唯川恵のレビュー一覧

  • 愛に似たもの

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    短編8話。
    真珠の雫
    つまづく
    ロールモデル
    選択
    教訓
    約束
    ライムがしみる
    帰郷

    解説を橋本紀子が書いている。
    「あ、「わたし」のことが書いてある」
    橋本紀子って存じ上げなかったので調べてみた。
    教育学者とのこと。すごい。

    女性の自立と子どもの発達 北欧・フィンランドに学ぶその両立への道, 群羊社 1982
    男女共学制の史的研究,大月書店 1992
    生きるってすてき,高橋由為子絵 大月書店 2001
    フィンランドのジェンダー・セクシュアリティと教育, 明石書店 2006

    すごく普通そうな主人公が、普通でなさそうな行動を取る。
    それでもよくありがちな日常。
    明るくないのに、読後感は暗く

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    2013年02月16日
  • 愛なんか

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    1999年頃に雑誌に連載した短編小説群。
    解説を藤田香織が書いている。書評家。
    唯川恵の読書遍歴と直木賞受賞の頃のいきさつを書いている。

    「愛なんか」は、色とりどりの主人公。
    幸せな終わりではなく、人生の途中という感じの話がちらほら。
    我が儘限りを尽くしながら人間性があったり、
    人間性に押しつぶされそうになりながら個性を出そうとしたり、
    作者の実現しない一面、実現したい一面、選ばなかった道などを表現しているのかもしれない。

    ひとそれぞれであることを確認するのに役立つ。

    一つづつ、読み終わって違和感はないが、
    少し疲れて、すぐ次の話を読みたいとは思わなかった。

    人生の重い話題を抱えている

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    2013年02月24日
  • シフォンの風

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    江國香織が解説「あっさりとつき進む」を書いている。
    「シフォンChiffone。縦糸と横糸が同じ太さの片撚り生糸を、あらく平織りにした絹織物。非常に薄く柔らかなので、ヴェール、イヴニングドレス、リボンなどに用いる。絹モスリン。」
    すごい、解説者に、本当に解説を書かせている。

    著者が文庫版あとがきに、金沢で働いていたことを書いている。

    場所は金沢。主人公の妹は、金美の彫刻科の学生。

    ありふれた日常を1冊の本にしてしまう。

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    2013年02月14日
  • 息がとまるほど

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    短編小説。8話。

    無邪気な悪魔
    ささやかな誤算
    蒼ざめた夜
    女友達
    残月
    雨に惑う
    一夜まで
    あね、いもうと

    「あね、いもうと」は、明らかに恐怖小説。一部推理小説のように終わりが読めなかったものがある。

    登場人物の性格に共感できない。著者が書いている人間の心理、人間であることとは何か、については勉強になる。

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    2013年02月13日
  • 不運な女神

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    不幸な女性をたくさん記述している。
    別冊文藝春秋とオール読物に掲載したもの。
    2001年から2003年。

    初めの数題は、前の話の脇役が、次の話の主役になって、関連した話しになっている。

    唯川恵の腕が鳴っている。

    どんなに不幸な人間を主人公にしても、
    誰かを恨んだりすることがあっても、
    犯罪をひょっとしたら犯すことになるかもしれなくても、
    人間性を持っていようとする意思を感じる。

    どんなに運が悪くても、
    人間として生き、
    人間として暮らし、
    社会の片隅になっているか、社会を支えている。

    どうしてここまで丁寧な思いを綴ることができるのだろう。
    自分と違うのであれば、雑な記述になるかもしれ

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    2013年02月11日
  • 今夜 誰のとなりで眠る

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    真以子
    協子
    じゅん子
    七恵
    佑美
    5人の登場人物は誰が作者の分身なのだろう。

    解説を 温水ゆかり が書いている。
    「鏡に映った自分の醜い姿を見せられた気になったことを、ここで告白しなければならない」
    作家にこれだけのことを言わせる作家もすごいが、それを素直に表現できる解説者も、きっとすごいのだろう。

    作家が書いている解説は、その作家の本を読ませたくなるところがすごいかも。

    5人の中に、いろいろな作家の影響が反映しているのだろうか。

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    2013年02月07日
  • 恋人たちの誤算

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    流実子と侑里
    2人の主人公が、それぞれの人生において躓く。

    1度だけでなく何度も躓く。
    躓く。躓く。躓く。

    2人が躓いた先は同じ。
    社会の仕組みの堅さに、
    しなやかに生きていけない主人公。

    どちらも著者の分身かもしれない。

    幸運だけで著者がここまで来たのではないことが分かる。
    読み進むのが辛くて、読みたくなくて、なんども投げ出した割に、
    悲哀ではない何かが残っているような気にさせる著者の思いに
    一縷の望みをかけたい。

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    2013年02月05日
  • めまい

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    短編恐怖小説10話。

    恐い。途中で何度も読むのをためらった。

    解説の篠田節子さんは、これは「恋愛小説集」だと書かれている。
    立場が違うとそう読めるのかと、とても参考になった。

    読んでいる最中は恐いが、後味が悪くないのは、作家の人間性なのだろう。
    悪意で書いているのではなく、ところどころ善意が垣間見えるような気になる。

    次に読むのは3年以上間を開けたい。

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    2013年02月04日
  • 夢美と愛美の消えたバースデー・プレゼント?

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    主人公の夢美が、11歳の誕生日の夜に、1歳のときに死んでしまった双子の愛美がとつぜんあらわれました。そして、夢美の誕生会のときに、幼馴染の翔太くんと、その友だちで、スポーツも勉強もできる一番人気の松岡くんもきてくれます。しかし、松岡くんからもらったハンカチが学校で消えてしまいます。そのハンカチはどうなってしまったのか、ドキドキする話です。ハンカチを盗んだ犯人が意外な人で、びっくりします。

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    2013年02月01日
  • イブの憂鬱

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    解説は吉田伸子。
    唯川恵の作品「肩越しの恋人」が直木賞を受賞した記述がある。

    文庫版は「イヴの憂鬱」と改題している。

    29歳の目覚めから30歳の朝まで。
    え,これが1年なのというくらい,めまぐるしい。

    著者も20代後半で転職をした経験があるらしく,転職の描写が現実味がある。

    あるときには、どうしても,足元を見てしまう傾向があるのかもしれない。
    なにかのきっかけで前を向けると良いことが分かる。
    著者は体育会系とどこかの後書きに書いていた。

    切替ができる能力がすばらしい。
    生き方に対する一つの参考資料を提供しているよう。

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    2013年02月23日
  • キスよりもせつなく

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    解説は角田光代。
    角田光代の母の世代を説明している。

    物語は,女性の20代後半の模様をうまく描いている。

    27歳といえば,今ならたいした歳だとは思われない。
    30年前は,結婚適齢期が24歳だったことを思い起こしながら読むといいかもしれない。

    それぞれに,自分を考える著者の分身なのだろう。
    人は一つの人生しか送れないが,作品の中では複数の人生を歩める。

    どれが著者の実像で,どれが著者の虚像なのだろう。

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    2013年01月29日
  • あなたへの日々

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    「彼方(あなた)への日々」の改題で、手を入れているとのこと。
    図子 慧 が解説を書いている。
    解説 ー まっとうな女
    というのが標題。まっとうな女が主人公だとのこと。
    著者の分身であることは確か。

    著者のやったことをなぞっているのか、
    著者がやれなかったことをなぞっているのかは分からない。

    兄のバイクに乗っていて、兄だけ死亡し、
    母親との関係が悪くなる女性の物語。

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    2013年01月28日
  • シングル・ブルー

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    恋愛、友達、遊び、将来に関する随筆集。
    20代の単身者の等身大の気持ちと意見が分かるかも。

    「文庫になるということで、手を入れました。」

    几帳面な性格が出ている。

    20代で転職し、29歳で作家として登場した一般人らしい、
    それぞれの時代の普通の考え方を垣間見ることができるかもしれない。

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    2013年01月27日
  • さよならをするために

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    失恋小説5話。
    暗い話というよりは、踏ん切りをつけるための話。

    尻切れ蜻蛉のような気もする話もある。
    きっと、踏ん切りをつけるために切ったのかもしれない。

    解説を阿乃田高が書いている。
    コバルトノベル大賞の選考委員で、
    唯川恵を推したという。
    素人風だけど、気になるものがある。

    いい巡り会いなんですね。
    切り捨てるのではなくて、拾い上げてもらえた。

    著者の後書きもいい。

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    2013年01月27日
  • 海色の午後

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    コバルトノベル大賞作品。
    筆名が、母親の筆名「行川奎」の字を変えたとのこと。
    20年後のあとがきで綴っている。

    話はSEの彼女が、彼と別れる話。
    平凡な生活の中に、非凡な登場人物が。

    唯川恵の荒削りな文章と展開が楽しめる。

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    2013年01月26日
  • ベター・ハーフ

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    結婚って終わりじゃないんだと改めて考えさせられた作品。夫婦とは家族とはを悩んだら、また読もうと思う‼

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    2013年01月23日
  • いつかあなたを忘れる日まで

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    小説かと思って手にとった。
    男に対する批評集のようで、
    女性に対する助言集のようなもの。

    随筆で、自分の経験と友達の経験と称する誰の話かわからない話をごてごてと詰め込んだもの。

    著者が好きな人には、たまらない、そうそう話も多い。
    男を批判しているようで、実はいっぱい助言になっている裏読みができるところが憎い。

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    2013年01月22日
  • ベター・ハーフ

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    私達くらいになるとわかるけど、結婚して3~4年じゃわからないわねと貸して頂いた本。先に読んだ主人が「新世界より」より夢も希望もなくて怖かったというのでどんな話かと思ったけれど、私にはちょっと目からウロコなくらい夢と希望のある話だと感じた。これが男女差なのかな。
    お互いの間を埋めるものが憎しみや無関心や軽蔑であっても一緒に時を過ごすうちに少しずつの依存が重なってかけがえのないものになっていく、不思議だなと思うけど血縁の無い人間関係なんてそんなもんかなとも思う。そこを描くのか、と、いちいち出来事とか感情がリアルなだけに真実味もあって本当に面白かった。
    と、同時に私も安心して結婚生活を送れる気がした

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    2012年12月20日
  • ゆうべ、もう恋なんかしないと誓った

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    短編形式なのでさらさらすらすら読むことが出来た。
    ちょいちょい昼ドラのような話もあったが、面白い。
    最後の話がよかった。

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    2012年12月14日
  • ただそれだけの片想い 始まらない恋 終わらない恋

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    失恋した時、気持ちに区切りをつける時、
    悲しくてしかたない時には、本が慰めてくれる。
    そんな風に思えた一冊。

    良書。
    出会えてよかった。

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    2012年11月22日