宇野重規のレビュー一覧
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ネタバレ民主主義の変遷と今日においての民主主義のあり方について記された本。
正直、アテナイ(古代ギリシア)から話が始まって時系列で進むので、政治に全く触れたことのない人にとっては少々難儀な本になるかもしれない。
私は民主主義の根源はくじ引きにある(語弊ありかもしれないが、一言でまとめると)と少しアテナイ民主主義を学んでいた故、読み進めることができた。
過程を割愛し(ここが重要であり、納得しながら読み進めたのだが…)、最後の結論を述べると、
・民主主義は人間が平等である状態、弱い者を尊重した上で成り立つものだ
・民主主義は選挙だけが全てとは言い切れない側面がある
・民主主義維持のためには市民の -
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古代から現代まで民主主義という思想がどのように具現化されてきたかが、新書というコンパクトなフォーマットにぎゅっとつまっている。語り口調は穏やかでとてもわかりやすい。
古代のテキストはあまり読んだことがないので、これを機に参考文献からいくつか読んでみたいと思った。また、本書を読みながら吉田徹『くじ引き民主主義』を思い出した。こちらも未読なので本書を手引きに読んでみたい。
それにしても、日本の状況を思い浮かべてみると独裁制に近いのではと思ってしまった。情報は破棄され、当事者意識は薄い。絶望したとて良くなることは何もないので、私も少しでも「自らの可能な範囲で、公共の任務に携わり、責任を分かちもつ」感 -
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フランス革命と闘い、社会主義と闘い、大きな政府と闘ってきた保守は今、何と闘っているのか。バークが論じた「偏見の上衣を投げ捨てて裸の理性の他は何も残らなくするよりは、理性折り込み済みの偏見を継続させる方が遥かに賢明である」との言葉に深く考えさせられる。一人一人の人間を考えたときに、偏見なく理性だけで生きている人は存在しない。ゆえにその集合体で考えた時にも、偏見をのぞき理性だけを残すということは、主体が人間であり限り不可能であると思う。人間ではないAIが将来そのような役割を果たすのかもしれないが、それは人間にとって賢明なことなのかどうなのか。「理性折り込み済みの偏見」はどのようなもので、どう継続で
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ネタバレ<目次>
第1章 ボランティアから始めた人
第2章 データで社会を変える人たち
第3章 自治体と一緒に始めた人たち
第4章 温故知新で地元をアップデートする人たち
第5章 目の前の一人を幸せにして社会を変える人たち
第6章 女性の視点から社会を変える人たち
第7章 座談会~これからの民主主義を考える
<内容>
COG(チャレンジ・オープンガバメンス)にコンテストをベースに、その優秀者(グループ)の人と、宇野重規さんとの対談集。COGは、自治体と市民・学生が協働して、地域を課題を解決することを目指すもので、コンテストの形でプレゼン大会を開いている。2016年度から始まっている。そ -
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【今後取り組むこと】
・民俗学、地元学を学び、そこからOGやCOのヒントを得る
・民主主義が言葉だけで終わらないように、自分ができるCOGを探し、実行する
・情報、統計リテラシーについての本を読む
・公務員に就職するとしたら、どんな行政を目指したいのかを言語化する
【本の趣旨】
字面だけで民主主義を唱えていないか?民主主義という名詞を動詞にした「チャレンジオープンガバナンス」。
COGとは、市民と行政が共同で地域の課題解決に取り組むことである。
民主主義とは、COGのような活動をすることではないか。今は自治体レベルで活発になってきている、国政レベルまで
【活動で大事なこと】
・批判は遠回り -
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ネタバレまさに、「民主主義とは何か」を考えさせられる本。政治に関する議論は、その抽象度ゆえ、どの議論を見ても、どこか認識が統一されてなく噛み合ってない印象がある。民主主義VS共産主義とか、簡単な2項対立にはできないし、ある程度幅をもった概念なので、議論においては言葉の意味について、丁寧に丁寧に認識をあわせるよう気を遣わねばいけないなと思った。
民主主義の本質は、人々が自ら政治に参加し、自分たちの問題を自分たちで解決すること。その意味で選挙や多数決は、構成要素の一部でもあるが、代表者を選ぶことだけが民主主義ではないし、少数者の意見尊重も重要、という意味ではやはり一部に過ぎない。
1人の支配 君主政