【感想・ネタバレ】カリコリせんとや生まれけむのレビュー

あらすじ

村上隆、奈良美智と並ぶ天才美術家、会田誠。物議ばかりを醸してきた彼の頭の中身はどうなっている? カリコリっていったい何? アートの最前線から、制作の現場、子育て、2ちゃんねる、中国、マルクス、料理などをテーマに、作品同様の社会通念に対する強烈なアンチテーゼが万華鏡のように語られ、まさに読み始めたら止まらない面白さ!!

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Posted by ブクログ

会田誠展に行って感激し、エッセイ第二弾を1日で読み終え、どうも会田誠の毒が抜けきらないので、エッセイ第一弾を読み直し。
いま読むとまた新たな発見が。

そのひとつが「chim↑pom」。
エッセイ第二弾でも少し触れられていたので気になってググったところ、以前ある美術館の企画展で見た、「カラスを呼び寄せるパフォーマンス」をしていた芸術家集団だということが判明。
あーあれね。。
(あのパフォーマンスについて私は批判的。)
そして第一弾に書いてあったのが
「chim↑pomの『ピカッ』について」。
以前、広島の空に飛行機で「ピカッ」という文字を書くというゲリラパフォーマンスをやりかなりバッシングを受け、その数日後、中国人アーティストが黒い花火を打ち上げ、これも賛否両論あったものの大きな問題にはならなかったらしい、という話題について。
この中国人アーティストの個展も、最近横浜に見に行ったばかり。
なんだかいろいろつながってる!!

このエッセイの中で一番好きなのは、奥さま・奥田裕子さんの代筆かな〜。夫婦仲が大変良いこちがうかがえて、微笑ましい。あと、「星の子」のところも代好きです。寅次郎君は幸せだなあ。素敵がご家族。

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2015年09月22日

Posted by ブクログ

「暇つぶし」というやまとことばのもつ響きはいかにも怠惰ですが、それに代わる表現をこんにち知るに至りました。
会田誠がたびたび使う「消閑」という漢語。
なんかいい感じなので今後使わせてもらおう。

20代の頃の会田誠が「あなたにとって芸術とは?」という質問に対して「退屈しのぎです」と答える場面が出てくるが、これも「人生の消閑です」と答えていれば格好がついていたのに。

ある種の悟りの境地にいるんですね。

人の神経逆なでしたいとか自分は三流絵師だとか言うあたりは、だから嫌われんでしょと言ってやりたいが嫌われたいらしいのでまあいい。
一方で自分のルーツについて分析したり、芸術界を憂慮したりするあたりは、なんだ真面目じゃないかとも思う。

どこまでいってもアンビバレンドなんですね。

よっ、天才。

天才となんちゃらとは紙一重。
星の子に幸あれ。

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2015年05月24日

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会田誠のエッセイ集、読むのは二冊目。

アナーキーかつアウトローな現代美術家でありながら、こんなにも地頭のいい文章を書ける才能。これまでフツーに学校出てフツーに会社で働いてきた一般ピーポーの立場からみると、憧れはもちろん軽く嫉妬すら感じます。
そういえば"非道に生きる"の園子温にもどこか通じるものがある。


自分の家族をここまで冷酷無比に分析できるものかと感心できる「カレー事件」
あまりにも使い古された言葉・愛について物申す「愛さえなければ」
作品のルーツと変遷、その謎が解かれる「マルクスの奥にエロがあった」
…など充実すぎる内容。
その切り口と読後の爽快感、突き抜けている。小難しいロジックの無い哲学書、と呼びたい。
それから精神科医のあとがき解説も秀逸。これは精神科医じゃなきゃ書けん。


芸術家はもっと饒舌であってもいいと思った。彼の作品には、それを言ったら(やったら)オシマイなどということはない。曰く「暇つぶし」でしかないのだから。

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2013年05月30日

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にゃるほど
会田誠だ、意外性もなく会田誠

彼は弱者として自分を認識して自嘲的な発言や作品作りをしていたけど、最近では年もとってみんな知ってるすごいアーティストみたいになってしまったからポジション的な発言や作品が通じなくなっているかも

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2025年02月15日

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ネタバレ

美術家の会田誠さんのエッセイ集。
個性が大事とかいいつつ、皆と一緒じゃないのはダメな人間、という矛盾がまかり通っている中で、息子さんが学校で暴れているのは、一つの個性としてとらえれば「星の子」なのかも、と。奥様は大変だろうけどね。その奥様に執筆が間に合わないから振ってしまうとか、大人になって上手くシフトチェンジできたら、それはやっぱり個性になるのではないでしょうか。
ちなみにタイトルの「カリコリ」は奥様に頭を掻いてもらう、会田さんの好きなことらしい。

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2016年02月08日

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現代美術作家の会田誠さんのエッセイです。一応真面目な現代美術論もあるのですが、まったく肩も凝らずに読めるというお得な本です。

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2015年06月05日

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痛快エッセイ。
子どもの育児について著者の妻の話が面白い。
子どもが幼稚園のとき。
息子が友達に一言
「みんなは将来のこととかちゃんと考えてんのかよ!」
と叫んだ。園児一同「ポカーン」。
先生がなんとかフォローを入れようと
えっとね、でもこの間〇〇くんは大きくなったら
サッカー選手とかアイドルになりたいって言ってたじゃない。」
と言うと、息子虎次郎は、一瞥して
「ハァー?アイドル~?ケッ、あんなの宝くじに当たるような確率じゃなえか」
なんというマセタ幼稚園児。

その他、面白ネタ満載の本。

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2015年05月20日

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芸術家、会田誠さんのエッセイをまとめた本です。
ちょっとばかりひねくれて生きている人は「あああ、そうそう」と思いながら読めるはず。
心の中でもやもやといつも考えていることを
上手に言葉に置き換えてもらったような気がする。
普通は思っても口にしないところを言ってしまうところが芸術家さんならではかと思った。

けれど、ただの言いたい放題であればそこまでイイとは思わなかった。
それでも自分なりの真面目さで生きていることが分かるところがこの本のいいところだと思う。
(なんだか表現が上からになったけど、決して他意はないごめんなさい。。)

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2014年06月20日

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ネタバレ

幻冬舎のPR誌に連載された会田誠さんのエッセイ。「カリコリ」とは頭を掻いてもらうときに聞こえる音らしい。必ずしもうまくいっていない両親との関係や小学生になる息子の注意欠陥多動性障害(氏はそういう子供を「星の子」と呼ぶ)の話など、家族が読んだらショックを受けるのでは?という内容や、原稿書きをさぼって奥さんに書かせた回もあり、必ずしもうまい文章というわけではないですが、味のある文章でアートに対する考え方、作品の背景等伺えて興味深い内容。

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2014年02月11日

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会田さんの文章も絵も面白い(笑える)から好きだ。わたしは批判精神もそれに伴うべき高度な知識や表現技術も持ち合わせていないので、ただ面白い面白いと追っかけています。中毒性というやつ。。みんないっしょシリーズが好きですと言ったとき、良いファン!と言われたとき、わたし会田さんのこと追っかけてこれからも面白がろうって思ったんでした。

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2014年01月06日

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大磯、とかじゃなく、東金っていうのが、好きです。
かっこつけてないから、かっこいい。
かっこつけてても、それを自覚してるからかっこいい。
惚れちゃうなぁ。

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2013年12月02日

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 何かと話題の多い現代美術の旗手によるエッセイ集。会田誠の纏まった文章を読むの初めてだが、クスリと笑わせるセンスが素晴らしい、面白い。
 自分ネタに家族ネタのバカ話、くだらないエロ話に垣間見える批評性にも惹き込まれました。

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2013年03月05日

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フェミニスト集団から怒りを買ってる会田誠のエッセイ集。

収録されている話が3〜4年前のものばかりなので話題が少し古い部分もあるが、創作に対する一貫した思いは現在開催中の六本木の展示会を見ればぶれていないと誰もが気付く。

子育てをすることで自身の親子関係を振り返ったりする話が興味深かった。

実は日常に潜んでいる家庭の歪さを嗅ぎ取る感覚にとても共感できた。
僕の家庭もなんだかそれぞれの役割が欠落した家なので。

そして作品に関する思いの一つとして「個人的なメッセージは絶対にいれず、見たお客さんが楽しめることが大前提」と序盤で書いていて、芸術家というよりはエンターテイナーとしての側面の強さも納得。

文章もめちゃくちゃ上手い。言葉選びのセンスが“普通に”イイ。文筆家として食べていけるんじゃ。

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2013年02月16日

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内容(「BOOK」データベースより)
村上隆、奈良美智と並ぶ天才美術家、会田誠。物議ばかりを醸してきた彼の頭の中身はどうなっている?カリコリっていったい何?アートの最前線から、制作の現場、子育て、2ちゃんねる、中国、マルクス、料理などをテーマに、作品同様の社会通念に対する強烈なアンチテーゼが万華鏡のように語られ、まさに読み始めたら止まらない面白さ。

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実に面白い! 失礼を承知で敢えて書くが、まるで自分が書いた文章のようにシンパシーを感じた。軽くて読みやすくそして奥が深い、エッセイの名品!

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2013年01月27日

Posted by ブクログ

赤裸々、悪態、諦め、透明感、客観視、嘘抜き。得た印象はそんな感じ。少女熱以外は、どこまでも絵をかくこと、作品をつくることに筆を砕いてるのが素敵だ。
所々声あげて笑った。
作者の料理方法の回と、絵がうまくなった過程の回が好きだったな〜
「星の子」は明言。
多分持たない方がいいのだけど、根本敬に興味がわく。

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2012年11月11日

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裏表紙の解説ほど気負ったものじゃあないかな。
奇抜な作品の多い著者の内面を少しだけ見られて、満足はしている。
ただ、奥さんの文章はいらんかったなぁ。

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2019年09月11日

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美少女画家会田誠のエッセイ。
日常雑記的な部分も面白いけど、やっぱり彼のアート的感覚、その広がりかたや固執の仕方が興味深い。
フェミに嫌われてるらしいけど何でだろ。いや、何でかはわかってんだけどそれでも何でだろと。

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2013年07月25日

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自分にとってアーティストの著書を読むのは何といってもアーティストの人となりを知りたいと思うから。この方の場合、意外なところで「やっぱりかわってるなぁ!」「案外常識的なのだな」と思った。そして【かりこり】が、まさかこんな事だとは…!呆れるやらなんとやら。

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2013年04月15日

Posted by ブクログ

森美術館で開催されていた「会田誠展」が面白かったので読んでみた。まぁ当たり前のことながら著者はアーティストとしての作品の方が才気ほとばしっている感じはするが、文章は文章で味わい深いユルさがある。特に奥さんまでも巻き込んだ(?)息子騒動記「東金の暮らし」「子育て失敗中!」や、著者がトンガっていながらいかに「常識」的であるかが伺える「美術の若者たち」が面白かった。

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2013年04月03日

Posted by ブクログ

著者の少女に対するずば抜けた描写力。それは思春期に大場久美子にハマったことに端を発している。彼女の写真を裸にするために消しゴムで胸や恥部を消し、鉛筆で再現するという、Photoshopの画像加工のようなことを手作業でやっていたという。美少女に対する偏愛と執着心こそが、著書の創作意欲の源泉なのだ。まさに、好きこそものの上手なれ。
また、本書では個展の締め切りに追われ、奥様がエッセイを代筆したり、星の子である息子さんのポエムが掲載されたりと、家族総出でのエッセイもオモシロポイント。

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2012年11月26日

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