宇野重規のレビュー一覧
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民主主義って?
民主主義国である日本に生まれ育ってもなかなか答えられない。自由主義と民主主義は相容れないこともあるって?
議会制度が必ずしも民主主義ではない?
民主主義は長い間、肯定的に語られてこなかった?
身近にあるはずなのに、全然理解できていない事柄がたくさん。
アテナイの直接民主主義から歴史を追って説明し、最後に日本とこれからの民主主義に話が及ぶ。
個人的にはトクヴィルさんとミルさんの話は関心が深い。一人の偉人より、一人でも多くの当事者意識を持った集団の方がよりよく統治ができる。そんな議論もあり、民主主義が再度主流になってきたとしたら、なぜ経営は未だ独裁か少数経営なのか。それがティ -
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政治学者の宇野重規と豊島岡女子学園中高の生徒による、2017年に行われた5回の講義、対談集。アメリカのトランプ第一次政権のことにも触れられている。社会における対立を解決する手段としての政治や民主主義の考え方を取り扱う。働き方や、修学旅行の行き先を決める教室内の力関係などの身近なテーマを通して、社会の構造的な差別や、不均衡な力関係による不公平が社会に存在することなどを例示し、その中で社会に参加し、社会を変えるための方法として、政治の考え方を紹介している。その中では、ルソー、ヒューム、ヘーゲル、カント、アーレント、ウィリアムジェイムス、トクヴィル、そしてロールズに至る、西洋の政治哲学や、ピケティの
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ネタバレ選挙の結果が自分の想像力を超える事象が続いた2024年。選挙戦もSNSをうまく利用した人が勝つような、何を信じて良いかわからない時代に、民主主義とどう向き合っていけばよいのかについて、ここはやはり信頼できる宇野重規先生。トクヴィルについては今まであまりよく知らなかったけど、平等化の中で「想像力の変容」について考えていくことの意味は極めて現代的なテーマに思えた。
第3章の行政府への着目の中で、編集者も官僚もジェネラリストであり、様々なネットワークを持っているという点。行政の本来の役割として、市民生活をファシリテートするということ。これは我々の業界でも同じ流れではないかな。民主主義について言えば -
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・タイトル通り、働く大人が社会の問題点を考えるときの土台を教えてくれる本でした。
多分学生時代に社会で習ったことも多くあると思いますが、ピンときていないから覚えていないんですよね。
同じことを学んでも社会に出て経験を重ねることによって「あれは、こういうことだったんだな」と理解出来ることが多くあると思います。
そういうことが学べる本です。
・「労働の義務」ではなく憲法27条「勤労の義務」(まじめに労働にいそしむ)
を定めているのは日本だけ。
勤労の義務は25条「すべての国民は文化的で最低限度の生活を営む権利を有する(生存権)」と結びついている。
勤労の義務を果たしていなければ、生存権は保障され -
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民主主義って何なのさ 世界を見渡せばポピュリズムの台頭、独裁に近い指導者達の蛮行、政治家達の腐敗。民主主義って本当に理想的な制度なのか疑いたくなるような今日この頃です。
多数決と少数派の尊重の関係をどう捉えるか、民主主義とは選挙に尽きるのか、民主主義は制度か理念か、の3つの問いかけから始まる本書は、民主主義の思想と制度の歴史を振り返りながら、今日的な課題の中から、民主主義とは何なのかを丁寧に考察した良書です。
ポピュリズムの問題は代議制民主主義への不信と
グローバルな格差拡大を背景としたもので、両者の解決なしには乗り越えられないこと、独裁と民主主義については、民主主義の本質を再認識し真の民主主 -
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プラグマティズムが生まれたのは南北戦争がきっかけ。
信念を共有しない人々の存在を許さないイデオロギー的な対立をいかに克服するか考えた末のもの。
ルソーは問う。全ての人々と結びつきながら、しかも自分自身にしか服従せず、自由であり続けることは可能か。答えは社会契約しかないと彼はいう。
それはその社会の共通の意志に従うことを約束すること
プラグマティストたちにとって、理念とは、人間が世界に適応し、世界を変えていくための実際的手段であった。ある理念は、それ自体で評価されるべきでなく、あくまでそれを使い、実践することと不可分であるとする考え。
「超越主義」の基礎にあるのは、強烈な理想主義と個人主 -
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民主主義の立法権だけではなく執行権(行政権)への着目、新たなアソシエーションとしてのファンダムの可能性への対話。
行政権のアップデートは萌芽を感じる。
ファンダムは試みとして興味深いが、ポピュリズム以外の着地が浮かばない。
第1章 「平等化」の趨勢
・平等化をめぐる想像力。かつてと比べて「違い」は相対化されたが、むしろその小さな違いに敏感になる。平等化の趨勢は不可逆。
・道具の民主化と民主主義化は別物
・個人主義の不安
第2章 ポストマンと結社
・政治的集権と行政的集権を区別する
・「自由を援け合う術」としての結社(アソシエーション)。デモクラシーを相対化する。
・宗教(所属する教会など)