唯川恵のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
私達くらいになるとわかるけど、結婚して3~4年じゃわからないわねと貸して頂いた本。先に読んだ主人が「新世界より」より夢も希望もなくて怖かったというのでどんな話かと思ったけれど、私にはちょっと目からウロコなくらい夢と希望のある話だと感じた。これが男女差なのかな。
お互いの間を埋めるものが憎しみや無関心や軽蔑であっても一緒に時を過ごすうちに少しずつの依存が重なってかけがえのないものになっていく、不思議だなと思うけど血縁の無い人間関係なんてそんなもんかなとも思う。そこを描くのか、と、いちいち出来事とか感情がリアルなだけに真実味もあって本当に面白かった。
と、同時に私も安心して結婚生活を送れる気がした -
Posted by ブクログ
ネタバレバブル最盛期に湯水のようにお金を使い超豪華な挙式披露宴をした一組の夫婦の、その後十年を綴った作品。
これはめちゃめちゃおもしろかった!!
のめりこむように読んじゃいました。
すっげぇリアルでドロドロ(笑)バブル絶頂期の札束が飛び交う世界から、株が大暴落してどんどん落ちぶれて行く人たち。
リストラや不倫や親の介護、最初は小奇麗な仕事しか嫌だと言っていた主人公永遠子が最後には野菜の袋詰めの仕事をするところなんて、なんかもうすっごいリアル。
離婚の危機も何度もあって、そのたびに双方ともに「別れよう」って決意してるのに、なぜか別れずずるずると十年すぎるのも、なんていうかリアル。
そこには見栄とか手 -
Posted by ブクログ
ネタバレ集英社文庫のナツイチ、2008夏の一冊に選ばれていました。
集英社のWEBには、BOOKNAVI 書籍試し読みのサイトがあり、見出しの1ページ程度の本文が掲載されています。
芝木卓之から結婚を申し込まれた早映の物語。
小綺麗なワンルームのマンション、会社の自分専用のデスクやキャビネットは、結局は自分のものではなく、借り物にしか過ぎないという記述と、結末の非日常的な状況との格差が多いい。
自己実現のあり方を描写しようとしているととるか、自分には関係のない話だととるかで、面白さが変わるかもしれません。
自己実現しようと思えば思うほど、他者の自己実現を受け入れなくてはならないところに追