唯川恵のレビュー一覧

  • 燃えつきるまで

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    恋を通して知った「本当の強さ」と、自分を愛すること
    今回の読書を通じて、私は恋愛が単なる「二人の出来事」ではなく、自分という人間を成長させるための大切なステップであることに深く気づかされました。

    特に心に残ったのは、恋愛における「自然体」の重要性です。どちらか一方が無理をしたり、相手に合わせて自分を殺してしまえば、その関係はいつか必ず崩れてしまいます。無理に繋ぎ止めることが正解ではなく、お互いが自然体でいられること。それができないのなら、潔く離れることも一つの選択であるという視点は、これまでの自分にはない潔さでした。

    また、恋愛の始まりと終わりに共通する「フィーリング」の正体についても考えさせられました。「なんとなく好きになった」という直感が恋の始まりであるように、別れを決める時もまた、理屈ではない感覚的なズレがきっかけになるのだと感じます。言葉にできない自分の感覚(フィーリング)を信じることは、自分を信じることと同義なのかもしれません。

    そして、この本が私に最も勇気を与えてくれたのは、「失恋や傷ついた過去は決して無駄にならない」というメッセージです。私自身、過去に大好きな人に振られ、言葉にできないほど辛い思いをした経験があります。当時は「あんなに苦しい思いをするなら、恋なんてしなければよかった」と考えたこともありました。

    しかし、今振り返れば、誰かをあんなに真っ直ぐに好きになれたこと、そしてその痛みを乗り越えて今日まで歩んできたことは、今の私の大きな誇りです。傷ついた過去があるからこそ、人の痛みに寄り添えるようになり、今の自分があるのだと確信しています。

    「恋は人を強くする」——。 恋愛がうまくいっている時だけでなく、たとえ終わってしまったとしても、人を愛した記憶は自分の中に蓄積され、自分を強くする糧になります。これからも、たとえ傷つくことがあっても、自分の感覚を大切にし、自然体のままで誰かを好きになれる自分であり続けたい。そう強く思わせてくれる読書体験でした。

    0
    2025年12月23日
  • 霧町ロマンティカ

    Posted by ブクログ

    軽井沢に移住した49歳男性が主人公。男性を主人公にして長編とは、唯川氏にしてはなんだか珍しいなという印象だった。が、読み進めるにつれ、彼の視点から色々なことが読み取れていき、面白くなった。日常系ではあるが、生きていればどんな物事もいい意味で風化していく、そんな温かいメッセージが込められている気がした。犬、泣けた。

    0
    2025年12月16日
  • めまい

    Posted by ブクログ

    10年ぐらい読もうと思っていてやっと手に取った。
    ドロっとしたという表現が1番似合う女達の短編集。
    こんなにも色んなことが起こってるのかね。
    周りの女性達にも。
    事実は小説よりも奇なりという言葉もあるぐらいだし。

    どことなくみんな冷めているのに、
    1番心を占めている事柄からは逃れられない。
    粘っこい液体みたいな話ばかりだった。

    誰にも渡さない、翠の呼び声、月光の果てが好み。

    0
    2025年12月07日
  • 燃えつきるまで

    Posted by ブクログ

    かなり大好きな一冊
    失恋でどんどん狂っていく様子が怖くもあり、リアルでもあって自分も何か間違ったらこうなってしまうのではないかと読んだ当時は恐ろしく感じた

    全ての失恋した女は読んでほしい

    0
    2025年11月27日
  • 淳子のてっぺん

    Posted by ブクログ

    登山とはどこから始まり、どこがゴール(頂き)なのか。まず、登山に行くまでの準備や訓練の大変さ、パーティー内の衝突や嫉妬といった登山前の過酷さに驚く。家族との時間を諦め財を投資して、過酷な山行に向かう。けれど、目指す頂きはてっぺんではなく家族の元に帰ること。山を通して人生と向き合えたような読後感でした。

    0
    2025年11月21日
  • 燃えつきるまで

    Posted by ブクログ

    とても参考になった。大切な人が不倫、「やめた方がいい恋愛」と言われそうな恋愛をしている状態だが、その人には幸せになって欲しい。そのために自分はどうしたらいいかと悩んている人にも良いと思う。

    私はここまでになったことがないが、大切な友達が恋愛で「その人やめた方がいい」とみんなから言われるが自分は好き。やめた方がいいのは自分でもわかってる。でも、今は一緒に居たい気持ちが強いと言う状態で、どう寄り添っていいのか分からなかった。

    この作品をよんで、正論を言うことが相手を思いやることではないと改めて思った。
    相手の選択を受け止めて、同じ温度感になるというかフラットに「いいじゃん」「楽しかったんだね」と
    会話をすることも思いやりのひとつだと思った。

    読んでからだいぶ時間が経っているが印象的な本だったと思っている。

    この本が好きか、後味が良いかとはまた違うけどとにかく印象的な本だった!読んだことに後悔はないし、読めてよかったと思う。

    0
    2025年11月12日
  • 男と女―恋愛の落とし前―(新潮新書)

    Posted by ブクログ

    唯川恵さんがめっちゃ好きで読んだことなかった作品で手に取りました。

    20代後半から恋愛や人生に悩んでた時、唯川さんの小説に共感できたり、考えさせられたりと救われてきました。

    今回はあまり幸せではない恋愛エピソードたち。
    それを解釈する唯川さん。

    不幸な道と分かりながらやめられなくて、ハマってくエピソードたち。なんか分かる。

    でも一歩ひいてコメントをする唯川さんのお話にまたすごく共感しました。

    恋愛って、生きるって難しい。

    0
    2025年11月12日
  • ため息の時間

    Posted by ブクログ

    【父親は、不在なものから不要なものに変わってしまった。変えたのは、もちろん俺だ】
    全て男性視点で物語が展開していく唯川恵さんの異色作ともいえる短編集。男性にこそ読んでほしいし、身につまされる人も少なくないのでは。不器用なのに自尊心だけは高く、女を小馬鹿にし都合の良い存在としか思っていない主人公たちに辟易するし「女を妻を何だと思ってるの?」と腸煮えくりかえる思いで一杯になるが、悲しいかな実際のところこういう人意外と多いと思う。ベタな展開が多いが、唯川さんの巧みな心理描写とリーダビリティの高さはさすがの一言。

    0
    2025年11月04日
  • 燃えつきるまで

    Posted by ブクログ

    友達に薦められて読み始めましたが辛いシーンが長かった!ハッピーエンドが待ってると期待して急いで読み進めました。
    失恋したよって人、そういう人が周りにいて掛ける言葉がわからない人に薦めたい!読みながら気持ちの整理ができると思う。

    0
    2025年10月15日
  • 不運な女神

    Posted by ブクログ

    柚月裕子さんの本を探していたらとなりにあった題名に惹かれて買ってしまった。唯川恵さんは初めて読みました。リンクしていく短編と男の自分がいうのもなんだけど、男を見る目がない不運な女性の淡々として抜け出せず足掻く日常にリアリティを感じます。凪の情景と彼方より遠くの2編は切なく胸に沁みます。

    0
    2025年10月05日
  • 愛しても届かない

    Posted by ブクログ

    愛しても届かない。まさに。表題通りと読後に痛感する。常に内心人を見下し自分が優れていると思い込んでいたが実際は、軽率で嘘つきである。暴走を止めてくれる本当に深い友人もいない為より手がつけられない事態に。哀れである。が、明日は我が身と言えよう。それだけ激しい恋に堕ちると人は正常な判断なんてできないのだろうから…

    0
    2025年10月04日
  • 雨心中

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    裏面あらすじに『恋愛小説』とあったことで身構えていたけれど、
    たぶんこれを本当にそう期待して読んだ人にとっては
    「何これ」となるような気がする。

    何て感想を述べれば良いのかと思っていたところ、
    フリーライターの瀧晴巳という人の解説にて

    「彼女(芳子)は、堕ちてゆく幸福を生きている」
    という言葉があり、それだな と思った。

    この本を読んで たぶん 簡単な言葉で端的に感想を言おうと思うと
    "共依存"
    というような言葉が出てくるような気がする。

    私としては、その言葉ではなんというか、味気ないというか
    足りない気がする。
    そんな 整理された単語では 芳子や 周也との関係性は
    見えてこないような気がする。

    堕ちてゆく幸福…

    幸福を避ける という意味ではなく
    不幸に堕ちていく という意味でもなく
    堕ちていくことが幸福 ということでもない。

    ただ 享受していく。

    起きること/起きたこと すべてに対して 「仕方がない」と片付ける。
    「だって」も「でも」も言わない。

    何だか徹底した怠惰だなと思う。
    自分の気持ちを鈍麻させるための怠惰。

    そこに至れれば楽なのだろうけれど
    簡単なようで この境地は難しい。

    人は お金がほしい。
    好きなものを買い、美味しいものを食べ、着たいものを着て…そうやって お金を持った裕福な暮らしがしたい。

    「仕事したくない」とは言いつつも
    仕事で得る成果報酬や社会性は 人を充実させる。

    お金がないことを
    好きなことができないことを
    人は そう簡単には受け入れたりできないんじゃないか、と思う。
    お金がないこと自体を認識はしていたとして、
    だからといって 自分の人生を諦めてるかというと そういうことにはならない。

    「ただ享受する」
    って 自分を諦めているというか…生き生きしていない というか。

    そう考えてみると確かに、芳子は
    生き生き なんて言葉からは かなり遠いところに居た気がする。

    "楽"と"生きる"って
    もしかして対局にある言葉なんだろうか。

    0
    2025年10月01日
  • おとこ川をんな川

    Posted by ブクログ

    昭和初期、金沢の花街ひがしの芸妓朱鷺とトンボが主人公
    美しい金沢の四季、独特な言葉に魅せられつつ、芸妓の抱える苦悩や移りゆく時代への不安などが描かれています
    綺麗な物語でした

    0
    2025年09月30日
  • 彼女の嫌いな彼女

    Posted by ブクログ

    瑞子と千絵、お互いの視点が描かれていて面白すぎる。心のモヤや葛藤などがあるあるだな、と同意しながら読む。年齢でその人を決めつけるのではなく、分かり合おうとするともう少し人とナチュラルに付き合えるのかもしれない。

    0
    2025年09月28日
  • 瑠璃でもなく、玻璃でもなく

    Posted by ブクログ

    登場してくる女性達の立場は様々で、楽しく読ませてもらいました。離婚して生き生きと働きながら人生を謳歌している様子が清々しかったです。

    0
    2025年09月21日
  • おとこ川をんな川

    Posted by ブクログ

    舞台は金沢、昭和になったあたりらしい。唯川氏の年代物の最新作…どうなんだろうとドキドキしたがこれまた秀逸。花街に生きる芸妓さんの苦悩を描ききっている。悶えるような苦しい中で、でも結局前に進んでいく強い女性たちが素敵だった。

    0
    2025年09月20日
  • 肩ごしの恋人

    Posted by ブクログ

    サクッと読みやすかった。

    萌とるり子5歳からの友達
    恋や仕事に悩む27歳辺りの女性目線の小説
    登場人物のキッパリした性格が多いからなのか、終わり方なのか
    物足らない感じがしたが、
    なるほど!!、言葉にするのが上手い!
    と思う名言が幾つかあった。
    先が気になる。続編があったら読みたい。

    0
    2025年09月14日
  • 肩ごしの恋人

    Posted by ブクログ

    友人である女性二人が主人公。
    全く性格の違う二人の会話も面白いし、二人が決断したラストシーンには、ほっこり感動しました。
    結婚や離婚について考えらせられました。

    0
    2025年09月12日
  • 淳子のてっぺん

    Posted by ブクログ

    625ページの厚みを感じず、あっという間に読んでしまった。
    一緒に山を登っているような感覚を味わえる。
    登山の厳しさや美しさはもちろん、当時の社会的背景ならではの女性の登山者であることの厳しさや悩み、同時にそれ以上に感じる山への憧れや思いが伝わってくる。
    山が高ければ高いほど、大変だけど、達成感と景色の美しさがたまらない。
    だが、岩場だらけの山も登ったことがあるが、疲れと高さで登るにつれて高さで足が震えてしまった事がある。
    一歩間違えれば滑落して下手したら死んでしまうという怖さ。
    でも、登りたいという渇望と憧れ。
    一度あの気持ちを知ってしまったら、山を登らずにはいられない、ドキドキがワクワクに変わっていく。
    読み終わって、本格的な登山は無理だけど、また山に登りたいと思った。

    0
    2025年08月30日
  • 啼かない鳥は空に溺れる

    Posted by ブクログ

    面白かった!
    2組の母娘、共依存から逃れようと苦しむ娘。母親って難しいねえ。
    子供に対して毒を吐いてしまうのは子供にしたら居た堪れないけれど、
    母親としてこんなに娘の事を思っているのに、というのは多かれ少なかれあるのではないか。
    自分の子育てはどうだったのか、娘に対して向き合えて来れたのか、
    何が正解だったのかまだわからない。

    ハッピーエンドじゃないラスト
    私はこういう終わり方、好みです。

    0
    2025年08月30日