宇野重規のレビュー一覧
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民主主義の成り立ちを平易に解説した本。古代ギリシアから近代ヨーロッパ・近代アメリカ、そして戦後まで民主主義に関する思想もしくは当時の政治体制を扱っている。
筆者の民主主義についての基本スタンスは、古代ギリシアのポリスで行われたような、市民が「討議」に直接「参加」し、その結果に「責任」をもつという態度で行う政治体制である、というものである。
代議制民主主義がスタンダードである現在、選挙に行くことが民主主義であることのように信じられている。学校でも、投票率の低下が嘆かれ、選挙に行くことが「善」であるかのように刷り込まれている。
このような、選挙が自己目的化している状況で、さらには、あらゆる政治 -
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ルソーの本を数ヶ月内に読みたいと思っているので、手に取ってみた。非常に平易にコンパクトにまとまっている。民主主義が危機に瀕していると言われて久しいが、その守護者であるルソーの思想をパッと理解できるのは有難い。また、現代の私たちがルソーから学べることに関する著者の考えも大変面白く、ここを知るだけでも価値があると思った。宇野さんなので間違いはないですね。
私はどうしても哲学者の思想そのものというより、ライフヒストリーを追ってしまう性質がある。
ある事を人類史を動かすほどに突き詰めて考えるには、それなりの原動力や思いがあるはずだ。そこの理解なしには、思想を丸ごと理解することはできないと思っている。 -
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宇野重規氏は、東大社会科学研究所教授であり、2024年より同研究所の所長を務める政治学者。1967年島根県生まれ。東大法学部卒業後、同大学院法学政治学研究科博士課程を経て、千葉大学助教授、東大准教授を歴任。専門は政治思想史・政治哲学で、民主主義、保守・リベラル思想、宗教と政治の関係などを中心に研究を行う。『トクヴィル 平等と不平等の理論家』(サントリー学芸賞受賞)、『保守主義とは何か』、『民主主義とは何か』、『政治哲学へ』など多数の著作があり、現代社会における政治の意味や公共性を問い直す言論活動でも注目されている。
本書の大まかな内容は以下の通り。
◆保守主義とは、それ自体として一個の一貫した -
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言わずと知れたCOTEN RADIO
「民主主義」編のタネ本のひとつ。
本屋さんでは社会学、橋爪大三郎先生の本と迷って結局こっちにした。
それ以前にも概念としては近いものがあったものの、民主主義の源流を古代ギリシアに遡り2500年間の歴史を振り返る。民主主義についての考え方というか、つきあい方というか、何度も聴いたCOTEN RADIOのおさらいにはなるものの、やはり書籍で辿っていくのとでは感じ方が変わる。
2年前にはじめてCOTEN RADIOで民主主義編を聴いた時、民主主義の印象が世界的に変化していることに驚いた。
あの頃はようやくコロナが落ち着いてきたような時代背景で、イギリスの -
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難しかったけど、民主主義の歴史や経緯がコンパクトにまとまっていて素晴らしい一冊だと思いました!また再読します!読んでて「あれ?この人のこの思想って反民主主義なんだっけ?それとも民主主義の亜種なんだっけ?」と混乱しちゃったので次は気を付けて読みます(苦笑)。
民主主義ってずっと西側諸国で支持されてる思想だと思っていたのですが、そうでもなかったというのが意外でした。ずっと共和主義(…と呼ぶのかな?)との対比の中で欠陥のある思想として語られていたとは。余談ですが、今のアメリカの民主党と共和党って、共和党の方が民主主義っほくて、民主党は共和主義っぽいイメージありますよね。
社会主義との比較とか、ア -
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民主主義って?
民主主義国である日本に生まれ育ってもなかなか答えられない。自由主義と民主主義は相容れないこともあるって?
議会制度が必ずしも民主主義ではない?
民主主義は長い間、肯定的に語られてこなかった?
身近にあるはずなのに、全然理解できていない事柄がたくさん。
アテナイの直接民主主義から歴史を追って説明し、最後に日本とこれからの民主主義に話が及ぶ。
個人的にはトクヴィルさんとミルさんの話は関心が深い。一人の偉人より、一人でも多くの当事者意識を持った集団の方がよりよく統治ができる。そんな議論もあり、民主主義が再度主流になってきたとしたら、なぜ経営は未だ独裁か少数経営なのか。それがティ -
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政治学者の宇野重規と豊島岡女子学園中高の生徒による、2017年に行われた5回の講義、対談集。アメリカのトランプ第一次政権のことにも触れられている。社会における対立を解決する手段としての政治や民主主義の考え方を取り扱う。働き方や、修学旅行の行き先を決める教室内の力関係などの身近なテーマを通して、社会の構造的な差別や、不均衡な力関係による不公平が社会に存在することなどを例示し、その中で社会に参加し、社会を変えるための方法として、政治の考え方を紹介している。その中では、ルソー、ヒューム、ヘーゲル、カント、アーレント、ウィリアムジェイムス、トクヴィル、そしてロールズに至る、西洋の政治哲学や、ピケティの
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ネタバレ選挙の結果が自分の想像力を超える事象が続いた2024年。選挙戦もSNSをうまく利用した人が勝つような、何を信じて良いかわからない時代に、民主主義とどう向き合っていけばよいのかについて、ここはやはり信頼できる宇野重規先生。トクヴィルについては今まであまりよく知らなかったけど、平等化の中で「想像力の変容」について考えていくことの意味は極めて現代的なテーマに思えた。
第3章の行政府への着目の中で、編集者も官僚もジェネラリストであり、様々なネットワークを持っているという点。行政の本来の役割として、市民生活をファシリテートするということ。これは我々の業界でも同じ流れではないかな。民主主義について言えば -
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・タイトル通り、働く大人が社会の問題点を考えるときの土台を教えてくれる本でした。
多分学生時代に社会で習ったことも多くあると思いますが、ピンときていないから覚えていないんですよね。
同じことを学んでも社会に出て経験を重ねることによって「あれは、こういうことだったんだな」と理解出来ることが多くあると思います。
そういうことが学べる本です。
・「労働の義務」ではなく憲法27条「勤労の義務」(まじめに労働にいそしむ)
を定めているのは日本だけ。
勤労の義務は25条「すべての国民は文化的で最低限度の生活を営む権利を有する(生存権)」と結びついている。
勤労の義務を果たしていなければ、生存権は保障され