オードリー・タンのレビュー一覧
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社会に対しての技術の方向性
・テクノクラシー:AIの可能性を重視し、それに社会を適応させる
・リバタリアニズム:暗号とネットワークコミュニティが政治・組織に替わり、
規制から解放され自由市場に個人が参加できる
全要素生産性の停滞要因
・テクノクラシーに起因
→技術進歩が自動化に向かい、労働力を補う方向になっていない
・リバタリアニズムに起因
→政策が積極的な産業発展の構築を止め、自由市場任せにしてしまっている
デジタル民主主義のプロジェクト
・零時政府/g0v(ガブゼロ):オープンソース・自ら実施・公共性
政府のデジタルサービスの品質・データの透明性に不満
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何回であった。幾度もところどころ読み返しても、頭に入ってこず。、「社会的差異を超えたコラボレーションのための技術」について今までとこれから期待されること(懸念されるととも)をわけて、解説をしているのだが、鈴木健の日本語版解説で何とか、ぼんやりと掴んだか、という感覚。自分の理解が、ちょっと頼りない。ただ、これは別のところは引っ張ってきた知見だが、ICTがInformation Communication Technologyという頭文字なのが、これからはInnovation Collaboration Technologyと取り替えたほうがずっとしっくり来るだろうな、ということは納得できた。
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> 社会世界は、孤立した個人の無秩序な寄せ集めでもなければ、一枚岩の全体でもない。むしろそれは、個人アイデンティティと集合的組織の両方を特徴づける、多様で交差する帰属性が織りなすものだ。(3-0 プルラリティ(多元性)とは?)
PLURALITYの思想には共感する。一方で、この思想に世界全体が染まる日は来ないだろうと感じた。
> 文明の最大の価値は、生活手段をもっと複雑にすること、つまり、人々が衣食住を持ち、あちこちに移動できるように、単純で無秩序な知的努力ではなく、大きく統合された知的努力が必要となることなのだ。(3-1 世界に生きる)
それぞれの人が知的努力を義務として必 -
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2024/読破
一言 物事の解決にフォーカスし、参画型で考えるのは新しい視点でした。
感想 モデルX(参画型で貸し借り無しの知恵の提供)という概念が、言語化された枠組みとして初めて知れまして、勉強になりました。
プログラミングはオープンソースで学びやすいものであること、台湾は8歳から学んでいるというカルチャーの違いがびっくりでした
下記は印象に残った点
p16
少数の人が高度な専門知識を持っているよりも、大多数の人が基本的な知識を持っている方がいい
「エンパワー」の概念
トラブルやハプニングに直面した際、状況を変えようとする能力のこと
p48
「fast」「fair」「fun」
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買ってから長い間読まずにいたけど、もっと早く読んでおけば良かった...!めちゃくちゃ面白かった。
「自分で設計したプログラムから最も縁遠い人たちに使ってもらって意見を集う」になるほどぉぉ〜...とつい唸ってしまった。ついペルソナとなるユーザーに意識を向けがちだけど、常に多角的な見方が重要だよねと改めて。
AIに言及した場面で「AIは人工知能でなく、補助的知能として捉えるべき」「AIは人間の選別に使うものではなく、あくまでイノベーションを産むためのもの。」とあり、これにも深く頷けた。
オードリー・タンさんは考え方は常に自由なのにやることは一貫してて、ほんと素敵。
もっと寛容で相互理解があり -
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コロナ対策において台湾のデジタル技術を活用した感染拡大防止対策を主導したオードリー・タンによる、日本に向けたインタビューをまとめた本です。
発生した問題に国民と知恵を出し合って解決していく。デジタルはあくまで手段であり、プログラミングを学ぶ中で「プログラミング思考」や「デザイン思考」を習得し、スキルではなく【素養】を身につけるべきだとタン氏は主張しています。
素養とは初めて聞いた言葉でしたが、教養とも素質とも違う「心得」「リテラシー」みたいなものだそうです。
そして素養を身につけるために有効なのは、「共同で考えること」「意見を出し合うこと」だといいます。
タン氏が行ってきたデジタル政策の中 -
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オードリー・タン氏の生い立ちや経歴、考え方や価値観がわかる書籍。
タン氏が社会をインクルーシブにすることを第一に考え、そのためのツールとしてデジタル技術を活用すると考えていることが良くわかった。他者に対して優位性を保ちたいという動機があるからAI脅威論が出てくるのであり、公益のためになることをしたいという動機を持てばAIは協力な補助ツールとして捉えられるという。
また、プログラミング思考=大きな問題を小さく切り分けて他者と共同で解決していく思考とする定義は目から鱗。自発的に社会課題に向き合い、異なる価値観を相互に理解し、共通の価値観を見つけて共同して事にあたるという行動様式が重要ということ。
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コロナ禍をテーマにした、識者たちの短いインタビュー記事が集められたものだが、人間の生死について、人間どうしの関係性について、また経済について(これに関しては私自身の基礎知識がなく、よくわからなかったが…)など、コロナ禍に限らず、人間社会が抱える普遍的で本質的な事柄が多岐にわたって言及されていた。
色々なるほどと思う言葉に出会ったが、特に、世界的な傾向にある「分断」が抱える問題について、アメリカ人経済学者の言葉が腑に落ちた。彼は、それは誰か一人の責任ではなく「差異を超えて互いに話し合うことを妨げている深い分断そのもの」が問題であると語った。特定の人物に責任を転嫁させるような報道に違和感があったが -
Posted by ブクログ
オードリー・タンの自叙伝的な本。著者の目から見たデジタル、AIの具体展望について示唆が得られるかと期待して読み始めたところ、著者のより抽象的な思想がメインでそこまでの目新しさを感じず、興味が湧きづらく斜め読みで終わってしまった。著者自体は大変素晴らしい人物。
AIに関する章で、以下点は興味深かった。
・競争原理に囚われていると、AIに自分の仕事を奪われるという発想になる。公共の価値を生み出すことを目指していれば、そこにAIが活用できることが喜びになる
・AIと人間の関係は、ドラえもんとのび太の関係に似ている
・デジタルディバイドを埋めるためには、誰も置き去りにしないインクルージョンの力が必 -