宇野重規のレビュー一覧

  • 民主主義とは何か

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    「ためになる新書」という意味では今まで読んだ中で一番と言ってもいい本。

    日本政治学会の理事長も務めるフランス政治思想の第一人者、宇野重規が民主主義の視点から政治思想史の流れを過不足なくまとめた良書。
    新書というジャンルは基本的に読み捨て前提で多読するものと思っているが、この本に関しては珍しく他の本で知識を得た上で読み返したいと思わされた。
    特に第四章の20世紀の政治思想は思想自体が多様で掴みづらかったのでリベンジしたい。

    一方で記述が教科書的なのが難点で、読み通せない程ではないが面白い本とは言いがたい。

    個人的には宇野先生ご自身の、トクヴィルやルソー的なピュアな民主主義への憧憬を称揚しな

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    2023年06月28日
  • 保守主義とは何か 反フランス革命から現代日本まで

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    めちゃくちゃ良い本だった。保守主義とは何を「保守」するのか、フランス革命に対して、社会主義に対して、大きな政府に対して、それぞれの歴史の中での文脈がとてもわかりやすい。ややこしいのはナショナリズム的なイデオロギーや新自由主義との結合、そしてネオコンの登場特に対外介入、東欧からのユダヤ移民の反共姿勢、各国の具体的なレジーム転換を焦点とするリアリズムなどネオコンの思想の特徴や経緯は簡潔だけどわかりやす。あと、日本における保守が何を保守すべきものなのかという終章の熱のこもった議論に宇野先生の想いと現在の日本政治への危機感を強く感じます

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    2022年12月04日
  • 〈私〉時代のデモクラシー

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    ネタバレ

    ちょうど同著者の『民主主義とは何か』を読み終えたところで、およそ3年ぶりに再読。せっかくなのでここ数年の間に流行したAdoの『うっせぇわ』と簡単に絡めてみる。

    「私が俗に言う天才です」と自分は特別であると思おうとすると同時に、「私も大概だけど」と心のどこかでは他人と何ら変わらないことを感じている。そして「ちっちゃな頃から優等生」「社会人じゃ当然のルールです」と押し付けられる理想や自己犠牲に強い不平等感を感じるのである。
    「でも遊び足りない/何か足りない」と満たされない思い。それを「困っちまうのは誰かのせい」として、自分の生きづらさを外部のせいにし、「うっせぇわ」と排除しようとするのである。「

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    2022年11月20日
  • 大人のための社会科--未来を語るために

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    ネタバレ

    ポピュリズムに危機感を持つ「大衆」が読むのにちょうどよい本。
    答えを示してくれるわけではないが、それこそが答え。
    各人が考えるべし。それが「社会人」の本来の意味ではないか。

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    2022年09月14日
  • 民主主義とは何か

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    民主主義について書かれた本。

    民主主義は独裁と異なり、成長していくものである。何故ならば、民主政治において、人々は主体性を持ち、責任を感じながら、意思決定をしていくことが求められるからだ。著者は民主主義について明確な定義をしていない。しかし、民主主義に関しては肯定的な意見を持っているように思われる。また、民主主義は市民が参加できるという点で、彼らの満足度を高めることもできる。当事者になることで、政治に対する責任が伴うからだ。また、民主主義では、自身の声が届き安いからだ。

    個人的には、コロナ危機の話に疑問を持った。このような危機的状態の中で、全ての人が政治に関心を持つことができ、さらにそれに

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    2022年09月06日
  • 民主主義とは何か

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    民主主義とは何か、を正面から考えまとめられた本です。結論としての「公開による透明性」「参加を通じての当事者意識」「判断に伴う責任」は、いずれも当たり前に見えてしまいますが、そこに至る様々な経緯、民主主義に対する厳しい現実と批判、解決への困難性を読むにつれ、それでもこの3つは大事にしなくてはならないものなのだ、心しました。

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    2022年07月28日
  • 学問と政治 学術会議任命拒否問題とは何か

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    菅首相による学術会議の任命拒否について、簡略に説明されている。学術会議の歴史、現状、拒否された本人からの推測についてマスメディアよりも詳しく書いてあるので、学術会議についての基礎的な知識と任命拒否の問題点を知るにはよい。

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    2022年07月24日
  • 自分で始めた人たち~社会を変える新しい民主主義

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    民主主義って本の最後の方にも書かれてたけど言葉からの先入観があって、選挙のことをイメージするし、動詞的ではなく名詞的で、なんとなく主義というものに他人事感があったけど、この本読んでくうちに いやいやこれ自分のことやん、それこそ最近職場で感じたモヤモヤのことやん、、て腑に落ちまくりで内臓突き破られました。

    あと、「はじめに」からこんなにハッ!とした書物はないかもしれない。
    "自分達の社会問題を、自分達の力で解決していくのが民主主義です。いわゆる「政府」や「役所」も、そのための手段に過ぎません。私たちは今こそ、民主主義を自分たちのものにする必要があります。"

    インタビューと

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    2022年04月24日
  • 民主主義とは何か

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    そもそも政治にあまり興味がなかったが、あんまり政治に興味がなくてもいけないだろうと思ってこの本を読んでみた。民主主義とは何か、というタイトルから、民主主義というものについてざっくり何かが掴めるかと思ったが、この本を読んでわかったことは「難しい」ということであって、前以上に掴めなくなった。この本によってある意味自分が、ただのイメージだけで民主主義というものに満足し、あまり言葉について具体を考えなかったことを理解させられたところがある。
    この本は、民主主義というものの在り方―そもそもそれが何を指しているのかについて、時代と、国、人に照らし合わせながら追っていくものである。同時に、哲学書でもある。各

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    2021年12月24日
  • 民主主義とは何か

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     「民主主義について過不足ない本を書いてみたい」という著者の思いが見事に実現した良書です。既に、2021年度の石橋湛山賞を受賞し、書評等でも高評価になっていますが首肯できる内容です(この一冊で、大学のテキストにもなるくらいコンパクトかつ親切なつくり)。政治思想史とも言え、古代ギリシャから現代までの考えを紹介の上、日本の民主主義について考察します。「結び」の20ページほどで著者の考えを述べていますが、相対する考え方を両論併記しつつも中庸の考えを展開しており、著者のバランス感覚が垣間見れます。
     
     民主主義とか日々の生活からは縁遠い印象を受けますが、この本が多くの人に読まれ、その上で政治論議が活

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    2021年12月15日
  • 未来をはじめる

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    著者の高校生への政治に関する講義を書籍化したもの。
    政治に関する講義と言っても、高校生にとって(そして多くの大人にとっても)非常に身近な話題を軸に行われた講義のため、読みやすくまた内容の理解もしやすかった。
    高校生とのやり取りも収録されているため、まるで自分が高校生と一緒になって講義を聞いているかのような気持ちになることができた。
    巻末には参考文献も豊富に載っており、興味の出た分野の本を次は読んでみようかなという気持ちになった。

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    2021年09月23日
  • 未来をはじめる

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    政治学を、人とどう関わるかという最小単位で身近な事例から説明しているのが読みやすかった。
    高校の倫理の教科書には載っていない、ルソーの人柄などを絡めて各思想について書かれているので、なぜその思想を持つに至ったかが分かりやすい。

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    2021年03月21日
  • トクヴィル 平等と不平等の理論家

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    トクヴィル―平等と不平等の理論家― 宇野重規

    宇野先生によるトクヴィルの解説書。学生時代から、トクヴィルファンを自認しているが、やはりトクヴィルの慧眼には舌を巻く。何より、デモクラシーの批判的分析の深さと、その対応策の検討の2点が、実際に政治家としての実務経験もあるトクヴィルの卓越した知性を物語っている。

    本書にまとめ的な文章はP181-182のデモクラシーのリアリティというところに集約されている。
    その文章をベースに本書の要約を行うが、トクヴィルのデモクラシー論の最大の特徴は、デモクラシーを単なる政治的な類型ではなく、そこに暮らす人々の思考や感性の在り方を含めた一つの社会類型として再定義

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    2021年01月24日
  • 未来をはじめる

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    面白いー!!!
    現在の「当たり前」は、意外と新しい。少し前の常識を私達はすぐに忘れる。

    例)
    多数決=民主主義ではない。
    男性稼ぎ手&専業主婦モデルは至って最近の分業モデル。(ずっと昔からの日本伝統モデルと思いがち)

    日本はどんな国になるべきか、民主主義に何を求めるか自分の頭で考える。そんな大きなことじゃなくても、自分の生活環境に対する不満とか何か変えたいことがあるなら、自分の頭で考え続けて行動に移したい。


    ■メモ:
    ・現在の「当たり前」は意外と新しい。私達は少し前の常識をすぐ忘れる。

    ・どれだけ平等化した社会でも対立は絶対になくならない。

    ・政治とは、互いに異なる人たちが

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    2021年01月18日
  • 未来をはじめる

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    日本学術会議で菅首相が任命拒否した6人の中にお名前を拝見し、初めて知りました。中学生や高校生を相手にされた講義を元に編まれた本ということで、読みやすいかなと思って読み始めました。
    政治を「人と一緒にいること」という視点で話し、とても親しみやすかった。
    また、ルソー、カント、ヘーゲルといった哲学者を「ザ・政治経済の教科書」ではなく、血の通った人間として語り、なぜそういう思想に至ったのかまで丁寧になぞってくれて、理解が深まりました。
    民主主義イコール多数決でもないし、民主主義も多数決も、絶対のものでもない。思考停止して受け入れるのではなく、考えるところから始めよう。
    また最後にプラグマティズムの話

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    2020年10月28日
  • 未来をはじめる

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     ここ最近読んだ政治の本でいちばんの当たりでした。お笑い芸人のたかまつななちゃんの「政治の絵本」は政治の仕組みに特化した良本でしたが、こちらの本は、もっと根本的な、感覚的な疑問や問いから「民主主義とは何だろうね?」「政治って何だろうか?」と女子中高生の実感覚を大切にしながら理解を進めていっています。
     ここの大きなテーマでもあり、根源的な出発点でもある「人と一緒にいること」から、それぞれの分野で社会を良くしていくという志や希望、方法、考え方、視点の基礎を教えてくれます。
     この本の中では中高生が出てきます。やはり話のレベルは高校生の方が高いです。発達段階や知識経験の量からくる違いの差が大きいで

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    2020年05月14日
  • 未来をはじめる

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    社会人になった今学校に通いたい。勉強したい。
    そう思わされる本です。

    現在の日本社会の仕組み、政治のこと、世界の動き…
    社会人になってからニュースがものすごく気になるようになりました。

    学生時代はあくまで座学にすぎなかった。勉強してることと生活を重ね合わせることなく、勉強は勉強。受験のためのもの。
    大人になってから、ふとしたときに枕草子の一節を思い出したり、お吸い物の塩分濃度が気になったり。
    こういうことかぁ。生きていくために学校に行っていたんだな、って、やっと分かった。


    私は今の生活、日本の社会保障の仕組み、税金の使い方、政治に納得してない。もっと良いやり方があるはずだって思う。でも

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    2020年02月11日
  • 未来をはじめる

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    本書の元になったのは、東京都豊島区にある豊島岡女子学園中・高において行われた全5回の講義。
    豊島岡女子学園といえば、近年桜蔭に次ぐ東大進学者数を誇り、超進学私立女子校として名を馳せている。
    賢いお嬢様方に向けての講義は、賢くないけれどそれなりの年月を生きてきたオバさんにも分かりやすく、政治というモノの見方を変えてくれた。

    遠い昔、社会科の授業で歴史や地理の分野は好きだったが、公民だけはピンとこず、サンケンブンリツ…権力が分けられていることすらイメージできなかった。
    それは、歴史や地理は自分と地続きであるが、選挙権もない保護下に置かれた子どもには、公民が自分とつながっているモノであるという認識

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    2020年01月25日
  • 未来をはじめる

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    身近な切り口から政治を考える本。某女子中高での講義録ですが、平易に見えて難しい内容についていく学生がすごいと感心。内容も時事問題を取り上げつつ、古典も掘り下げるもので読み応えあり。「一緒に社会を変えていこう」とのメッセージが清々しい。

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    2019年03月28日
  • 未来をはじめる

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    身近な人との関係を考えることが政治について考えることにつながる
    身近な不具合や理不尽の解決には社会や政治のあり方まで辿らないとできないことも多い

    自分がどういう未来を描くか、自分に出来る1歩はなにか。

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    2019年03月14日