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抱かれたい。触れられたい。早くあなたに私を満たして欲しい――。身分の違いで仲を裂かれ、命を落としたはずの女との、蕩(とろ)けるほどに甘く激しい交わり。殿様の側室と女中が密かにたがいを慰め合う、快楽と恍惚の果て。淫らな欲望と嫉妬に惑い、魔性の者と化した高貴な女の告白。牡丹燈籠、雨月物語、四谷怪談、源氏物語……古(いにしえ)の物語に濃厚なエロティシズムを注ぎ描き出した、八つの愛欲の地獄。
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Posted by ブクログ
夏なのでホラーを読んでいた流れで。元ネタがしっかりしている上に唯川さんの味付けと来たらそりゃおもしろいです。どの話も女のねっとりした怨念が感じられました。
何度も読み返したい作品
難しい言葉もなく、とても読みやすい 美しい文章でした。 一途な女性の心情を生々しく描いた 一気に読んでしまえる素晴らしい作品です。 文章から女性の美しさが想像できるので 入り込みやすいのも良かったです。 また読み返してみます。
1朱夏は濡れゆく 2蠱惑する指 3陶酔の舌 4漆黒の闇は報いる 5夢魔の甘き唇 6無垢なる陰獣 7真白き乳房 8白鷺は夜に狂う 恋愛小説では群を抜いて素敵な作品を描かれる唯川さんですが今回の作品では怪談の名作にエロスを融合した新しい世界観が味わえました。 「牡丹燈籠」「番町皿屋敷」「蛇性の婬...続きを読む」「怪猫伝」「ろくろ首」「四谷怪談」「山姥」「源氏物語」などの古典がモチーフになっているのですが全く古めかしい感じがせず、むしろ現代に通じる情念の深さも感じ想像していた以上に読み応えのある短編ばかりでした。
この人の本はなんとも言えない気持ちにさせるのに絶好のの本。 ハラハラドキドキじゃないんだよね、ぬらぬらじっとりそして、まったり絡みつくような読後感がたまらん!!!! 昔話を唯川恵流に描き下ろした短編なんだけども、山姥やらろくろっ首、よく知ってる昔話も出てくるんだけど、とれもこれも愛憎のもつれがなせ...続きを読むる人間技。 そう、人はこうして狂っていくんだよ。 妖怪と化す女たちの嫉妬と憎悪の絡み方がすごい。身に覚えがあるようなないような、こんなやつ知ってるような知らないような、そんな身近な妖怪にふと気がつかせてくれる一冊です。
時代ものでホラーで官能的な作品の短編集。これまでにないパターンを繰り出してくる著者の進化を感じる。嫉妬に苦しみ、嫉妬に悩む女性の感情を描くことは、著者の得意とするところで、やはり面白い。
官能小説はつまらん、と思っていたけれど、これは悪くない。女には女の官能がよくわかるということか。してみると、この短編集に描かれている男の官能は、男性読者にとっては物足りないか、現実味がなさすぎて鼻白むか……なのかもしれない。
こんな不気味な世界観、クセになる…どれも切なく、救いのない話。怨恨って怖いし成仏できないとか無理過ぎる。恋焦がれて怪異になっていく様が日本独特の文化だよなと思った。古文で表す赤裸々なセックスの様子が愉しめて面白かった。
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