宇野重規のレビュー一覧

  • 実験の民主主義 トクヴィルの思想からデジタル、ファンダムへ
    とても面白かった。タイトルに民主主義が入っているから政治的なことがメインかと思いきや、ビジネスや社会参加、生産者と消費者の関係性まで、幅広い議論が行われている。知識や技術の「民主化」により、平等化が進むが、それは必ずしも平和や安定を意味せず、むしろ細かい違いに注目がいき、差別や偏見を生むことになる。...続きを読む
  • 未来をはじめる
    人と100%のコミュニケーションがしたいけどみんな本心見せてくれないことに悩んでいたと紹介されていたルソーに親しみを抱いた。女子校で行われた講義を書籍にしたもので、多数決の考え方や、何か決めることって難しいということをもうちょっと意識して高校生活を送ってみたかったと思った。
    民主主義の形として、ちゃ...続きを読む
  • 実験の民主主義 トクヴィルの思想からデジタル、ファンダムへ
    戦後の日本では職業を通じて経済活動をしていれば立派な社会の一員だった。民主主義とは何か、面白い一冊だった。
  • 実験の民主主義 トクヴィルの思想からデジタル、ファンダムへ
    トクヴィルが見たアメリカは「民主主義の実験場」。

    「平等化」を促したものとして、プロテスタンティズム、銃、印刷、郵便というものを挙げている。

    それまでの教育は過去から伝わる「規範」を身につけるものだったが、平等化の趨勢は、「自分で考える」ことを促していくのではないか?

    「政治的集権化(政権)」...続きを読む
  • 未来をはじめる
    高校生に勧められる本を探して。凄く良かったです!対談形式なのも読みやすい。そして講義を受けている高校生たちの聡明なこと!(自分が高校生だったらこんな応答できただろうか?)
    思想家たちについても可愛らしいマンガと、愛の溢れる解説があってよかったです。ルソーやヘーゲルなど鉄板の思想家が登場しており、安心...続きを読む
  • 大人のための社会科--未来を語るために
    社会の一員として、私たちの問題を私たちで考え、決め、動かして行く人が、大人だとわかった。

    ・情報を盲信せず、自分の頭で考え判断すること
    ・変化を捉えるためには過去を理解すること
    ・人は忘れ、解釈も変わる、だからこそ事実を記録に残すこと
    ・一分野に固執せず、視野を広く保つこと

    社会で生きていく上で...続きを読む
  • 民主主義とは何か
    「ためになる新書」という意味では今まで読んだ中で一番と言ってもいい本。

    日本政治学会の理事長も務めるフランス政治思想の第一人者、宇野重規が民主主義の視点から政治思想史の流れを過不足なくまとめた良書。
    新書というジャンルは基本的に読み捨て前提で多読するものと思っているが、この本に関しては珍しく他の本...続きを読む
  • 保守主義とは何か 反フランス革命から現代日本まで
    めちゃくちゃ良い本だった。保守主義とは何を「保守」するのか、フランス革命に対して、社会主義に対して、大きな政府に対して、それぞれの歴史の中での文脈がとてもわかりやすい。ややこしいのはナショナリズム的なイデオロギーや新自由主義との結合、そしてネオコンの登場特に対外介入、東欧からのユダヤ移民の反共姿勢、...続きを読む
  • 〈私〉時代のデモクラシー
    ちょうど同著者の『民主主義とは何か』を読み終えたところで、およそ3年ぶりに再読。せっかくなのでここ数年の間に流行したAdoの『うっせぇわ』と簡単に絡めてみる。

    「私が俗に言う天才です」と自分は特別であると思おうとすると同時に、「私も大概だけど」と心のどこかでは他人と何ら変わらないことを感じている。...続きを読む
  • 大人のための社会科--未来を語るために
    ポピュリズムに危機感を持つ「大衆」が読むのにちょうどよい本。
    答えを示してくれるわけではないが、それこそが答え。
    各人が考えるべし。それが「社会人」の本来の意味ではないか。
  • 民主主義とは何か
    民主主義について書かれた本。

    民主主義は独裁と異なり、成長していくものである。何故ならば、民主政治において、人々は主体性を持ち、責任を感じながら、意思決定をしていくことが求められるからだ。著者は民主主義について明確な定義をしていない。しかし、民主主義に関しては肯定的な意見を持っているように思われる...続きを読む
  • 民主主義とは何か
    民主主義とは何か、を正面から考えまとめられた本です。結論としての「公開による透明性」「参加を通じての当事者意識」「判断に伴う責任」は、いずれも当たり前に見えてしまいますが、そこに至る様々な経緯、民主主義に対する厳しい現実と批判、解決への困難性を読むにつれ、それでもこの3つは大事にしなくてはならないも...続きを読む
  • 学問と政治 学術会議任命拒否問題とは何か
    菅首相による学術会議の任命拒否について、簡略に説明されている。学術会議の歴史、現状、拒否された本人からの推測についてマスメディアよりも詳しく書いてあるので、学術会議についての基礎的な知識と任命拒否の問題点を知るにはよい。
  • 自分で始めた人たち~社会を変える新しい民主主義
    民主主義って本の最後の方にも書かれてたけど言葉からの先入観があって、選挙のことをイメージするし、動詞的ではなく名詞的で、なんとなく主義というものに他人事感があったけど、この本読んでくうちに いやいやこれ自分のことやん、それこそ最近職場で感じたモヤモヤのことやん、、て腑に落ちまくりで内臓突き破られまし...続きを読む
  • 民主主義とは何か
    そもそも政治にあまり興味がなかったが、あんまり政治に興味がなくてもいけないだろうと思ってこの本を読んでみた。民主主義とは何か、というタイトルから、民主主義というものについてざっくり何かが掴めるかと思ったが、この本を読んでわかったことは「難しい」ということであって、前以上に掴めなくなった。この本によっ...続きを読む
  • 民主主義とは何か
     「民主主義について過不足ない本を書いてみたい」という著者の思いが見事に実現した良書です。既に、2021年度の石橋湛山賞を受賞し、書評等でも高評価になっていますが首肯できる内容です(この一冊で、大学のテキストにもなるくらいコンパクトかつ親切なつくり)。政治思想史とも言え、古代ギリシャから現代までの考...続きを読む
  • 民主主義とは何か
    タイトルの通り、民主主義とはなんなのか、その概説を記したものとして傑作です。間違いなくマスターピースの一つでしょう。学生から大人まで、初学者にお薦めです。
  • 民主主義とは何か
    民主主義について、古代ギリシアから現代までに至る変遷を、丁寧にまとめた本。その時代毎の人々の言説をもとに分析しているので、変遷がよく分かる。

    この本の「民主主義」を、橋場弦氏の「参加と責任のシステム」として捉えている。この考え方は明快で、普段からも意識したいものだと思った。

    難しかったが、もう一...続きを読む
  • 民主主義とは何か
    とりあえず、受験生は読んでおこう。公民はもちろん、世界史や日本史、現代文や小論文、面接対策にも有効。

    民主主義を「参加と責任のシステム」と捉えて、その難しさと可能性を歴史的変遷を踏まえて明快に伝えてくれる。
    考えさせられるのは、どのようにすれば民主主義を信じられるようになるのか、ということ。一言で...続きを読む
  • 未来をはじめる
    著者の高校生への政治に関する講義を書籍化したもの。
    政治に関する講義と言っても、高校生にとって(そして多くの大人にとっても)非常に身近な話題を軸に行われた講義のため、読みやすくまた内容の理解もしやすかった。
    高校生とのやり取りも収録されているため、まるで自分が高校生と一緒になって講義を聞いているかの...続きを読む