Posted by ブクログ
2014年06月09日
怖かったなぁ・・・。
若ければ若いなりの、年をとればとったなりの、美への欲望っていうのは無限にあるらしい。そしてまた、美しさゆえに得られるものも確実にあるしそれは大きいものに見える、だからやめられない。
少なくとも今、自分はそんな心境を理解できないけど、「美=得」という方程式を第一義として行動する人...続きを読むは現実にいるんだろう。ただそれが、行き過ぎると・・・というところをこの物語は描いているんだと思う。
とくに、他人の評価を気にせず自分の美を追求する涼香。彼女はもう狂気にとらわれていて誰が見ても異常・・・と表現されているけど、欲望の向くままに行動し続ければ行き着くところはここだ、という終末を先に見せているだけだと感じた。
一方で、整形に興味のない、うぶで凡庸な女性の秋美。彼女こそが「普通、正常」なのかと思いきや、うぶだったゆえに、とある一線を越えてしまう。
それもまた、女の狂気の一面だと思わされるのだ。整形を施す側の女医もまた・・・。
だれしも、狂気と背中合わせ。読後はそんな感情に襲われる、そこが怖い物語。