唯川恵のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「別れないか。」の一文で始まり、
それを受けて恋人関係解消となった女性の葛藤を延々と描く。
たったこれだけなのにもかかわらず、約300ページを一切退屈することなく一気に読ませてしまう本作に驚愕。
本作は主人公(女性)の目線でのみ描かれており、
最初から最後まで完全に彼女の主観によるものとなっている。
つまり、相手の男性側の心情部分などは一切描かれず、あくまで「彼女から見た相手の言動」のみとなる。
そのような点もあり、
読者が男or女でそれぞれ感想が割れるポイントとなると思う。
恋人との仲が破局になった時に一般的には、
男性はズルズル引きずり、
女性は最初こそドン底に落ちるが比較的早く立 -
Posted by ブクログ
ほんとは星5付けたいところだけど、
きっとそれは状況や心境が主人公と
重なってるからであって、何年後かに
読み返した時にも星5を付けたいと
思えたら修正したい。
玲子がエスカレートしていく様を
見ていると客観視出来て、おいおい
それは辞めとけってストップをかけたくなるけど、
一歩踏み外したら自分も似たような事をしそうで
怖い。実際には玲子程まで燃え尽きるまで
しなかったけど、毎日生きてる感覚もなく
心の底から笑うことも忘れてしまう状況は
自分と重なった。結果としては
結ばれる事は無かったけど、
そこまで、そう思わせてくれる人と
出会えて良かった。これで良かったんだと
思える日が早くきて欲しい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ唯川恵、すごい…
恋愛の話のイメージが強かったけど、どんなジャンルの話もすごく上手。
共依存の関係。虐待を受けて育った周也をどこまでも受け入れる、姉代わりの芳子。
同じ施設で育った2人は普通の兄弟以上に支え合って暮らしている。
周也の純粋さと短絡さがゆえどんどん道を踏み外していく…
相手のことを大切に思うからこそ、ダメなものはダメと伝えてあげないといけない。
芳子が周也のトラブルに巻き込まれているように見えるけど、元をただせば周也のことをだめにしたのは芳子なんだろうな。
ハッピーエンドになるとは思わなかったけど、どこまでも堕ちていっていて悲しい… -
購入済み
登場人物はわりと多くて多彩でしたが、一言でくくるなら身勝手な男たち、したたかな女たち。主人公の男の生き様は世間一般の共感や憧れを得るのは難しそうな気もしますが、50歳を前に生きることの意味に本気で向き合って自分を省りみる姿には徐々に応援したい気持ちすら湧いてきました。若い頃の利己的な性質から変化して、他人の生き方を純粋に冷静に尊重できるようになるのは歳ゆえなのか。幻想的な題名とは裏腹に、現実のいろいろを考えさせられながら、一気に読んでしまいました。
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Posted by ブクログ
ネタバレ夢中で一気読み。
人をどうしようもないくらい好きになることは
自分で自分を裏切ることもあるんだよなぁ
ななこの自分でもどうしようもない感情
どうしようもないくらい好きになってしまった相手の彼女がどんな人なのか気になる気持ちは分かる。
そこからまさかの友だちとなり
しっかり悪女となり、しゅんを自分の彼氏にする
でも手に入れたあとは今度はずっと
不安と心配が彼女を占めていて、苦しい。
美咲という存在
美咲から奪ったと言う事実
だから幸せになれないとどこかで思ってるのがまた辛い。
美咲からしたら恨むしもちろん復讐した気持ちというかやり返した気持ちも分かる。
ここが女の怖いところなのかも -
Posted by ブクログ
娘の結婚を機に、歪みがさらに浮き彫りになる2組の母娘の関係が交互に描かれてゆきます。
愛情を求めても幼い頃から母親に暴言を吐かれ拒否されてきた千遥と、過干渉な母親の善意を装った重たい思いに絡めとられそうな亜沙子。
まったく逆の関係性ではあるけれど、千遥も亜沙子も母親に自分の人生を支配されてきたと思っていて、でも顔色を伺いながら自分の気持ちより母親を優先しているのは娘自身で、共依存の関係性にあります。
最後、亜沙子の母親のブログ(母娘がどんなに仲がよいかを虚実を混ぜて発信している)の言葉にも恐ろしさをかんじたけれど、千遥の母親の言葉が、もし記憶の残像としてではなく現在の言葉としたらと思うと -
Posted by ブクログ
ネタバレDVの持つ問題、闇の深さに苦しく、
胸が締め付けられながら、読み切った。
一度DVにあってしまうことで
周りの人を巻き込んでしまう恐怖や
いつ加害者に見つかるかもしれない恐怖がついてまわり、終わりのない砂漠のような道のりの中を
歩かされる。タイトルの手のひらは加害者のもので、被害者は砂漠を歩かなくてはならない…
その果てしない道のりを生きている人たちが
少しでも安らかにあれる場所があってほしい。
最後、可穂子が恐怖に怯えない生活を得たことに安堵すると同時に、それでも雄二の影はあって、しまうんだろうなと思ってしまった。
この問題に対する刑が軽すぎることや
被害者が逃げて隠れて、怯えながら暮らさ