櫛木理宇のレビュー一覧
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少年犯罪、少年法、私刑、制裁、それらを軸に「命は本当に平等なのか。尊い命と、そうでない命があるのではないか」そんな危うい問いを真正面から投げかけてくる物語だった。
中学三年生の櫂と文稀は、櫂のいとこが受けたいじめへの復讐をきっかけに、“復讐の予行演習”と称して制裁を重ねていく。相手に同じことを返すための練習。報いは受けるべきだという考えは、社会正義なのか、それとも単なる暴力なのか。
襲撃される側の陰湿さは容赦がなく、罵倒し、辱め、いたぶる描写に胸が悪くなる。それでも「これは天罰だ」「やられたらやり返すしかない」と感じてしまう自分がいる。一方で、それは本当に正義なのか、必要悪なのかという迷い -
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11歳で誘拐・監禁されたサチ。
22歳でようやく生還したサチのもとに、本物のサチだという白骨が送られてくる。
生還したサチは本物なのか?白骨を送ったのは誰なのか、なぜなのか?をめぐるミステリー。
11歳から11年も外界と遮断されて自由も教育も尊厳も奪われ、やっと戻れても家族は世間体を気にし、地域の住人から傷物として扱われる。
何年たっても変わらず古い価値観が残り続ける馬伏に傷つけられ、言葉として発せられることのないサチの悲鳴が痛い。
「こちらが本物のサチ」と書かれた白骨死体に添えられた手紙に、「まだ私から奪うものがあるのか」と絶望する心理描写は秀逸。
価値観が変わっていることにも気付かな -
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『カタリナの美しき車輪』斜線堂有紀
SNSの炎上をテーマにしたホラー。斜線道さんこんな作品も書けるんだ!と楽しく読ませていただきました。
『かんのさん』尾八原ジュージ
一番好き。面白い。やっぱり得体の知れないもの、正体のわからないものは怖い。
『夢見鳥』木江恭
なんだかよくわからないけど面白かった。好き。
『やどりこ』櫛木理宇
短いのに重厚感があるホラーなのは流石だなぁ。オチが秀逸。櫛木さんは短編でも素晴らしい。
『嚙み砕くもの』芦花公園
メキシコに歯の妖精っているよなと思ったら違った。オチはいいけど前半が微妙。
『さなぎおに』皮肉屋文庫
初読み。申し訳ないけどまだ商業作家としては厳 -
Posted by ブクログ
装丁は絵ではなく、文字。
目には目を 歯には歯を。同じ地獄をお前にも。
この一文が、読後の感覚をすべて象徴しているように思います。
殺されるより、生地獄。
まさに“監禁依存症”という言葉が刺さる展開でした。
櫛木さんの依存症シリーズも本作で三作目。
今回は、性犯罪者の弁護を引き受け、繰り返し示談を成立させてきた男性弁護士が登場です。妻と子がおりながら浮気をやめず、どこか母親への執着を引きずったままのマザコン夫。
分類としてはミステリーではあるのですが、
事件の解決以上に、
“報復”という感情の残照 が強く残る作品でした。
読み手をかなり選ぶタイプであることは間違いありません。
けれど、行