氏は「もう草一本生えません」みたいな絶望根絶やしホラーを以前読んだので、とても警戒しながら読んだらめっちゃいい話だった。個人的にはこの本の中ででダントツ一位。モンスターホラーの括りでありながら、本当のモンスターは殺人猫ブンブンではなく、残酷な加害をする人間の方では?と思わされる二重構造となっている。ブンブンがこっくりさん用紙を使いながら伝えてくるオールひらがなの言葉を、頭の中で変換しながら読む…。ひらがなにすることで、子供向けというか、ある種とてもピュアで率直な主張として頭に入ってくる。非常に味わい深く、いい余韻が残った。こんな話も書けたのね。文体に力を感じる。
④告発者
親の恨みも分かるけど、まさか死ぬとは思ってなかったんだろうし、あの時言えなかった事がそこまで悪いことか?とは思う。でもお母さんがおかしくなっちゃった気持ちとか、それを見てたお父さんの無力感、無念さを考えたら、壊してしまったものの代償なのかもしれないな。どんなに動画が拡散されても、家庭内ではもう分かっていて決着したことですと言ってしまえば、当時子供だし罪には問われないよな。まぁ雨穴は良くも悪くもこんなかんじ。ちょっと弱かったかな。
⑤とざし念仏
集団心理のヒトコワも入ってるよな。ほっとけ君の豹変が怖い。とざし念仏の由来もこわい。すごい閉塞感と恐怖だった。死は身近にある…と感じた。苦手だったけど、シチュエーション・ホラーとしては良作。
⑥十一分間
やりたい事はなんとなくわかったけど、AIによる人類支配のやり方がよく分かんなかった。これこのまま進んでったらどうなってた設定なの?自殺を促されるの?
最初の方読むのがめちゃくちゃ苦痛だった。単純に文章力が拙い。アトムとかドラえもん由来の人間の味方ロボットが冷酷なAIに勝つという構図は好きだったけど、論破したら勝ちなの?なんでAI先生は崩れ落ちたの?そこがよく分からなかった。
⑦学校の怖い話
普通に面白かったけど、怪談はホラーのジャンルではなくて、伝え方の種類ではないのかな?これ入れるなら、サイコホラー(ヒトコワ)の短編を入れて欲しかったかな。
⑧民法第961条
発想は面白かったけど、行方不明になるだけじゃちょっとふわふわしてるかなと思った。そんな時間経ってから襲ってくる呪いみたいのがあったんかい。世渡り、はなるほどなと思ったけど、逆に「完全に企画系の作り話じゃん」ってなっちゃったからおふざけ感が増してしまった。
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Posted by ブクログ
ネタバレとにかくホラーとインターネットが好きな人が作ったコンテンツだなあという印象。
各掌編を通して「幽霊」が示唆されているんだけど、結局最後まで読むと人の死後のいわゆるオバケ的な幽霊は一度も出てきていないのも面白い。あくまで舞台は現実のわたしたちと虚構のインターネット世界のなかで完結している。
“Y”らへんの幽霊の定義付けが難しかったが、とにかくAIのハルシネーションから生まれる架空の概念に霊的存在を見出したのだな、ということさえわかればよいのかと思った。
書籍ではじめて「つねにすでに」に触れたけど、実際はサイト発信のコンテンツらしく、関連動画とか見るとおそらく書籍版だけではコンテンツの面白さの1/10も摂取できていないように感じた。
あんま関係ないけど最近のホラー関連のコンテンツってこの人とテレ東の大森さんが毎回のように関わっている気がする。
あ、あと終盤のいろんなコピペを上げていくところに「はっはっは」「これは面白い」のやつがあったのめちゃくちゃ嬉しかったな…………昔すごく笑ったやつ。