会田誠のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
芸大生になる前日譚の美大予備校生のリアルが会田誠視点で描かれている。まだ何者でも無い青春期の芸術を志す若者達の瑞々しさが眩しい。知恵や諦念に染まる前の10代の勢いが漲っていた。そういうところから、芸術や音楽や思想が生まれるのだろう。
欧米と日本の芸術に対する認識の違いが、世界と日本の辿った美術史の観点から解説されていて興味深かった。関氏という人物が美術の分類と変革を解説してくれて為になった。美術に限らず哲学、文学、政治、あらゆる文化は変革していく。枠組みを破壊したり、新たに構築しながら、変化していく。変革のイニシアチブが芸術家にあるのなら、彼らは革命家でもある。
美大受験と美大予備校の内部事情も知らないことばかりで面白かった。芸術という性質上明確な点数化が難しいのでは、と常々思っていたが、そんなカラクリがあったとは。美大受験は芸術を爆発させるだけではパス出来ない。
他の様々な分野と一緒で、様々な試みを経て、芸術も進化せねばならない。人類の歴史そのもののように。美術におけるシステムのメカニズムを知ることが重要だと作中で言っているが合点がいく。会田誠は物議を醸すことが多い芸術家の1人ではあるが、芸術の根源を疑い、時に壊し、彼自身の哲学も同時に爆発させ続けているのだろう。
人間は思考を止めたら終わりだ。美術とて例外では無い。
最後の秘境 東京藝大 天才たちのカオスな日常も面白かったが、多摩美の芸祭は大学生らしい大学生といった感じで、変人ばかりではないんだな。芸大はよりディープな思想家が多い印象。