会田誠のレビュー一覧
-
-
-
Posted by ブクログ
現代芸術家、会田誠によるエッセイ集だが、冒頭からして最高に面白い。なにせ、公開制作をするために滞在していた北京で胡散臭い健康グッズ(日本の火山岩から抽出した成分を使った湿布でリウマチを完治させる!)を紹介するCMに出演する話なのだから。それもその健康食品の開発者である怪しげな日本人の博士という体で、適当な日本語を話し、それらしく威厳を見せながら商品の説明をさせられるわけで、全てがハチャメチャで面白すぎる。
そんな芸術に全く関係ない話から、大阪の美術館でおばちゃん方を前に公開制作させられる苦痛、傑作『戦争画 RETURNS』に関するあれこれ、など、会田誠の文章力の高さと面白いエピソードの数々を -
-
Posted by ブクログ
赤塚先生生誕80年記念「バカ田大学」講義録。
泉麻人氏の「シェー論」を皮切りに赤塚ワールドにどっぷり浸ろうかと思ったのだがなにか雲行きが怪しい…みうらじゅん氏は孤高のマニアックネタ全開で畳み掛けて来るし坂田明氏に至ってはミジンコを壮大に語り出す始末!そう、この講義のお題は作品論ではなく赤塚イズムの根源にある「バカについて」だったのだ。
で気を取り直して各氏の講義に耳を傾ければやはりみなさん一芸に秀でたバカばかりで読めば納得の充実感。
このスピリッツを受け継いで行かねばこの国は亡びるぞ、灰色のシャム猫は言った「悪バカは良バカを駆逐する」と…これでいいのだ -
Posted by ブクログ
フェミニスト集団から怒りを買ってる会田誠のエッセイ集。
収録されている話が3〜4年前のものばかりなので話題が少し古い部分もあるが、創作に対する一貫した思いは現在開催中の六本木の展示会を見ればぶれていないと誰もが気付く。
子育てをすることで自身の親子関係を振り返ったりする話が興味深かった。
実は日常に潜んでいる家庭の歪さを嗅ぎ取る感覚にとても共感できた。
僕の家庭もなんだかそれぞれの役割が欠落した家なので。
そして作品に関する思いの一つとして「個人的なメッセージは絶対にいれず、見たお客さんが楽しめることが大前提」と序盤で書いていて、芸術家というよりはエンターテイナーとしての側面の強さも納 -
Posted by ブクログ
内容(「BOOK」データベースより)
村上隆、奈良美智と並ぶ天才美術家、会田誠。物議ばかりを醸してきた彼の頭の中身はどうなっている?カリコリっていったい何?アートの最前線から、制作の現場、子育て、2ちゃんねる、中国、マルクス、料理などをテーマに、作品同様の社会通念に対する強烈なアンチテーゼが万華鏡のように語られ、まさに読み始めたら止まらない面白さ。
----------------------------------------
実に面白い! 失礼を承知で敢えて書くが、まるで自分が書いた文章のようにシンパシーを感じた。軽くて読みやすくそして奥が深い、エッセイの名品!