とりあえず、受験生は読んでおこう。公民はもちろん、世界史や日本史、現代文や小論文、面接対策にも有効。
民主主義を「参加と責任のシステム」と捉えて、その難しさと可能性を歴史的変遷を踏まえて明快に伝えてくれる。
考えさせられるのは、どのようにすれば民主主義を信じられるようになるのか、ということ。一言で
...続きを読む言って、民主主義は面倒くさい。自分たちのことを自分たちで決めて、その結果にも責任を取る、ということを日常的にやれ、と言われたら本当に大変。そもそも「自分たち」という枠のサイズ決めからメンバー選定までやらなきゃならないわけだから、手続きに次ぐ手続きでヘトヘトになる。ちょっと前なら「地区」とか「民区」とか「子ども会」みたいな「あらかじめのフレーム」が充満してたから、枠作りはスキップできたのが、今、住民の流動性がめちゃくちゃ高くなっちゃったから、そこも一から、っていう場合が少なくない。思考停止してよい範囲が狭くなってる、当たり前の領域が狭い、と言ってもいいかもしれない。
どうしたもんかなぁ。
ひとつのアイディアとしては、学校教育かなぁ。少なくとも訓練による癖づけはできるわけだから。
地元のある中学校では、そこの自治体の議会の議題を中学生に出させているらしい。けっこう効果はあるみたい。うちの娘の幼稚園では、発表会の内容や運動会で披露するダンスの振り付け、お芝居の配役は子どもたちが決めている。合い言葉は「自分たちがやりたいから自分たちで決める」らしい。もちろん、こういう個別の取り組みが次の学校での取り組みに有機的に繋がっているわけではないし、先生方個々の指導能力にも左右されてしまって形骸化する可能性も小さくないけど、そこをこそ変えていけないものかと。ブレイディみかこさんの著書を読んでいて思ったことを、今回も思った。