櫛木理宇のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2016年の別冊文藝春秋連載を経て、2018年に単行本化。2022年にはコミカライズ、テレビドラマ化もされている話題作。
舞台は1979年、山間の鵜頭川村。
当時流行した歌謡曲や歌手名が物語に散りばめられ、昭和後期の山村という空気感へすっと入り込める。
豪雨により村は“陸の孤島”と化し、その閉塞のなかで、櫛木作品らしい昭和的家族制度・血縁の濃さ・地域因習が、一気に噴き出していく。
特に若い男子たちを中心に高まっていく不満や暴走は、読み手にも圧をかけてくる。
その豪雨による濁流のような人間関係に紛れ込んでしまう父娘。娘の利発さはやや物語的だが、追い詰められていく緊張感はラストまで途切れない -
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