あらすじ
それは、ひとつのサイトから始まった。
200万PV突破のネット怪談ロア、ついに書籍化!
新作書き下ろしも1篇収録!
ゆっくりボイス、まとめブログ、Discord、実験レポート、匿名掲示板、ドキュメンタリー映像、ホラー番組、位置情報ゲーム、オンライン百科事典、出所不明のカセットテープ、アスキーアート、チャットボット……。
いにしえのネット文化から最新のAI技術まで、幅広いテーマで描かれた全26話の物語──「つねにすでに」
各話はA~Zの頭文字を冠し、独特の世界観を展開。
公開後すぐに、AIを使ったインタラクティブなギミックや、1日限定で公開された民家での展示など、ネットならではの仕掛けが大きな話題に。
公式Discordには6,000人以上のファンが集い、熱い考察を繰り広げたあの作品が、ついに書籍化します。
発行:ひろのぶと株式会社
発売:順文社
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Posted by ブクログ
梨さんの怪異ってなんかほんとにリアルで身近なゆっくり実況とか2chとかがテーマのホラーになっててすごいゾクっとした。あと後半になってくると古のインターネットてんこもりオールスターズが胸熱で笑ってしまった。
個人的にはtell your worldの歌詞を引用してたり、初カキコニキのworldスペルミスも原文ママで興奮した。古インターネットオタクは読むことをおすすめします。インターネットホラーに馴染めるかも。
Posted by ブクログ
とにかくホラーとインターネットが好きな人が作ったコンテンツだなあという印象。
各掌編を通して「幽霊」が示唆されているんだけど、結局最後まで読むと人の死後のいわゆるオバケ的な幽霊は一度も出てきていないのも面白い。あくまで舞台は現実のわたしたちと虚構のインターネット世界のなかで完結している。
“Y”らへんの幽霊の定義付けが難しかったが、とにかくAIのハルシネーションから生まれる架空の概念に霊的存在を見出したのだな、ということさえわかればよいのかと思った。
書籍ではじめて「つねにすでに」に触れたけど、実際はサイト発信のコンテンツらしく、関連動画とか見るとおそらく書籍版だけではコンテンツの面白さの1/10も摂取できていないように感じた。
あんま関係ないけど最近のホラー関連のコンテンツってこの人とテレ東の大森さんが毎回のように関わっている気がする。
あ、あと終盤のいろんなコピペを上げていくところに「はっはっは」「これは面白い」のやつがあったのめちゃくちゃ嬉しかったな…………昔すごく笑ったやつ。
Posted by ブクログ
YouTubeと連動している仕掛けは面白かった。
実際にこんな番組やドキュメンタリーありそう。
点と点を結びつけると…
後半はかなり難解でした。
Posted by ブクログ
一話目Archiveでかなり引き込まれた。イヤホンをして聞けっていうからその通りにやって、まんまと…って感じ。
そこからは次、次…昔から心霊現象や怖い話の特番が大好きだったから、音声や動画で楽しめて、かつ詳しくないネットロアの世界を味わえるのが面白かった。
最後ちょっと混乱したからまた読みなおそうと思う。
Posted by ブクログ
うーーーーん、面白い/面白くない とか、怖い/怖くない で評価できないというのが正直な感想。
忖度なしで本音で言うと、ただただ煩わしかった。
本の内容とサイトの内容を比較したり、QRコードから動画を確認したり、サイトが一度消去される前の情報を探さなければ分からないことがあったり。
他の方もレビューしていたが、「媒体の行き来で気が散る」「本だけで完結してほしい」、まさしくその通りだと思った。
もちろん、1つ1つの話は興味深かったし面白かった。しかし、全体を通して理解しようとした時に、大雑把かつ漠然と「何となく言わんとしてることはこういうこと?」というのは分かるが、1〜100まで全て理解しようとすると何だか話が壮大過ぎて考えるのがめんどくさくなる感じ。
ところで、私は元のサイト「つねにすでに」をよく知らないため、見当はずれなことを言っているかもしれないことを前置きした上で、思ったことを書いていくと。
そもそも、サイト「つねにすでに」を初期の初期から追っていない人には、100%楽しめる構造になっていないような気がする。そのため、本『つねにすでに』から楽しみたい人は、Guruまでの消去される前の内容を知っている人のように「ここが消去される前と違う」といった楽しみ方も出来ないし、変更された情報を把握することがかなわない。これって、後から作品を楽しみたいと思った人に対してあまりに不親切なのではないか。
もちろん、古参から楽しんでいる人が、ネットで考察したり変更前後の比較を書き連ねたりはしてくれているが、そこには自分がもう知り得ない変更前の情報が含まれており真か偽かの判別すらできない。そのため、わざわざ変更前の情報を探そうとする気力が湧かないのだ。
これは何だか、自分の知らない内輪ネタで盛り上がられているが、そのネタ元についてわざわざ知ろうとするのが煩わしいので、とりあえず「ふぅん、そうなんだ」と享受する感覚に似ている。
とにもかくにも、私の場合、読み終わって「怖かった」「面白かった」という感想よりも「やっと読み終われた」「疲れた」「難しかった」しか残らない作品だった。
正直、ホラーって「怖い/怖くない」という感覚が命だと思うので、そこにやれ考察だの やれ動画やブログのチェックだの、言ってしまえば「不純物」が加わることでどんどん作品の怖さを損なうのではないかと思うのだが。作品に小難しさや読者もついていけないような「新しさ」は邪魔にしかならないと思う。