梨のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
難しかった!
「今何の話してるんだっけ?」「今誰が語ってる話なんだっけ?」「『私』って誰なんだっけ?」と、かなり混乱しながら読みました。考察とか複雑な話が好きな方にはピッタリな作品だと思います。
状況がよく分からないまま読み進める箇所が多いため不安感もあいまって、しっかり怖かったです。
この話も『鬼門の村』に似てる部分があるなぁと思いました。前に読んだ『ある警察官の奇妙な告発にまつわる諸資料』の感想でも同じこと書きましたが、この3冊の怖さの共通点なのかも。
怪異が発生している時の描写は生々しかったです。そもそも文章を脳内で再現…っと危ない。本作の核心を書いてしまうところでした。
気になる方は是非お読みください。 -
Posted by ブクログ
開催を知って、見に行きたいと思いつつ終わってしまった「恐怖心展」の、図録のような一冊。
展示そのものに対してはわりとSNSウケ・話題性重視といった認識だったのだけれど、存外かなりよかった。
恐怖を発症するきっかけは様々でありながら、「ひょんなことから」「なにげない画像から」「誰かの一言から」「ささやかな失敗から」、突然のうちに始まってしまうのが興味深かった。
そんなことで?という一件が、以降その人を捕え長く長く苛んでいくことになる。予期不安というか、恐怖症に伴う症状として、自分の体が思い通りにならないこともまた恐怖。
とりわけ、失敗に対する恐怖を抱く人が持ち歩いていたメモと、罪悪に対する恐怖を抱く人が綴ったYouTubeチャンネルの説明文などは鬼気迫るものがあった。
この現代において、実際の意味で命を脅かす恐怖なんてきっと何一つないのだろうとは思う。
それでも恐怖は決して外側にあるとは限らず、自分の心の内から勝手に立ち上ってくる。迫ってくる。逃げられない。想像力ってやつは、本当やっかいだ。
恐怖症を一覧して読んでいると、意外と自分にも当てはまるものが色々あった。
醜形恐怖、対人関係全般の恐怖はあまり他人事ではなく、過去のあれこれがぶわっと蘇ってくるので危なかった。
恐怖心やトラウマ、PTSD、強迫観念についてもっと知りたいけれど、知りすぎて深淵を覗いてしまったらと思うと、いよいよ引き返せなくなりそうな気配を感じて怖い。 -
Posted by ブクログ
令和、ホラーも多様化の時代。
身の毛もよだつようなホラーだけがホラーじゃない。
『令和最恐ホラーセレクション クラガリ』
アンソロジー
最初に言っておきますが、
私、ななこは大のホラー好きです。
怖ければ怖いほどいい。
おぞましければおぞましいほどテンションが上がる。
(たぶんちょっと性格に問題ある。)
そんな私からすると、
このアンソロジーは絶叫系というよりは侵食系。
だから、いわゆる王道の絶叫系ホラーを期待していると、
ちょっと雰囲気が違うかもしれません。
でも!
・令和っぽいホラーを体験したい人
・ノスタルジー×不穏が好きな人
・新しい作家さんを開拓したい人
にはぜひ読んでほしい一冊。
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6つの短編が収録されています。
『オシャレ大好き』背筋
『近畿地方のある場所について』の背筋さん、
やっぱり不穏の作り方がうまい。
ラスト、「え?どういうこと?」ってなるのに、
ちゃんと嫌な感じだけ残る。
お客さんがあんなこと言ってたら、私なら即閉店。
『鶏』澤村伊智
これ読んだあと、チキンナゲットにためらいが生まれる。笑
怖いというより、気持ち悪さが静かに残るタイプ。
嫌な余韻の名手。
『金曜日のミッドナイト』コウイチ
正直に言うと…よくわからなかった。
そしてあまり怖くなかった。笑
でも合う・合わないがあるのもアンソロジーの醍醐味。
『警察が認めた<最恐心霊物件>』はせやすひろ×クダマツヒロシ
今回いちばん「うわ、やめて」ってなったのがこれ。
ステンレスの鍋とかシンクとか、
ああいう映り込み系は本当反則です。
今夜ちょっとキッチン見たくないかも…
『余った家』栗原ちひろ
あの<オペラシリーズ>の栗原ちひろさん!?
…と懐かしさも込みで読む。(もう20年も前か!)
派手な怪異はないのに、
家族のズレが、じわじわにじみ出る感じが怖い。
『恐怖症店』梨
私のベストはこれ。恐怖を商品化する発想が、もう天才。
恐怖症を売る女と、その助手の少年。
この2人の関係を解くミステリー要素もあって、どこか切ない。
恒川光太郎さん好きな人は、たぶん刺さる。 -
Posted by ブクログ
小説という概念を壊す、梨ワールドが炸裂していた。最初の話は普通の怪談話、という感じだが、『練習問題』や『穴埋め作業』などは梨さん特有の別の形式で書かれる作品だなと思った。こういうの作るの上手だな〜、なんか段々不穏になって気づいた時にはもう取り返しがつかないくらい狂ってる感じ。ただオチがどういうこと?って思う時もあって(これは私の理解不足だと思う)しっかり分かっていないのが勿体無いなぁ…とおもうわけです…。あと付録で赤い折り紙が入っていました。体験型ホラーって感じでワクワクするね。
追記 折り紙折ったんですけど下手すぎて15分かかりました。大きな箱って何?ってなりましたが気合いで読めました。怖いってより感動した。 -
Posted by ブクログ
怪談ドラマ特番を観終えた読後感。様々なジャンルの話が入っていて楽しい。背筋「オシャレ大好き」は、今のSNSインフルエンス社会における怪談であり、バズりを追いかける人間の闇を描いたホラーでありつつ、日常が徐々におかしくなる演出がよい。最後の梨「恐怖症店」はもはやベン図を書くならホラーとファンタジーとヒューマンドラマという作品であり、人間の心を描いておきながら世界観の奥行きが素晴らしい作品。恐怖症を売買する店主とお手伝いの少年とお客さんが織りなす物語、もっと長編で読みたい。最後の梨「恐怖症店」はもはやベン図を書くならホラーとファンタジーとヒューマンドラマという作品であり、人間の心を描いておきながら世界観の奥行きが素晴らしい作品。恐怖症を売買する店主とお手伝いの少年とお客さんが織りなす物語、もっと長編で読みたい。