宇野重規のレビュー一覧

  • 大人のための社会科--未来を語るために
    仕事関係のとあるきっかけで手に取った本。

    社会科って実用的なイメージだったけど、社会科学となるとまた違った効用があるんだな、と知ることが出来た。

    身の回りのことを分析して、自覚して、
    「これは出来ている」「これはまだ出来ていないから、このあとどうしちゃおう」
    と将来を楽しみにするのが、役立て方の...続きを読む
  • 未来をはじめる
    豊島岡女子学園中学校・高等学校において行われた講義の講義録のような本です。中高生が読んでもいいし、大人が読んでも面白い内容です。
    現代の日本の問題を取り上げつつ、民主主義、グローバリズムなどの問題に切り込んでいきます。
    結論を急がず、一緒に考えていくというスタイルがいかにも講義という感じです。
    政治...続きを読む
  • 保守主義とは何か 反フランス革命から現代日本まで
    保守主義の定義はいろいろあるとしても、自分にはハイエク的保守、すなわち理性を絶対視する傲慢な革新主義者/集産主義者に対する批判としての見方が最もしっくりきた。特定の個人や組織に社会全体の情報をすべて把握できるのかという懐疑は健全と思う。自生的秩序に基づく自由の実現がこの考え方の核心となる。
  • 大人のための社会科--未来を語るために
    『運動が起き、それが広がるためには、「参加者の間で何らかの価値が共有されていること」そして「その価値が相手にも共有されていると考えていること」が必要』

    相手にも共有されていると考えていること、これが難しい。運動まで行かなくても、仕事の部下と上司の関係でも同じことがいえるんじゃないだろうか。多様な...続きを読む
  • 大人のための社会科--未来を語るために
    大学教授等の専門家が、現代社会での事柄について、上から目線で述べたもの。本書作成の発想はとても良いと思うが、共著となっているので章によって、質にばらつきがあり、感動的な内容がある一方、読むに堪えない稚拙な部分もある。特に松沢氏の意見は、左翼的で賛同しかねる箇所が多く、また下から目線で本書作成方針に反...続きを読む
  • 大人のための社会科--未来を語るために
    全体としての問いかけにはすごく共感できるものがあるが、いかんせん学者さんなのでソリューションがぼやっとしている感は否めない。また、章ごとに質が異なっていて、身近に感じるもの感じないもの、抽象的なもの具体的なもの、賛同できるものできないものとバラついている。勉強になったところもあるので、気持ち的には星...続きを読む
  • 大人のための社会科--未来を語るために
    高校生でも十分に読める易しい語り口で、論点がすっきりと整理されている本。学問を通じて「世の中をちょっとでもましなものにしたい」という思いが前面に表れていて、好感が持てる。
    表紙もgood。
  • 大人のための社会科--未来を語るために
    日本の社会を、12のキーワードの切り口から、社会科学の手法により考察、分析している。ポストGNP、多数決の基準の取り方で変わる結果は考えさせられる。本書でも述べられているが、近代を主導する理念が、進歩から希望に変わり、未来への思考が楽観的から懐疑的に変わりつつある意見は一聴に値する。
  • 大人のための社会科--未来を語るために
    20180503 自分なりに今の政治にモヤモヤした気持ちを持っていた。そんな時にこの本を見かけた。そうだ、基本を理解していないから答が出てこないんだとの思いで読み始めた。各担当者の知識はもちろんだがテーマに発生するだろう疑問に対しての回答もわかりやすい。今をつかむために気になるテーマからでも読む事を...続きを読む
  • 大人のための社会科--未来を語るために
    現代社会を切り込んでいるように思えて、そうでもない書きっぷり。SEALDSの運動が18歳選挙権を促したように書かれてあるが、そうとは思えない。
    章立てしてあるが、論点がいまいちわからず、読み投げ。
  • 大人のための社会科--未来を語るために
    これからの社会をよりよくするためのヒントとして、一人一人が考えていかなければならないテーマを4人の著者が解説した本。取り上げられているテーマは、GDP,勤労、時代の分け方、多数決、社会運動、私、公正、信頼、等々全12項目。
    できるだけ平易に書いてくれているのだとは思うが、それでも筆者にとってはまだ難...続きを読む
  • 大人のための社会科--未来を語るために
    GDPに代わるもの=HDI(ヒューマンデベロップメントインデックス)。概してGDPに比例する。
    国民総幸福量=GNH。

    功利主義基準(全員の効用の足し算)、ナッシュ基準(掛け算)、マクミラン基準(最低のレベルに着目)。
    どの基準が幸福の算定にいいか注意する。

    日本人には「働かざるもの食うべからず...続きを読む
  • 大人のための社会科--未来を語るために
    もともとあまり「社会科」は好きではなかったし,今でも「社会学」とか「社会学者」って漠然としてアヤシイと思っているんだけど,読んでみた。
    読みやすいし,「そうだね」「なるほど」と共感することは多いものの,結局「社会科」って何なのかはよく分からない。
  • 保守主義とは何か 反フランス革命から現代日本まで
    仲正氏の著作にも言えるが、愛国者でない人が書いた保守主義の解説書は、対象への距離感が冷静で、手際よくまとめられている。本書は、第3章の近年の保守主義(ネオコン)に対する論考は類書にないが、バーク由来の保守思想とは完全に別物であるような気がする。結論として、保守主義を憲法9条の擁護につなげるのも、仲正...続きを読む
  • 保守主義とは何か 反フランス革命から現代日本まで
    保守主義とは何か

    イギリスのEU離脱を考える上で、一度保守主義について勉強したいと考えて読んだ。
    かねてからトクヴィルなどを読んでいたため、保守主義と私の考え方は親和性が高いと考えていたが、読んでみるとやはり親和性の高さを再確認した。
    保守主義といっても実はバラバラで、フランス革命に対してや社会主...続きを読む
  • 保守主義とは何か 反フランス革命から現代日本まで
    ○書店で本書を手に取って、保守主義って何だろう?って改めて考えてみたのですが、答えは出ませんでした。あまり意識するようなことではないですから。
    ○そこで本書を読んでみたところ、保守主義とは、現在の法制度や制度は、歴史的に形成されてきたものであることから、抽象的な理念やイデオロギーで全面的に変更するこ...続きを読む
  • 〈私〉時代のデモクラシー
    トクヴィルをはじめ多くの思想家・理論家の言葉が引用されている。
    そのどれもが意味をもって2014年を照らしている。
    今民主主義について考えるにあたって、最良の一冊のひとつであるように思われる。
  • 民主主義のつくり方
    民主主義に熟議は必要だが、決められない政治にもつながりやすい。

    ルソー型の政治に対して、南北戦争に発するアメリカのプラグマティズムの政治が、民主主義の打破する可能性があることがわかった。

    とはいうものの、アーレント、ハイエク、ロールズ等々、もちろんプラグマティズムの思想家の言葉が引用されているの...続きを読む
  • 〈私〉時代のデモクラシー
    「はじめに」と「むすび」が素晴らしくよくまとまっていて、それだけでもいいくらい。

    新書にはよくあることだけれど、本書も、基礎知識があまりない人には難しく、社会科学を学んだ人には物足りない内容なのでは。初学者向けというのかも。

    新しいと思える発想などは特になかった。平等意識の変容はよく言われていて...続きを読む