唯川恵のレビュー一覧
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男女平等だのフェミニズムだのが言われるなかで、女であることを最大限に利用して生きるるり子はいっそ清々しくて好きだ。それもひとつの生き方で、芯の強さはかっこいい。自分が幸せになると信じて選択する、その意志の強さこそが、自分を幸せにするのかもしれないね。
とはいえ、絶対友達にはなりたくないし、憧れもしないんだけどね。関わりたくないけど、傍から見てる分にはOKという意味の好き。自分の幸せを他人に委ねてしまうことがリスキーと思うから、わたしは萌のほうが近いのかも。
連載だったということで、読者を惹きつけるためにアップダウンのあるストーリー展開だったのかな。さくさく読めたけどラストはあっさりし過ぎというか甘く感じた。 -
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今から20年以上前の作品
当時の女性たちの恋愛観や結婚観、
仕事観が垣間見られる。
5歳からの幼馴染である2人の主人公
「るり子」は女であることを最大の武器として、
フルに活用して生きる女
一方、「るり子」とは対照的で常に冷静に物事を考え、
恋に溺れず頭で考える「萌」
現代は、「萌タイプ」の女性が圧倒的に多い気がする。
「るり子タイプ」もかつては大勢いたが、何処へ行ったのだろう。個人的は、裏表が無い「るり子タイプ」の女性が結構好きだ。
勿論、一定の距離を置いてという条件付きで。笑
直木賞受賞作の恋愛小説とあって、等身大の女性の生き方が潔く、大胆ながら明るい筆致で描かれる。
フェミニズムすらも、バッサリ切り捨てる るり子の思考回路が痛快だった。一昔前の、女性の生きる道を覗き見した気分になった。
結末が予想外過ぎたが、当時の生き方としては、とても斬新で自由な選択で、それがとても魅力的に感じられたと思う。
読後、当時よりも今を生きる女性たちの方が、もっと生きづらくなっているような気がした。
以下、印象的だったフレーズを幾つか
「女はいつだって、女であるということですでに共犯者だ」
「我慢している女はみんな貧乏臭い顔をしている」
「女にはふたつの種類がある。自分が女であることを武器にする女か、自分が女であることを弱点に思う女か。このふたつの女はまったく違う生きものだ。」
「男が結婚しているという事実は、どこかで安心感を連れて来る。」
「夜はいつだって、朝を連れてくる約束を必ず果たす。だから、人は安心して眠りにつける。」
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続きが気になってどんどん読み進めることができた。
後味は決していいとは言えないが、とりあえずは落ち着くところに落ち着いて良かったとおもう。(ロ⚪︎コン田畑は別として)
ただよくわからなかったのは、ラストでの千遥の母のセリフだ。別人のように穏やかになっていたのは結局演技だったのか?それとも何か別の意図があってのセリフだろうか。ちょっとしたホラーのような恐ろしさを感じた。
昔メンタルを病んで入院していたというところも、だからと言って千遥への言動が許されるわけではないし、母には母の辛さがあったという以外にどういう意味があったのかいまいち不明だった。
それと、亜沙子。
ノルウェーって、観光目的ノービザで入国して、現地からリモートで働くってオッケーなんですかね・・・?
(アメリカは絶対ダメで、バレたら一発アウト。受け入れ先にも迷惑がかかる。)
ちょっとそのあたり、海外在住者としては安易さを感じてしまった。 -
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地元の北國新聞社から出ている『月刊アクタス』から、ちょうど、著者の六十代にあたる10年分を抜粋。
いつも病院に行った時に『アクタス』を待合室で読むのを楽しみにしていた。
唯川恵さんの書くエッセイは、とても常識的で、安心して読めるので、物足りないと思う人もいるかもしれないが、私には共感できることが多い。文章もとても読みやすい。ユーモアもある。
私よりもほんのちょっと年上なだけなので、育った時代が似ているから、特に共感できるのだろう。
(唯川さんが書いているが、奥付に生まれた年を書かない人が増えているが、その人がどういう時代を、過ごしたかわかった方がいいのでは?そして、そういう人はかえって歳にこだわりを持っているのでは?)
今も『アクタス』に連載しているということだが、また、本にまとめられることを願っている。
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友人が数年前から登山に目覚め、ときどき話を聞いていたので親近感を覚えて読んでみた。エッセイだけど作者が徐々に山登りに目覚めていく様子が物語のようで面白く、『淳子のてっぺん』も読んでみたくなった。
各章が短く、全体のボリュームも軽めでちょうどいい。手描きの登山ルートもところどころ添えられていて、温かみが感じられた。作者の旦那さんがクールで頼りになる感じで、まさに「リーダー」というあだ名に相応しい方だったのが印象的。
ただ、これを読んでも私はやっぱり登山をしてみたいとは思えず、根っからのインドア人間なんだと感じた笑
友人が登ったと言っていた山がたくさん出てきたから、この本をおすすめしてみたいと思う。 -
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軽井沢に住む稀世と英次、東京から別荘にくる未来子と創介は高校最後の思い出に浅間山に登る計画を立てる。予定が合わず、11月半ばになってしまい、初雪がちらつく中登ることになる。無理せずと言っていたが、無理して進み、創介が骨折してしまう。創介が山荘まで降りれないために英次が助けを呼びにいくが、滑落して、なくなってしまう。
そらぞれが英次の死を背負い、その後の人生を変えてしまう。
3人が30年たっても恋愛感情を持つところは少し受け入れにくい気がしてしまう。だが、高校生の頃の軽い決断が、自分だけではなく家族含めて、その後の人生に影響を持って、そこから逃れられずに生きている様はそれぞれのがんばりとして楽しく読めた。 -
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ネタバレ「女の幸せとは」「愛とは」がテーマの作品だと思った。
20年ほど前の作品なだけあり、今現在の価値観で測ると引っかかるところは多少あったが、テーマが揺らぐほどのものではなかったのであまりノイズにならなかったのはよかった。
読み始めは、るり子のやりたい放題な性格が苦手で最後まで読めるか心配だったが、読み進めるうちに登場人物たちの心境の変化にどんどん引き込まれていった。
特によかったのが、さまざまな出会いの中で、終盤、るり子の考えの変化の中に変わらない芯のようなものが見えたところ。
萌の変わらない考えの中に少し柔らかくなったところができたところ。
心境の移り変わりがとても人間らしく、また、物語の終わり方も女の幸せはひとつではないと感じさせられた。
集中力が続かないので、ふだん小説は2、3日に分けて読んでいるが、この小説はとても読みやすくするすると脳内に入ってきて半日で読み終わることができたのには驚いた。
さすが直木賞受賞作……。
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世の中には、私の生き方に対してあーだこーだと口を出したり、物事を白か黒かの二元論で決めつけたがったりする声があふれています。しかし、この本を読んで改めて強く感じたのは、自分の人生の主人公は他の誰でもない自分自身であるということです。誰かが私の代わりに人生を歩んでくれるわけではなく、最後に決断を下し、その結果を引き受けるのは自分に他なりません。
物語の中で描かれる人々も、どんな立場であっても「これでいいのだろうか」という葛藤を抱え、同時にその場所なりの喜びを見出していました。完璧な人生など存在しないからこそ、悩みながらも自分で納得できる道を探していくことが大切なのだと思います。
私は、たとえ多少の不自由が生じたとしても、結婚して心の拠り所がある人生を歩みたいと考えています。ただし、結婚はゴールではなく、そこから関係を育んでいく始まりに過ぎません。家族という形に甘んじることなく、日々の努力を積み重ねて良い関係を築き続けることを忘れてはいけないと強く感じました。
また、仕事だけに依存せず、家族や趣味など多様な拠り所を持つことも、自分らしく生きるための鍵となります。周囲の声に惑わされすぎず、自分の人生の舵をしっかりと握り、一日一日を丁寧に積み重ねていきたいです。
人生に正解はないと改めて思いました。 -
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自分にも似たような友人がいるから、あらすじを見て、その気持ちを整理したくて読んだ。
その友人とは、今のところ乃梨子と薫のようにくっきりと別の人生と別れているわけではないが、幼い頃から似た環境で育ってきたからか、事あるごとに人生を比べて、誰にも言えない気持ちに苦しんできた。読みながら、彼女から私も思っても見ないことで羨ましがられたりしているのかもしれない、と感じた。長期的な人生を描いていたことで、また人生のあらゆるところで、立場というか、考えることが二転三転することもある、ということを感じた。
結局のところ、全ては最後の方に乃梨子と薫が話していた、「自分の人生がこれでいいんだと自信を持って言える」人がいちばん幸せで、それに尽きるんだということを教えてもらった気がする。