唯川恵のレビュー一覧

  • 愛しても届かない

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    恋に溺れている時はエゴの塊だよなーと思う。
    自分の持っていないものに対する嫉妬、欲、見たくない己の醜い部分をこれだけ直視して自分に辟易している七々子は、ある意味素直でとても人間らしいなと思う。皆んな誰しも少なからず思い当たる感情が散りばめられているような気がして、苦々しく思いながら読んだ。
    大切な恋が実らなかった時も「私がダメだったんだ」じゃなくて、単に縁がなかったんだな、と思えるようになると、尚人のようなありのままを受け入れてくれる人を大切に思えるようになるのではないかなと思います。経験は無駄じゃない。

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    2020年05月27日
  • 雨心中

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    ネタバレ

    女性心理の描写がリアルで共感でき
    吸い込まれる様にサクサク読み進めてしまう唯川恵さんの作品。

    今回も続きが気になって仕方なくなる展開でした。
    幸せになって欲しい反面、どこまで堕ちる2人の逃避行という名の“心中”の結末は━━。
    作品に度々表現されている、
    雨のシーンや八重山吹のかくれんぼ
    など2人の幼い頃からの強い絆を印象付けます。
    芳子の周也に対する慈悲深い愛情は
    まさに2人の育った教会を象徴する様な関係です。

    決して、求めず全てを受け入れる。
    いつか深い関係になるのではないかと期待しながら読み進めますが決して男女の関係にはならない。
    芳子は何故、そこまで尽くす事ができるのか━。
    男女の関係ではないからこそ、永遠に離れる事がないからこそ、敢えてその関係のままでいたい。

    芳子の切ない欲求なのかもしれません。
    そんな芳子にはハオと幸せになる道もみてみたかったですが、ここは唯川さん。
    やっぱり、そうなってしまうのね( > < )
    と思いつつ怖いもの見たさでページが進む、進む。

    芳子と周也に次々と降りかかる試練と次々と現れる2人を取り巻く人たちとのストーリーを
    章のタイトルの意味に想像を巡らせながら章を読み終えた時のスッキリ感を味わう楽しみもありました。

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    2020年05月24日
  • 天に堕ちる

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    直接的な表現は苦手だが、嫌な感じで終わらないのが凄く好きな小説。
    短編だったのも相まってページをめくる手が止まらなかった。文字通り多種多様な「愛」を巡ってこんなにも人間は多彩な物語を紡げるのかとワクワクした。
    1番好きだったのは茉莉の話。最後の1ページでしっかり裏切られた。
    深く何かを愛することは、徐々に何かが狂っていくことと等しいのかもしれない。されどその「狂い」が温かくそして愛おしいと感じられる1冊だった。

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    2020年05月06日
  • 愛しても届かない

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    久しぶりに読んでて心が苦しかった。すごく。
    なぜかナナコの気持ちはよくわかった気がした。自分の心に響いてきた。自分には経験のないことだし彼女のしたことはよくないし、彼女自身につけも回ってきているけど。
    なんだろう、彼女を嫌いにはなれなかった。
    でも美咲は好きじゃないと思ってしまった自分がいた。
    それくらいナナコに感情移入して読んでしまった。

    ここまで人を好きになるってことが自分にはあるんだろうかと考えた。

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    2020年03月15日
  • 燃えつきるまで

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    涙…

    とにかく苦しい…玲子の気持ちの描写が上手すぎてとにかく苦しい。でも、こんな痛みを人はちゃんと忘れて(乗り越えて)次へ歩み出せるから人間ってすごい。痛みを感じたから強くなれるって言葉がぴったりな一冊です。

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    2020年02月17日
  • 雨心中

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    女としては、共感しなくもないけど、やりすぎ。でもこの狂ってる感じがまた苦しくて、もどかしくて、上手くいかなさが、癖になる。

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    2020年01月10日
  • めまい

    購入済み

    色んな味のカクテルを

    ひとつひとつの物語りの後に余韻が残る。それぞれに違った余韻が。時には切なく時には背筋が凍る。これから長くなる夜をこの物語りで楽しんで。

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    2019年11月13日
  • 淳子のてっぺん

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    2019/8/11 喜久屋書店北神戸店にて購入。
    2023/1/21〜1/30

    田部井淳子さんをモデルにした小説。子供の頃から女性初のエベレスト登頂まで。あの偉業の裏には色々あったんだなぁ。山を愛し、ひたすらポジティブに生きた田部井さん。見習わないと。

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    2023年01月30日
  • さよならをするために

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    ネタバレ

    五つの恋が壊れていくありさまを描く恋愛小説集、という説明が逆に気になって読み始めた。もっとこう、修羅場っぽく粉々に壊れるのかと思ったら意外ときれいに終わる話ばかりだった。一番最後の話の「馴性」についての説明が心に残った。痛みに馴れていくのではなく、痛みを自分の中に取り込んでしまう強さ。
    巻末の阿刀田高さんの解説がよかった。

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    2019年08月05日
  • 恋人たちの誤算

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    ネタバレ

    結婚直前に昔自分を捨てた男と再会し、彼とやり直すために婚約を破棄した侑里。弁護士事務所で働きながら不本意にもゴーストライターになってしまった流美子。こうではない、そう思いながら彼女たちは転がり落ちるように不幸になっていく。
    唯川恵さんの本を読んだのは初めてだったけど、どろどろの内容でもさくさく読めて、読後感がさわやかで好きになれそうな気がした。文庫版で解説の人にお礼の文を載せているのもすてき。他の作品も読んでみたい。

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    2019年07月25日
  • 霧町ロマンティカ

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    ネタバレ

    この本を読見終える少し前に、友人の父親が亡くなったことを聞かされていた。あまりに突然の死に対し、友人は驚くほど普通の態度だった。そのことに私は戸惑っていた。

    人はいつか人生を終える。

    中年の50歳の主人公、岳夫は勤めていた会社のリストラに遭い、定年前に職も家族も失い独り身になってしまう。そこで訪れた軽井沢の古い家に引っ越すことになるが、幼少期行方不明だった父の謎や、その地で出会うさまざまな人たちと関わるうちに次第に心境が変化してゆく。

    ラストでは、物語始めから一緒だった捨て犬のロクが亡くなって行くまでが感動的だ。ロクの寿命が近づくと共に、周りの人たちとの別れや新たな決断が印象的である。

    「過ちは誰にだってあるだろう。俺だって過ちばかりの人生を送ってきた。でも、人には過ちを償うチャンスもあるんじゃないのかな。」
    「生きるって何なんだ。死ぬって何なんだ。俺はこれからの人生を青臭く生きようと思う。」

    物語冒頭では生きる活力すらなくしていた岳夫がロクを通じて生きることにもがき、意味を模索しているシーンが感動的だった。

    私も、ふと友人のことを思い出した。置いて行く者、置いていかれる者、互いにどんな気持ちだったのだろう。どんな気持ちで別れていったのだろう。普段通り毅然と振舞っていた友人の隠れた本心は。彼女はどんな景色を見て、どんな思いを感じていたのだろう。

    私はまだ20代だけど、いつかは老いていく。今だって十分人生を模索しているけど、まだまだ終わりじゃない。安定な人生なんてない。これからも選択の連続だ。でもだから生きるって面白いんじゃないか。

    山に例えるなら、私はまだがむしゃらに頂上を目指して登っている途中。岳夫は山を下山しているところだろう。意外と登る方が簡単で何も考えずただ突き進んでいけばいい。下る方が転んだら怪我は大きいし、足だってもつれやすいし、後半の人生のほうがより慎重に行かなきゃって思ったりする。同時に今まで登ってきた道を振り返りながら、逆にこれからどんな道を行くのか未知の若者とすれ違いながら、自分のことだけでなく若者とも関わりながら、自分のことだけでなくいろんな人と関わって生きていく、なかなか難しく面白い年代なのかもしれない。

    生きること、人生の選択、そして希望。
    実に読み応えのある力強い小説だった。
    いつかまた自分が中年になったころ読んでみたい。きっと今とは違った心境でこの物語を楽しめることだろう。

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    2019年05月08日
  • ゆうべ、もう恋なんかしないと誓った

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    皮肉がたっぷり込められた、好きなタイプのショートストーリー集。
    解説で、書かれていた通り、読んだ人によって意見が分かれるようなお話もあるだろう。でも、どれも身近で、色んな人の意見を聞いてみたくなる話ばかりだった。そうそう、そんなに人生うまくいかないよねぇ、そう思いながら、するすると読み終えました。

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    2018年11月09日
  • シフォンの風

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    ネタバレ

    唯川恵さんらしいとても心地よい小説。
    解説の「唯川さんは変にストーリーをひねらない」
    という分にとても納得。
    最近、変にひねってばかりの本ばかりで疲れる。
    下手なくせにひねりたがる作家には唯川恵さんを
    少しでも見習ってもらいたいもんだ。
    まるで川の流れのようにさらさらと流れていく
    ストーリーがどれだけ読んでて気持ちの良いものか。
    そこに少し女特有の意地悪さもあってそれが見事な
    スパイスになってるのもたまらない
    意地悪過ぎないのがまた唯川恵さんらしいというか

    金沢のOLっていう設定がまたいいですよね
    コピー室から見える風景とか、
    上司が使っていたカップを洗うシーンとか
    ストーリーがどうこうなるっていうより、
    一つ一つの誰にでもある何気ない風景を楽しめる物語ですね
    でも普通の人はそんな普通なこと書いても、とか
    思っちゃうでしょ
    普通のことをこんな風に情景溢れる描写で描けるのが
    作家さんの力量のなせる業ですよ

    こういう小説がもっと読みたいし
    これからも増えてほしいと思います

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    2018年10月22日
  • 手のひらの砂漠

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    主人公の心の傷や焦りなど、手に取るように感じることができた。主人公を囲む登場人物も欠かせない要素。夢中になって読んでしまった。

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    2018年08月27日
  • 啼かない鳥は空に溺れる

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    母に縛りつけられる2人の娘。
    何しても認めてくれない母親と娘に依存仕切っている母親。
    逃れられない、呪縛。
    私も母とべったりだったから、愛されたいけど鬱陶しいし認めてもらいたい。その気持ちが痛いほど分かる。

    こういう親見てると子供って縛りつけて置くために産むのか?と思えてくる。母自身の夢を娘託す親も子離れ出来ない親もしんどすぎる。子供の幸せより自身の幸せってか、、産まれて来たくなくなるわ。

    千遥の方は最後うまく行くのかと思いきや、、、何だかなーーー毒だわ(=_=)

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    2018年08月16日
  • 逢魔(新潮文庫)

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    夏なのでホラーを読んでいた流れで。元ネタがしっかりしている上に唯川さんの味付けと来たらそりゃおもしろいです。どの話も女のねっとりした怨念が感じられました。

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    2018年08月08日
  • 愛なんか

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    ネタバレ

    『夜が傷つける』

    彼と別れようか迷っている女性の話。
    もう恋愛感情はないのに、はっきり別れを
    言い出さない彼に対して悶々としている。
    でも、主人公は、ずっと気づかないフリをする。

    『世にも優しい、さよなら』

    彼氏に二股されていることを知った主人公は、
    遠距離に住む本命の彼女の元に彼氏を返す前に
    半年かけて彼氏を最低な男に仕立てあげる。
    続きが知りたくなった話。

    『私が愛した男』

    主人公には、かつて強烈に愛した男がいた。
    ライブハウスで知り合ったピアニストに惚れ、
    彼に彼女がいることを分かった上で猛アタック。
    晴れて結婚することになるが、才能があると信じていた彼にはどこからもオファーがかからず。
    近所でピアノの講師をする片手に教え子の母親と
    浮気をし、酒を飲み、暴力を振るうようになった男。
    それでも、主人公は男から離れられない。

    『共犯者』
    ダブル不倫?

    『偏愛』

    ストーカーになった女の話。
    最後が怖い。

    『霧の海』

    主人公が好きだったのは、男ではなく女の方だったとは

    『朝な夕な』

    「恋は狂うこと」という言葉が印象に残った
    不倫はやっぱり、幸せにはなれないな

    『長い旅』

    色んな恋を繰り返すが、幸せになれない主人公。

    『幸福の向こう側』

    婚約者がいるのに、他の男に惹かれてしまう主人公。

    『恋愛勘定』

    バーで繰り広げられる静かな女の闘い。

    『悪女のごとく』

    悪女道を貫く主人公。
    どこかでやっぱり、周りの女性に羨ましがられたいんだろうな。
    こんな好き勝手に生きる私羨ましいでしょって。
    あんたみたいな平凡でつまんない女たちとは違うのよって。
    最後に唯川恵の真髄を見た気がした。

    『ただ狂おしく』

    唯川恵さんの短編集の中で一番の傑作かもしれない。
    今までの唯川作品の主人公だったら、一回くらいは寝るかもしれないけど、やっぱりまた幸せで平凡な日常へと戻っていったはず。
    それが全く元の日常に戻るそぶりはみせず、
    とことん溺れ、非日常に墜ちていった。
    それでも、幸せだと言い切る主人公。
    羨ましい、でも絶対にマネできない。
    でも一度は体験してみたいような、そんな話。

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    2018年05月17日
  • 逢魔(新潮文庫)

    購入済み

    何度も読み返したい作品

    難しい言葉もなく、とても読みやすい
    美しい文章でした。
    一途な女性の心情を生々しく描いた
    一気に読んでしまえる素晴らしい作品です。
    文章から女性の美しさが想像できるので
    入り込みやすいのも良かったです。
    また読み返してみます。

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    2017年11月29日
  • 夜明け前に会いたい

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    いいね!つけるね、これは。だって概ね全てがドロドロな世界にも関わらず、なんとまぁキレイに描き切っているのかって。まさに物は言いよう、馬鹿と鋏は使いよう、ああ言えば上祐、という。
    ともあれここでドロドロポイントをあげてみるならば。
    ・田舎である。まさに。この地方都市感
    ・日本といえば寿司芸者
    ・愛人である
    この昼ドラで使わずにはいられないような設定の中、ともかくラッピングはすこぶるキレイなので、なんか読み終わったら微妙に感動してるし。いや、ちょっと待てと心の中で誰かが叫んでいるけども。でもここは童心に戻って騙されてみるのも良いじゃない。
    しかしなー、この男、絶対後で浮気するよな。フラグ立ちすぎ。

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    2017年11月10日
  • セシルのもくろみ

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    ネタバレ

    【あらすじ】
    平凡な生活を送る専業主婦・宮地奈央(みやじなお)の生活は一変した。友人に誘われ軽い気持ちで応募した女性誌『ヴァニティ』の読者モデル募集で思いがけず採用されたのだ。華やかなファッションの世界に渦巻くモデルたちの様々な思惑に困惑しながらも、奈央は“負けたくない”という自分の中の「女(セシル)」に気付く――。

    【感想】

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    2017年08月12日