宇野重規のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
はい、ルソーを100ページで!
いやいやいやいや
それは無理!さすがに無理!
『社会契約論』ですよ?
ルソーなんてあんな複雑怪奇な人を100ページてあーた…
いけたー!
しかも分かりやすー!
スゲーぜ、宇野重規さん
んでわいはその素晴らしい100ページをさらにざっくり行きます
「自由でいたい」と「みんなと仲良くしたい」は両立できるの?という問いがスタートです
無理じゃね?っていうね
だってみんなと仲良くしようと思ったら、お互いに多少は譲り合わないとじゃん?
で、譲ってる時点でもう自由ではないわけ
じゃあ無理じゃね?
これに対してルソーはどう言ってるかっていうと
うん、そう!理想と現実のギャップってやつよねー
無理よねー
でもさー、一回ちょっとそこをさ
そのギャップってやつを無くせる方法はないか、超真剣にみんなで考えてみようぜ!という
それがルソーちゃんの主張
その過程で、なんかいい感じのやつ出てくるかもしれんやん
うん、そう
現実は…と、あきらめる前にみんなで足掻く!
その結果、みんなが自由で、仲良くできる社会ってやつが実現できる!
かもね! -
Posted by ブクログ
COTENラジオの民主主義の回もなかなかに聞きごたえがあったが、本書とずいぶんかぶってるなと思ったら、かなりの部分この本がネタになっているのがよくわかった。それほど民主主義を歴史をたどって中身をダイジェストに重要な点だけを教えてくれるのだが、流れを追ってみるとなるほど非常によくわかる。
読み終わって愕然とするのは民主主義とは何と困難で手間のかかる面倒くさい政治制度なのだろうということ。言ってみれば嫌いになってしまうのだ民主主義が。チャーチルの名言である「民主主義は最悪の政治形態と言える。ただし、これまでに試みられてきた他のすべての政治形態を除いては」にすがって、信じて生きていこうと思う。は -
Posted by ブクログ
分かりやすかった。民主主義の始まりはこんな内容だった、理想は既に示されてたんだな。
読んでみて、現代の民主主義と言われるものがかなりの紛い物だってことが分かった。ただ、この理想はかなり難しいと思う。これに如何に近づけるかが現実の落とし所だと思うけど、問題は近づいている基準がおそらく人によって違うところ、全員がルソーの民主主義に近づいてったら今権力を持ってる人からしたら困るだろうし。
誰かめちゃくちゃ優秀な権力者が現れてこの仕組みを実現してくれないかしら。
以下読んでて感じたことやメモ。
「どうすれば共同の力のすべてをもって、それぞれの成員の人格と財産を守り、保護できる結合の形式をみいだすことができるだろうか。この結合において、各人はすべての人々と結びつきながら、しかも自分にしか服従せず、それ以前と同じように自由でありつづけることができなければならない」。これが根本的な問題であり、これを解決するのが社会契約である。
現代人は人と仲良くするということは自分のしたいことをある程度我慢しなければならない、「自由を取るか、強調を取るか」の二者一択しかないと思い込んでいる。しかしルソーは「完璧に自由でありながら、完璧に人と仲良くする」ということについて徹底的に考えた。
「自由」と「欲望の奴隷」は全く違う。「ラーメンが食べたい!」とラーメンを衝動的に食べるのは自由な行動をしているのではなく、欲望に支配されているだけ。本当の自由とは自分でルールを決め、それに自発的に従う時。自立する自由。
ルソーのいう社会契約とは、全ての人が人格と力を”一般意志”の最高指導のもとに委ねることだという。ただし、ここで注意したいのは、彼の言う「一般意志」が、現代の選挙制度のような「多数派が勝ち、その意見が国民全体の意志と見なされる」という考え方とは根本的に異なる点。
ルソーが指す「一般意志」とは、市民全員が真剣に話し合い、互いの立場を認め合いながら、議論を尽くして作り上げた純粋な共通の意志のこと。そして、そのようにして生まれた「一般意志」に、人々が「自発的に従う」ことでこそ、市民は真に自由になれると彼は考えた。だからこそ、ルソーの中では社会の一員である「個人」と、その集合体である「人民」は、一体のものだった。
ルソーが理想としたのは、まず一人ひとりが他人の思惑に惑わされず、自分自身で深く考えること。そして、そのうえで全員が集まり、その場で真剣に議論を交わすこと。そうした純粋なプロセスの中から生まれる「一般意志」こそが、本物だと考えていた。
また、立法者と執行者は別でないといけないともいう。確かに、当たり前だけどルールを決めた人がその恩恵を受けられるなら有利なルールを作るよな、全員が平等にメリットを受けられるルール作りから必要という難しい課題。
執行権については、小国には民主制、大国には君主制、中くらいの規模の国には貴族制が合ってるという。日本は人口的には大国だから民主制は難しいんだろうな、投票率から見ても。やっぱり全員に投票権なんか要らないような。
主権は譲渡されえない。同じ理由から、主権は代表されえない。主権は本質的に一般意志のうちにあり、そして意志というものは代表されるものではない。
現代の代表者に投票=民意というものはそもそも民主制では無いという。昔から国民は投票日のみ主役として担がれ、その後は放置されることが問題とされてきていた、現代もまさにそのようになっていて国民の思いや悩みは政治に反映されにくくなっているのはこのシステム上の必然とも言えるのかもしれない。 -
Posted by ブクログ
オススメしたい!と素直に思える一冊に出会えました
タイトルはメンカタですが、自分だったら「ファンダム発想が民主主義をアップデートする」って付けたくなるくらいの腹落ち感です
腹落ちポイントを書いたらキリがないんですが、
推しからの一方的な情報だけじゃなく、ファン同士が推しをいかに広げるかを勝手に語る行為は、「隙間を埋める物語」であり、選挙とデモだけが政治参加となってしまっている今の民主主義にも、もっと隙間の物語が重要なんじゃないかとか
SNSに日々投稿される「やってみた」のように、「政治をやってみた」みたいな共創コンテンツになっていったら政治も楽しくなるんじゃないかとか
シェアの定義を「分配する」じゃなくて、「持ち寄る」ってすれば、みんながアイデアを持ち寄り自然と政治に参加するようになるんじゃないかとか
DIYはIT(それ)を決めないで、DO(やる)を自由にすれば「出来ることをやる」ようになるんじゃないかとか
そういう「絶えず実験をしながら、問いを探していく社会」が「とりあえずアップしてバグがあったら都度直すネットのやり方」と相性がいいはずだと
対談形式で聞き手がファンダム分析第一人者の若林恵さんなので、政治哲学とイン・ザ・メガチャーチがブレンドされたような読み安さも私のような政治オンチに刺さりまくりでした -
Posted by ブクログ
すっごく分かりやすい保守主義についての概説書だった
本書が拠って立つ保守主義とは、バークによる「①保守すべきは具体的な制度や慣習であり、②そのような制度や慣習は歴史のなかで培われたものであることを忘れてはならず、さらに、③大切なのは自由を雑持することであり、④民主化を前提にしつつ、秩序ある漸進的改革が目指される」ものであり、一見想像されるような頑迷固陋で懐古主義的なものではない
この前提の下、保守主義の原点とされるバークの保守主義から二十世紀イギリスにおけるエリオットやハイエク、オークショットらの保守主義、イギリスと同じく自由主義の土台をもっていたアメリカの保守主義、最後には日本における保守主義について自由闊達に書かれている
個人的には、そもそも保守派がなんで何らかの価値を守りたがるのかという根本的な部分についてバークによる意見を知れたことと、保守主義が対抗すべきは「進歩主義」であり「自由主義(リベラリズム)」ではないことを知れたのが大きかった
ハイエクによる「法の支配(イソノミア)」の発想はルソーの「一般意志」に通ずるものを感じたし、オークショットが、保守主義は進歩に対する単なる「反動」ではなく人間の理性に対する「謙虚」な態度だ、みたいなことを言ってたことには感服した
オークショットが本書に登場した人の中で一番好きだね
最終章、日本における保守主義については、そもそも明治維新に加えて敗戦と占領など歴史の「断絶」を経験してきた近代日本に果たして保守主義と言えるものが存在したのかという主題で、議論が非常に面白かった
まとめ方も、今後の保守主義の可能性について希望がもてるもので読後感も満足だった -
Posted by ブクログ
保守思想史の決定版。
エドマンド・バークから現代にまで連なる保守主義を、それぞれの時代における進歩主義の潮流に合わせて紹介するコンパクトな概説書。「保守」がプラスティックワード化した現代において、保守思想を丁寧に捉え直したいという著者の意欲が垣間見えた。
源流であるバークの保守思想は、❶制度(法・慣習・暗黙のルール)❷歴史的蓄積❸自由の擁護❹民主主義に則ったものであり、ここを理解しておくと、後の時代の思想家の話も理解し易い。フランス革命や社会主義、大きな政府といった進歩主義の内に潜む無意識の傲慢を暴き出した保守思想は深みがあり、楽しく読み進めることが出来た。個人的には、計画や合理性に基づく社会主義を鋭く批判した、ハイエクやオークショットの思想を興味深く感じた。
終章にある通り、進歩主義の退潮が明らかな現代において、保守主義の思想的基盤は揺らいでいると言わざるを得ない。個人的な「何かを守りたい」という感情を起点とした、開かれた保守主義の確立を目指すにあたって、本書で触れられた過去の保守思想について学び直し、再解釈していくことが有意義であろう。
政治信条は保守であると自認する方々にこそ読んでほしい一冊である。 -
Posted by ブクログ
2026年2月8日は衆議院議員選挙投票日。その前日にこのレビューを書いている。
この本は「選挙」とタイトルが付いてはいるが、政治だけに限定されない、いまの日本が抱える諸問題を広く網羅した、中学校社会や高校公民の良質な参考書ともなりうる。
私は16ページでもう引き込まれた。だって1ページ使って「投票したい候補者がいない場合はどうすればいいの?」について書かれている。「民主主義」や「政治参加」もいった教科書的なテーマも大事だが、おそらく多くの人の心に引っかかっている“現実”にスパンと冒頭から切り込んでいるのは、専門書ではないというのを逆に生かして本質を突くという点で見事だ。
ちなみに「~どうすればいいの?」という問いに対しては、ずばり「投票は『ベストを選ぶ』ことではない。」と書いてある。「候補者の中からしか選べないのですから、『どちらかといったらこの人だな』『A党の政策とB党の政策を比べたら、A党のほうがマシだな』など、さまざまな観点で、よりマシなほうを選択する姿勢が重要になります。」とある。
目から鱗が落ちた。だって私が住む大阪市では、同時に大阪市長と大阪府知事の選挙もある。一部では元職の市長や知事に対する批判という意味で“白票”を投じようとする声を耳にしたが、それは意味がないし民主主義の原則にも反するのだと、この本の読後では思えるようになり、私は誰に投票するかを決めることができた。
それと特筆したいのが、この本に掲載されたテーマの幅広さ。「消費税率」から始まり、「医療費」「教育費」そして「男女格差」「貧困」があるのはわかるが、さらにページを進むと「同性婚」「難民」「死刑」に「海洋プラスチック」もある。これは幅広い。だが振り返って考えてみると、ここまで現代日本が抱える課題を網羅して国政選挙に出ようとしている候補者や政党は、私が寡聞だからなのか見つけることができなかった。どの候補者や政党も耳触りの良い目先の“エサ”を有権者の目前にぶら下げることに執心しているように見えた。一方でこの本では、真剣に現代日本の課題の解決に踏み出すための考察に向けて、世界各国との対比や正確な現状分析などを豊富な資料を踏まえて行っている。そこまで深く広く有権者に示せた候補者や政党はあったか? そんな頼りない候補者や政党ばかりでは、私ならずとも多くの有権者が「投票したい候補者がいない」とさぞかし困っているに違いない。そんな多くの悩める人に、この本を勧めたい。
さらに書くと、この本はロシアのウクライナ侵攻により世界的なエネルギー価格の上昇が起こり、日本でも電気やガス料金の値上げがあったことが書かれているなど、アップトゥデイトな内容。たぶん企画から校了まで時間との闘いで怒涛の勢いだったのだろうけれど、言うほど簡単ではないのは推測できる。教科書会社ならできるかもしれないが、Gakkenもそれに匹敵するノウハウやスタッフを有していたということだろうか。
さらにイラストを効果的に使い、デザインやレイアウトもすっきりしていて読みやすい。(イラストは寄藤文平さんや佐藤雅彦さんのアートワークみたいな感じと書けばわかるかな。)奥付にはデザインは吉田考宏さん、イラストは梶谷牧子さんとある。この2人をはじめとしたすべての編集、発行スタッフに、改めて拍手を送りたい。 -
Posted by ブクログ
びっくりするぐらいいい本だった
「物分りの良すぎる」現代人に一石を投じるという意味でも、ルソーを今読む価値は充分あると知らしめる名著
「人は生れながら自由で、しかもいたるところで鎖に縛られている。」
一般意志に代表されるように、ルソーはしばしば理想主義者だと言われてきた(し、私もそう思ってた)が、その実彼は現実主義者でもあった、というように価値観を転倒させてくれる
理想論者では間違いなくあるものの、彼の唱えた理想は「お花畑的」理想ではなく「現実的」理想であり、これを目指して努力していって欲しいと目標を提示する意味で理想の社会を考案していた
それに、現実に打ちのめされないために自らの価値観を徹底的に守り抜く覚悟を示すべきだという箇所は感動した
社会全体に諦めが蔓延してる中で、むしろ理想を掲げて邁進しよう!と鼓吹するルソーはいいショック剤になり得ると思う -
Posted by ブクログ
これまで「政治」と「企業=経済」はそれぞれ独自の原理で動いていると思っていましたが、ビジネスの現場で「民主主義的な思考と実践」が要請されていると感じるシーンが多くなり、そもそも「民主主義」とは何かを考えるために本書を手に取りました。
多くの企業が「社会的ミッション」と「労働者の自己実現」をどちらも達成するために、様々な改革を実施している中で、本書を読み終えた後、「社会的ミッション実現=民主主義的な目標」「労働者の自己実現=自由主義的な目標」と捉えることにしました。政治の世界だけではなく、経済の世界でも「人々が等しく自由でいられる民主的組織」を目指すためには、民主主義の歴史的遍歴を学ぶ意義を感じました。
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Posted by ブクログ
著者の著作は時々手を取っているが、その中でも現実に具体的に触れている程度が非常に高く感じた。
概念についての論考から始まり、その考え方の具体例をそれぞれの論客を取り上げて整理した上で、現代史から実世界を論じている。どちらの思想に対しても目配りが効いていると思う。そして、思想というものの重要性をとても認識させられる一冊である。政治世界だけでなく、現実世界をどう解釈するのか、という点において自分自身の考え方を相対的にできるように意識できるように、これまでの考え方の束としての思想に触れていきたい。
取り上げている論客への道標でもありつつ、確かな読み応えを味わえる読み物であるといえよう。
なお、丸山の章だけ専門的記述が多くなっているように感じたが、初出の場所によるものと思われる。このことによって論旨が損なわれるものではないだろう。 -
Posted by ブクログ
議会制、選挙、自由は、本質的に民主主義と結合した概念ではなくて、歴史の趨勢がそれらを結合させ民主主義を現在の姿に変えていった。本書は、民主主義を政治史の俎上で相対化し民主主義そのものの姿を明らかにする。
著者は民主主義をめぐる歴史において古代ギリシアを特別視していることを認めている。先史の原始的な人間集団のなかで民主主義的プロセスが自治的な合意形成に利用されたことはありえたとしながらも、古代ギリシアのポリスでは市民が民主主義的制度とその実践に自覚的に取り組み、徹底化していた点で一線を画すという。
民主主義がときに誤るとしても自己修正が可能であるというのは、プラトンの哲人政治が持続性を持たないとするポパーと整合していると思った。
このような本を読んで思うのは、歴史上ある制度が偉大な成果を残したからこれからもうまく機能するとか、今の世界は歴史上のある状況に似ているから次はこうなるはずだとか、ヒストリカルな目線だけではダメだということ。
本書のように歴史上の事象に対して帰納的態度で臨まないと、社会の事物の本質は見えてこないのだと思う。