唯川恵のレビュー一覧

  • 夜明け前に会いたい
    ザ・恋愛小説で、展開もなんとなく予想できるけど、金沢の情景がそうさせるのか、なんだか心が澄んで穏やかな気持ちになる本だった。芸妓や着物といった古き良きトピックも、読んでいてなんだか背筋がすっと伸びる感じ。雰囲気が好きな本。
  • キスよりもせつなく
    ぐんぐん読めるお話。今までの自分を変えたり、一歩進める恋をしたいと思える作品。
    しっかり向き合ったらわかる一面は誰にでもあるんだなと思った。
    --捨てるものは、かけらほど些細なプライド
  • 雨心中
    周也のような純粋だけど生い立ちと性格のせいで社会に馴染めない人間って、苦しみにながら生きていくしかないように思える。
    そして周也のような人間に関わってしまった女性は、自分の人生を犠牲にしてしまう…
    なんとも救いようのない話で、ラストはこうなるしかないよな、と悲しいながらも納得してしまった。

    不幸に...続きを読む
  • ベター・ハーフ
    バブル崩壊前後の出来事を織り交ぜながら、夫婦間の問題が
    ありふれた日常のように上手く書かれていました。
    男女間の考え方の違い、どこにでもありそうな夫婦喧嘩。
    お互いに溜め込んでいた不満、何かの時に湧き出てくる感じが
    身近なこととして感じられました。
  • 恋人はいつも不在
    サクサク読み進められる本。
    自分自身の境遇と重ね合わせ、想像もしやすい。
    男女の分かり合えない部分、ぶつかり合い、そしてそれを乗り越えたその先になにがあるのか、わかったような気がする。

    自分自身、3年付き合った恋人と別れたばかりに読み、少しの後悔と一歩を踏み出す力をもらえた作品!
  • 瑠璃でもなく、玻璃でもなく
    不倫と離婚を経験する2人の女性。
    どちらの女性の心情も、見事に表現されています。
    両方とも辛い経験なのに、それほど暗さを感じませんでした。
    読んだ後に「しっかりこれからの人生を考えてみよう」と思えましたが
    読む立場や考え方によっては好き嫌いが分かれる作品かもな、と思います。
  • 淳子のてっぺん
    女性登山家・田部井淳子さんをモデルにした山岳小説。
    であるとともに、夫婦愛の物語でもある。
    それは、アンナプルナへ出発する前日の会話に象徴される。留守を預かる夫への感謝の言葉とともに「必ずアンナプルナの頂上に立ってみせるから」と言う淳子に、夫が答える。
    「言っておくけど、てっぺんは頂上じゃないからな...続きを読む
  • 夜明け前に会いたい
    「自分の惚れた男が幸せになれば、自然と自分も幸せになる。すべては自分に返ってくるんだよ。そのこと、忘れるんじゃないよ」美しいけれども厳しい冬を迎えた金沢が舞台。着物と金沢が好きな私にとってはにやにやが止まらない。加賀友禅を身につけ、凛とした強さとたおやかさを持つ女性に憧れる。金沢がよく似合う女になろ...続きを読む
  • 燃えつきるまで
    人を愛するということはなんて重いのだろう。
    終わろうとしている恋人との関係にしがみつく
    怜子の気持ちが伝わってきて辛く苦しくなりました。
    考えや行動が少し怖くもなりました。
    失恋から立ち直れていない人にお勧めの作品です。
  • 彼女の嫌いな彼女
    読みやすかったし、OLの世界の話の部分については「そういう事あるある」と思いながら読みました。
    女は他者からも自分自身も女の価値について年齢という基準に左右される。
    会社という場所が女性にとっては仕事だけとはならず、恋愛が関わってくること描写が上手いなと感じました。
  • 愛に似たもの
    こんな女は嫌だ、痛い、なりたくないって思う反面、どこかで共感してる自分がいてしんどくなる。

    過去の経験からこうしたら次はきっと上手くいくって考えて行動しても空回ったり、条件を気にするがあまりに相手と向き合うことを忘れてたり、他人や過去の男と比較して自分が作り上げた基準に振り回されて自分を見失ったり...続きを読む
  • 淳子のてっぺん
    山岳小説が好きで新田次郎、夢枕獏、沢木耕太郎など読んで来ました。女性が書く山岳小説ってどうなんだろうと思いながら手に取った一冊、なかなかの読み応えでした。女性として初めてエベレスト登頂を果たした登山家たちの内面をここまで書けるのは、女性ならではなんでしょうね。もう30年以上前、学生時代に田部井淳子さ...続きを読む
  • テティスの逆鱗
    美容整形を繰り返し人間としての心を失っていく女たち。

    顔や体でさえ欲しいものは何でも手に入る時代。

    欲しいと思うものが本当に必要なものなのか
    その判断を間違えると大切なものを失ってしまう。



  • 淳子のてっぺん
    伝記と迷ったけれど小説に.本当に読んでいるだけで山の厳しさ,人間関係の難しさに息がつまるようでした.こんな困難を乗り越えて頂上に立つ姿には圧倒されました.そしてそれを支えた家族特に夫には頭がさがる思い.出会った時からのぶれない人間性に心温まりました.
  • 淳子のてっぺん
    伝記的な感じだった。
    女性登山家、というのがかっこよかった!
    「山」というもののイメージが今までは薄かったけど、この本を読むと、山に興味が湧く?
    『のだめかんたーびれ』を読んだら、音楽の持つパワーに惹かれる、というか感動してぐわわっ!とくるけど、この本もそんな感じ。
    わくわくする。
    淳子さんの考えと...続きを読む
  • 瑠璃でもなく、玻璃でもなく
    初めて読んだ唯川さん。
    恋愛と結婚、どちらとも良いこと悪いことがあって、結局どちらを選択するかは自分次第のだな、というのが率直な感想を。
    単なる奪う側と奪われる側の話なのではなく、どういう過程でそうなっていくか、別れてからの英利子の開花してゆく才能、結婚してからの美月の成長、そちらにスポットが当てら...続きを読む
  • 愛には少し足りない
    やっぱ唯川恵さんの本、好きだなー。

    セックスとはなんぞや、愛とはなんぞや、という問いの答えにちょっとだけ近付けたような、そんな気持ちにさせてくれる小説って感じ。

    誰も彼もが頭の中で計算しながら上手く生きようと踠いているし、幸せになろうと頑張ってる。

    でも、人間には本能も欲もあって。

    誰とセッ...続きを読む
  • ヴァニティ
    すごくよかった!
    世代もばっちり合ってて、アラサードンピシャ

    短編でスラスラ読めて、ぐんぐん入ってくる感じ




    「女」の話。

    いい面も、悪い面も、これぞまさに女。


     


    神様が人間にくれた最大のプレゼントは

    「忘れる」ってこと



    好きなフレーズ!

    に対して、逆だよって言う彼の台...続きを読む
  • イブの憂鬱

    主人公の真緒と同じで結婚に逃げようとしていた時期がありました。でも結局は上手くいきませんでした。
    その当時の自分は何もかも上手くいかず「結婚」に救いを求めていたかもしれません。
    「誰か私を愛して」「私に安定と幸せをください」と相手に求めてしまう所謂くれくれ星人でした。
    主人公の真緒も最初は何の取り...続きを読む
  • 永遠の途中
    2019.11.11

    仕事か家庭か。
    現代社会の日本人女性でこの物語が刺さる人はかなりいると思う。
    かくいう私もこの本、ぐさっときた。
    今や結婚が全てではない、かといって仕事が全て成功するわけでもない。1人の男がターニングポイントになるが、完全な幸せではないし、完全な正解もなく
    どちらも隣の芝は青...続きを読む