櫛木理宇のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
このシリーズ(「依存症」シリーズ)の表紙をXのTLでよく見かけたので、気になって読んでみました。
なるほど。
サイコパス……。
シリアルキラー(と言っていいのだろうか?)である浜真千代は、シリーズを通して登場しそうな予感があります。
尼崎連続変〇事件の主犯のおばさんを彷彿とさせる存在。
自分は直接手を下さず、指示するだけで他人を操り、犯罪を犯させる。
まあ、汚い人間ですよね。
しかも、他人の弱みに付け込んだり、隙を見つけて上手く人を転がすのが非常に上手い。
「この人はいける」と、つけ込む隙のある人間を瞬時に嗅ぎ分ける力に長けているのです。
彼女には占い師としての顔もありますが、占い師 -
Posted by ブクログ
2016年の別冊文藝春秋連載を経て、2018年に単行本化。2022年にはコミカライズ、テレビドラマ化もされている話題作。
舞台は1979年、山間の鵜頭川村。
当時流行した歌謡曲や歌手名が物語に散りばめられ、昭和後期の山村という空気感へすっと入り込める。
豪雨により村は“陸の孤島”と化し、その閉塞のなかで、櫛木作品らしい昭和的家族制度・血縁の濃さ・地域因習が、一気に噴き出していく。
特に若い男子たちを中心に高まっていく不満や暴走は、読み手にも圧をかけてくる。
その豪雨による濁流のような人間関係に紛れ込んでしまう父娘。娘の利発さはやや物語的だが、追い詰められていく緊張感はラストまで途切れない -
-
Posted by ブクログ
1995年。東京で働く男のもとに、一時期住んでいた田舎の友人から電話が入る。サチが、自殺未遂をした。サチの家の前に「この骨が本物のサチだ」というメモ入りの段ボール箱が置かれたことが引き金になったのか? サチは小学五年生、11歳の時に誘拐され12年間監禁されていた同級生。時は1983年に戻り、小学五年生、男三人、女二人の仲良しグループ、各視点で、サチが誘拐されるまで、誘拐後の変質者による監禁生活、23歳になって家に戻ってきてから、の話がそれぞれ語られる。もう一つ、サチより年長で、美人で、高校卒業後すぐに結婚した女が、離婚するために夜の仕事を始めるという話も。サチの家の前に置かれた骨は、その女のも