唯川恵のレビュー一覧

  • 啼かない鳥は空に溺れる
    千遥の境遇に度々共感しながら読んでいたから、最後らへんで千遥がお母さんとの関係を修復しつつあったこと、千遥自身がなによりそれを喜んでいることが私にとっても嬉しかったのに、最後の最後、千遥母のセリフが恐ろしすぎて鳥肌立った…。
    千遥が不憫でならない。じゃあ離れれば良いじゃんって思う人もたくさんいるんだ...続きを読む
  • 啼かない鳥は空に溺れる
    こ、こわかった…

    「母と娘とは、身体のどこも繫がっていないシャム双生児なのかもしれない」

    大好きなのに大嫌い。
    大切だけれど憎たらしい。
    愛されたいけど鬱陶しい。

    母と娘が持つ不安定な感情の描き方にぞっとしつつも、先の展開が気になって気になって、物語に入り込んでしまった。
    こんな毒親にはならな...続きを読む
  • ため息の時間
    男性目線で女性を描いた9つの短編。
    ただ少し愛し方を間違えただけ。
    それぞれの男性主人公の身勝手さに言葉が出ない。話にオチがあり(非現実的だったり)男は痛い目に合う(自業自得的に)。女性のしたたかさが際立っていた。
    個性に富んでさくさく読める面白さだった。一時間完結ドラマになりそうな題材だと思った。...続きを読む
  • 燃えつきるまで
    かつてプロポーズしてくれた人との失恋から始まるこの物語。
    30歳前後、結婚を意識し始めるこの時期に長年付き合い、結婚するならこの人だろうと思っていた人にフラれる主人公の心情描写がとても上手く引き込まれあっという間に読み終えました。
    失恋したことのある多くの人は共感できるところがあるのではないでしょう...続きを読む
  • 啼かない鳥は空に溺れる

    いや何ちょっと待って、しんどい…



    千遥と亜沙子、東京で暮らす2人の女性が、それぞれの結婚を機にそれぞれの母親と向き合っていくお話。

    32歳の千遥は、幼い頃から母に疎まれ虐げられて生きてきた。地元ではそれなりに名のある家庭。跡取りである弟といつも差をつけられ、大学生になって独立してからも、...続きを読む
  • テティスの逆鱗
    美への底のない執着に、取り憑かれてしまった女たちの物語。
    それぞれの美の形がある。
    みんなが見て綺麗と思われないといけない「美」を仕事にしている人。
    他の人がなんと言おうと自分の美を追求する人。
    好きな人に好きでいてもらうために美を追い求める人。
    欲しいものを手に入れるために自分の美を利用する人。
    ...続きを読む
  • 愛に似たもの
    女性をよくわかってる女性ならではの視点から描かれた女性の物語。ぞくっとするような終わり方が多く、ホラーの一歩手前。

    唯川さんは女性、特にキャリアウーマンを描くスペシャリストだなあ。久々に唯川さんの本を読んだけど他も読みたくなった。
  • 啼かない鳥は空に溺れる
    ◾︎母と娘であっても互いに別の人間としてそれぞれの人生を生きること。
    依存されるのも依存するのも良くないなあ。

    ◾︎終盤の「泣けば許されると思うな」の恐怖
  • 息がとまるほど
    「女」という生き物の、強かさ、羨望、嫉妬、憎悪、冷酷かつ狂熱的な感情を描いた短編集。女ってこんな嫌な生き物なのか。
     不倫やら夜の街やら、実生活では全く関わることのない人生であるが、小説を通して疑似体験できると、面白いと同時に益々縁遠さを改めて実感するのである。

    それぞれオチもあり物語として面白か...続きを読む
  • 永遠の途中
    最初は同じ会社に勤めていた薫と乃梨子。
    薫は社内結婚、寿退社。乃梨子は独身のままキャリアを積むかと思われたが、仕事に失敗し退社。専業主婦で子供にも恵まれた薫の方が幸せに見えたときもあるが、乃梨子が運良く起業するとそちらの方が幸せにも見える。そんなふうに2人の女性の人生を対比しながら描いた作品。
    自分...続きを読む
  • 啼かない鳥は空に溺れる
    主人公の二人とも共感できる点が多かった。
    複数の男と交際し、お金をかけて綺麗であり続ける千遥にも、
    同年齢で周りから結婚について聞かれる亜沙子にも。

    母子家庭で育った私は亜沙子に近いが、私の母はどちらかというと放任主義で、2人で旅行なんて行ったこともないし、最後にランチをしたのなんていつだろう…。...続きを読む
  • 燃えつきるまで
    リアルに自分に重ねて読んでしまったなぁ。
    20代と30代。失恋の痛手も立ち直り方も違ってくるよね。。。
    明るい未来を信じてがんばろぅ、ウン。
  • 彼女の嫌いな彼女
    痛快だった
    どちらかというと瑞子のほうに共感?した
    自分のことは自分で十二分にできる大人の女になりたい
  • バッグをザックに持ち替えて
    浅間山に登って、もう二度と登らない。と決心したはずだったのに愛犬の死をきっかけに山に登るようになる筆者の登山エッセイ。

    徐々に登山にはまっていく様子は自分と同じですごく共感したし、行ったことある山の描写は思い出してワクワクした。
    初心者目線でかかれているので、誰でも読みやすいと思う。山の魅力と同時...続きを読む
  • 燃えつきるまで
    出会いは他愛ない偶然だった。
    初めて耕一郎を見た時、すぐに好意を抱いたことを覚えている。電話があった時、すごく嬉しかった。会って瞬く間に耕一郎に恋をした。耕一郎もまた怜子を好きになった。ふたりでたくさん話をした。たくさん抱き合った。笑ったり、泣いたり、怒ったり、拗ねたり、いつも耕一郎と一緒だった。い...続きを読む
  • 彼女の嫌いな彼女
    なんかとても今の状況に堪える内容だったなぁ。
    誰かを嫌うことに対して自分の嫌な部分も見えちゃうってほんと納得。歩み寄る気持ちが自分を受け入れることにも繋がるって思った。実りある1冊でした。
  • 燃えつきるまで
    山村怜子が5年付き合った耕一郎に振られ、立ち直るストーリー。失恋して諦めきれず次の女を恨んだり、かっこ悪いと分かりつつすがったり。失恋の心の乱れをすごく表していて、共感できすぎだった。そこまで好きになるのはいいことではあるけど、もうこんな経験自分はしたくないと思った(笑)
  • 愛なんか
    読みやすかった。
    いろんな女性の、全然綺麗じゃない
    恋とか愛とかを読んだ感じ。
    それぞれの主人公のそのあとが気になった。
    私の人生では経験できんような
    でも決して非現実的ではない話がおもしろくて
    刺激的やった。
  • ゆうべ、もう恋なんかしないと誓った
    大人の恋愛の短編集

    読者としてそれぞれの恋愛を見ると、馬鹿だなぁとかこんな男に引っかかったらだめだよとか思うけど実際に自分が体験したらどうなるかわからないな〜

    結婚してからの明るい未来は見えなくなるかも笑
  • ベター・ハーフ
    唯川恵作品。2作品目。

    時代が人を作る?、あるいは、人が時代を作る? バブル期の人生観とデフレ期では、こんなにも違うものでしょうか?

    結婚と同時に壊れてゆく夫婦関係。バブル崩壊と同時に崩れてゆく未来予想図。
    気持ちが納得できる部分が半分、首を傾げる部分が半分でした。”バブル”に踊った世代は、きっ...続きを読む