唯川恵のレビュー一覧

  • テティスの逆鱗

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    少し前に読んだ「美容医療最新事情」の紹介されていた作品。百田尚樹氏の「モンスター」は読んだけど、こちらの作品の方がほうがエグイ。
    「美しくなりたい」と美を追求することは決して悪いことではない。
    寧ろ、女性でも男性でも同じことをしているだろう。
    美容整形も否定はしない。うまくやっている人も沢山いるし、知人の中にも数人いる。
    しかし、人間どこかで道を誤る人もいる。
    YouTubeで「plastic surgery」と検索すると、ちょっと引いてしまうほどグロテクスな動画がある。
    それと同じように、グロテスクな物語だった。

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    2021年05月07日
  • 啼かない鳥は空に溺れる

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    ネタバレ

    2組の母子が出てくる。

    1組は母子家庭で、亜沙子は母の気にいる人と、お見合い的な出会いをして婚約する。
    だが、そのひとには予想できない性癖があり、それが原因で婚約破棄。
    その後、一卵性双生児のようだった母は体調を崩しがちになり、それで娘を縛り付ける。

    もう1組は、裕福な地方の社長の娘として産まれた千遥。聞くに耐えない罵り方をする母から逃れるため、無理して東京の母の気にいる女子大に合格して、母から離れることに成功。東京を満喫するも、就職を決められず契約社員にしかなれなかった。母とのイライラを解消するため分不相応な買い物に走り、お金が足らなくなり、愛人になる。その後、紆余曲折があり、公認会計士

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    2021年05月06日
  • 恋人たちの誤算

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    姉が買って家にあった本。
    まだタイトルは「天使たちの誤算」だった。
    中高生の頃、何度も読んだ。
    悔しくて悔しくて泣けた本は、後にも先にもこれだけだと思う。
    34歳のいま読んだらどう思うか分からないけれど、当時はとにかく何度も読んだ。

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    2021年03月23日
  • ナナイロノコイ

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    久しく恋愛小説から離れていたので肩慣らしのように選んで読んだ一冊。好きだった作家の作品ばかりなので、読後感はいい。恋愛小説を読むと自分の日常すら物語のように言語化されていく感覚を思い出した。でも長いこと離れていたので恋愛小説特有の「におい」に鈍感になっていた。寂しいにおい、切ないにおい…。読みすすめる中で少しは鼻がきく状態に戻っているといいが。
    ミーヨンさんの作品は私には少し理解に時間がかかったので、また読み返すと思う。全体的に「次読んだとき、前とは違う感想を抱くだろうな」と思わせられる作品ばかりだった。
    ただ最近「百合」の作品も読むようになったせいか、作中の女友達との関係が百合的な関係に思わ

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    2021年03月22日
  • 永遠の途中

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    感想書いてなかった…。
    あのときああすればよかった、って、違う道を選んだもうひとりの自分に嫉妬するのはなんてむなしいんだろう。
    たとえどんな道を選んで、どんな未来が待っていようと、女としても人間としても強く生きていきたい、と思えた本です。

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    2021年02月14日
  • 手のひらの砂漠

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    DV(ドメスティクバイオレンス)がテーマなだけに、この本を面白いと言うと語弊がありますが、とにかく展開が気になり最初から最後まで一気に読めました。

    主人公の可穂子にかなり感情移入してしまい、絶えず脳内映像で動き、途中から真剣に応援していました。

    他の登場人物、可穂子の夫の不気味さ、エコファームで生活を共にする女性達、みんな個性があり丁寧な人物描写と心理描写で描かれています。

    かなりリアルな物語で、実際にも起こりえそうでもあり、恐ろしく、しかし、読後感はスッキリとして満足でした。

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    2021年01月27日
  • ヴァニティ

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    お気に入りの唯川恵さんの作品です。
    中編・短編で構成されています。

    全ての作品にドラマがあって、物語の中に自然に入り込めます。

    どの女性達も個性豊かに生き生きと、時には優しく時には辛辣に描かれていますが、リアリティがあって、身近にいそうな女性達ばかりです。

    読み終わって満足感、そして早く次の作品が読みたいと思わせてくれる1冊となっています。

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    2021年01月25日
  • テティスの逆鱗

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    美容整形

    美容整形ものの小説にハマりこちらの本を見つけました。ストーリーの展開が早く最後まで飽きずに一気に読んでしまった。
    欲望のまま整形を繰り返す女性たちの心情が細かかった

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    2020年11月08日
  • 霧町ロマンティカ

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    離婚しリストラに会い退職金と失業保険で昔父親が建てた軽井沢のロッジにやってきた梶木岳夫49歳の物語。ホームセンターの女性店員、その母親が営む小料理屋「しののめ」の女将、キャリア官僚の妻である官能的な女性、知的な女性獣医などに囲まれながら少しずつ軽井沢の町になじんでいく。でも、一番寄り添って暮らしたのは、愛犬ロクだと思います。女性獣医の言葉:獣医になって、わかるようになりました。飼い主さんの犬を思う気持ちはもちろんですけど、犬の飼い主さんを思いやる深さにはいつも胸を打たれます。唯川恵 著「霧町ロマンティカ」

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    2020年09月07日
  • 永遠の途中

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    女性の生態のほぼ全てが分かるといっても過言ではない作品。
    結婚か仕事か。
    どちらの選択をしたかによって、女性はそれぞれの派閥に分かれることになる。自分の選択こそが正しい選択なのだと思いつつ、自分とは反対の選択をした女性を羨ましいとも思う。
    さらに面白いのは、選択する前の女性の多くが、私は両方手に入れる、と本気で信じていること。

    結局のところ、どちらを選んでも、それなりに楽しくて、それなりに辛いことがあるのだろう。

    実は、女性はいつだってそういう経験をしていて、
    例えば色違いのバッグを前に、どちらを購入しようか迷う。自分の意思で選択して、そこに後悔なんて微塵もないはずなのに、ある日自分が選ば

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    2021年02月21日
  • 愛なんか

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    唯川恵さんのこと、もっと知りたくなった。
    「夜が傷つける」はエンペラーと付き合っていた時のわたしのよう。
    "どんなに自立していても、恋の匂いのない女にはどこか哀れさが付きまとう。"
    結局セックスも家事もできる女が結婚はできるの?それとも両方できなくても選ばれる女が特別なの?

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    2020年08月18日
  • バッグをザックに持ち替えて

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    唯川さんの登山エッセイ。
    山歩き未経験から、登山に引き込まれて、ハマっていく過程と、
    初心者の目線で体験する登山体験が綴られています。登山ガイドにもなりそう。
    危険と隣り合わせの先にご褒美のまつ登山を教えてくれる反面、素人が手を出すとどんなに怖いか、現実を教えてくれます。また、登場する唯川さんのご主人はじめ登山仲間さん達が魅力的。

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    2020年08月02日
  • 肩ごしの恋人

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    読み終わって読んで良かったと思える作品でした。
    唯川恵さんの作品は沢山読みましたが、こちらはちょっといつもと違うなと思いました。
    恋愛小説でもありますが、女性の真の友情のお話だと感じました。
    2人の女性、タイプは違う2人なのにどちらにもどこか共感できる部分がありました。

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    2020年07月18日
  • 雨心中

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    私は結局、誰しも自分が一番かわいくて、大切だと思っている…
    ここまで人のことを想える、堕ちることができる人がいるの…?と思ったけれど、芳子は周也を通して自分を保ち、愛していたのかもしれないなぁ。自分のものが、欲しかったのか…。

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    2020年07月09日
  • 雨心中

    購入済み

    今まで読んできた唯川恵さんの作品とは違ってました。
    単純に言ってしまうと2人は依存している関係だと思いました。
    見方によっては世渡り下手で駄目な男の人、でも純粋すぎるゆえに
    不器用にしか生きられないのか。
    幸せってなんだろう?と考えさせられました。
    読んでいて辛くなる部分もあり
    重いけれど先が気になりながら読み進めました。
    余韻というか、その後が気になる終わり方でした。


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    2020年07月11日
  • 雨心中

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    凄く入りやすい本でした。
    内容は、リアルなところがあり、うーんという感じてす。重いの一言かな。
    人生は、人それぞれの価値観ですね。
    それが人間なのかな?

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    2020年06月20日
  • あなたへの日々

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    あーーーーいたいいたいいたいいたい。
    主人公にも相手にもうるせええええええええええええええええええええっていって全力でアッパーカット喰らわせたい衝動に駆られる

    "あなたは結局、自分しか愛せない人なのよ。そうでしょう、あなたは誰かのために何かをするってことに価値を見いだしたことがある?恋は向き合ってするものでしょう。背中ばかり見せて、気紛れにちょっと振り向いて、それでいて自分のすべてを受け入れることだけを条件にして、相手の気持ちなんか思いやる気もないの。あなたはいったい私の何を理解してくれたの。私の孤独を知っているの?自分を愛させても、自分は少しも愛を与えない。こんなの恋じゃない。女

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    2020年05月27日
  • 愛しても届かない

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    恋に溺れている時はエゴの塊だよなーと思う。
    自分の持っていないものに対する対する嫉妬、欲、見たくない己の醜い部分をこれだけ直視して自分に辟易している七々子は、ある意味素直でとても人間らしいなと思う。皆んな誰しも少なからず思い当たる感情が散りばめられているような気がして、苦々しく思いながら読んだ。
    大切な恋が実らなかった時も「私がダメだったんだ」じゃなくて、単に縁がなかったんだな、と思えるようになると、尚人のようなありのままを受け入れてくれる人を大切に思えるようになるのではないかなと思います。経験は無駄じゃない。

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    2020年05月27日
  • 雨心中

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    ネタバレ

    女性心理の描写がリアルで共感でき
    吸い込まれる様にサクサク読み進めてしまう唯川恵さんの作品。

    今回も続きが気になって仕方なくなる展開でした。
    幸せになって欲しい反面、どこまで堕ちる2人の逃避行という名の“心中”の結末は━━。
    作品に度々表現されている、
    雨のシーンや八重山吹のかくれんぼ
    など2人の幼い頃からの強い絆を印象付けます。
    芳子の周也に対する慈悲深い愛情は
    まさに2人の育った教会を象徴する様な関係です。

    決して、求めず全てを受け入れる。
    いつか深い関係になるのではないかと期待しながら読み進めますが決して男女の関係にはならない。
    芳子は何故、そこまで尽

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    2020年05月24日
  • 天に堕ちる

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    直接的な表現は苦手だが、嫌な感じで終わらないのが凄く好きな小説。
    短編だったのも相まってページをめくる手が止まらなかった。文字通り多種多様な「愛」を巡ってこんなにも人間は多彩な物語を紡げるのかとワクワクした。
    1番好きだったのは茉莉の話。最後の1ページでしっかり裏切られた。
    深く何かを愛することは、徐々に何かが狂っていくことと等しいのかもしれない。されどその「狂い」が温かくそして愛おしいと感じられる1冊だった。

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    2020年05月06日