唯川恵のレビュー一覧
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購入済み
涙…
とにかく苦しい…玲子の気持ちの描写が上手すぎてとにかく苦しい。でも、こんな痛みを人はちゃんと忘れて(乗り越えて)次へ歩み出せるから人間ってすごい。痛みを感じたから強くなれるって言葉がぴったりな一冊です。
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購入済み
色んな味のカクテルを
ひとつひとつの物語りの後に余韻が残る。それぞれに違った余韻が。時には切なく時には背筋が凍る。これから長くなる夜をこの物語りで楽しんで。
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Posted by ブクログ
ネタバレこの本を読見終える少し前に、友人の父親が亡くなったことを聞かされていた。あまりに突然の死に対し、友人は驚くほど普通の態度だった。そのことに私は戸惑っていた。
人はいつか人生を終える。
中年の50歳の主人公、岳夫は勤めていた会社のリストラに遭い、定年前に職も家族も失い独り身になってしまう。そこで訪れた軽井沢の古い家に引っ越すことになるが、幼少期行方不明だった父の謎や、その地で出会うさまざまな人たちと関わるうちに次第に心境が変化してゆく。
ラストでは、物語始めから一緒だった捨て犬のロクが亡くなって行くまでが感動的だ。ロクの寿命が近づくと共に、周りの人たちとの別れや新たな決断が印象的である。
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Posted by ブクログ
ネタバレ唯川恵さんらしいとても心地よい小説。
解説の「唯川さんは変にストーリーをひねらない」
という分にとても納得。
最近、変にひねってばかりの本ばかりで疲れる。
下手なくせにひねりたがる作家には唯川恵さんを
少しでも見習ってもらいたいもんだ。
まるで川の流れのようにさらさらと流れていく
ストーリーがどれだけ読んでて気持ちの良いものか。
そこに少し女特有の意地悪さもあってそれが見事な
スパイスになってるのもたまらない
意地悪過ぎないのがまた唯川恵さんらしいというか
金沢のOLっていう設定がまたいいですよね
コピー室から見える風景とか、
上司が使っていたカップを洗うシーンとか
ストーリーがどうこうなる -
Posted by ブクログ
ネタバレ『夜が傷つける』
彼と別れようか迷っている女性の話。
もう恋愛感情はないのに、はっきり別れを
言い出さない彼に対して悶々としている。
でも、主人公は、ずっと気づかないフリをする。
『世にも優しい、さよなら』
彼氏に二股されていることを知った主人公は、
遠距離に住む本命の彼女の元に彼氏を返す前に
半年かけて彼氏を最低な男に仕立てあげる。
続きが知りたくなった話。
『私が愛した男』
主人公には、かつて強烈に愛した男がいた。
ライブハウスで知り合ったピアニストに惚れ、
彼に彼女がいることを分かった上で猛アタック。
晴れて結婚することになるが、才能があると信じていた彼にはどこからもオファーが -
購入済み
何度も読み返したい作品
難しい言葉もなく、とても読みやすい
美しい文章でした。
一途な女性の心情を生々しく描いた
一気に読んでしまえる素晴らしい作品です。
文章から女性の美しさが想像できるので
入り込みやすいのも良かったです。
また読み返してみます。 -
Posted by ブクログ
いいね!つけるね、これは。だって概ね全てがドロドロな世界にも関わらず、なんとまぁキレイに描き切っているのかって。まさに物は言いよう、馬鹿と鋏は使いよう、ああ言えば上祐、という。
ともあれここでドロドロポイントをあげてみるならば。
・田舎である。まさに。この地方都市感
・日本といえば寿司芸者
・愛人である
この昼ドラで使わずにはいられないような設定の中、ともかくラッピングはすこぶるキレイなので、なんか読み終わったら微妙に感動してるし。いや、ちょっと待てと心の中で誰かが叫んでいるけども。でもここは童心に戻って騙されてみるのも良いじゃない。
しかしなー、この男、絶対後で浮気するよな。フラグ立ちすぎ。