唯川恵のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ恋を通して知った「本当の強さ」と、自分を愛すること
今回の読書を通じて、私は恋愛が単なる「二人の出来事」ではなく、自分という人間を成長させるための大切なステップであることに深く気づかされました。
特に心に残ったのは、恋愛における「自然体」の重要性です。どちらか一方が無理をしたり、相手に合わせて自分を殺してしまえば、その関係はいつか必ず崩れてしまいます。無理に繋ぎ止めることが正解ではなく、お互いが自然体でいられること。それができないのなら、潔く離れることも一つの選択であるという視点は、これまでの自分にはない潔さでした。
また、恋愛の始まりと終わりに共通する「フィーリング」の正体についても考えさせられました。「なんとなく好きになった」という直感が恋の始まりであるように、別れを決める時もまた、理屈ではない感覚的なズレがきっかけになるのだと感じます。言葉にできない自分の感覚(フィーリング)を信じることは、自分を信じることと同義なのかもしれません。
そして、この本が私に最も勇気を与えてくれたのは、「失恋や傷ついた過去は決して無駄にならない」というメッセージです。私自身、過去に大好きな人に振られ、言葉にできないほど辛い思いをした経験があります。当時は「あんなに苦しい思いをするなら、恋なんてしなければよかった」と考えたこともありました。
しかし、今振り返れば、誰かをあんなに真っ直ぐに好きになれたこと、そしてその痛みを乗り越えて今日まで歩んできたことは、今の私の大きな誇りです。傷ついた過去があるからこそ、人の痛みに寄り添えるようになり、今の自分があるのだと確信しています。
「恋は人を強くする」——。 恋愛がうまくいっている時だけでなく、たとえ終わってしまったとしても、人を愛した記憶は自分の中に蓄積され、自分を強くする糧になります。これからも、たとえ傷つくことがあっても、自分の感覚を大切にし、自然体のままで誰かを好きになれる自分であり続けたい。そう強く思わせてくれる読書体験でした。 -
Posted by ブクログ
とても参考になった。大切な人が不倫、「やめた方がいい恋愛」と言われそうな恋愛をしている状態だが、その人には幸せになって欲しい。そのために自分はどうしたらいいかと悩んている人にも良いと思う。
私はここまでになったことがないが、大切な友達が恋愛で「その人やめた方がいい」とみんなから言われるが自分は好き。やめた方がいいのは自分でもわかってる。でも、今は一緒に居たい気持ちが強いと言う状態で、どう寄り添っていいのか分からなかった。
この作品をよんで、正論を言うことが相手を思いやることではないと改めて思った。
相手の選択を受け止めて、同じ温度感になるというかフラットに「いいじゃん」「楽しかったんだね」と
会話をすることも思いやりのひとつだと思った。
読んでからだいぶ時間が経っているが印象的な本だったと思っている。
この本が好きか、後味が良いかとはまた違うけどとにかく印象的な本だった!読んだことに後悔はないし、読めてよかったと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ裏面あらすじに『恋愛小説』とあったことで身構えていたけれど、
たぶんこれを本当にそう期待して読んだ人にとっては
「何これ」となるような気がする。
何て感想を述べれば良いのかと思っていたところ、
フリーライターの瀧晴巳という人の解説にて
「彼女(芳子)は、堕ちてゆく幸福を生きている」
という言葉があり、それだな と思った。
この本を読んで たぶん 簡単な言葉で端的に感想を言おうと思うと
"共依存"
というような言葉が出てくるような気がする。
私としては、その言葉ではなんというか、味気ないというか
足りない気がする。
そんな 整理された単語では 芳子や 周也との関係性は
見えてこないような気がする。
堕ちてゆく幸福…
幸福を避ける という意味ではなく
不幸に堕ちていく という意味でもなく
堕ちていくことが幸福 ということでもない。
ただ 享受していく。
起きること/起きたこと すべてに対して 「仕方がない」と片付ける。
「だって」も「でも」も言わない。
何だか徹底した怠惰だなと思う。
自分の気持ちを鈍麻させるための怠惰。
そこに至れれば楽なのだろうけれど
簡単なようで この境地は難しい。
人は お金がほしい。
好きなものを買い、美味しいものを食べ、着たいものを着て…そうやって お金を持った裕福な暮らしがしたい。
「仕事したくない」とは言いつつも
仕事で得る成果報酬や社会性は 人を充実させる。
お金がないことを
好きなことができないことを
人は そう簡単には受け入れたりできないんじゃないか、と思う。
お金がないこと自体を認識はしていたとして、
だからといって 自分の人生を諦めてるかというと そういうことにはならない。
「ただ享受する」
って 自分を諦めているというか…生き生きしていない というか。
そう考えてみると確かに、芳子は
生き生き なんて言葉からは かなり遠いところに居た気がする。
"楽"と"生きる"って
もしかして対局にある言葉なんだろうか。 -
Posted by ブクログ
625ページの厚みを感じず、あっという間に読んでしまった。
一緒に山を登っているような感覚を味わえる。
登山の厳しさや美しさはもちろん、当時の社会的背景ならではの女性の登山者であることの厳しさや悩み、同時にそれ以上に感じる山への憧れや思いが伝わってくる。
山が高ければ高いほど、大変だけど、達成感と景色の美しさがたまらない。
だが、岩場だらけの山も登ったことがあるが、疲れと高さで登るにつれて高さで足が震えてしまった事がある。
一歩間違えれば滑落して下手したら死んでしまうという怖さ。
でも、登りたいという渇望と憧れ。
一度あの気持ちを知ってしまったら、山を登らずにはいられない、ドキドキがワクワクに変わっていく。
読み終わって、本格的な登山は無理だけど、また山に登りたいと思った。