宇野重規のレビュー一覧
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民主主義って何なのさ 世界を見渡せばポピュリズムの台頭、独裁に近い指導者達の蛮行、政治家達の腐敗。民主主義って本当に理想的な制度なのか疑いたくなるような今日この頃です。
多数決と少数派の尊重の関係をどう捉えるか、民主主義とは選挙に尽きるのか、民主主義は制度か理念か、の3つの問いかけから始まる本書は、民主主義の思想と制度の歴史を振り返りながら、今日的な課題の中から、民主主義とは何なのかを丁寧に考察した良書です。
ポピュリズムの問題は代議制民主主義への不信と
グローバルな格差拡大を背景としたもので、両者の解決なしには乗り越えられないこと、独裁と民主主義については、民主主義の本質を再認識し真の民主主 -
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プラグマティズムが生まれたのは南北戦争がきっかけ。
信念を共有しない人々の存在を許さないイデオロギー的な対立をいかに克服するか考えた末のもの。
ルソーは問う。全ての人々と結びつきながら、しかも自分自身にしか服従せず、自由であり続けることは可能か。答えは社会契約しかないと彼はいう。
それはその社会の共通の意志に従うことを約束すること
プラグマティストたちにとって、理念とは、人間が世界に適応し、世界を変えていくための実際的手段であった。ある理念は、それ自体で評価されるべきでなく、あくまでそれを使い、実践することと不可分であるとする考え。
「超越主義」の基礎にあるのは、強烈な理想主義と個人主 -
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民主主義の立法権だけではなく執行権(行政権)への着目、新たなアソシエーションとしてのファンダムの可能性への対話。
行政権のアップデートは萌芽を感じる。
ファンダムは試みとして興味深いが、ポピュリズム以外の着地が浮かばない。
第1章 「平等化」の趨勢
・平等化をめぐる想像力。かつてと比べて「違い」は相対化されたが、むしろその小さな違いに敏感になる。平等化の趨勢は不可逆。
・道具の民主化と民主主義化は別物
・個人主義の不安
第2章 ポストマンと結社
・政治的集権と行政的集権を区別する
・「自由を援け合う術」としての結社(アソシエーション)。デモクラシーを相対化する。
・宗教(所属する教会など) -
Posted by ブクログ
評論文読書案内から。あと、先だって読んだ、高橋新書ガイドにも取り上げられていたし。昨今の情勢を鑑みると夢のようだけど、確かに以前、世界はいずれは民主化するという"常識"が存在したと記憶する。しかし現状そうはなっておらず、寧ろ遠ざかっていさえするのは、先進国のつまづきとか、独裁国が要所で示す意外な強さとか、そのあたりが前提を狂わせているからか。本書では、各時代の民主主義と、それぞれの政治思想とを合わせ見つつ、現在の状況に至った経緯を探る。その中で、民主主義にふさわしいのは抽選で、選挙はむしろ貴族政的性格が強い、という指摘は、今の日本にはまんま当てはまるのでは?と思えてしまった
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昔保守と革新、今保守とリベラル、ってことでこの本が生まれたのだろう。
アメリカのそれもねじれていると聞くが、日本はなお酷い。
今の自民党を保守と言えるか?
防衛費倍増といっても、アメリカの中古の武器を買うだけ。
2倍にするならその使途はまずは人件費だろう。
自衛隊員の待遇を良くし、人数を増やさなければ武器だけあっても闘えない。
アメリカの言いなりになっているだけの日本の政府と自民党。
そんなのは保守ではない。
反日統一教会との癒着でもそれは明らか。
それよりこの本の主題はリベラルにある。
立憲民主がリベラルかどうかはこの際置いておく。
日本最初のリベラリストは福沢諭吉である。
この定義 -
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ネタバレ私にはやや難解だったが、民主主義というもの、それ自体がつねに画然とした一形態として在った/在るわけではないと知り得たのは収穫だった。
ジーン・シャープの「独裁体制から民主主義へ」を読んだ後だったので、(むろんシャープは「各々の地域/歴史柄に合った民主主義が必要であると明記している)独裁体制と民主主義をたんに対立するものと解してしまいがちだ。
けれど本著は、私の本棚に寝ている「草の根のファシズム」という本のタイトルが知らず予感させる通り、独裁体制に迎合した民主主義があったことをも教えてくれた。このことは「民衆」が、自分たちの仲間を定義するとき、「自分たちに属さないものをばは外しても良い」と低きに -
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ネタバレ民主主義の変遷と今日においての民主主義のあり方について記された本。
正直、アテナイ(古代ギリシア)から話が始まって時系列で進むので、政治に全く触れたことのない人にとっては少々難儀な本になるかもしれない。
私は民主主義の根源はくじ引きにある(語弊ありかもしれないが、一言でまとめると)と少しアテナイ民主主義を学んでいた故、読み進めることができた。
過程を割愛し(ここが重要であり、納得しながら読み進めたのだが…)、最後の結論を述べると、
・民主主義は人間が平等である状態、弱い者を尊重した上で成り立つものだ
・民主主義は選挙だけが全てとは言い切れない側面がある
・民主主義維持のためには市民の -
Posted by ブクログ
古代から現代まで民主主義という思想がどのように具現化されてきたかが、新書というコンパクトなフォーマットにぎゅっとつまっている。語り口調は穏やかでとてもわかりやすい。
古代のテキストはあまり読んだことがないので、これを機に参考文献からいくつか読んでみたいと思った。また、本書を読みながら吉田徹『くじ引き民主主義』を思い出した。こちらも未読なので本書を手引きに読んでみたい。
それにしても、日本の状況を思い浮かべてみると独裁制に近いのではと思ってしまった。情報は破棄され、当事者意識は薄い。絶望したとて良くなることは何もないので、私も少しでも「自らの可能な範囲で、公共の任務に携わり、責任を分かちもつ」感