会田誠のレビュー一覧
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☆4.5 性と叛逆精神
小谷野敦さんから。
私が会田誠を知ったのは高校の友人で、かれは「食用人造少女・美味ちゃん」といふのを見せてきた。
そのあまりのグロテスクさとおぞましさときたら、少女の四肢を切断したり、陰部から食物が露出したりのオンパレード。
かるくトラウマになって、以降、会田誠は避けてきたのだが、これは明快な論理の上に成り立った書物で、かれの思考・思想がはなからつまびらかにされてゐる。
示唆的な本だ。性についても、藝術についても。
いはく西洋からの藝術にたいする反抗精神があり、俗悪的な性と日本画を融合してみようと企図したのが「犬」であるといふ。
西洋のルネサンスに乗じた写実描写が、ともすればエロの開陳になってゐるといひ、またアンディー・ウォーホルの缶の絵にたいする解釈もどちらかといへば人物伝寄りの新鮮なものにかんじた。歌川広重の波の絵のすごさもここで知れた。 -
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この本を読んで、現代アーティスト会田誠の片鱗に触れられた気がする。彼自身、こんな本=遺書はもう2度と出さないと宣言しているが、芸術に関して珍紛漢紛な自分にとっては、彼の作品「犬」の背景を知ることでこういう背景、意図、含意、吐露があったのだと感心した。それとともに、彼について何か親しみのようなものを覚えた。
この本を読んでみて思った感想のもう一つは、現代アーティスト会田誠の作品に対する(無理な)解説を通して、芸術の見方が何か少し開ような気がした。つまり、彼の芸術論を知るとともに、芸術の入門書としてかなりこの本は適していると思う。
オナニー、セックス、オーガズム、、、それらのワードがバンバン出てきて、かつ個人的体験を開けっピラに語るところが良かった。
身を切るような表現に少し痺れた。
性とはなんなのか、芸術とはなんなのか、芸術における性の表現とはいかにして可能か、そういうことに対して、具体から抽象、そして普遍的なものまで取り扱い、考えさせられる一冊。 -
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まず著者群の面子を見て、少なくとも既知の名前において、それぞれの発信することばを追いかけている人が多いことを確認。演繹的に、その他の著者についても、かけ離れた立場にはないであろうと判断。あわよくば、今後の人生指針になり得る存在と出会えることも期待。前置き長いけど、そんな考えの下、発売前から気にかけていた本書。日本学術会議任命拒否問題についても、どこかでちゃんと読まなきゃと思っていたけど、その欲求も本書で満たされた。中曽根時代から綿々と受け継がれて今に至るってのも、何とも根深くて嫌な感じ。そのあたりまで遡って、ちゃんと勉強しなきゃ。あとは、己でさえままならない自由の取り扱いを、更に次世代に伝えることの困難も、改めて実感。自分も不断の努力を続けることにしか、それに対する答えはないですわな。
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会田誠展に行って感激し、エッセイ第二弾を1日で読み終え、どうも会田誠の毒が抜けきらないので、エッセイ第一弾を読み直し。
いま読むとまた新たな発見が。
そのひとつが「chim↑pom」。
エッセイ第二弾でも少し触れられていたので気になってググったところ、以前ある美術館の企画展で見た、「カラスを呼び寄せるパフォーマンス」をしていた芸術家集団だということが判明。
あーあれね。。
(あのパフォーマンスについて私は批判的。)
そして第一弾に書いてあったのが
「chim↑pomの『ピカッ』について」。
以前、広島の空に飛行機で「ピカッ」という文字を書くというゲリラパフォーマンスをやりかなりバッシングを受け、その数日後、中国人アーティストが黒い花火を打ち上げ、これも賛否両論あったものの大きな問題にはならなかったらしい、という話題について。
この中国人アーティストの個展も、最近横浜に見に行ったばかり。
なんだかいろいろつながってる!!
このエッセイの中で一番好きなのは、奥さま・奥田裕子さんの代筆かな〜。夫婦仲が大変良いこちがうかがえて、微笑ましい。あと、「星の子」のところも代好きです。寅次郎君は幸せだなあ。素敵がご家族。 -
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新潟県立近代美術館(長岡)で開催されている、「会田誠展」に行ってきました。
会田誠、新潟県新潟市出身の現代美術家。
コンセプチュアルだけど分かりやすくて(だってちゃんと解説がついているから)時にセンセーショナルでテクニシャンな作品たちに、魅了されっぱなし。
ん〜現代美術好きだし会田誠もその中ではわりと好きなほうかな〜
が、
好きだ!!
に変わりました。
(ご本人にも会えたし!ミーハー!)
「わりと好きなほうかな〜」
だった理由が、氏のエッセイ第一弾「カリコリせんとや生まれけむ」が面白かったから!というのがあったのですが、第二弾もあるはずなのにどの本屋に行ってもない。
でもさすがに個展の物販にはあるだろ〜
と思ったらやはりありました!
文庫版の発売日を見たら、1ヶ月前。
なーんだそんな最近だったのねー。
感想としては、第一弾のほうが面白かったのですが、第二弾もなかなかハプニング続きで。。
会田誠さんの文章にはほんと中毒性ありますね。作品もしかり。
あーいまどっぷり浸かりすぎてやばいです。
とりあえず個展にあと2回くらい行きたい。 -
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「暇つぶし」というやまとことばのもつ響きはいかにも怠惰ですが、それに代わる表現をこんにち知るに至りました。
会田誠がたびたび使う「消閑」という漢語。
なんかいい感じなので今後使わせてもらおう。
20代の頃の会田誠が「あなたにとって芸術とは?」という質問に対して「退屈しのぎです」と答える場面が出てくるが、これも「人生の消閑です」と答えていれば格好がついていたのに。
ある種の悟りの境地にいるんですね。
人の神経逆なでしたいとか自分は三流絵師だとか言うあたりは、だから嫌われんでしょと言ってやりたいが嫌われたいらしいのでまあいい。
一方で自分のルーツについて分析したり、芸術界を憂慮したりするあたりは、なんだ真面目じゃないかとも思う。
どこまでいってもアンビバレンドなんですね。
よっ、天才。
天才となんちゃらとは紙一重。
星の子に幸あれ。 -
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会田誠のエッセイ集、読むのは二冊目。
アナーキーかつアウトローな現代美術家でありながら、こんなにも地頭のいい文章を書ける才能。これまでフツーに学校出てフツーに会社で働いてきた一般ピーポーの立場からみると、憧れはもちろん軽く嫉妬すら感じます。
そういえば"非道に生きる"の園子温にもどこか通じるものがある。
自分の家族をここまで冷酷無比に分析できるものかと感心できる「カレー事件」
あまりにも使い古された言葉・愛について物申す「愛さえなければ」
作品のルーツと変遷、その謎が解かれる「マルクスの奥にエロがあった」
…など充実すぎる内容。
その切り口と読後の爽快感、突き抜けている。小難しいロジックの無い哲学書、と呼びたい。
それから精神科医のあとがき解説も秀逸。これは精神科医じゃなきゃ書けん。
芸術家はもっと饒舌であってもいいと思った。彼の作品には、それを言ったら(やったら)オシマイなどということはない。曰く「暇つぶし」でしかないのだから。