あらすじ
●天才デジタル相が現時点で語る、これからの未来のことと、そのために私たちができること
・デジタル化、ネットワーク化が進む一方、SDGsのような地球規模の課題がある現在、オードリーさんが考える未来と、それに向けて私たちができることをまとめました。
・まったく新しい世の中が訪れようとする今、オードリーさんの言葉は「誰一人取り残さない」世の中のためのメッセージがつまった1冊になっています。
・これからの世界を知りたい方、今後の社会で何をすべきかを考えたい方は必見です。
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台湾のデジタル環境大臣、オードリー・タンさんのインタビューを一冊にまとめたもの。(環境問題、SDGS、デジタル化が進む社会)で私たちが未来のためにできることを、現在、氏が取り組んでいる施作の具体例がたくさん挙げられています。
p.108 協業すること。「価値観から相手を知る」
p.116 価値観の共有だけでなく、事実を共有すること。
p.119 難易度の高い議題についての投票だけでなく、簡単な議題も用意することで、皆が参加しやすいようにハードルをさげることも大切。頻繁に自らの票を投じるような習慣を作る事。
p.124 台湾では5Gの通信基地の設置を山岳地帯や離島から行っている(リモートによる医療や教育がより必要とされているため)
p.168 公共サービス手続きのデジタル化よりも政策決定への参加が大切(達成感、満足度を感じるため)
p.189 氏の、好きなレナード・コーエンの歌詞
「 まだ鳴ることのできる鐘を鳴らそう
完璧さを求めるのは忘れよう
すべてのものには裂け目がある
裂け目があるからこそ、そこから光が差し込む
ことができる」
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「世の中に良くなってほしいけど、何から始めればいいのか分からない」――そんなモヤモヤを抱える人に、この本は静かに、でも確かな道筋を示してくれます。
著者は、台湾のデジタル担当大臣として世界的に注目されたオードリー・タン氏。本書では、AIやオープンデータといったデジタル技術の話から、民主主義や教育、社会参加の在り方までを、驚くほどやさしい言葉で語ってくれます。未来をつくる話というと遠い話に思えるかもしれませんが、この本はどこまでも“自分ごと”として語られます。
驚かされたのは、「オープンデータ」を活用することで、行政の仕事が単に効率化されるだけでなく、そこから市民の創造性や自発的な取り組みが生まれていくという視点。たとえば、公務員が毎回同じ問い合わせに対応する代わりに、必要な情報を公開しておけば、その時間をもっと価値ある仕事に使える。そして市民はその情報をもとに、新たなサービスや仕組みを考えられる。つまり、“情報を開くこと”が、官民の自然な協働を生み出すんです。
公務員になりたい人が減っている昨今、国の行政を担う仕事が創造的になり、なりたい仕事に返り咲くことを期待せずにはいられません。
さらにタン氏は、AIを“人工知能”ではなく“補助知能(Assistive Intelligence)”と呼びます。人間の判断や感性をサポートする存在としてAIを捉えることで、「人間が人間らしくあれる社会」の設計図が見えてくるのです。(ターミネーターではなく、ドラえもん的世界観)
終盤に引用されるレナード・コーエンの詩「There is a crack in everything / That’s how the light gets in(すべてのものには裂け目がある。そこから光が差し込む)」は、完璧じゃない自分にも希望をもたらしてくれるようでした。
読後、「社会は変わらないもの」ではなく、「変えていいもの」なんだと前向きになれます。未来は誰かが決めるのではなく、私たち一人ひとりが参加して、共につくっていくもの。その出発点に立たせてくれる一冊です。
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筆者の柔和な人柄が伝わってくる文章で、好感が持てました。同時に今まで興味すらもってなかった台湾という国に大いに興味が湧き、いつか訪れてみたいと思いました。1エンジニアとして参加できることにはすぐにでもアクセスして飛び込んでみようと思います。
Posted by ブクログ
55冊目『まだ誰も見たことのない「未来」の話をしよう』(オードリー・タン 語り、近藤弥生子 執筆、2022年3月、SBクリエイティブ)
35歳という若さで蔡英文政権のデジタル担当大臣に就任した天才プログラマーが、自身の考える「未来」のヴィジョンについて語った教養新書。
古い考えに固執せず台湾のデジタル民主主義を推し進めた氏から学ぶことは多い。
〈私が思うITの強みとは、“新しく何かが発明された時、それをとても簡単に、ほとんどコストを必要とせず、他の場所にいる人に使ってもらうことができる“ということです〉
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2020年代の思想のひとつとして読みました。
理想論すぎるところはあるかもしれませんが、コロナ前とは色々なことが変わった世の中で、生き方や考え方のヒントをいただけたように思います。
SDGsへの向き合い方、とても腑に落ちました。
Posted by ブクログ
昨今の介護・福祉領域でも、しきりにデジタル化ですとか、介護DXなどと言われている今日この頃。自分でもそういう記事とかを目にする中で、いつか彼の言葉で綴られた本を読んでみたいなーと、ぼんやりと思っていました。
一般的な新書本サイズなので、比較的読みやすいサイズ感だと思っていたのですが、内容がかなり濃く、咀嚼するのに相当時間がかかりました。
デジタル担当大臣としての事柄だけに留まらず、SDGs、環境問題、民主主義についても本著では自身の考えを提言している。
また、自身のことを『オープンソースである』と語り、政策や体制においても透明化『オープンガバメント』を実践している稀有な存在であることを知った。
本書のタイトル通り、彼が描く『まだ誰もみたことのない「未来」』という青写真を、隣国の人間ながら眺めてみたいと思わされるような壮大さが綴られていました。
他の著作も読んでみたいなー。
そして、台湾行ってみたいなー。
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天才デジタル相が現時点で語る、これからの未来のことと、そのために私たちができること
デジタル化、ネットワーク化が進む一方、SDGsのような地球規模の課題がある現在、オードリーさんが考える未来と、それに向けて私たちができることをまとめました。
まったく新しい世の中が訪れようとする今、オードリーさんの言葉は「誰一人取り残さない」世の中のためのメッセージがつまった1冊になっています。
これからの世界を知りたい方、今後の社会で何をすべきかを考えたい方は必見です。
Posted by ブクログ
台湾の天才、お馴染みオードリー・タンの日本向け新書。
考え方が分かって面白い。
勿論本人名義で、自分の良いように書かれているが、何故台湾でできて、日本でこれができないのだとは思う。
まあ、やはり中国に対する喫緊の緊張感、それにより優秀な人を上に付けようという発想があるからなんだろうなとは思う。
Posted by ブクログ
台湾のデジタル担当政務委員のタン氏の著書
技術、政策などをオープンし共有することで、デジタルトランスフォーメーションさせ、国や世の中を発展させる。誰も見たことのない未来をよきものにしようとする思いが読み取れる。
Posted by ブクログ
金銭的な欲求や名誉などは、今の若者には不要なのかもしれない。新しい価値観こそ世界を変えると実感する。
だからこそ、そんな声に合わせ、今までのやり方を変える必要があると感じるのだ。
現状のやり方では、もうとっくに限界が来ている。
それは国家の運営しかり、会社の経営しかり。
今の地球環境を考えても、このまま化石燃料に頼って、大量生産、大量廃棄を繰り返していたら、近い将来に限界が来るのは見えている。
この状況であっても、どこか他人事。
「このままで生きていける」と心の底で思っているから、本気で変えようと思わないのではないだろうか。
これは日本経済が停滞していることと関係があるかもしれない。
「変えよう」と本気で思えば、新たなイノベーションが生まれ、経済が上向きに活性化してもおかしくない。
他人任せにせず、現状に危機感を持ち、行動に移す。
そんなシンプルな事を、お近くの台湾が実践しているというのだ。
これは参考にしない手はない。
オードリー・タン氏の活動は、もちろん個人の能力の高さが際立っているが、それだけに留まらない。
我々に真似できるところは、積極的に取り入れていった方がよいだろう。
タン氏は自身の発表や講演、会議の議事などをすべてオープン化しているという。
これらのことは一部日本でも開始されているが、アクセスしやすさや、内容の確認のしやすさはもっと工夫が必要だろうと思う。
単に見やすくするだけでなく、タン氏の場合は市民の意見を吸い上げて、それらを元にして議論したりする「双方向性」がある。
この点、日本の場合はどうしても一方通行になりがちだ。
ここは情報の送り手の意識もそうであるし、受け取る市民側も「積極的に意見を言う」というよりも、あくまでも受動的な姿勢が標準になってしまっている。
台湾の選挙や政治的意見の発信などでは、65歳以上と15歳が活発だという。
これは相当に日本と異なる点だ。
もちろん国家の歴史が異なるのだから、一概に違いを指摘して良し悪しの判断をする訳にはいかない。
しかしながら、少なくとも15歳世代が政治に対して意見を活発に言うというところは心強い。
今後の日本の未来を考えると、今の高齢者よりも若者世代の声をもっと積極的に聞くべきだ。
ここはまずは「対話する姿勢」だという。
これも、実は単純であるが奥深い指摘だ。
我々世代は若者の意見を聞いているだろうか。
そういう機会を設けているだろうか。
確かにデジタル化などツールをもっと活用して、対話するハードルそのものを下げるという手もある。
ここがタン氏の上手いところであり、日本が全然遅れている所なのだ。
コミュニケーションツールを積極的に使うことで、まずは相手の価値観がどういう部分にあり、自分の価値観と何が異なるのかを共有できる。
様々な価値観を排除するのではなく、相手の話を聞く姿勢がこれらデジタルツールを活用すれば、出来る可能性があるのだ。
そう考えると、スマホをもっと便利に使いたい。
老人にはまだまだスマホを使うハードルが高いだろう。
そういう点も改良しつつ、対話をしていこうと前に向かうことが何よりも大切だと感じる。
コロナ対応では、タン氏の声がけのお陰で一気にデジタルツールが構築された。
これによって、マスクの在庫状況が分かったり、コロナ対応の様々な施策が進んだという。
しかし、コロナ問い合わせの電話対応は人間が行ったという。
スマホを使いきれない老人などを、切り捨てないためにどうするかを試行錯誤したという。
要はバランスなのであるが、みんなにとって居心地がいい世界というのは、明確な唯一の正解がある世界ではない。
みんなの価値観をすり合わせながら、その時のみんなの居心地のよさそうなポイントを見つけていく。
人によっては我慢が強いられるかもしれない。
人によっては、金銭的負担が多かったりするのかもしれない。
タン氏は「ソーシャルイノベーション」と言っているが、対話を繰り返せば必ずその時の最適解が導き出せるはずなのだ。
大事なのは、自分の欲を出さないこと。
「社会にとって一番よい方法は何なのか?」
その問いに応えるべく対話を繰り返すということ。
そのためにデジタルの力を積極的に活用しようということなのだ。
我々はこれらツールを使いこなせるように、確実に賢くなっているはずだ。
課題を解決すべく、デジタルの力でチーム力で突破できればと思っている。
そういうチームを作り上げていきたい。
(2023/5/31)
Posted by ブクログ
オードリータン氏が描く「未来」が来るのかどうか?
民主主義が危機を迎える現在、「理想の社会」への道のりは非常に難しいようにも感じます。
タン氏が語るように、重要なのは「参加すること」であり、無関心な傍観者では自分はならないように心掛けたいと思います。
リベラリズムの実現には大きな政府が必要だと思っていましたが、タン氏の描く社内には「なるべく小さな政府」を目指しているように思えて、今後も注目していきたいと思います。
日本にもタン氏のようなリーダーが必要ですね。
Posted by ブクログ
ハッカーの意味合いが違った。
=コンピューターや電子回路に詳しく、技術的な課題をクリアする人
自分の思いついたことをオープンにして、他のひとに役立ててもらう
。。。。。。。。。。
反復性が高い仕事はITや機械に任す。
人間はお互いのコミュニケーションに注力していこう!
台湾の「デジタル民主主義」
ハッカーの心得
①この世界には面白いものが待っている
②自分の思いついた問題解決の方法をシェアしよう
(ほかの人が時間を無駄にしないように)
③単調でつまらないことは機械を使って自動化しよう!
④わたしたちは自由とオープンデータを追求する。どんな権威主義にも抵抗する。
⑤たえず学習する。
Posted by ブクログ
感想
地球規模の問題。個人では考えも能力も差がある。だからこそ全員でリソースを合わせられる仕組みが必要。多様な視点のためにみんなで未来へ進む。
Posted by ブクログ
まだ誰も見たことのない未来の話をしよう
語り:オードリータン
まとめ:近藤弥生子
未来の話と言っても台湾の政府として
オードリーが過去にやってきた事をベースにした話である
いかに直接民主主義をデジタルを駆使して
実現できるかと言う擬態的な話だ
しかし可能性を語るもので
鵜呑みにできる話ではないだろう
システムの前に
人間としての広い視野を身につけながらの
本気度がなければ始まらない事だろう
その上で権力による宛てがい扶持でなく
一般国民が自主的に主導しなければ
透明度が下がり利権へと流されてしまうだろう
台湾における成り行きを待つことにしよう
Posted by ブクログ
何もかも新しい時代、という感じでとても良かった。
こんなに風通しが良くて思い遣りに満ちた未来。
例え小さなことでも、自分に何か出来るのではないかと思えた。
Posted by ブクログ
臺灣でのコロナ対策の一環としてマスク在庫管理システム等、デジタル制作担当委員として活躍されているオードリー・タンさん。感情を表に出して我武者羅に業務をこなしていくというよりかは、常に一歩引いて物事を俯瞰しながら適切に対処していくという感じがしました。
日本と比べ、既得権益やしがらみが少ない臺灣だからスピーディにIT化が促進された事が否めないと思うのですが、オードリー・タンさんの、「自分はメディアであり、プラットフォームである」という言葉に、オードリー・タン自身が「世界を良くしていく」というの強い意志を感じました。
Posted by ブクログ
最後のQAは必読です。「自分で考えたら?」と思うような問い、具体的には社畜、未来•現状維持•高齢者社会への不安などなのですが、これに対して真摯に回答しているオードリーの人の良さが出ています。
テクノロジーの発展に伴って、限界費用が0になるともいう。そんな社会が理想ですね。
Posted by ブクログ
social innovation, 3つのFなど、一個人がどう社会に貢献できるかを示唆し励ましてくれる良著
インクルーシブで、どんなときにも想いやりにあふれるオードリーさんの人柄がにじみ出ています。元気が出ました!
Posted by ブクログ
日本にもオードリー・タンさんみたいな人がいたらなぁー。といってる場合じゃない!政治と行政に国民が置いてけぼりの日本。国民、特に若者の政治参加は台湾にも増して重要だと思います。
Posted by ブクログ
電子書籍で読みました。
すこし、ページをめくると……
著作権で保護されてるから、
勝手に使わないで!
→そうだよね。と同感。
さらにページをめくると……
Aタンは、
著作権フリーだからどんどん使って!
→えっ!!!となりました。
出版社と作者の意識の違いが面白いです。
デジタル技術を理解して使うと
「こんな明るい未来もありますよ」
と教えてくれた一冊です。