会田誠のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
この本を読んで、現代アーティスト会田誠の片鱗に触れられた気がする。彼自身、こんな本=遺書はもう2度と出さないと宣言しているが、芸術に関して珍紛漢紛な自分にとっては、彼の作品「犬」の背景を知ることでこういう背景、意図、含意、吐露があったのだと感心した。それとともに、彼について何か親しみのようなものを覚えた。
この本を読んでみて思った感想のもう一つは、現代アーティスト会田誠の作品に対する(無理な)解説を通して、芸術の見方が何か少し開ような気がした。つまり、彼の芸術論を知るとともに、芸術の入門書としてかなりこの本は適していると思う。
オナニー、セックス、オーガズム、、、それらのワードがバンバン出てき -
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Posted by ブクログ
まず著者群の面子を見て、少なくとも既知の名前において、それぞれの発信することばを追いかけている人が多いことを確認。演繹的に、その他の著者についても、かけ離れた立場にはないであろうと判断。あわよくば、今後の人生指針になり得る存在と出会えることも期待。前置き長いけど、そんな考えの下、発売前から気にかけていた本書。日本学術会議任命拒否問題についても、どこかでちゃんと読まなきゃと思っていたけど、その欲求も本書で満たされた。中曽根時代から綿々と受け継がれて今に至るってのも、何とも根深くて嫌な感じ。そのあたりまで遡って、ちゃんと勉強しなきゃ。あとは、己でさえままならない自由の取り扱いを、更に次世代に伝える
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Posted by ブクログ
会田誠展に行って感激し、エッセイ第二弾を1日で読み終え、どうも会田誠の毒が抜けきらないので、エッセイ第一弾を読み直し。
いま読むとまた新たな発見が。
そのひとつが「chim↑pom」。
エッセイ第二弾でも少し触れられていたので気になってググったところ、以前ある美術館の企画展で見た、「カラスを呼び寄せるパフォーマンス」をしていた芸術家集団だということが判明。
あーあれね。。
(あのパフォーマンスについて私は批判的。)
そして第一弾に書いてあったのが
「chim↑pomの『ピカッ』について」。
以前、広島の空に飛行機で「ピカッ」という文字を書くというゲリラパフォーマンスをやりかなりバッシングを受 -
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新潟県立近代美術館(長岡)で開催されている、「会田誠展」に行ってきました。
会田誠、新潟県新潟市出身の現代美術家。
コンセプチュアルだけど分かりやすくて(だってちゃんと解説がついているから)時にセンセーショナルでテクニシャンな作品たちに、魅了されっぱなし。
ん〜現代美術好きだし会田誠もその中ではわりと好きなほうかな〜
が、
好きだ!!
に変わりました。
(ご本人にも会えたし!ミーハー!)
「わりと好きなほうかな〜」
だった理由が、氏のエッセイ第一弾「カリコリせんとや生まれけむ」が面白かったから!というのがあったのですが、第二弾もあるはずなのにどの本屋に行ってもない。
でもさすがに個展の物販には -
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「暇つぶし」というやまとことばのもつ響きはいかにも怠惰ですが、それに代わる表現をこんにち知るに至りました。
会田誠がたびたび使う「消閑」という漢語。
なんかいい感じなので今後使わせてもらおう。
20代の頃の会田誠が「あなたにとって芸術とは?」という質問に対して「退屈しのぎです」と答える場面が出てくるが、これも「人生の消閑です」と答えていれば格好がついていたのに。
ある種の悟りの境地にいるんですね。
人の神経逆なでしたいとか自分は三流絵師だとか言うあたりは、だから嫌われんでしょと言ってやりたいが嫌われたいらしいのでまあいい。
一方で自分のルーツについて分析したり、芸術界を憂慮したりするあた -
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会田誠のエッセイ集、読むのは二冊目。
アナーキーかつアウトローな現代美術家でありながら、こんなにも地頭のいい文章を書ける才能。これまでフツーに学校出てフツーに会社で働いてきた一般ピーポーの立場からみると、憧れはもちろん軽く嫉妬すら感じます。
そういえば"非道に生きる"の園子温にもどこか通じるものがある。
自分の家族をここまで冷酷無比に分析できるものかと感心できる「カレー事件」
あまりにも使い古された言葉・愛について物申す「愛さえなければ」
作品のルーツと変遷、その謎が解かれる「マルクスの奥にエロがあった」
…など充実すぎる内容。
その切り口と読後の爽快感、突き抜けてい -
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Posted by ブクログ
ネタバレ今から3年前2019年、当時の首相による日本学術会議の会員任命拒否問題は、政府による自由・学術・教育に対する介入であると大変な危機感をつのらせることになった出来事でしたが、自分の周りでこの件について同じようなことを考えていたり意見を交換したりということがあったのは、小学校教員である友人ただ一人との間でした。
そこにあるものの不穏さを感じ取った人が自分の周りにはあまりにも少なかった、と思います。
それから現在までを振り返ってみるとたった3年の間に自由というものがとても堅苦しく緊張の伴うものになってしまっており今なお進行形であると感じます。
気づいたら周りから固められてて自分は奇特な意見を述べる -
Posted by ブクログ
一部ネットで嫌われてそうな論客たちからのメッセージ集。みなさん、日本から少しずつ自由が奪われていると危惧している。
ある一面の行動・発言が切り取られて批判されることが多い方々だが、その考えに直に触れると、国の在り方や自由について真剣に考えているのが分かる。
例えば表現の不自由展に携わった津田大介氏。近年、アートの世界では政権の意向に沿った展示しかできなくなってきたと言う。意向に反せば、補助金が下りないなど不自由を強いられるそうだ。
詳しく知らないが、おそらく、この展示は慰安婦像などを展示するのが目的ではなく、賛否両論のものを公の場で示すこと自体が目的だったのではないか。こうした国の動きに対 -