唯川恵のレビュー一覧

  • 淳子のてっぺん

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    登山にはあまり関心はないが田部井淳子さんという登山家はテレビで知っていてなんとなく読み始めた一冊。「女性初」「エベレスト登頂」などニュースで聞くことはあるがその裏側について全く知らなかった。女性は早く結婚し子供を産みご飯を作って亭主の帰りを待つ、というのが当たり前とされていた時代に生きた主人公。それでも、「山に登りたい」という自分の意思を強く持ち続け、誰もが無理だと思っていた女性のエベレスト登頂を成し遂げた。そこには、資金調達や長期滞在の物資準備など山登り以外の多くの課題がある。目標達成のためにどんな困難にも立ち向かう淳子の生きざまを描いた感動の物語。

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    2025年01月13日
  • 一瞬でいい

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    他の方も書かれているが、読後感が爽やか。
    高校生の男女4名の浅間山登山で滑落死亡事故が発生し、残された3人のその後の物語。
    順風満帆じゃなくて、むしろつらいことが多くて、事故を忘れることができないけれど、それでもしっかりと生きる。
    この大河恋愛小説、良かったです。

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    2025年01月11日
  • おとこ川をんな川

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     正月早々、素敵な小説に出会えた。
    金沢には、金沢城を真ん中に南に犀川、北に浅野川がながれていて、犀川はおとこ川、浅野川はをんな川と呼ばれている。二つの川は一度も相容れぬまま海に流れ着く。まさに男と女そのもの。これが、この小説のテーマのようだ。
     「朱鷺」と「トンボ」という芸妓を中心に花柳界で色々な事が起こる。それが皆、悲しくもやるせない事ばかりである。
     様々な生い立ちで、芸妓になった者ばかりだが、逞しく美しく生き抜いていく。
     私は、「水揚げ」という言葉の正確な意味を今まで知らなくて、自分の無知ぶりに恥ずかしくなった。
     金沢の食べ物、言葉、しきたり、お祭りなどの描写が素晴らしく、金沢に行

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    2025年01月09日
  • おとこ川をんな川

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    昭和の始め、金沢の花街の芸妓トンボと朱鷺の物語り。連作短篇風に出来事を重ねて二人の成長と覚悟まで描く。女としてまた芸妓としての悲しみもあるが逞しく前を向く生命力に惚れ惚れした。特に置屋の女将時江の温かい人柄が素晴らしい。

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    2024年12月23日
  • 淳子のてっぺん

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    登山家が登頂するまでの様々なドラマを、ドキュメンタリーを見ているかのように見せてくれた一冊。生きること登ること死ぬこと、チームで何かを成し遂げるということ。強いこと、弱いこと、誰かを信じて待つこと。決して自分では味わえない感情を感じさせてくれた。

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    2024年12月22日
  • おとこ川をんな川

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    舞台は金沢花街。置屋『梅ふく』で働く朱鷺やトンボを初め、登場人物を生き生きと活写。会話の殆どが金沢弁であるのも感情移入を容易にさせる。選択のない人生、花街で生きる彼女たちの痛みや哀しみが胸に応えた。

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    2024年12月04日
  • おとこ川をんな川

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    二人の芸妓の金沢の花街での体験話し。時は大正が過ぎ昭和に入って直ぐの時代、全部で7話。小生が子どもだった頃母から聞かされた種々の話しや京都の芸妓さんの話しなど多少知っている小生としてはかなりスムースに読み進められた。それぞれの芸妓の抱えている物悲しい事情が語られていて良かった!

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    2024年11月23日
  • あなたへの日々

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    主人公の気持ちわかるって思いながら読んでました、私の実体験と少し似てるとこがあって、だからダメだよと言いたいとこも多々…。

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    2024年11月20日
  • おとこ川をんな川

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    ネタバレ

    2024/10/18リクエスト 1
    金沢の花街で芸妓として売られた朱鷺と、捨て子だったトンボ。清楚で我慢強い朱鷺、見た目もハーフで華やかなトンボ。正反対の二人が花街で暮らし、家族愛、男女の愛、守るべきもの、など成長し悩み流れに飲まれながらもステキになっていく様子に爽やかさを感じた。
    嫌な男も女も、いい男も女も様々。どの時代、との場所にもややこしい人間関係はついて回る。
    このふたりが本当にステキなので、後日譚を読みたい。楽しい読書でした。

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    2024年11月10日
  • ただそれだけの片想い 始まらない恋 終わらない恋

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    あざす!!!女の子の気持ち代弁しまくっててくれて、めちゃくちゃ救われました。これは通過点なのか!!と思えました。HOWTOばっかりが流れてる中すごい助かりました。

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    2024年10月22日
  • イブの憂鬱

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    この本を迷わず手に取ったのは、紛れもなくわたしが29歳だからで、真緒の気持ちも境遇も本当に良くわかった。この本が書かれた時代よりは、少しは結婚や仕事に対する女性のあり方も変わってきたところはあると思うけれど、それでも女性の29歳というのはある意味特別な1年間であるのは変わらない気がする。ラスト、30歳の誕生日を迎えた真緒の言葉には勇気をもらった。30歳になるのが嫌だなんてもう思わないようにしよう。

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    2024年10月22日
  • 淳子のてっぺん

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     女だてらに。そう思いました(時代錯誤、情けない)。ところが、読み進むうちにこの女性たちを本当に応援する気持ちに変わりました。いろんな苦難も自分自身の道理、信念で乗り切っていく。素晴らしすぎるドラマです。
     目的のためには犠牲にしなくてはならないこともある。厳しい選択に迫られてもぶれない強靭な精神力。それが無ければ大いなる自然は門戸を開いてはくれなかったのでしょう。
     淳子を大いなる心で支えてあげた旦那さんの理解力もあってこそだし、勤務先の社長や多くの人の理解によって世の中の大事は達成されてゆくのでしょう。
     唯川さんの筆力も見事でした。あっという間に読み進むことができました。この本の題名でも

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    2024年10月20日
  • 一瞬でいい

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    再読⭐️
    友達を亡くした3人の生き方が良くもなく悪くもなく、でも結果的に3人ともいいなぁと思える生き方をしている。
    唯川恵さんの作品は時間を置いて読み返すとまた違う感動をもらえます。

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    2024年10月19日
  • 一瞬でいい

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    読後感スッキリ
    英次を失った後の3人の人生がギュッと詰まっていてダレたりせずに読めた。3人の縁がどこかでずっと絡んでいて、英次が引き離さないようにみんなで抱えていけるようにしてくれたんじゃないかな〜〜

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    2024年10月17日
  • 【電子特別版】みちづれの猫

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    猫を起点にして、機転にして、気転にして、終点にしたり。人生に猫がいることで心が落ち着いたり、猫がよりどころだったりする人達の前向きになれる短編集。決して明るい作品が並んでいるわけではないが、きっとどこかで自分を投影できるはず。少なからず私はほぼ泣きました。世界から猫が消えたならなんて、残酷に過ぎる。

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    最近、読書体験が充実に過ぎる。読む本が好みに合う。琴線に触れる。ドストライク。心が洗われる。良い傾向。

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    2024年10月04日
  • 肩ごしの恋人

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    再読。萌が作中で言っていたように、本当はみんなるり子のように生きたいと思っているけどできないだけで、だからるり子はある意味たくましい女なのだと思う。自分は萌に近いタイプだけれど、改めてるり子の自分の欲に忠実なところや世間知らずなところが羨ましくなった。唯川恵さんにハマるきっかけとなった作品で、思い入れが特に強い作品。言葉がとてもさっぱりしているところが好き。

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    2024年10月03日
  • 淳子のてっぺん

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    先日いつも行く書店へ行ったら令和元年に出版されていたこの本が目立つところに出されていた。
    なぜ今なのかわからないが、書店へ行かなければ
    巡り合わなかったこの本を買った。
    やはり書店は宝さがしのようなところで、ぐるぐるまわるのが好きです。
    田部井淳子さんを題材にした本、田部井さんが好きだったので630ページもの長編を一気に読み上げた。
    心にのこる言葉がいっぱいあった。
    この本を読んでいる時、いつも頭にあったのは、
    何故あんなに苦しいのに山に登るのか?
    それは、そこに行かなければ見えない世界を見たいという、シンプルな好奇心。風の音とか、空の色とか、空氣の匂いなんかも感じたい。
    関係ないかもしれない

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    2024年09月30日
  • テティスの逆鱗

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    あーおもしろかった。
    美容整形にはまり泥沼にはまっていく女達。
    同じ女として、美しくなりたい、劣化させたくないという気持ちは分かるけど、あまりにも行き過ぎていてぞっとした。
    どんどん麻痺してくるんだろうなあ。

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    2024年09月14日
  • 息がとまるほど

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    女性の感情が丁寧に描かれていて良かった。特に印象に残ったのは「残月」だ。気になる年下の男性に母親のようだと言われたらさぞかしショックだろうと感じる。その言葉に悪意がないだけにどうしようもない思いが出てくる。

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    2024年08月05日
  • 瑠璃でもなく、玻璃でもなく

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    人生は無い物ねだりばかりだと思った。結婚前は仕事を辞め早く結婚したいと願い、結婚すれば仕事をバリバリこなす独身女性に嫉妬のようなものを感じる。英利子にとても好感をもてた。夫の浮気相手にネイル代のみを慰謝料として請求した時は驚いたがかっこいいとさえ思った。

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    2024年07月23日