宇野重規のレビュー一覧

  • 民主主義とは何か

    購入済み

    なるほど

    身近だけど難しい民主主義。原題の病巣を炙り出す識者の慧眼。民主主義を理解する一助になること請け合いである

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    2021年05月02日
  • 未来をはじめる

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    中高生に向けた講義の内容を書籍にしていて読みやすかった。
    改めて私たちの社会にはいろいろな場面で政治があることを再認識した。
    学生の頃にこういう授業を受けられていたらもっと身近で必要なものであり常に考えなきゃいけないと思えたかな。
    この講義を受けている学生さんたちの意見や質問にはすごい感心した。
    ハンナアーレントの言葉が良かった。

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    2021年04月05日
  • 民主主義のつくり方

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    「民主主義」を説明する際には主権論やルソーの一般意志が引き合いに出される。しかし現代社会においては右派・左派の分断を引き合いに出すまでもなく、社会の総意としての一般意志が存在するという仮定は機能しなくなっているのではないかという疑問は研究者でなくとも持つものだろう。

    本書は学術会議の任命拒否問題でも注目を集めた宇野重規教授による一般向けの「新しい民主主義」解説書である。本書において宇野は一般意志を理想とした従来の民主主義観から、プラグマティズム的な民主主義観への転換を試みている。

    プラグマティズムというと「観念的な要素を一切考えずに実用性のみを追い求める思想」のように見えるが、宇野は丁寧に

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    2021年01月31日
  • 保守主義とは何か 反フランス革命から現代日本まで

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    もともとは坂井豊貴と共著していたので名前だけ知っていたところ、ニュースで大々的に取り上げられているのを見て購入した。

    文体に若干の特徴がある、人名で索引を引けない、など多少の読みにくさはある。しかし「あとがき」でも書かれている通り、保守主義を語る上では外せない歴史が詰め込まれていると感じる。立ち位置もニュートラルな印象。
    学校科目でいえば「世界史」や「倫理」に対する自分の知識・理解が足りないゆえに吸収し切れていない部分が多いので、高校教科書を一読したうえで再読してみたい。

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    2020年11月01日
  • 未来をはじめる

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    今話題の「学術会議」拒否問題の渦中?の宇野先生の著書。豊島岡女子中高校で先生が実際に行ったワークショップ?が元になっている。大学教員が中高生が目的意識を持ちやすいようにわかりやすく問題設定を行い、考えてもらうようにできているので読みやすい。ルソー・カント・ヘーゲルからトクヴィル・ウイリアムスジェームスまで、広く哲学者の問題意識に即した思想を紹介しつつ、今の日本の政治の問題点を炙り出している。やはり一番印象に残ったのは、「多数決は一つの決め方にすぎない。昔からあって当たり前と思っている制度も、たかだか200年前ぐらい前にできた
    ものであり、問題点を考えながらアップデートしていく必要がある」という

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    2020年10月27日
  • 未来をはじめる

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    東大教授の著者が豊島岡女子学園の生徒たちに対して行った全5回の講義をもとに人と一緒にいることと政治について様々な観点から向き合い方についてまとめた一冊。

    選挙や男女平等、働きかた、未来予測など様々なテーマについて政治について講義されていて非常に考えさせられる内容でした。
    また講義を聞いている学生たちの意識の高さにも舌を巻きました。
    2016年の大統領選挙のことや今の民主主義の弱点などを知れたり、働きかたや社会保障と税負担の問題など自分たちの生活の中にも密接に関係のある政治について書かれており関心が深まる内容となっていました。
    また、ロールズやルソー、カント、ヘーゲルといった考え方から政治を考

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    2020年08月01日
  • 未来をはじめる

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    政治哲学の今っぽい(いい意味)入門書。「政治のことなんて誰も教えてくれなかった」と言っている人に届け!

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    2020年06月20日
  • 未来をはじめる

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    ネタバレ

    flierでの紹介で興味を持ち購入。
    思った以上に幅広く政治のことを取り上げていて、1講目から大変面白く読むことができた。豊島岡女子でやっただけあり働き方のことについての女性からの意見など、勉強になることが多かった。また世代別選挙区制度というのも、正直初めて知った。
    最後の座談会は等身大な感もありつつ皆しっかり意見が出ていて、自分もこの子達と議論できるようにしていきたいと感じた。

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    2019年01月20日
  • 未来をはじめる

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    政治学の入門書。都内の女子校での講義をベースにしたもの。トランプ大統領や電通の自殺の件など、国内外の時事問題を具体例として扱いつつ、政治学の話題に繋げていっている。とくに第4章の選挙制度の話が面白かった。できれば、現代政治の重要な要素として官僚制についても話題にしてほしかったところ。
    いずれにせよ、わかりやすい政治学の入門書としてお勧め。イラストも内容理解に役立つ。

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    2019年01月13日
  • 大人のための社会科--未来を語るために

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    大学の先生が、大人のために、個人主義とかGDPとか多数決とか公正や信頼などについて解説してくれる本。

    多数決は何かを決めるときに必ずしもベストな手段ではないとか、なるほど。

    利己主義は昔からあるけれど、個人主義は比較的新しいもので、国によって発生過程が異なり、「フランス革命に反対する勢力が、社会を解体する良くないものだと否定する文脈から登場し、19世紀半ば以降の英国では、個人の自由な経済活動が『小さな政府』とセットで強調されるようになり、哲学と文学が盛んだったドイツでは多様な個性を重んじる個人主義が重んじられ、アメリカでは他人の力を借りず一人でやりとげる『セルフ・メイド・マン』の概念と結び

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    2018年12月02日
  • 未来をはじめる

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    もっと若い、学生の頃に出会いたかったなあと思う本。中学生、高校生にオススメ。
    巻末の参考文献もチェックしたい。

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    2018年11月25日
  • 〈私〉時代のデモクラシー

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    近代化がある程度達成されることで、人びとが自分を他者と平等であるような存在だと考えるようになり、そのために自他の違いについてますます敏感にならざるをえないことが、現代の社会のさまざまなひずみを生み出していることを、トクヴィルをはじめ現代の多くの社会学者たちの議論を参照しながら考察している本です。

    ウルリッヒ・ベックによって焦点が向けられて以来、さかんに論じられてきた再帰的近代化の一つの側面を、わかりやすくていねいに論じています。著者は、単に問題の所在を指摘するだけでなく、それに対する処方箋を提示することもみずからの責務だと考えているようですが、結論としてはやや弱いと感じられます。また、かなら

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    2018年11月21日
  • 未来をはじめる

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    中学・高校で行われた5回の講義。難しい内容を扱っているが学生向けなのでわかりやすい。
    あとがきにもあったが、「君たちはどう生きるか」の続編として、高校までの教育と大学での教育の間のギャップを埋めるという狙いはすばらしいと思う。

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    2018年11月13日
  • 未来をはじめる

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    高校生に対して講義形式で書かれていて読みやすい
    どんなに世界が大きく変容しても、人と一緒にいるという事は変わらない。
    そんな『人と一緒にいる』という基本的感覚から始まり政治を考える本

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    2018年10月22日
  • 大人のための社会科--未来を語るために

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    現代社会の抱える課題について、経済学・歴史学・政治学・社会学の視点から考えている作品です。

    経済成長の基準とされる「GDP」について、その数値が示すものの意味と、GDP値を上昇させることの意味。
    また、日本において根深く残る「勤労」感(働かざる者食うべからず、として貧困層をかれらの努力不足と断じる姿勢など)がどのように醸成されてきたのか。
    多数決で物事を決定してゆく民主主義が抱えているシステム的な「課題」や、また「社会福祉」として行われる弱者救済が「人びとのニーズ」に合致しなければならないことなど、「これから先の社会」を考える前提としての「現代の社会」について、どのような仕組みで動いているの

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    2018年03月27日
  • 大人のための社会科--未来を語るために

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    公平、多数決にかかわるパートは共感。ただし歴史認識のところは、単純に現在の取り組みに対して批判的なスタンスに寄り過ぎな気がする。

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    2018年10月14日
  • 大人のための社会科--未来を語るために

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    のっけから、「上から目線で書きます」んんん、何、上から目線?
    社会について本を書くというのは、もう言わなくても上から目線だろ。
    カチ~~ン。でも、おもしろかった。GDPもこんな風に考えたことなかった。

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    2017年12月29日
  • 大人のための社会科--未来を語るために

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    前々から気になっていた井出英策。今年一発目の本として「日本財政 転換の指針」を開き、ちょうど就任式を迎えたトランプ大統領の移民を排斥しようとする政策がなぜ得票に繋がるのか?の不思議に始めて明快な説明を受けたような気がして、講演会も聴きに行き、そこで民進党の前原誠司のブレーンとして研究だけじゃなく現実にコミットする!という宣言を聴き、著作も辿りながら、「財政」という自分にとっての新しいキーワードを手繰ってきた2017年は「大人のための社会科」を読んでの締めくくりとなりました。たぶん彼の案による「all for all」にも強いメッセージを感じ期待もしていたのですが、呆気なくテイクオフ出来ず瓦解崩

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    2017年12月04日
  • 保守主義とは何か 反フランス革命から現代日本まで

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    リベラリズムやポピュリズムに比べ焦点の当てられることの少ない保守主義について取り上げた一冊。
    どちらかといえば地味な立ち位置であるため、目を向けにくい部分ではありますが、これまで語り継がれてきた「伝統」を守るという意味で必要な考え方かもしれません。
    主義というと凝り固まった考え方になってしまいますが、進歩主義と保守主義の良いところを抽出した見方を持つことが重要だと感じました。

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    2017年10月09日
  • 保守主義とは何か 反フランス革命から現代日本まで

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    進歩主義に対抗して生まれた保守主義は、それゆえにその内容は不明確な部分が多く、何なのかが分かりにくいところがあります。それは何故なのかについて、その歴史的な成り立ちを解説することで解かれています。時代時代でその主人公は変わりますが、保守たる意義を受け継いで、保守の定義を守り続けること、これが弛まなく続いて来たのだと分かります。保守というが何を守っているのか。本書を読むことで彼らの成さんとするところを知ることができました。

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    2017年06月25日