あさのあつこのレビュー一覧
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帯もなっている金原瑞人氏の解説が絶妙だ。
”理穂と美咲の関係を「親友」とか呼んだりしたら、ふたりにしかられてしまうだろう。とすると、おそらく「共犯者」なのかもしれない。世界で最高の共犯者。恋人や親友よりも得がたいもの。それは共犯者なのではないか。そしてこの作品は、犯罪小説なのだ。そしてこの小説は、世界に対してふたりが挑む、ささやかな冒険小説なのだと思う„
何かに夢中になったりするわけでもなく中途半端な高校生活だ。特別ドラマチックなこともロマンチックなこともないけど、ワイワイガヤガヤ笑い声がある。でもそれぞれが命を燃やしていて、彼女たちにはなんでもないことをとても大切なモノに変えてしまうチカラが -
Posted by ブクログ
中学2年生という多感な時期の少年を主人公に、その友人や親との関わり、大人の価値観とそれを簡単には受け入れられない思春期特有の心理が描かれています。
大人になるにつれて「世の中では真面目に純粋に生きることはできない、それを手放すことが大人になることだ」という事をなんとなく感じながら、色々なものを手放していったりするわけですが、その「手放したもの」の中に、人間にとって大切なものが入っているのだろうな、そんなことを思わされました。
「中二病」という言葉があるように、大人になってから青臭いことを言っていると嘲笑されたりすることもありますし、人間本来の持つ「正しさを追求する」ことを渇望するのは確かに -
Posted by ブクログ
縫箔(刺繍)屋<丸仙>の娘でありながら、針仕事は全く出来ず、代わりに市中の道場で男の弟子を負かしてしまうほどの剣の腕の持ち主であるおちえ。
大身旗本の家に生まれ見事な剣の腕を持ちながら、武士の道を捨て<丸仙>に弟子入りを懇願する吉澤一居。
折しも四年前に起きた連続殺人事件が再び起こり、そのことがおちえにも重要な転機として降りかかる…。
あさのさんの時代物は弥勒シリーズを始めいくつか読んでいるが、これはスルスルと読めてしまう。
弥勒シリーズと比べると年齢層が低いので青春物と言えるかも知れない。
また縫箔という職人技にスポットを当てたお仕事物の側面もあるかも知れない。
更にはおちえの一居に対 -
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