宇野重規のレビュー一覧

  • 保守主義とは何か 反フランス革命から現代日本まで

    Posted by ブクログ

    保守とは昨今人口に膾炙する言葉ではあるが、定義するのはなかなか難しい。そんな中で、保守主義についてコンパクトにまとめた本。特に日本の保守主義についての部分が示唆に富む。

    0
    2017年05月14日
  • 保守主義とは何か 反フランス革命から現代日本まで

    Posted by ブクログ

    これまでいい加減に考えてきた、保守、革新、右翼、左翼ったものについて、ちゃんと整理できてよかったと思います。

    その上で保守についてのイメージがだいぶ変わりました。守るべきものは何か、そしてそれは、どういう歴史的経緯で守るべきとされているのか、その自覚がなければだめなのですね。

    0
    2017年03月02日
  • 高校生と考える日本の問題点 桐光学園大学訪問授業

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    読書途中。20人の講師による。一人90分の講演会の収録である。一気に読めるはずもなく、じわじわと読んだ。
    姜尚中の講演のなかで、夏目漱石が奥さんをなぐっていたエピソードがあった。ノイローゼであったらしい。私は夏目漱石になれないけど、夏目漱石よりましだなと少し思った。考えかたとしてまちがっているのかな?どんな偉い人もほんとうにいろいろな苦しみにもがいていきているのだと思い直した。
    20名全て役に立つわけでないが、中には、気に入る人もいるかもしれないとのことだろうか?3.11後の話など考えさせられたり。光触媒の話は興味を覚えた。文学、美術に関心を持った。宇宙論や素粒子の話は、わからないので、もうい

    0
    2017年01月01日
  • 保守主義とは何か 反フランス革命から現代日本まで

    Posted by ブクログ

    筆者は、イギリス社会学者アンソニー・ギデンズが用いた「ポスト伝統的社会秩序」という言葉の解説によせて、今や広義の原理主義が台頭したと指摘する。なにが「伝統」でなにが「権威」かなど再定義する意味はなく、人々は守ろうとしているものが「私の伝統」「私の権威」に過ぎないという可能性を認めている。「進歩」や「革新」といった言葉が輝きを失った現在、それに相対して生まれた保守主義もまた迷走をはじめたというのである。しかしながらそれでも、共通の認識を欠いたまま「保守」を自認する人が増えているとき、「保守とはなにか」という疑問が生じる。本書はそうした経緯でもって著されたようである。

    本書の冒頭にて筆者が引用し

    0
    2016年07月25日
  • 保守主義とは何か 反フランス革命から現代日本まで

    Posted by ブクログ

    いわゆる保守の考えについて、筆者なりに定義をした後、その学説の変遷について、筆者なりの分析軸を設定してまとめた本。

    0
    2016年07月24日
  • 〈私〉時代のデモクラシー

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    現代の日本人、特に若者の抱えているもやもやとした感情や思いを、社会学としてトクヴィルの平等理論を柱に用いて説明。

    ・〈私〉であることを強く求めるようになっており、そのため〈私たち〉というデモクラシーを起こす事が難しくなってしまっている。社会の中で以前は機能していた、公私をつなぐ中間の存在が、企業など、役割を縮小していることが一因

    ・一方で、〈私〉であろうとするには、社会が機能していなければならない。なぜなら、〈私〉であるためにはどうしても他との比較が必要であり、かつ、〈私〉でいてもよいという承認機能を持つのは社会であるから。

    など。

    他、印象に残ったこと。
    ・社会問題が個人問題として現

    0
    2014年10月19日
  • 〈私〉時代のデモクラシー

    Posted by ブクログ

    【読書その74】SMAPの「世界で一つだけの花」のように「ナンバーワンよりオンリーワン」。一人ひとりが私という存在を強く意識する社会。その中にあっていかに「私たち」の問題を解決するデモクラシーを実現するか。郵政選挙での自民党の圧勝時の中曽根元首相による「粘土が砂になった」という言葉は極めて重い。

    0
    2014年03月25日
  • 民主主義のつくり方

    Posted by ブクログ

    民主主義においては、物事を決めるのに時間がかかると思われがち(実際そう)であるが、この理念を復活させる試みをしているのが本書。また、この理念を実践している例を挙げている。

    政治思想系の本は、概念を打ち出し、それを巡る議論をトレースして終わる本が多い気がする。このような本を読んでも、言葉遊びをしているなぁという印象だけしか残らない。しかし、本書は、民主主義の概念についての議論を展開するのみでなく、その実践についての具体例が挙げられている。この点が本書の良かった点である。

    0
    2013年12月15日
  • 〈私〉時代のデモクラシー

    Posted by ブクログ

    階級社会から平等社会への移行期に民主主義を見つめたトクヴィルを起点に、グローバルに平等意識が拡張された「私」時代の21世紀の日本及び世界でのデモクラシーの在り方について論じた好著。デモクラシーは権力の場に空虚を配置したフラジャイルなものであると同時に、それが故に常に内省を促すシステムであること、そして、個人主義が蔓延する現代で、各人の尊厳をリスペクトしつつ、「私」のイシューを「私たち」社会のイシューにして行く、ある種対話の場の重要性を提起している点に共感を覚えた。

    0
    2013年04月08日
  • 〈私〉時代のデモクラシー

    Posted by ブクログ

    トクヴィルの議論を契機としながら、個人化が進展した再帰的近代におけるデモクラシーの重要性を説いている。おおよそ、様々な社会現象を社会学や政治学の知見を用いながら、個人化の進展という視点のもとに分析する前半部と、そのような時代においてこそデモクラシーという政治制度が必要であることを主張する後半部に分けられる。そして最後に結論で本書での中核的主張をまとめてある。現代政治への規範的アプローチを考えるための手がかりを提供してくれる良書である。

    0
    2013年02月03日
  • 〈私〉時代のデモクラシー

    Posted by ブクログ

    自分の中でそんな昔の視点で語られても今は違うんだよ、って思っていた「今」をきちんと解説してくれた良作。なかでも昔も格差はあったはずなのに、むしろ弱まったはずなのに、なんで今はそんなに平等平等って騒ぐのか、それの解説が一番しっくりきました。

    0
    2012年03月11日
  • 〈私〉時代のデモクラシー

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     〈私〉が唯一の価値基準となった現代にデモクラシーを取り戻すことを論じた本。

     現代では〈私〉のことは〈私〉が決めることが前提となっていますが、〈私〉だけでは解決できないことも当然ある。そこで、〈私たち〉の意志で問題を解決すること(=デモクラシー)が必要となる。

     興味深いのは、現代は「前のめり」の社会になっているという論。全ての人がその仕事の”プロ”であることが求められ。待つことを許さない社会。その中では、今までと異なり、人生の見通しが立たないまま自己コントロールだけが求められる。

     そして、こうなった経緯には20世紀から福祉国家化が進み、家族の中でも個人化が進んだため、前提なしの

    0
    2011年06月18日
  • 〈私〉時代のデモクラシー

    Posted by ブクログ

    [ 内容 ]
    一人ひとりが <私> 意識を持ち、自分らしさを模索する現代。
    分断された <私> と <私> を結びつけ、デモクラシーを発展させることは可能か。
    平等意識の変容と新しい個人主義の出現を踏まえ、これからのデモクラシーを構想する。

    [ 目次 ]


    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる

    0
    2011年05月21日
  • 〈私〉時代のデモクラシー

    Posted by ブクログ

    タイトルにあるとおり、「私」という視点から現代社会について書かれている。「私」に焦点をあわせざるえない現代とは、言い換えれば、「社会」の底が抜けた「セカイ系」的な世界認識とも言えよう。そのなかで、デモクラシーはどのように成立しうるのかについて考察されている。現代日本を人文系学問のテクストから読み解くスタイル。現代社会を理解するうえで、参照点となる著作のレビューとしても役立つ良書。

    0
    2011年03月03日
  • 〈私〉時代のデモクラシー

    Posted by ブクログ

    デモクラシーって言葉の響きからはなんか古臭い響きを感じるけど、現代的な不安や孤独や憤りは実はデモクラシーの機能不全から発しているのだ、とのこと。

    孤独や不安や拝金主義や刹那主義は、生きる意味の不足から生まれる。
    人生に意味と方向性を感じることができなければ、目の前の快不快だけに注目して生きるか、幻想の中に生きるしかない。
    しかしあらゆる物事の価値基準を社会や伝統でなく、自分の中にだけ求めていれば、「生まれて死んでいくことに意味はない」という事実によって絶望とニヒリズムに追い込まれてしまうのは必至。個人には、役割と位置を与えて価値の源泉となる社会が必要。

    今足りないのはきっと生きる意味という

    0
    2011年02月11日
  • 〈私〉時代のデモクラシー

    Posted by ブクログ

    縁があって買った本。砂粒の集まりみたい社会とその民主主義の問題やなにかをなるべくわかりやすく書いてある…ように思うが、終盤を忘れてしまったので偉そうなことは言えない。

    0
    2011年01月09日
  • 〈私〉時代のデモクラシー

    Posted by ブクログ

    格差社会が出現したのではなく、格差が意識されるようになった・・と理解していいのかな。平等(垣根を取り除く)になることは、精神的には追いつめられるのと同義なのかぁ・・・。

    0
    2010年11月01日
  • 〈私〉時代のデモクラシー

    Posted by ブクログ

    まだ読み途中なので覚え書き程度に。

    内容は充実で現代を生きる上で重要と思われる。が、言いまわしがもう少し簡潔だと良いか。丁寧に説明しようとしている熱意はとても感じられる。

    0
    2010年09月08日
  • 民主主義とは何か

    Posted by ブクログ

    2024.12.25 前から読もうと思っていて、年末にやっと読み終えることができた。民主主義を盲目的に信奉する傾向があったが、色々と考えさせられる刺激的な内容だった。もっと考えてもっと行動しないといけないんだなぁと思う。この本が出てからの数年でも大きな(どちらかといえばマイナスの)変化が起きている。我々はサボっていると実感して反省中。

    0
    2024年12月25日
  • 選挙、誰に入れる? ちょっとでも良い未来を「選ぶ」ために知っておきたいこと

    Posted by ブクログ

    世界と日本を様々なデータで比較しており政治とどう向き合うかを考えさせられる。北欧は消費税などの税金が高いが、その分社会保障が充実している。それがいき過ぎると社会主義と変わらなくなるかもしれない。そうならないためにも選挙権をもってる民が政治を監視しないといけない

    0
    2024年08月17日